ルブリヴィヴァックス属細菌(Rubrivivax gelatinosus NBRC 100245(= IL144))
独立行政法人製品評価技術基盤機構(以下NITEという)バイオテクノロジーセンター(旧バイオテクノロジー本部)では、東京都内の淡水池から分離された紅色光合成細菌である、ルブリヴィヴァックス属細菌(Rubrivivax gelatinosus NBRC 100245)のゲノム解析を実施するにあたり、研究機関等と塩基配列決定、遺伝子機能解析等について共同研究を開始することとし、共同研究者の公募を平成19年7月13日から平成19年8月31日まで行いました。
応募された共同研究者については、提案の内容、実績、能力等について検討を行い、公立大学法人首都大学東京を代表共同研究先とした共同研究グループと共同研究を実施することになりました。
その概要につきましては以下の通りです。
1.研究テーマ
ルブリヴィヴァックス属細菌(Rubrivivax gelatinosus NBRC 100245)のゲノム解析に係る共同研究
2.研究目標
ルブリヴィヴァックス属細菌(Rubrivivax gelatinosus NBRC 100245)の全ゲノム解析を行い、得られた遺伝情報をもとに、各種色素の合成や分解に必要な酵素遺伝子、光合成電子伝達をはじめとする様々なエネルギー変換に関する酵素郡をコードする遺伝子等を同定し、あわせて有用色素の合成やエネルギー代謝経路の改変等の産業応用の可能性について調査を行う。
微生物の概要
Rubrivivax gelatinosus NBRC 100245は、1980年代に東京都立大学の星野、佐藤らによって、東京都内の淡水池から分離された紅色光合成細菌である。
有機酸を炭素源として好気条件下で生育するほか、嫌気条件下で光栄養的に生育可能な真正光合成細菌である。
紅色光合成細菌は多系統群であり、数株でゲノム解析されているものの、いずれもAlphaproteobacteria 綱に属する菌株であり、本株の属するBetaproteobacteria 綱ではゲノム解析された例がない。
加えて、Rubrivivax 属の近縁には光合成能を持つものと持たないものが混在している。
本菌のゲノム解析を行うことは、系統分類上の指標として重要であるばかりでなく、光合成能の獲得や消失のメカニズムを遺伝子レベルで解明するうえで極めて重要である。
また、カロテノイド等の有用物質の生産や高BOD負荷の廃水処理プロセスの制御など、応用面での利用も期待される。
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