テトラジェノコッカス属乳酸菌
(Tetragenococcus halophilus NBRC 12172)
Tetragenococcus halophilus NBRC 12172は、40年以上前に、財団法人 野田産業科学研究所の坂口らにより醤油もろみから分離され、その後IFO、NBRCによって維持されてきた耐塩性の乳酸菌です。 その後の研究からも、醤油醸造における乳酸菌としてはT. halophilusが圧倒的な優先種であることがわかっており、近代的な醤油醸造でも利用されている標準的な菌であることがわかっています。
乳酸菌はゲノム解析されているものが多いですが、乳製品等に含まれる動物系の乳酸菌が主体であり、本菌のような植物系の乳酸菌はアレルギー症状の改善など、日本人の体質や食習慣に合った様々な機能性が期待されていますが、ゲノム解析されているものは極めて少数です。
ゲノム解析の結果、T. halophilus NBRC 12172のゲノムは、1本の環状染色体(2,562,720 bp; G+C含量 36.04%)を持つことがわかりました。また、本菌の高い耐塩性を裏付けるものとして、浸透圧のバランス維持に関与する遺伝子が見つかりました。
本菌のゲノム解析によって、醸造菌の合理的な育種が可能になるほか、DNAマイクロアレイ等を用いた発酵管理により、品質の向上につながると期待されます。また耐塩性、安定性に優れた酵素を多数生産するため、安全な遺伝子資源として、様々な産業応用が期待されます。
Tetragenococcus halophilus NBRC 12172
財団法人 野田産業科学研究所 提供
ゲノムサイズ(bps) | 2,562,720 |
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ORF | 2,555 |
GC含量(%) | 36.04 |
データベース | DOGAN |
NBRC番号 | 12172 |
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