化学物質管理

CMC letter No.17(第17号)-[関連情報]安衛法と化審法に基づく新規化学物質の公示名称の命名法の共通化

共通化した命名法の公表について

化学物質管理センター 安全審査課

はじめに

労働安全衛生法(安衛法)及び化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(化審法)の届出済み新規化学物質の公示名称は、いずれもIUPAC命名法(注1)に基づき命名されていますが、IUPAC命名法及びその日本語訳の表記に関する方法が複数ある場合があることから、現状では二法において命名法に一部差異があります。

このため、関係者の利便性向上の観点から、命名法の共通化について厚生労働省と経済産業省が検討を行い、NITEも共通化原案を提案してこれに協力しました。

その結果、平成25年4月1日以降の届出物質について(注2:例外あり)、共通化した命名法により命名することとなったことが、厚生労働省、経済産業省、環境省から発表されました。

(注1)IUPAC命名法
国際純正及び応用化学連合(International Union of Pure and Applied Chemistry)が制定した命名法
(注2)例外
安衛法の届出において、特許出願を理由として名称公示を延期している物質については、平成25年3月末までに届け出られたものであっても、平成26年3月以降に公示するものについては共通化した命名法を適用する。化審法の届出においては、平成25年3月末までに届け出られた新規化学物質であっても、今後新たに名称告示するものについては可能な限り共通化した命名法を適用する。

主な共通化のポイント

①塩・エステルの命名について

有機化合物は字訳(IUPAC命名法で付した化学物質の英語名をカタカナで表記)、無機化合物の塩は翻訳(IUPAC命名法で付した化学物質の英語名を日本語名で表記:硫酸カリウムナトリウムなど)とする。

例)有機酸のエステル

※化審法の公示名称の命名法に変更はありません。

②環状無水物について

分子内酸無水物の場合は、接尾辞の「酸(acid)」を「酸無水物(acid anhydride)」に置き換える。

例)
有機酸のエステル
※現時点の化審法の公示名称では、「1H, 3H‐フロ[3, 4‐f]イソベンゾフラン‐1, 3, 5, 7‐テトラオン」と命名しており、化審法の命名法が変わります。

③イソシアナト化合物について

母体水素化物名にイソシアナト(isocyanato)、シアナトなどの接頭辞を付ける。(1, 6‐ジイソシアナトヘキサンなど)

④第一級アミンについて

母体水素化物名に接尾辞アミン(amine)をつける。(エタンアミンなど)

⑤高分子化合物(モノマーの順番)について

モノマーの名称を五十音順に並べる。

⑥混合物の表記方法について

構成成分を五十音順に並べ、末尾に「の混合物」をつける。構成成分をつなぐ言葉は「と」を用いるものとする。(『AとBとCの混合物』など)

まとめ

命名法の詳細ルール、具体例、お問合せ先については、経済産業省の以下のURLをご覧ください。

URL:
http://www.meti.go.jp/policy/chemical_management/kasinhou/files/information/report/name_keisai.pdf

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