NBRCニュース 第93号

今号の内容
1.
新たにご利用可能となった微生物株
糸状菌では、ヤシガラから分離され、植物病原菌に対する生物的防除資材としての活用が期待されるAspergillus terreus NBRC 117105や、サクラ(ソメイヨシノ)から分離され、抗酸化物質として知られるエルゴチオネインを産生するAureobasidium pullulans NBRC 116936を公開しました。また、エアコンまたは洗濯機から分離された6菌株、Parengyodontium album NBRC 114580、Lecanicillium tenuipes NBRC 114581、Toxicocladosporium irritans NBRC 114582およびNBRC 114584、Neocucurbitaria keratinophila NBRC 114586並びにOchroconis musae NBRC 114592を公開しました。
細菌では、新規生理活性物質の探索源として注目される希少放線菌の新種Actinomadura terrae NBRC 114688およびPrauserella cavernicola NBRC 114887を公開しました。また、植物キダチカッコウアザミやオート麦の根圏土壌から分離された"Massilia orientalis" NBRC 116628および"Sphingosinicella rhizophila" NBRC 116723を公開しました(※)。
※この2つの学名は、Current Microbiology誌で提唱されましたが、国際原核生物命名規約に基づく正式な学名としては未だ承認されていないため、学名には引用符を付して表記しています。
【新たに分譲を開始した微生物資源】
https://www.nite.go.jp/nbrc/cultures/nbrc/new_strain/new_dna.html
2.
びせいぶつ学習帳:知っているようで知らない微生物の話(4)
麹菌の魅力と可能性を探る【前編】
~日本の食文化を支える「国菌」アスペルギルス・オリゼ~
(齊藤 舜介)

「国菌(こくきん、こっきん)」という言葉を耳にしたことはありますか?
国を象徴する花「国花」や、鳥「国鳥」は広く知られていますが、微生物にも国を代表する「国菌」が存在します。2006年に日本醸造学会は、日本の食文化を支えてきたアスペルギルス・オリゼ(Aspergillus oryzae)を「国菌」に認定しました(1)。
アスペルギルス・オリゼは、通称「麹菌(こうじきん)」と呼ばれ、私たちの食卓に欠かせない味噌、醤油や日本酒といった発酵食品の芳醇な味わいを支えてきた微生物であり、私たち日本人の食文化に深く根付くまさに日本の宝とも言える微生物です。2024年12月には麹を使って米や麦といった原料を発酵させる日本の「伝統的酒造り」が国連教育科学文化機関(ユネスコ)の「無形文化遺産」に登録されました。
【日本の食文化を育んだ立役者】
アスペルギルス・オリゼが日本の食文化において特別な地位を築いているのは、その卓越した酵素生産能力にあります。米、麦、大豆といった穀物に繁殖すると、アミラーゼ、プロテアーゼ、リパーゼなど、多種多様な酵素を大量に分泌します。これらの酵素は、デンプンをブドウ糖などの糖に、タンパク質をアミノ酸に、脂質を脂肪酸とグリセリンに分解する働きを持ちます。この分解こそが、発酵食品独特の甘味、旨味、風味、そして香りを生み出す源泉となるのです。
例えば、日本の食卓に欠かせない醤油は、大豆と小麦を麹で発酵させることで、アミノ酸由来の濃厚な旨味と、芳醇な香りが生まれます。味噌も同様に、大豆と米や麦の麹、そして塩を組み合わせることで、深みのある味わいと独特の風味が醸し出されます。日本酒においては、麹菌の生み出した酵素が米のデンプンを分解し糖に変え、酵母がその糖をアルコールに変えるという、複雑かつ繊細なプロセスを経て、奥深い香りと口当たりの良さが生まれます。焼酎やみりんも、それぞれの原料と麹菌の働きによって、個性豊かな味わいを獲得するのです。
