ハロアーキュラ属古細菌(Haloarcula japonica TR-1T (= NBRC 101032T))
独立行政法人製品評価技術基盤機構(以下NITEという)バイオテクノロジーセンター(旧バイオテクノロジー本部)では、産業上有用微生物であるハロアーキュラ属古細菌(Haloarcula japonica TR-1T (= NBRC 101032T))のゲノム解析を実施するにあたり、研究機関等と塩基配列決定、遺伝子機能解析等について共同研究を開始することとし、共同研究者の公募を平成17年12月28日から平成18年1月27日まで行いました。
応募された共同研究者については、提案の内容、実績、能力等について検討を行い、学校法人近畿大学を代表とした共同研究グループと共同研究を実施することになりました。
その概要につきましては以下の通りです。
1.研究テーマ
ハロアーキュラ属古細菌(Haloarcula japonica TR-1T (= NBRC 101032T))のゲノム解析に係る共同研究
2.研究目標
Haloarcula japonica TR-1T (= NBRC 101032T)の全ゲノム解析を行い、好塩菌ゲノムの特徴の解明、有用遺伝子資源の探索と確保を行う。また、生理学を活用して有用物質の生産について検討を行う。
Haloarcula japonica TR-1T 電子顕微鏡写真
学校法人東洋大学・高品氏 提供
3.代表共同研究先
学校法人近畿大学
4.研究費用
NITE及び共同研究先が分担する。
5.研究期間
平成18年4月から
微生物の概要
高品(現:東洋大学)らにより、能登半島の塩田土壌から分離された高度好塩性の古細菌で、通常の細菌に対しては殺菌的な海水の8倍の塩濃度(20%)が至適生育環境である。
特異な細胞形態と細胞分裂様式を持つことから、細胞分裂機構の普遍性と多様性を解明するためのモデルとして重要である。
我が国で多くの研究実績があり、形質転換系や遺伝子破壊系も確立されているため、ゲノム解析によって大幅な研究の加速が期待される。
基礎的な研究に加え、ゲノム解析により、高度耐塩酵素の食品産業等への応用、糖加水分解酵素の逆反応を利用した新規オリゴ糖の合成、紫外線耐性機構の化粧品等への応用、食品や皮革製品等の塩蔵品の腐敗防止のための技術開発など、幅広い応用が見込まれる。
また、特異なタンパク質合成系を持ち形質転換系が確立されていることから、有用物質生産のための宿主菌としても有望である。
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