Bacillus cereusのセレウリド合成酵素(CRS)遺伝子の検出
セレウリドはBacillus cereusが産生する毒素のひとつで、食中毒を引き起こす嘔吐毒素として知られています。そこでNBRCが保有するBacillus cereus 16株について、セレウリド合成酵素(CRS)遺伝子のPCR法を用いた検出試験を行いました。
供試菌株
NBRCで保有するBacillus cereus 16株(表1)
方法
- 1.各菌株指定の液体培地(802培地)で1日間培養
- 2.DNAを抽出
- 3.供試菌株のDNA、ポジティブコントロールとしてキット付属のPositive control Template(CRSおよびLE)、ネガティブコントロールとして滅菌水をそれぞれ鋳型としてPCR反応(PCR条件は製品添付の説明書に従っています)
- 4.3%アガロースゲルで電気泳動後、エチジウムブロマイドで染色
使用キット
Bacillus cereus (CRS gene) PCR Detection Kit
(製品コード:RR132A、タカラバイオ株式会社)
結果
PCRで得られるセレウリド合成酵素(CRS)遺伝子の増幅産物は426 bpで、試験したNBRC株16株の全株において増幅産物は得られず、セレウリド合成酵素(CRS)遺伝子は保持していないことを確認しました。
全てのサンプルのPCR反応液はインターナルコントロール(I.C.)を含みますが、LEまたはCRS遺伝子由来の増幅産物が確認されたサンプルでは、インターナルコントロール由来の増副産物が確認できない場合があるとされています。
試験は2回行い、同一の結果を得ています。
表1. レーン番号と供試菌株
1 | NBRC 3001 |
2 | NBRC 3002 |
3 | NBRC 3003 |
4 | NBRC 3131 |
5 | NBRC 3132 |
6 | NBRC 3457 |
7 | NBRC 3466 |
8 | NBRC 3514 |
9 | NBRC 3563 |
10 | NBRC 3836 |
11 | NBRC 13494 |
12 | NBRC 13597 |
13 | NBRC 13690 |
14 | NBRC 15305 |
15 | NBRC 103938 |
16 | NBRC 109892 |
M | マーカー |
P1 | ポジティブコントロール(CRS;セレウリド合成酵素遺伝子) |
P2 | ポジティブコントロール(LE;レシチナーゼ遺伝子) |
N | ネガティブコントロール(I.C.;インターナルコントロール) |
2017年2月
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