このように、麹菌は、日本の伝統的な調味料や酒類に不可欠な存在であり、その風味はまさに日本の食文化そのものと言えるでしょう。もし麹菌がいなければ、今日の私たちの食卓は、味気ないものになっていたかもしれません。

【現代における麹菌の新たな可能性】
麹菌は伝統的な発酵食品の製造に留まらず、近年では代替肉開発においても注目を集めています(2)。麹菌の菌糸が繊維状の構造を作り出すため、これまでの植物性代替肉の課題であった噛み応えのある食感を生み出す可能性を秘めています。さらに、麹菌が産生する豊富な酵素は原料中の成分を分解してアミノ酸などの旨味成分を生成し、それによって代替肉に自然な旨味と深みを与えるほか、麹菌自体がタンパク質や食物繊維を含むため、栄養価の向上も期待できます。
また、麹菌の培養に必要な期間は、牛や豚などの家畜の飼育や大豆などの栽培に比べて非常に短く、土地や水の使用量も少ないため、麹菌を用いる代替肉の生産は環境負荷を抑えると同時に、生産コストの削減にも貢献します。こうした環境面・経済面のメリットを受けて、国内外の企業では、麹菌由来の素材を活用した代替肉の開発が進められており、ハムやサラミに似た製品など、さまざまな食感を持つ製品が生み出されています。これらの技術は、「マイコテクノロジー(Mycotechnology)」としても注目されています。
このように麹菌は食品分野において過去から現在、そして未来の私たちの生活を支える微生物です。さらに、麹菌は食品分野だけに利用されている訳ではありません。本シリーズの後編では、麹菌の食品以外での活用や魅力について触れたいと思います。
なお、4月13日に開幕した2025年大阪・関西万博日本政府館の「プラントエリア」では、麹菌をテーマにした展示も行われています。 是非、皆様も万博に足をお運びください。
出典
(1) 麴菌をわが国の「国菌」に認定する-宣言- 日本醸造学会
https://www.jozo.or.jp/gakkai/wp-content/uploads/sites/4/2020/02/koujikinnituite2.pdf
(2) 「麹菌による代替肉・代替プロテイン開発」生物工学会誌 (2024)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/seibutsukogaku/102/8/102_102.8_402/_pdf/-char/ja
MALDI-TOF MSを用いた微生物同定法は、その迅速性や簡便さから、食品等の製品の品質管理や製造工程における微生物検査にも広く利用されている手法です。NBRCは、迅速な微生物同定を技術的に支援するため、MALDI-TOF MS微生物同定用ライブラリーを構築し公開しています。
この度、Alicyclobacillus acidoterrestrisとその近縁種の識別・同定を支援するために、MALDI-TOF MS用微生物同定システムであるMALDI Biotyper(R)に対応したマススペクトル・ライブラリーを作成し、公開しました。
Alicyclobacillus属細菌は、耐熱性があり酸性下で生育することから、一部の菌種は果実飲料や酸性飲料に混入して変敗を引き起こすことがあり、飲料製造において危害菌として知られています。MALDI-TOF MS微生物同定用ライブラリーの作成にあたっては、本属細菌の特徴として、培養条件によって発現するタンパク質に左右され、同じ菌株でも測定結果に違いが出やすいことから、2種類の培地を用いました。MALDI-TOF MS微生物同定用の参照用ライブラリーとしてぜひご利用ください。
【詳細】 https://www.nite.go.jp/nbrc/industry/maldi/maldi.html
また、MALDI-TOF MSを用いた微生物同定法についてはこちらの記事もご覧ください。
https://www.nite.go.jp/nbrc/cultures/others/nbrcnews/news_vol50.html#news50_3
https://www.nite.go.jp/nbrc/cultures/others/nbrcnews/news_vol52.html#news52_3

