用語集
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- アルファベット
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アルファベット
ACGIH
- ふりがな
- えーしーじーあいえっち
- 英語
- American Conference of Governmental Industrial Hygienists
- 同義語
- 米国産業衛生専門家会議
- 定義
- 米国の産業衛生の専門家の組織。主に管理的及び技術的な観点から化学物質の評価に取り組んでおり、職業暴露限界の勧告値や化学物質の発がん性の分類などを検討して公表している。
- 関連語
- 職業暴露限界、発がん性の分類
ADMER
- ふりがな
- あどまー
- 英語
- Atmospheric Dispersion Model for Exposure and Risk Assessment
- 同義語
- 曝露・リスク評価大気拡散モデル、AIST-ADMER
- 定義
- 独立行政法人産業技術総合研究所が開発した広域の大気中濃度と沈着量を推定するモデル。工場などから大気へ排出される化学物質の排出量と気象条件を入力することで、最大5km四方のメッシュ別に、大気中の化学物質濃度と沈着量を推定することができる。
- 関連語
- AIST、3次メッシュ
AQUIRE
- ふりがな
- あくわいあー
- 英語
- AQuatic Toxicity Information Retrieval
- 同義語
- 定義
- 米国環境保護庁が作成、公表している化学物質の水生生物及び底生生物への影響に関する毒性試験結果などの知見を集積したデータベース。他の陸生植物及び野生生物に関するデータベースと共に、統合的なデータベースのECOTOXを構成している。
- 関連語
- 慢性毒性(水生生物)、ECOTOX
ATSDR Toxicological Profiles
- ふりがな
- えーてぃーえすでぃーあーるときしころじかるぷろふぁいる
- 英語
- ATSDR Toxicological Profiles
- 同義語
- 定義
- 米国において、米国スーパーファンド法の下、有害化学物質による健康影響に関する知識基盤の拡充などを目的として、有害物質・疾病登録局(ATSDR)が作成する有害性の評価書。NPL(国家優先リスト)地域における検出頻度、有害性及び人間に対する暴露の可能性に基づいてランク付けを行い、評価対象としている。NPL地域とは、付近で生活又は勤務している人々に対して危害を及ぼすおそれがあるため、有害化学物質を浄化する必要性があると判断された地域のことである。
- 関連語
BUAリスク評価書
- ふりがな
- ぶありすくひょうかしょ
- 英語
- BUA Report
- 同義語
- 定義
- ドイツにおいて、政府の既存化学物質のリスク評価を支援するため、1982年にドイツ化学会(GDCh)の諮問委員会として設立されたドイツ化学会諮問委員会(BUA)が作成した評価書。人の健康及び環境に有害な化学物質を規制する法案の根拠として、ドイツ政府に活用されている。
- 関連語
CAS登録番号
- ふりがな
- きゃすとうろくばんごう、しーえーえすとうろくばんごう
- 英語
- CAS registry number
- 同義語
- CAS番号
- 定義
- アメリカ化学会(ACS)の一部門である化学情報サービス機関(CAS)が、化学物質に付与している番号。CAS登録番号は、ハイフンにより3つの部分に分かれており、一番左の部分は7桁までの数字、真中の部分は2桁の数字、一番右の部分はチェック数字と呼ばれる1桁の数字で表される。例:ホルムアルデヒド(50-00-0)、ベンゼン(71-43-2)、トルエン(108-88-3)。
- 関連語
CEPA-PSL
- ふりがな
- せぱぴーえすえる
- 英語
- Canadian Environmental Protection Act - Priory Substances List
- 同義語
- 定義
- カナダにおいて、1991年に成立したカナダ環境保護法(CEPA)に基づき、環境省と保健省が包括的かつ詳細なリスク評価を優先的に行うとしている物質のリスト。当該リストに掲載された化学物質は2省がリスク評価を行い、有害と判定されると、有害物質リストに掲載されてリスク管理措置が適用される。
- 関連語
CHRIP
- ふりがな
- くりっぷ
- 英語
- Chemical Risk Information Platform
- 同義語
- 化学物質総合情報提供システム
- 定義
- 独立行政法人製品評価技術基盤機構が構築、整備している、化学物質に関するデータベースシステム。CAS登録番号及び化学物質名称などから、物理化学的性状や、有害性情報、法規制情報及び国際機関によるリスク評価情報などを検索したり、各法による規制対象物質や各機関の評価物質などを一覧表示することができる。
- 関連語
CLP規則
- ふりがな
- しーえるぴーきそく
- 英語
- Regulation on Classification, Labeling and Packaging of substances and mixtures
- 同義語
- 定義
- EUにおいて、主にハザードコミュニケーションの実施を目的とした、GHSをベースとした化学品の分類、表示、包装に関する規則。正式名称は「物質及び混合物の分類、表示及び包装に関する欧州議会及び理事会規則」。
