バイオテクノロジー

NBRCニュース 第18号

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                   NBRCニュース No. 18(2012.12.3)
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 NBRCニュース第18号をお届けします。今号は、微生物あれこれ、微生物の培
養法、アジアの微生物の3つの連載記事をお届けします。また今号と次号では
「バイオエタノールと微生物」を掲載します。最後までお読みいただければ幸
いです。

(等幅フォントでご覧ください)

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 内容
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 1.第4回および5回NBRC微生物実験講習会のご案内
 2.新たにご利用可能となった微生物株(2012年9月19日~11月16日)
 3.微生物あれこれ(15)
    微生物から効率良く生理活性物質を探索するために
 4.微生物の培養法(9)
    ラビリンチュラ類の培養法
 5.アジアの微生物 (7)
    インドのITシティーで開催された生物多様性条約締約国会議 (COP11)
 6.バイオエタノールと微生物 (1)
 7.NBRC開所10周年記念国際シンポジウムのご案内
    Impact of Nagoya Protocol on Management of Biological Resource
    Centers (BRCs)(バイオリソースセンターの遺伝資源管理に対する名
    古屋議定書の影響)
 8.年末年始のNBRC微生物株・DNAリソースの発送休止について

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 1.第4回および5回NBRC微生物実験講習会のご案内
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 微生物アンプルの復元・培養や微生物の保存方法等に関する講習会を開催し
ます。日本工業規格(JIS規格)や薬局方に用いられる細菌および糸状菌を用
いて、菌の取り扱いに関する実習を行います。皆様のご参加をお待ちしており
ます。 
 
 日時:第4回 平成25年2月25日(月)10:30~17:30
    第5回 平成25年2月26日(火)10:30~17:30
    両日程とも、同じ内容です。
 場所:NITEバイオテクノロジーセンター
    千葉県木更津市かずさ鎌足2-5-8
 講習内容:微生物アンプルの復元や凍結保存法など
 受講資格:NBRC株のユーザーあるいは今後使用する予定があり、大学等で微
      生物の取り扱い経験がある方
 募集人数:20名(1日あたり10名。最低履行人数は5名)
      定員になり次第、締め切らせていただきます。
 参加費用:7,500円(税込み)
 申し込み受付開始:平成25年1月7日(月) 
 申込方法:平成25年1月7日(月) にNBRCのホームページに申込書を掲載いた
      します。ダウンロードした申込書に必要事項をご記入のうえ、
      faxあるいはe-mailでお申し込みください。

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 2.新たにご利用可能となった微生物株(2012年9月19日~11月16日)
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 酵母 2株、糸状菌 7株、細菌 291株、微生物ゲノムDNA 2種類を新たに公開
しました。
 日本にも多くのレストランがあるタイ料理。日本料理とは異なる、はっきり
とした味付けと独特の風味や旨味が特徴ですが、このタイ料理独特の味には発
酵食品が一役買っています。NBRCでは、タイ国立遺伝子工学バイオテクノロ
ジーセンター(BIOTEC)と協力して、様々なタイの発酵食品に由来する乳酸菌の
収集を行ってきました。これまでに公開中の221株に加え、今回新たに221株を
公開しました。全442株のリストはエクセルファイル形式でのダウンロードも
可能です。どうぞご利用ください。

【新規公開株一覧】 
https://www.nite.go.jp/nbrc/cultures/nbrc/new_strain/new_dna.html
【タイ発酵食品乳酸菌】 
https://www.nite.go.jp/nbrc/global/asia/thailand/asia_thailand_project.html#sp_4