国を象徴する花「国花」や、鳥「国鳥」は広く知られていますが、微生物にも国を代表する「国菌」が存在します。2006年に日本醸造学会は、日本の食文化を支えてきたアスペルギルス・オリゼ(Aspergillus oryzae)を「国菌」に認定しました(1)。
アスペルギルス・オリゼは、通称「麹菌(こうじきん)」と呼ばれ、私たちの食卓に欠かせない味噌、醤油や日本酒といった発酵食品の芳醇な味わいを支えてきた微生物であり、私たち日本人の食文化に深く根付くまさに日本の宝とも言える微生物です。2024年12月には麹を使って米や麦といった原料を発酵させる日本の「伝統的酒造り」が国連教育科学文化機関(ユネスコ)の「無形文化遺産」に登録されました。
【日本の食文化を育んだ立役者】
アスペルギルス・オリゼが日本の食文化において特別な地位を築いているのは、その卓越した酵素生産能力にあります。米、麦、大豆といった穀物に繁殖すると、アミラーゼ、プロテアーゼ、リパーゼなど、多種多様な酵素を大量に分泌します。これらの酵素は、デンプンをブドウ糖などの糖に、タンパク質をアミノ酸に、脂質を脂肪酸とグリセリンに分解する働きを持ちます。この分解こそが、発酵食品独特の甘味、旨味、風味、そして香りを生み出す源泉となるのです。
例えば、日本の食卓に欠かせない醤油は、大豆と小麦を麹で発酵させることで、アミノ酸由来の濃厚な旨味と、芳醇な香りが生まれます。味噌も同様に、大豆と米や麦の麹、そして塩を組み合わせることで、深みのある味わいと独特の風味が醸し出されます。日本酒においては、麹菌の生み出した酵素が米のデンプンを分解し糖に変え、酵母がその糖をアルコールに変えるという、複雑かつ繊細なプロセスを経て、奥深い香りと口当たりの良さが生まれます。焼酎やみりんも、それぞれの原料と麹菌の働きによって、個性豊かな味わいを獲得するのです。
このように、麹菌は、日本の伝統的な調味料や酒類に不可欠な存在であり、その風味はまさに日本の食文化そのものと言えるでしょう。もし麹菌がいなければ、今日の私たちの食卓は、味気ないものになっていたかもしれません。

麹菌は伝統的な発酵食品の製造に留まらず、近年では代替肉開発においても注目を集めています(2)。麹菌の菌糸が繊維状の構造を作り出すため、これまでの植物性代替肉の課題であった噛み応えのある食感を生み出す可能性を秘めています。さらに、麹菌が産生する豊富な酵素は原料中の成分を分解してアミノ酸などの旨味成分を生成し、それによって代替肉に自然な旨味と深みを与えるほか、麹菌自体がタンパク質や食物繊維を含むため、栄養価の向上も期待できます。
また、麹菌の培養に必要な期間は、牛や豚などの家畜の飼育や大豆などの栽培に比べて非常に短く、土地や水の使用量も少ないため、麹菌を用いる代替肉の生産は環境負荷を抑えると同時に、生産コストの削減にも貢献します。こうした環境面・経済面のメリットを受けて、国内外の企業では、麹菌由来の素材を活用した代替肉の開発が進められており、ハムやサラミに似た製品など、さまざまな食感を持つ製品が生み出されています。これらの技術は、「マイコテクノロジー(Mycotechnology)」としても注目されています。
このように麹菌は食品分野において過去から現在、そして未来の私たちの生活を支える微生物です。さらに、麹菌は食品分野だけに利用されている訳ではありません。本シリーズの後編では、麹菌の食品以外での活用や魅力について触れたいと思います。
なお、4月13日に開幕した2025年大阪・関西万博日本政府館の「プラントエリア」では、麹菌をテーマにした展示も行われています。 是非、皆様も万博に足をお運びください。
出典
(1) 麴菌をわが国の「国菌」に認定する-宣言- 日本醸造学会
https://www.jozo.or.jp/gakkai/wp-content/uploads/sites/4/2020/02/koujikinnituite2.pdf
(2) 「麹菌による代替肉・代替プロテイン開発」生物工学会誌 (2024)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/seibutsukogaku/102/8/102_102.8_402/_pdf/-char/ja
3.