- 関連語
- GHS、ハザードコミュニケーション
ConsExpo
- ふりがな
- こんすえくすぽ
- 英語
- CONSumer product EXPOsure and uptake
- 同義語
- 定義
- オランダ国立公衆衛生環境研究所(RIVM)で開発された、化学物質を含む製品(調剤、成形品)による消費者暴露を推定するモデル。
- 関連語
eChemPortal
- ふりがな
- いーけむぽーたる
- 英語
- a Global Portal to Information on Chemical Substances
- 同義語
- 定義
- OECDが構築した、加盟国や国際機関が有している既存化学物質などの有害性情報、暴露情報、GHS分類などに関するデータベースを一括して検索できるポータルサイト。CAS登録番号や国連番号などの番号及び化学物質名称から検索するPhase 1と、各試験、試験の条件及びエンドポイントから検索するPhase 2とがある。
- 関連語
ECOTOX
- ふりがな
- えことっくす
- 英語
- ECOTOXicology database system
- 同義語
- 定義
- 米国環境保護庁が提供している生態毒性のデータベース。水生生物、陸生植物、野生生物に対する化学物質の毒性データを提供する統合的なデータベースで、インターネット上で閲覧できる。
- 関連語
- AQUIRE
EC番号
- ふりがな
- いーしーばんごう
- 英語
- EC number
- 同義語
- ECN
- 定義
- 欧州委員会が、欧州既存商業化学物質インベントリー(EINECS)に登録されている危険有害物質を特定するなどの目的で用いる番号。
- 関連語
ELV指令
- ふりがな
- いーえるぶいしれい
- 英語
- End of Life Vehicle; Directive 2000/53 of the European Parliament and of the Council of 18 September 2000 on end of life vehicles
- 同義語
- 使用済み自動車に関する欧州議会及び理事会指令
- 定義
- EUにおいて、使用済みの自動車が環境に与える負荷を低減するため、新規に販売される自動車について鉛、水銀、カドミウム及び六価クロムの金属系4物質の使用を禁止した指令。
- 関連語
- RoHS指令
EUSES
- ふりがな
- ゆーぜす
- 英語
- EU System for the Evaluation of Substances
- 同義語
- 定義
- EUが開発した化学物質の「人健康」と「環境」に与える影響について評価する欧州化学物質影響評価システム。物理化学的性状や毒性データなどを入力することで、大気や水域など、様々な媒体における化学物質の濃度などを推定し、毒性データからの影響評価とリスク判定を行うことができる。欧州諸国で化学物質を管理していくための法規制を行う根拠を得るために開発され、REACH規則では暴露評価における推奨モデルとされている。
- 関連語
- REACH規則
EUリスク評価書
- ふりがな
- いーゆーりすくひょうかしょ
- 英語
- EU Risk Assessment Report
- 同義語
- EU-RAR
- 定義
- EUにおいて、1990年から1994年までに年間1,000トン以上製造又は輸入された高生産量化学物質(HPV)及び10~1,000トンの間で製造又は輸入された化学物質(LPV)の中から、人の健康や環境中の生物に影響を与える可能性がある物質のリスク評価結果を取りまとめた報告書。日本語版は国立医薬品食品衛生研究所(NIHS)から公開されている。
- 関連語
- 高生産量化学物質
G-CIEMS
- ふりがな
- じーしーむず
- 英語
- Grid-Catchment Integrated Environmental Modeling System
- 同義語
- 定義
- 独立行政法人国立環境研究所が開発した様々な環境媒体(大気、水域、土壌、底質など)について、GIS(地理情報システム)で用いる地理データに基づき、化学物質の濃度を推定するモデル。PRTR届出などの排出量を入力することで、たとえば5km四方のメッシュ単位で、排出から任意の時間が経過した後の各媒体中の化学物質の濃度を推定することができる。
- 関連語
- 3次メッシュ
GHS
- ふりがな
- じーえっちえす
- 英語
- The Globally Harmonized System of Classification and Labeling of Chemicals
- 同義語
- 化学品の分類及び表示に関する世界調和システム
- 定義
- 1992年に採択されたアジェンダ21の第19章に基づいて、国、地域によって異なっている化学品の危険性や有害性の分類基準、表示内容などを統一する制度。国連危険物輸送に関する専門家小委員会(UNSCETDG)、OECD、国際労働機関(ILO)で検討され、最終的に、適切な化学物質管理のための組織間プログラム(IOMC)で調整されて2003年7月にとりまとめられた。国連GHS専門家委員会では2年に一度GHSの改訂を行っている。
- 関連語
- ハザードコミュニケーション、安全データシート、CLP規則
IARC
- ふりがな
- あいあーく、あいえーあーるしー
- 英語
- International Agency for Research on Cancer