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 3.微生物あれこれ(15)
    微生物から効率良く生理活性物質を探索するために  (小牧久幸)
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 放線菌は菌糸状に生育する細菌で、抗生物質などの生産菌として有名な菌群
です。一口に抗生物質と言っても、様々な種類の化合物があり、異なる菌株が
同一の化合物を生産する事もあれば、菌株ごとに生産物が異なる場合もありま
す。医薬品になるような抗生物質などの生理活性物質を探す場合、以下のよう
な手順で進めるのが一般的です。
 (1) 多種多様な菌株を分離する
 (2) 分離株を様々な条件で培養する
 (3) 目的の生理活性を示す物質が生産されたかどうかを調べる
 (4) 活性物質を単離する
 (5) 構造を決定する
 しかしながら、この手順で膨大な数の菌株をスクリーニングしても、なかな
か新規で有用な物質が得られないのが実情です。特に、(1)の分離株が新規な
物質を生産したかどうかが、(5)の段階まで進まないと分からない、この効率
の悪さが微生物を探索源とした医薬品開発の課題となっています。また、
Streptomyces属のように長い間精力的に探索され続けてきた菌群では、既知物
質が繰り返し得られてしまうことが多いようです。
 この課題を解決するために、近年、二次代謝産物の生合成遺伝子を解析する
ことによって、菌株をスクリーニングするアプローチが注目されています。生
理活性物質の生合成に必要な酵素が各菌株のゲノム中に存在するか、その酵素
が既知物質の合成酵素と異なり新規物質の生産が期待できるか、などを(2)の
培養試験の前に調べておくのです。ゲノム中の全ての二次代謝遺伝子を解析す
るのが理想的ですが、そのためには全ゲノム解読が必要なので、ポリケタイド
合成酵素(PKS)や非リボソームペプチド合成酵素などの特定の生合成遺伝子
をPCRで増幅して、その配列を解析するのが現実的だと思います。新規な生合
成遺伝子を持つ有望な菌株のみを対象とすれば、新規物質が得られる確率は上
がります。また、培養・生理活性試験・活性物質の単離・構造決定という一連
の工程が済むまで生産物が新規か既知かを判断できなかった従来の手法とは大
きく異なり、生合成遺伝子の解析結果から既知物質の生産菌であることを判断
できる場合があるので、スクリーニングが効率化されます。実際にNITEでは、
PKS遺伝子の解析によって"Streptomyces viridochromogenes subsp. sulfo-
mycini" NBRC 13830と"Streptomyces bicolor" NBRC 12746が新規物質を生産
すると予測し、バイオ産業情報化コンソーシアム(JBIC)との共同研究で両菌
株の生産物の構造を決定したところ、新規ポリケタイド系化合物JBIR-11と
JBIR-13を発見することができました。生合成遺伝子の解析を菌株のスクリー
ニングに取り入れることで、微生物を探索源とした医薬品開発が加速されてい
くことを期待しています。

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 4.微生物の培養法(9)
    ラビリンチュラ類の培養法              (稲葉重樹)
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 昨今、高度不飽和脂肪酸の生産性等で注目を集めているラビリンチュラ類。
今回は、このラビリンチュラ類の特徴と培養法について解説します。

◆ 特徴
 ラビリンチュラ類はクロミスタ界(またはストラメノパイル類)に所属する
海生の従属栄養生物です。クロミスタ界にコンブなどの褐藻類や珪藻類などの
藻類が含まれることから、ラビリンチュラ類も藻類の仲間として紹介されるこ
ともありますが、色素体をもっておらず光合成は行いません。
 ラビリンチュラ類は形態的に大きく異なるラビリンチュラ科とヤブレツボカ
ビ科に大別されます。ラビリンチュラ科のラビリンチュラ属(Labyrinthula)
では、細胞外に展開した網状の細胞質中を紡錘形をした細胞がすべるように移
動する性質があります。この網状構造が迷宮(labyrinth)に見えることが、学
名の由来となっています。一方、ヤブレツボカビ科にはヤブレツボカビ属
(Thraustochytirum)やオーランチオキトリウム属(Aurantiochytrium)が含
まれ、菌類のツボカビ類が形成する仮根に類似した細胞外細胞質を形成する性
質があります。

◆ ラビリンチュラ属菌の培養
 ラビリンチュラ属の種は純粋培養が難しく、一般に餌となる細菌や酵母と共
に二員培養を行います。Labyrinthula sp. NBRC 33215の場合は、海生のビブ
リオ属菌と混在した状態で分譲しています。寒天平板培地(NBRC medium no.
22など)上に植菌すると、生育したビブリオ属細菌を分解・吸収しながら紡錘
形細胞が二分裂によって増殖し、網状の細胞外細胞質と共に培地表面上を拡が
っていく様子が観察できます。移植の際には、白金耳などを用いて餌のビブリ
オ属細菌ごとラビリンチュラ属菌の細胞をかき取り、新たな寒天培地に塗布し
ます。餌となるビブリオ属菌を培養した平板培地などを用意する必要はありま
せん。

Labyrinthula sp.の「迷宮」状コロニー

Labyrinthula sp.の紡錘形細胞
            NBRC 33215 Labyrinthula sp.
       ※上の動画をご覧いただくには、プラグインのダウンロードが必要です。