MALDI-TOF MS微生物同定用ライブラリー提供のお知らせ
(Alicyclobacillus acidoterrestrisと近縁種)
MALDI-TOF MSを用いた微生物同定法は、その迅速性や簡便さから、食品等の製品の品質管理や製造工程における微生物検査にも広く利用されている手法です。NBRCは、迅速な微生物同定を技術的に支援するため、MALDI-TOF MS微生物同定用ライブラリーを構築し公開しています。
この度、Alicyclobacillus acidoterrestrisとその近縁種の識別・同定を支援するために、MALDI-TOF MS用微生物同定システムであるMALDI Biotyper(R)に対応したマススペクトル・ライブラリーを作成し、公開しました。
Alicyclobacillus属細菌は、耐熱性があり酸性下で生育することから、一部の菌種は果実飲料や酸性飲料に混入して変敗を引き起こすことがあり、飲料製造において危害菌として知られています。MALDI-TOF MS微生物同定用ライブラリーの作成にあたっては、本属細菌の特徴として、培養条件によって発現するタンパク質に左右され、同じ菌株でも測定結果に違いが出やすいことから、2種類の培地を用いました。MALDI-TOF MS微生物同定用の参照用ライブラリーとしてぜひご利用ください。
【詳細】 https://www.nite.go.jp/nbrc/industry/maldi/maldi.html
また、MALDI-TOF MSを用いた微生物同定法についてはこちらの記事もご覧ください。
https://www.nite.go.jp/nbrc/cultures/others/nbrcnews/news_vol50.html#news50_3
https://www.nite.go.jp/nbrc/cultures/others/nbrcnews/news_vol52.html#news52_3
4.
「微生物有害情報リスト(真菌)」をリニューアルしました!
(2025年4月23日公開)
微生物有害情報データベース(M-RINDA)では、細菌や真菌に関する危険度分類や法規制情報を一元化した「微生物有害情報リスト」を公開しています。NBRCニュース第92号でお知らせしたとおり、このたび「真菌リスト」について、ユーザーの皆様の利便性、操作性向上を目的に、2025年4月23日にリニューアルを行いました。
今回のリニューアルでは、真菌リストのExcelファイルのレイアウトや情報の記載方法を見直しました。これにより、学名ごとの関連情報をより簡単に確認できるようになっています。
【主な変更点】
● 1学名1行の記載形式にしました。
● 各微生物名について、現行名と異名の両方の情報を併記しました。
● 出典資料に記載がない学名についても、その異名に情報がある場合は補足記号(‡)を付すことで、見落としを防げるようにしました。
● 異名の関係にある微生物名には同一の「確認ID」を付与しました。このIDをExcelのフィルタ機能で絞り込むことで、現行名と異名の情報をまとめて確認できます(図1)。
詳しい利用方法についてはヘルプページをご参照ください。
なお、分類体系の変更により、同じ微生物であっても、出典資料によって記載されている学名が異なる場合があります。リスク情報を確認する際には、確認IDでフィルタリングを行い、現行名や異名の情報も必ずご確認ください。
今回のリニューアルでは、真菌リストのExcelファイルのレイアウトや情報の記載方法を見直しました。これにより、学名ごとの関連情報をより簡単に確認できるようになっています。
【主な変更点】
● 1学名1行の記載形式にしました。
● 各微生物名について、現行名と異名の両方の情報を併記しました。
● 出典資料に記載がない学名についても、その異名に情報がある場合は補足記号(‡)を付すことで、見落としを防げるようにしました。
● 異名の関係にある微生物名には同一の「確認ID」を付与しました。このIDをExcelのフィルタ機能で絞り込むことで、現行名と異名の情報をまとめて確認できます(図1)。
詳しい利用方法についてはヘルプページをご参照ください。
なお、分類体系の変更により、同じ微生物であっても、出典資料によって記載されている学名が異なる場合があります。リスク情報を確認する際には、確認IDでフィルタリングを行い、現行名や異名の情報も必ずご確認ください。

図1 真菌リスト(Excel形式)と学名の絞り込み表示例
今後も内容の充実に努め、皆様のお役に立つ情報を提供してまいります。微生物有害情報リストは、以下のURLより無償でご利用いただけます。
【微生物有害情報リスト】
https://www.nite.go.jp/nbrc/mrinda/list/
【真菌リスト(Excel形式)のダウンロード】
https://www.nite.go.jp/nbrc/mrinda/list/risk/fungi
【微生物有害情報リスト】
https://www.nite.go.jp/nbrc/mrinda/list/
【真菌リスト(Excel形式)のダウンロード】
https://www.nite.go.jp/nbrc/mrinda/list/risk/fungi
5.
