Aeropyrum pernix K1T (NBRC 100138T)
プロテオーム解析の概要
好気性超好熱古細菌 Aeropyrum pernix K1T (NBRC 100138T) の網羅的なプロテオーム解析を以下の4手法により実施しました。
- (1)ペプチドマスフィンガープリント法(二次元電気泳動、MALDI-TOFMS )
- (2)1次元SDS-PAGE 2次元LC-MS/MS法 (ショットガンプロテオーム法)
- (3)多次元LC-MS/MS法
- (4)N末端アミノ酸シーケンス法
プロテオーム解析結果
Aeropyrum pernix K1Tの開始コドン
704個(遺伝子数1700の41%)のタンパク質の発現を確認し、この中にはORFとして推定されていなかった19の遺伝子が含まれていました。
N末端アミノ酸配列解析の結果、遺伝子の開始点はTTGが主たる開始点であるという、これまでの生物学の常識を覆す事実を発見しました。
この結果、ORFの約70%の遺伝子開始点が実際と異なることが判明しました。
これらの結果をアノテーションの見直しに反映し、高精度なゲノム情報として生物資源データプラットフォーム(DBRP)からデータの公開をしています。
近年、このような技術は、プロテオゲノミクス(Proteogenomics)と呼ばれています。
発表等
NITEでの解析結果は、以下の論文や学会で発表されています。
- 53rd ASMS Conference (2005.6)
- “Proteome analysis of aerobic hyper-thermophilic crenarchaeon, Aeropyrum pernix K1, by SDS-PAGE and 2-dimensional LC/MS/MS
”
- Hanako Ishikawa, Miyako Mise, Keiko Nishijima, Rie Otsuka, Jun Yamazaki, Shuji Yamazaki, Kazumi Sasaki and Shinichi Tago
- 第30回日本分子生物学会年会・第80回日本生化学会大会合同大会 (2007.12)
- 「網羅的プロテオーム解析によるアノテーションの精密化」
- (Proteome Analysis for Precise Prediction of Protein Coding Regions)
- 西嶋桂子、山崎純、三瀬美也子、安宅花子、佐々木和実、山崎秀司、藤田信之
プロテオーム解析のための陰イオン交換クロマトグラフ法の開発と超好熱古細菌 Aeropyrum pernix K1 の膜タンパク質検出への応用
分析化学, 55.12, 963-968. (2006)翻訳開始コドンがTTG優位なアーキアの発見 : 網羅的プロテオーム解析から見えてくること
バイオサイエンスとインダストリー, 65.3, 134-136. (2007) - Hanako Ishikawa, Miyako Mise, Keiko Nishijima, Rie Otsuka, Jun Yamazaki, Shuji Yamazaki, Kazumi Sasaki and Shinichi Tago
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