◆ ヤブレツボカビ科各種の培養
 ラビリンチュラ属とは異なり、ヤブレツボカビ科の各属菌は純粋培養が可能
で寒天平板培地上や液体培地中で容易に生育します。NBRCでは種々のヤブレツ
ボカビ科菌株の培地としてmedium-H (NBRC medium No. 959)を指定しています
が、大量に菌体を得る場合にはGPY培地(2% glucose、1% proteose-peptone、
0.5% yeast extract、50% sea water)などのより高栄養の培地を使用するこ
ともあります。
 NBRCでは寒天平板培地上で培養したヤブレツボカビ科菌株を切り出し、凍結
保護剤(10%グリセロール+5%トレハロース)と共に凍結チューブの中に入れ
て冷凍保存しており、これを解凍して分譲しています。チューブ中の寒天片に
菌体が付着していますので、寒天片を寒天平板培地に置くと周囲に菌が生育し
てきます。一部の菌株では菌体の多くが寒天片からはがれ落ちていることがあ
ります。その場合は、チューブの底にたまった菌体を保護剤ごと0.1 mlほど取
り、培地に滴下すると多くの菌体が得られます。培地上では遊走子嚢からの遊
走子(またはアメーバ状細胞)の放出と遊走子から遊走子嚢への成長が繰り返
され、ヤブレツボカビ類のコロニーが次第に大きくなります。種類によっては
コロニーの周囲に仮根様の細胞質が観察できます。移植は白金耳などを用い、
コロニーをかき取って新たな寒天平板培地に塗布します。
 ヤブレツボカビ類の大量培養には寒天培地よりも液体培地での培養が適し、
培養には三角フラスコや細胞培養用フラスコなどを用います。静置培養でも生
育しますが、振とうによって増殖速度が向上する場合もあるようです。液体培
地中でヤブレツボカビ類は遊走子嚢や遊走子を形成しながら盛んに増殖し、次
第に培地が白色もしくは橙色や桃色になります。この色調の違いは、種類によ
って菌体に含まれる油滴中の色素組成が異なることを反映しています。
       

          
Aurantiochytrium sp.の菌体

 NBRCでは多様なラビリンチュラ類菌株をご提供しています。培養にあたって
ご不明な点についてはどうぞお問い合わせください。

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 5.アジアの微生物 (7)
    インドのITシティーで開催された生物多様性条約締約国会議 (COP11)
                            (伏見早百合)
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 「名古屋議定書」という言葉をご存じでしょうか。2010年10月に名古屋で開
催された第10回生物多様性条約締約国会議(COP10)で採択された生物多様性
条約の議定書で、海外資源を利用した時に得られた利益を、資源を利用した国
と提供した国で分配することが定められています。名古屋議定書は、生物多様
性条約を締結した各国が、長い時間をかけて折り合いをつけながら議論を続け
た結果採択され、条約の歴史の中で大きな意味を持つものとなりました。この
COP10に続く11回目の会議がインド・ハイデラバードで開催されました。ハイ
デラバードはIT企業による発展がめざましく、典型的なインドの町並みと、モ
ダンなオフィスビルが建ち並ぶ地域の二つの顔が隣接しています。オフィス街
では、いたるところで高層ビルの建設が続いています。
 COP11は世界各国から約4000人が参加する大規模な国際会議となりました。
会議では、海洋や陸地、島しょの多様性、外来種、保護地域など、様々な問題
を取り上げて議論が行われました。名古屋議定書の批准に向けた国際的な動き
については、今回の議論で、第3回名古屋議定書政府間委員会の開催およびそ
の議題や、多国間メカニズムの専門家会合の開催とその議題が決定されたこと
があげられます。また、最も大きな論点となった運営・予算事項については、
事務局のコア予算で、生物多様性条約の実施に関して時宜にかなったアドバイ
スを行うための生物多様性条約科学技術助言補助機関会合(SBSTTA)を2回と
条約実施作業部会(WGRI)を1回開催することとなりました。また、伝統的
知識に関する作業部会開催については、北欧諸国、アフリカ諸国の他、カナダ
やインドなどが予算を支援する意向を示しました。第三回名古屋議定書政府間
委員会(ICNP3)開催については、日本が財政支援を行う意向を示しました。
また、中国やブラジルが後発開発途上国を支援することも決定しました。
 COP11開催中には様々なサイドイベントが行われました。その中の一つ、環
境省と生物多様性事務局主催「Information sharing on the adoption of 
measures by Parties as users of genetic resources in order to meet 
their obligations under the Nagoya Protocol on ABS」では、生物多様性の
国際環境法を専門としている磯崎博司教授(上智大学大学院)が、現在の日本
の名古屋議定書批准に向けた動きと課題について講演をされました。その中で
日本の生物多様性国家戦略が改訂され、「できる限り早く、遅くとも2015年ま
でに名古屋議定書を批准する」と記載されたことが紹介されました。また、
EU、デンマーク、ノルウェー、スイスの名古屋議定書批准に向けた動きの紹介
がありました。
 会議に参加する中で特に印象的だったのは、多くの国が名古屋議定書批准に
向けて動き出していることでした。将来、海外資源をとりまく状況について何
かしら変化が訪れるのではないかと感じました。また、世界中に生物多様性に
ついて真剣に考えている人がこれだけ多くいることに感銘を受けました。
 今後もNBRCニュースで生物多様性条約をとりまく状況をご報告させていただ
きます。次回の締約国会議は2014年に韓国で開催されます。これからも生物多
様性保全と持続的利用や、生物資源のアクセスと利益配分のために、世界各国
が協力し前進していくことを願っています。

