化学物質管理

CMC letter No.12(第12号)- [化学物質管理センターからのお知らせ]

濃度マップ・発生源マップ・排出量マップをリニューアルしました。

化学物質管理センター リスク管理課

当センターでは、化学物質排出把握促進法(化管法)に基づくPRTR(Pollutant Release and Transfer Register:化学物質排出移動量届出)制度におけるPRTR届出データの有効活用を目的として「大気中の濃度マップ・発生源マップ」及び「PRTR排出量マップ」を作成し、ホームページから公開してきました。

「大気中の濃度マップ・発生源マップ」は、電子地図上に地理情報システム(GIS)を用い、PRTR届出データの排出量を用いたシミュレーションにより、日本全国の化学物質の大気中の濃度とその元データである排出量をメッシュごと色分け表示しています。また、別のシステムとして「PRTR排出量マップ」があり、地域の排出量を都道府県又は区市町村ごとに表示していました。

このたび、PRTRマップとして両方のマップを統合し、新たな機能を付加することにより、事業者の皆様のPRTR届出支援や自治体や市民の皆様のPRTR届出データ活用の利便性向上を図ることにしました。今号ではその機能についてご紹介いたします。

(1)発生源マップ

発生源マップは、日本全国の年間PRTR届出排出量と年間PRTR届出外排出量を合計した排出量を5km×5kmのメッシュ(区画)ごとに色分け表示したもので、平成19年度のマップでは、234物質を公開しています。PRTR届出外排出量とは、PRTR対象業種のうちのすそ切り以下(第一種指定化学物質の年間取扱量が規定量未満又は、事業者における従業員数21人未満)の事業者、PRTR非対象業種、自動車などの移動体、家庭の4種類からの排出量合計を国が推計した量です。

(2)濃度マップ

濃度マップは、発生源マップの排出量をもとに推定した、日本全国の大気中推定濃度(年間平均値)を同じ5km×5kmのメッシュごとに濃度に応じて色分け表示します。大気中の濃度計算には、独立行政法人産業総合研究所で開発されたAISTA-DMERを使用しています。

2010(平成22)年4月現在、PRTRの届出が始まった初年度である平成13年度から平成20年度までのPRTR対象物質354物質のうち平成19年度のマップでは233物質を公開しています。平成20年度データによるマップは、濃度が高い12物質について4月に公開し、8月頃を目途に順次公開してまいります。

濃度マップ
【濃度マップ】

(3)PRTR排出量マップ

PRTR排出量マップは、今回のリニューアルで大気中の濃度マップ、発生源マップに統合されます。表示は、都道府県又は区市町村ごとであることは変わりませんが、届出事業所ごとのPRTR届出データが閲覧できるなど、詳細なPRTR届出データが見られるようになりました。また、届出事業所の過去データの参照機能も追加されています。各地域にある届出事業所の位置や排出している化学物質、その量などを簡易に表示することができます。

排出量マップ
【排出量マップ】

これまで、大気濃度マップ・排出量マップ及びPRTR排出量マップは、化学物質の排出量や濃度を地域ごとに色分けして表現できることから、リスクコミュニケーションの説明資料としての活用や大気中の濃度のシミュレーション結果をリスク評価に使用するなどの使い方を提案してまいりました。この度の機能追加により、各事業所が簡易に自らの排出量や移動量を確認できることから、化学物質管理ツールとしての活用も期待できます。また、事業所ごとの詳細なデータを用いた市民や自治体における地域の環境管理への活用など、幅広い利用が期待できます。当センターとしては、様々な機会を通じ、機能や使用法の紹介を行い、これらのマップを化学物質管理ツールとして周知を図ってまいります。

URL:http://www.prtrmap.nite.go.jp/prtr/top.do

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「化学物質と上手に付き合うために… -化学物質のリスク評価-」を発行しました

化学物質管理センター 計画課

本冊子は、一般市民を対象に化学物質のリスク評価についてわかりやすい情報提供を目的として作成しました。当センターでは「化学物質のリスク評価について―よりよく理解するために―」を2007年に作成し、展示会での配布、依頼による自治体への配布等を行ってきたところです。しかし、内容が一般向けとしては難しい、との指摘やコンパクトで市民に親しみ易い冊子が必要との要望も寄せられたことから、内容をリスク評価の解説に絞り、環境問題との関係を追加することで、中学生以上向けの環境学習用の資料として、改訂することとしました。作成においては、2009年に西武学園文理中学(埼玉県)の3年生(当時)との意見交換を通じて、中学生の目でわかりやすさのチェックをしていただきました。改訂版は、平成21年12月に1万部を印刷するとともに、電子版をウェブ上で公開しました。その後、平成22年2月に、化学工業日報、日本経済新聞、毎日新聞の各紙に紹介されたことから、市民からの資料請求が多数寄せられています。

