高温アルコール発酵酵母(Kluyveromyces marxianus DMKU3-1042)
独立行政法人製品評価技術基盤機構(以下NITEという)バイオテクノロジーセンター(旧バイオテクノロジー本部)では、高温アルコール発酵酵母(Kluyveromyces marxianus DMKU3-1042)のゲノム解析を実施するにあたり、研究機関等と塩基配列決定、遺伝子機能解析等について共同研究を開始することとし、共同研究者の公募を平成21年3月16日から平成21年4月17日まで行いました。
応募された共同研究者については、提案の内容、実績、能力等について検討を行い、国立大学法人山口大学を代表共同研究先として共同研究グループと共同研究を実施することになりました。
その概要につきましては以下の通りです。
1.研究テーマ
高温アルコール発酵酵母(Kluyveromyces marxianus DMKU3-1042)のゲノム解析に係る共同研究
2.研究目標
高温アルコール発酵酵母(Kluyveromyces marxianus DMKU3-1042)の精密なゲノム解析を行い、代謝マップ構築、糖の資化や耐熱性に関わる遺伝子の探索・調査、トランスクリプトーム解析及びプロテオーム解析等を実施して、糖代謝、耐熱性、エタノール生産などの特徴的性質を解明し、バイオエタノール生産のための研究基盤を構築する。
微生物の概要
Kluyveromyces marxianus DMKU3-1042株は、土壌から分離された耐熱性酵母です。
本菌は、高温でエタノール発酵や増殖が可能であり、広範囲の糖を資化できるという特長を有しています。
現在、糖質からのエタノール発酵には、Saccharomyces属酵母が一般的に用いられていますが、本菌の特長を活かし、より高温でのエタノール発酵生産に利用することができれば、冷却エネルギーの削減、発酵速度の向上、雑菌の繁殖抑制、蒸留コストの削減などにより、エタノール生産の大幅な効率化と安定的な供給が実現できるものと期待されます。
一方、本菌は遺伝子操作や遺伝学的な解析が容易であることから、ゲノム情報を明かにすることにより、高温耐性の分子メカニズムの解明などに向けた優れたモデル研究材料になりうるほか、微生物の改変による一貫処理系の開発などへの応用も期待されます。
お問い合わせ
- 独立行政法人製品評価技術基盤機構 バイオテクノロジーセンター バイオ技術評価・開発課(東京)
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