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 6.バイオエタノールと微生物 (1)            (紙野 圭)
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 NBRCニュース第4号から連載を開始した「微生物あれこれ」の第1回では、バ
イオエタノール(以下BE)と酵母のことが書かれています。今回はBE生産の中
でも、酵母が働く前の工程で活躍する微生物について少しご紹介したいと思い
ます。
 BE生産は米国やブラジルそして中国を中心に、すでに産業となっています。
しかし、そこで原料とされているでん粉系バイオマスは私達の食料と競合する
ため、社会的に様々な問題を引き起こすことはご存知の通りです。そのため現
在研究が進められているのが、私達の消化することのできない、リグノセルロ
ース系バイオマスからのBE生産です。例えばそれは稲わらやユーカリの木等で
す。その乾燥重量の半分近くはセルロースですので、構成単位であるグルコー
スにまで完全に分解(糖化と呼びます)できれば、それを発酵させてBEが作れ
るわけです。ただし、私達がセルロースを消化できないことからもおわかりい
ただけるように、セルロースの糖化は容易ではありません。そこで微生物の生
産する酵素群による処理が必要となります。これらは糖化酵素と総称され、カ
ビやキノコ、そしてバクテリアの多くがその酵素群の少なくとも一部を生産し
ます。私達の調べたところ、カビやキノコの約2割が糖化酵素群を生産するこ
とができました。
 ところで、BE産業で現在利用されている酵素製剤のほとんどすべてはカビの
仲間であるTrichoderma reeseiの特定の株によって生産されています。いろい
ろな微生物が糖化酵素を持っているのになぜそのカビなのでしょうか。もちろ
んこのカビの酵素群の能力が高いということもありますが、見過ごされがちな
のが、このカビの酵素生産能力の抜群の高さです。現在のところバクテリアで
は太刀打ちできません。それは酵素製剤の生産コストに大きく影響します。米
国は主要酵素企業に研究費を投入してその生産コストを引き下げ、現在のBE生
産を軌道に乗せましたが、リグノセルロース系バイオマスの糖化では酵素使用
量が多くなり、それが最終的なBEの値段を押し上げています。つまり効率の良
い酵素群が今必要とされているのです。
 また、バイオマスは多様です。そもそも植物なのですから、その細胞壁の構
成も種によって大きく異なります。そのため、あるバイオマスに最適化された
糖化酵素製剤が別のバイオマスで適当かどうかはわかりません。地域差もある
でしょう。さらには、BE生産をひとつのビジネスモデルで括るのが難しいとい
う現実もあります。国内で大規模にという考えもあるでしょうし、国外で生産
することも考えられます。あるいは地産地消での小規模な場合もあり得ます。
では、地産地消での小規模なBE生産でも、世界的な企業の酵素製剤が良いので
しょうか。お酒造りが土着の菌を利用していたように、その地のバイオマスに
適した酵素を自前で準備するということがあっても良いのかもしれません。バ
イオエネルギーにおける天然の微生物の役割は益々広がっていきそうです。
 さて、前述の「微生物あれこれ」の第1回にはBE研究が戦時下におけるエネ
ルギー政策の一貫として促進されていたことが触れられています。バイオエネ
ルギー研究が戦争と関連づけられることが二度とあってはならないのは言うま
でもありませんね。
 次回はなぜバイオマス糖化が難しいのかについて、もう少し突っ込んでご紹
介します。