また、中学校や高等学校からの希望に応じ、生徒への配布も徐々に広がってきています。市民からの送付依頼は平成22年3月現在で約300件を超え、市民の皆様のこのような資料への関心を伺うこともできました。

なお、当センターからは、都道府県、政令市のPRTR、環境教育担当や全国の消費生活センターに送付し、希望に応じて追加配布を行っています。

本冊子の目次は以下のとおりであり、化学物質管理の基本的な考え方として国際的にも活用され始めたリスク評価とそれを構成する有害性評価、暴露評価の各ステップとその情報提供であるリスクコミュニケーションまで、数式を使わず、主に絵や図によって解説をしています。事業者の皆様の社員教育用としての利用も可能と考えており、さまざまな分野での活用を期待しています。

なお、本冊子は印刷物としての配布のほか、下記URLで、pdfファイルのダウンロードも可能になっています。多くの皆様のご利用をお待ちしています。
http://www.safe.nite.go.jp/shiryo/pdf/chem_manage_pamphlet.pdf【PDF:2,905KB】

本冊子の目次

1.化学物質ってなに?
毎日私たちが使用しているさまざまな製品すべてが化学物質であることを解説しています。
2.化学物質のリスクってなに?
リスクの概念を「ライオンとおり」の事例で解説し、化学物質のリスク評価をふぐ毒や塩を例に説明しています。
3.色々な有害性。
化学物質の有害性をアルコールなどの事例から解説しています。
4.体に入った量で影響が決まる。
体に入った量(暴露量)とこれ以下だと害が出ない化学物質に固有な無毒性量との比較からリスク評価を行うことについて解説しています。
5.色々な経路から体に入る。
私たちは、さまざまな経路で化学物質を摂取しています。環境汚染などの例を踏まえながら解説を行っています。
6.悪い影響が出でないようにしよう!
リスク評価結果の化学物質管理への活用の方法から、リスクコミュニケーションまで解説をしています。

1.化学物質ってなに?

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2010年1月1日に化学物質審査規制法リスク評価準備室を設置しました。

2010年4月1日に、改正化学物質審査規制法が施行されましたが、平成23年度から開始される製造・輸入量及び用途情報の届出情報等を用いて行うリスク評価のために必要な情報基盤の検討及び整備を行うことを目的としています。具体的な業務は以下のとおりです。

  1. (1)一般化学物質及び優先評価化学物質の届出情報の整理、集計方法等、届出情報を用いたリスク評価に必要な情報基盤の整備に関する検討
  2. (2)(1)に掲げる情報基盤に必要なシステムの検討、構築
  3. (3)その他上記に掲げる業務に付随する業務及び関係機関等との調整

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【岐阜県リスクコミュニケーションマニュアル】の作成に協力しました。

当センターは、岐阜県環境生活部地球環境課の平成21年度事業「岐阜県リスクコミュニケーションマニュアル」の作成に協力しました。リスクコミュニケーションマニュアルは、PRTR制度開始時に書籍や報告書として、いくつか公開されましたが、その後現状に即した改訂等もなく、事業者の皆様からは、その必要性についてのご提案も当センターに寄せられていました。本マニュアルは、これからリスコミに取り組む事業者を対象として、導入編、実践編、事例集からなり、導入編では、リスクコミュニケーションの概説、実践編では、準備から実施まで具体的な解説を行っています。事例集では、岐阜県内事業者の事例を当日の説明資料なども併せ、掲載しています。下記のホームページで公開されていますので、是非、ご活用ください。

岐阜県環境まるごとパビリオン
http://www.pref.gifu.lg.jp/pref/ecopavilion/index.htm

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最近の当センターホームページからの主な情報提供

2010/3/26
「平成20年度PRTR届出データの過年度との比較報告書(速報版)」を公開しました。
2010/3/25
「化管法関連業務」のホームページをリニューアルしました。
2010/2/26
化学物質排出把握管理促進法に基づき平成20年度までのPRTRデータが公表されました。集計結果及び個別事業所データがご覧いただけます。
2010/2/25
平成19年度PRTRデータを用いた発生源マップ・濃度マップを公開しました。
2010/2/25
「平成19年度PRTR届出データの過年度との比較報告書」を公開しました。
2009/12/28
「化学物質と上手に付き合うために… ―化学物質のリスク評価―」を改訂しました。
2009/12/25
平成20年度に経済産業省が実施した約90物質のGHS分類結果を公開しました。
2009/12/24
「平成19年度PRTR対象物質の取扱い等に関する調査報告書」を公開しました。
2009/12/14
室内暴露にかかわる生活・行動パターン情報 家事行動に関する調査結果を公表しました。

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お問い合わせ

独立行政法人製品評価技術基盤機構 化学物質管理センター
TEL:03-3481-1977  FAX:03-3481-2900
住所:〒151-0066 東京都渋谷区西原2-49-10 地図
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