動画公開のお知らせ
NITE公式YouTubeチャンネルから、新しい動画を公開しました。
今回は、昨年度2月に開催したNITE講座「微生物の利活用基礎講座2025」の講義動画2本と、NBRCが提供するL-乾燥標品(ガラスアンプル)の作製手順を紹介する動画1本を配信します。
(1)NITE講座「微生物の利活用基礎講座2025」の講義動画
NITE講座の講義動画では、取り扱いにコツが必要な2つの分類群について、基礎的な培養方法や保存方法をご紹介しています。
・【NITE講座2025】嫌気性菌の培養方法および保存方法
https://youtu.be/PE41hw5Ht9U
・【NITE講座2025】カビ・キノコの培養方法および保存方法
https://youtu.be/a5HB0TSG35s
(2)L-乾燥標品(ガラスアンプル)作製手順の解説動画
L-乾燥標品(ガラスアンプル)ができるまでの工程を紹介しています。菌液分注後のアンプルが、真空を保ったまま職人技で熔封されるまでの一連の流れをご覧頂けます。
・【NBRC】職人技!L-乾燥アンプル(標品)ができるまで
https://youtube.com/watch?v=8NP940dPDAk
ご興味をお持ちの方は是非ご覧ください。チャンネル登録もお待ちしております。
NITE公式YouTubeチャンネル
https://www.youtube.com/@nite_JAPAN
今回は、昨年度2月に開催したNITE講座「微生物の利活用基礎講座2025」の講義動画2本と、NBRCが提供するL-乾燥標品(ガラスアンプル)の作製手順を紹介する動画1本を配信します。
(1)NITE講座「微生物の利活用基礎講座2025」の講義動画
NITE講座の講義動画では、取り扱いにコツが必要な2つの分類群について、基礎的な培養方法や保存方法をご紹介しています。
・【NITE講座2025】嫌気性菌の培養方法および保存方法
https://youtu.be/PE41hw5Ht9U
・【NITE講座2025】カビ・キノコの培養方法および保存方法
https://youtu.be/a5HB0TSG35s
(2)L-乾燥標品(ガラスアンプル)作製手順の解説動画
L-乾燥標品(ガラスアンプル)ができるまでの工程を紹介しています。菌液分注後のアンプルが、真空を保ったまま職人技で熔封されるまでの一連の流れをご覧頂けます。
・【NBRC】職人技!L-乾燥アンプル(標品)ができるまで
https://youtube.com/watch?v=8NP940dPDAk
ご興味をお持ちの方は是非ご覧ください。チャンネル登録もお待ちしております。
NITE公式YouTubeチャンネル
https://www.youtube.com/@nite_JAPAN
6.