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 7.NBRC開所10周年記念国際シンポジウムのご案内
    Impact of Nagoya Protocol on Management of Biological Resource
    Centers (BRCs))(バイオリソースセンターの遺伝資源管理に対する
    名古屋議定書の影響)
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 2010年10月に開催された生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)におい
て、遺伝資源の利用から生じる利益の公正かつ衡平な配分に関する「名古屋議
定書」が採択されました。締約国では、名古屋議定書の批准に向けて検討およ
び準備が進んでいます。NBRCなどのバイオリソースセンター(BRC)は、名古
屋議定書の発効により、BRCの活動にどのような影響があり、その結果、BRCの
ユーザーの方々にどういった影響を与えるのかについて調査し検討をしている
ところです。
 このような背景から、NITEバイオテクノロジーセンターでは、名古屋議定書
の専門家および海外の微生物BRCの方々をお呼びし、微生物資源の管理の状況
と名古屋議定書の遵守に関するBRC運営の問題点について、情報共有するため
のシンポジウムを開催します。
 本シンポジウムは、名古屋議定書遵守とBRC運営について、世界の微生物BRC
の方々が一堂に会して議論する初めての機会です。BRCユーザーの皆様にとっ
て得られた情報が有意義なものとなり、またBRC関係者の皆様にとって名古屋
議定書発効後のBRC運営の参考にしていただければと考えております。皆様の
ご参加をお待ちしております。

 日時:2012年12月6日(木)13:00~18:15
 場所:フクラシア東京ステーション
    (東京駅日本橋口徒歩1分、八重洲口徒歩3分)
    http://www.fukuracia.jp/tokyo/access/
 内容:(1) 生物多様性条約下におけるBRC概念の展開
      炭田精造(製品評価技術基盤機構)
    (2) 名古屋議定書遵守下でのBRC運営
      安藤勝彦(製品評価技術基盤機構)
    (3) 世界微生物連盟(WFCC)と名古屋議定書を焦点としたベルギーの
      BRC運営
      Philippe Desmeth(WFCC会長、BCCM・ベルギー)
    (4) 名古屋議定書を焦点としたタイのBRC運営
      Bubpha Techapattaraporn(BIOTEC・タイ)
    (5) 名古屋議定書を焦点としたヨーロッパBRC運営
      (EUおよびCBSの視点から)
      Gerard J. M. Verkley(CBS・オランダ)
    (6) パネルディスカッション「BRC運営における名古屋議定書の影響」
      討論者:BIOTEC(タイ)、CBS(オランダ)、IMCAS(中国)、
          KCTC(韓国)、NBRC(日本)、WFCC

 使用言語:英語(同時通訳なし)
 備考:参加費無料/定員100名(先着順)
 申込み方法:お名前、ご所属、e-mailアドレスを記載し、e-mailで
       nbrc-sympo2012@nite.go.jpにお申し込みください。     
 詳細は下記ホームページをご覧ください。
 https://www.nite.go.jp/nbrc/information/10thAnniversarySymposium121206.html

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 8.年末年始のNBRC微生物株・DNAリソースの発送休止について
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 NBRCでは下記の期間中、送付後の微生物の品質を確保するため、微生物株・
DNAリソースの発送を一時休止させていただきます。

 発送休止期間:平成24年12月18日(火)~平成25年1月6日(日)

 12月14日(金)まで受付分:12月17日(月)発送予定
 12月15日(土)から1月4日(金)まで受付分:1月7日(月)発送予定

 上記発送休止期間中にお急ぎでご利用になりたい場合は、電話(0438-20-
5763)にてご相談ください。また、発送以外のご依頼・お問合せ等につきまし
ては、通常通り対応させていただいております。ご利用の皆様には、ご不便を
お掛けいたしますが、何卒ご了承いただきますようお願い申し上げます。

【生物遺伝資源の提供・寄託について】 
https://www.nite.go.jp/nbrc/cultures/index.html

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 編集後記
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 いつもより少し長めのNBRCニュース18号、ここまで到達されるのはなかなか
遠い道のりだったのではないでしょうか。最後まで読んでくださって本当にあ
りがとうございました。さて冬も本番、やきいも、チョコレート等々おいしい
ものが溢れる季節となりました。しかし私の場合は前述のラビリンチュラのよ
うに常におやつと共にすごしていたら大変なことになりそうです。締めてかか
らんと・・・!(KA)

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 万が一間違えて配信されておりましたら、お手数ですが、下記のアドレスに
 ご連絡ください。
・ご質問、転載のご要望など、NBRCニュースについてのお問い合わせは、下記
 のアドレスにご連絡ください。
・掲載内容は予告なく変更することがございます。掲載内容を許可なく複製・
 転載されることを禁止します。
・偶数月の1日(休日の場合はその前後)に配信しております。第19号は2月1
 日に配信予定です。

編集・発行
 独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)バイオテクノロジーセンター
 NBRCニュース編集局(nbrcnews@nite.go.jp)
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独立行政法人製品評価技術基盤機構 バイオテクノロジーセンター  生物資源利用促進課
(お問い合わせはできる限りお問い合わせフォームにてお願いします)
TEL:0438-20-5763
住所:〒292-0818 千葉県木更津市かずさ鎌足2-5-8 地図
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