化学物質管理

CMC letter No.2(第2号) - [特集・1]化学物質管理センターは今

連載第1回 情報業務課~皆様にとって、化学物質管理をより身近なものに~

NITE 化学物質管理センターの業務と化学物質総合管理 NITE化学物質管理センターは、化学物質総合管理のナショナルセンターとして、消費生活者や企業、自治体、国など全ての関係者に対し、化学物質に関する科学的な知見や、法令や国際ルールに基づき、技術、情報面からの支援を行っています。

化学物質総合管理は、従来のハザードベースの管理からリスクベースの管理(右図:NITE 化学物質管理センターの業務と化学物質総合管理参照)に移行しつつあり、当センターでは、よりよい制度の構築のため、それぞれの段階について、担当課が法制度執行の支援や関連情報の収集、評価、発信を行っています。

CMCレター2号からは、皆様方に当センターの組織、業務をご理解いただくために、化学物質管理センターの業務概要を特集いたします。本号では、皆様とのインターフェイスとしての役割を担う情報業務課の業務についてご紹介します。

1.化学物質総合情報提供システム(CHRIP)の整備提供

CHRIPのホームページ画面 情報業務課では、国の知的基盤整備事業の一環として、化学物質のリスクに関するデータを収集し、化学物質のリスクの適正な評価と管理を進めるためのデータベース「化学物質総合情報提供システム(CHRIP:クリップ)」(右図参照)を整備し、ホームページ上で公開する事業に取り組んでいます。
http://www.safe.nite.go.jp/japan/db.html

これまでに、国内及び海外の法規制の対象物質等、延べ約20万物質を収載していますが、中でも我が国における製造・輸入量の多いものなど、リスク管理の観点から優先的にデータを整備すべき約4,000物質について集中的にデータ整備を進めているところです。

収載しているデータについては、定期的な確認、更新を実施し、データベースの信頼性を確保するよう努力しているほか、法規制対象物質の追加等に迅速に対応し的確な情報の提供に努めています。

今後とも、化学物質の名称、CAS番号、構造式、国内法規制情報、海外の法規制等の情報、物理化学的性状情報、有害性(ハザード)情報、暴露情報、リスク評価等の情報を一層、充実させるために取り組んでまいります。

また、消費生活者、産業界等の全ての皆様に広くご利用頂くために、収載データ、使い勝手の両面において、より利便性の高いシステムを構築することを目標に、アンケートを実施していますのでご協力頂きますようよろしくお願い致します。

[CHRIPの整備に関する18年度の主な計画について]

法規制情報について

平成17年度までに収集整備した約4,000物質の法規制情報や有害性情報等について、維持更新を行い、MSDS対象物質関係法(化学物質排出把握管理促進法、労働安全衛生法、毒劇法)の包括名称で記載された物質等について個別物質の名称及びCAS番号の情報を収集し整理します。

構造式情報について

既に整備した重点整備化学物質の構造式情報に加えて、平成17年度に調査し取得した化学物質の構造式情報を整備します。

有害性等情報の公表について

化学物質審議会管理部会・審査部会安全評価管理小委員会にて審議が終了した化学物質について、化学物質の物理化学的性状及び環境を経由した影響等を評価した有害性評価書の情報を公表します。

CHRIPシステムの維持管理について

ユーザーの利便性の向上のため、Webアンケートを引き続き実施し、要望の多い機能の追加や情報の整備を行うなどCHRIPシステムの維持管理への反映を図ります。

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2.化学物質管理に関して国が行う事業の支援のための情報提供

化学物質管理センターは、国からの依頼を受け、国が行う化学物質管理についてのGHS(化学品の分類および表示に関する世界調和システム)等の事業の情報を発信するなど、化学物質管理に関する国の施策の支援を行っています。

GHS(化学品の分類および表示に関する世界調和システム)分類結果の公表について

MSDSの交付が義務付けられている物質など約1,500物質を対象に、GHSに基づいてGHS関係省庁連絡会議(厚生労働省、経済産業省、環境省の関係機関等で構成)がそれらの危険有害性を分類する事業を行っており、NITE化学物質管理センターは、GHS分類結果をホームページから公表する役割を担っています。

物質ごとのGHS分類結果は、平成18年2月より毎月末に順次公表しており、本年内を目途に全分類対象物質の分類結果の公表を終える見込みとなっています。分類結果のほか、国連から出版されているGHSテキストの本文・附属書をもとにGHS関係省庁連絡会議が作成した「分類マニュアル」や、専門家の助言のもとに各々の毒性を分類するに当たってのガイダンスともなる「技術上の指針」、分類結果の解説・用語集等もダウンロード可能です。
http://www.safe.nite.go.jp/ghs/ghsi.html

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3.化学物質のリスク等に係る相互理解のための情報の整備提供

化学物質管理センターでは、化学物質と上手に付き合っていくために必要な、化学物質のリスク評価やリスク管理、リスクコミュニケーションとは何か?ということを、正しく理解していただくために、ホームページ「化学物質と上手に付き合うには」*1を公開し、消費者、産業界、行政機関などのさまざまな立場の方へ、関連の情報を「体系的に」「わかりやすく」提供することを目指しています。
http://www.safe.nite.go.jp/management/index.html
「化学物質と上手に付き合うには」ホームページ画面

このホ-ムペ-ジでは、主に以下の情報を提供しています。

  • 化学物質のリスク評価管理の解説情報
  • 「初期リスク評価書」*2 と、その検索表示機能
  • 有害性評価、暴露評価、リスク評価のための情報収集
  • リスク評価を体験できる学習用ツール
  • 身の回りの製品に含まれる化学物質情報(塗料、接着剤、洗剤など8製品)
  • 国内のリスクコミュニケーション事例集
    今後は、以下に重点を置き、皆様の自主的なリスク評価管理、リスクコミュニケーションを支援できればと考えています。
  • 化学物質管理関連イベントへの参加や、リスクコミュニケーション実施企業との意見交換などを通じ、皆様の現状やご要望を把握し、より実態に即した情報提供を進めていきます。
  • 上記を通じて、皆様からご相談いただける、より密接なネットワーク構築を目指します。
  • 引き続きホームページからのわかりやすい情報の提供を行うとともに、講習会等の開催など、より身近な情報提供に努めます。
  • PRTRデータやリスク評価手法を用い、実態に即した管理の方法をご提案します。

化学物質のリスク評価管理、リスクコミュニケーションに関して、「こんな情報や解説が欲しい」、「○○についての説明をして欲しい」などのご要望等がありましたら、NITE化学物質管理センターまでご相談ください。

  • *1 このホ-ムペ-ジは、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)による「化学物質総合リスク評価管理システムの開発」プロジェクト(平成13~17年度に実施)の一環としてNITEが作成したものです。
  • *2 独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)と財団法人化学物質評価研究機構(CERI)で作成しているリスク評価書。化管法対象物質の優先度付けの結果選定した150物質についての評価書を作成し、統一的な評価ルールである「評価指針」とともに公表しています。

お問い合わせ

独立行政法人製品評価技術基盤機構 化学物質管理センター
TEL:03-3481-1977  FAX:03-3481-2900
住所:〒151-0066 東京都渋谷区西原2-49-10 地図
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