DBRP(生物資源データプラットフォーム)
~更新情報のお知らせ~
■「山形県工業技術センター有用株」コレクションに新たに1株を追加
DBRP(生物資源データプラットフォーム)では、さまざまな機関が保有する有用な微生物株の情報を公開し、利用者との橋渡しを行っています。その一つとして、山形県工業技術センターが地域資源から分離し、食品等への応用試験で特に良好な成績を示した株を、「山形県工業技術センター有用株」コレクションとして公開しています。これらの取り組みについては、NBRCニュース第87号でもご紹介しています。
このたび、新たに乳酸菌Lactococcus lactis U11に関する情報を、DBRP上で公開しました(2025年4月23日)。この菌株をパン製造に利用したところ、未使用の場合と比べてパンの膨らみが大きくなり、風味も良好となることが確認されています。
菌株の詳細情報、利用条件、申し込み方法などは、下記のDBRPページをご確認ください。
【DBRPコレクション情報「山形県工業技術センター有用株」】
https://www.nite.go.jp/nbrc/dbrp/dataview?dataId=COLL0001000000001
【Lactococcus lactis U11】
https://www.nite.go.jp/nbrc/dbrp/dataview?dataId=STYP0000000000005
DBRP(生物資源データプラットフォーム)では、さまざまな機関が保有する有用な微生物株の情報を公開し、利用者との橋渡しを行っています。その一つとして、山形県工業技術センターが地域資源から分離し、食品等への応用試験で特に良好な成績を示した株を、「山形県工業技術センター有用株」コレクションとして公開しています。これらの取り組みについては、NBRCニュース第87号でもご紹介しています。
このたび、新たに乳酸菌Lactococcus lactis U11に関する情報を、DBRP上で公開しました(2025年4月23日)。この菌株をパン製造に利用したところ、未使用の場合と比べてパンの膨らみが大きくなり、風味も良好となることが確認されています。
菌株の詳細情報、利用条件、申し込み方法などは、下記のDBRPページをご確認ください。
【DBRPコレクション情報「山形県工業技術センター有用株」】
https://www.nite.go.jp/nbrc/dbrp/dataview?dataId=COLL0001000000001
【Lactococcus lactis U11】
https://www.nite.go.jp/nbrc/dbrp/dataview?dataId=STYP0000000000005
編集後記
今号では、麹菌にスポットライトを当てました。今朝の食事を振り返ってみると、味噌汁の味噌や、醤油、豆腐にのせたかつお節――これらの多くは、麹菌を含むアスペルギルス属の微生物たちの力を借りなければ作ることができません。味噌汁を一口飲んだときに感じる、あのほっとする味わい。それは、麹菌によって生み出された旨味成分や香り成分が、大きく関わっています。まさに、「アスペルギルス様様」と言いたくなる存在です。
改めて考えてみると、日本人は古くから、麹菌だけでなく、酵母菌、乳酸菌、納豆菌、酢酸菌といったさまざまな微生物を巧みに利用してきました。これらの微生物の働きを利用し、発酵や熟成に応用することで、世界に誇る豊かな食文化を築き上げてきたのです。普段は当たり前に感じていることですが、改めて見つめ直すと、本当に驚くべきことだと感じます。(UY)
今号では、麹菌にスポットライトを当てました。今朝の食事を振り返ってみると、味噌汁の味噌や、醤油、豆腐にのせたかつお節――これらの多くは、麹菌を含むアスペルギルス属の微生物たちの力を借りなければ作ることができません。味噌汁を一口飲んだときに感じる、あのほっとする味わい。それは、麹菌によって生み出された旨味成分や香り成分が、大きく関わっています。まさに、「アスペルギルス様様」と言いたくなる存在です。
改めて考えてみると、日本人は古くから、麹菌だけでなく、酵母菌、乳酸菌、納豆菌、酢酸菌といったさまざまな微生物を巧みに利用してきました。これらの微生物の働きを利用し、発酵や熟成に応用することで、世界に誇る豊かな食文化を築き上げてきたのです。普段は当たり前に感じていることですが、改めて見つめ直すと、本当に驚くべきことだと感じます。(UY)
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・NBRCニュースは偶数月の1日(休日の場合はその前後)に配信します。次号(第94号)は2025年8月初旬の配信を予定しています。
編集・発行
独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)バイオテクノロジーセンター(NBRC)
NBRCニュース編集局(nbrcnews【@】nite.go.jp)
(メールを送信される際は@前後の【】を取ってご利用ください)
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