- 同義語
- 国際がん研究機関
- 定義
- 国際的ながんの研究機関。世界保健機関(WHO)の付属組織。人に対する発がん性の確からしさを各国の専門家による会議で討議、評価し、発がん性の分類を行い公表している。
- 関連語
- 発がん性の分類
ICCA
- ふりがな
- あいしーしーえー
- 英語
- International Council of Chemical Association
- 同義語
- 国際化学工業協会協議会
- 定義
- 化学工業界による国際的な協議会。化学工業の自己責任として、レスポンシブル・ケアを活動の指針としている。その活動の一環として、新たな化学品管理の自主的な取り組みであるGPSの実施や、ICCA/HPVイニシアティブとしてHPVの点検事業のサポートを行っている。アメリカ化学工業協会(ACC)、欧州化学工業連盟(Cefic)などと共に、わが国では日本化学工業協会が設立時から参加している。
- 関連語
- レスポンシブル・ケア、SAICM、高生産量化学物質、GPS
ICCS
- ふりがな
- あいしーしーえす
- 英語
- International Conference on Chemical Safety
- 同義語
- 化学物質の安全性に関する国際会議
- 定義
- 化学物質の安全性に関する今後の取り組みについて検討するため、1994年4月にストックホルムで開催された国際会議。1992年6月の地球サミットで採択されたアジェンダ21に基づいて討議が行われ、この会議にて化学物質の安全性に関する政府間フォーラム(IFCS)の設置が議決された。
- 関連語
- アジェンダ21、IFCS
in vitro
- ふりがな
- いんびとろ
- 英語
- in vitro
- 同義語
- 定義
- 「試験管内で(の)」という意味。試験管や培養器のような人工環境下での反応を検出する試験をin vitro試験という。
- 関連語
- 毒性試験、in vivo
in vivo
- ふりがな
- いんびぼ
- 英語
- in vivo
- 同義語
- 定義
- 「生体内で(の)」という意味。生体に直接被験物質を投与し、生体内及び細胞内での反応を検出する試験をin vivo試験という。
- 関連語
- 毒性試験、in vitro
IRIS
- ふりがな
- あいりす
- 英語
- Integrated Risk Information System
- 同義語
- 定義
- 米国環境保護庁により運営されている、環境汚染が人の健康へ悪影響を与えるリスクを評価するプログラム。このプログラムによって、人への健康影響に関する情報(たとえば発がん影響に対する経口スロープファクター、経口及び吸入ユニットリスクなど)が物質ごとに収集され、データベースとして公開されている。
- 関連語
- CHRIP
IUCLID
- ふりがな
- ゆーくりっど
- 英語
- International Uniform Chemical Information Database
- 同義語
- 定義
- 欧州委員会が作成している既存化学物質のデータベース・システム、入力ソフトウェア又はそのデータフォーマット。化学物質の物理化学的性状及び有害性に関するデータを管理し、規制当局に報告を行うためのシステムとして、OECDにおけるHPVの初期評価、REACH規則における化学物質の安全性情報のデータ提出などに利用されている。IUCLID 5(バージョン5)は、産業界がREACH規則に従った登録一式文書を作成し、これらのデータを現場で管理することや、欧州化学品庁(ECHA)、欧州委員会、加盟国関係当局が産業界による登録を受領、処理、管理することを可能にしている。IUCLID 5は、OECD、ICCA及び米国環境保護庁の各々の化学物質プログラムや、Japanチャレンジプログラムなどの要件にも対応している。
- 関連語
- 高生産量化学物質、SIDS
Japanチャレンジプログラム
- ふりがな
- じゃぱんちゃれんじぷろぐらむ
- 英語
- Japan Challenge Program
- 同義語
- 定義
- わが国の産業界と国の連携によって、既存化学物質の安全性情報を収集して、広く国民に情報発信を行ったプログラム。平成17(2005)年6月より開始し、国際的な取り組みと連動して、約650のHPVの安全性情報を収集、発信した。その情報は、企業におけるリスク評価に基づく化学物質の自主管理、研究者などによるリスク評価に関する研究、国における化学物質管理政策などに活用されている。
- 関連語
- 既存化学物質、高生産量化学物質、CHRIP
J-CHECK
- ふりがな
- じぇいちぇっく
- 英語
- Japan CHEmicals Collaborative Knowledge database
- 同義語
- 定義
- 厚生労働省、経済産業省及び環境省が、化学物質審査規制法にかかわる化学物質の安全性情報を国民に発信するため、平成20(2008)年5月から公開しているデータベース。化学物質の安全性情報として、たとえば化学物質リスト(化学物質審査規制法にかかわる公示物質のリストなど)や、化学物質安全性データ(既存化学物質の安全性に関するデータなど)が公開されている。
- 関連語
- 化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律、CHRIP
JIPS
- ふりがな
- じっぷす
- 英語
- Japan Initiative of Product Stewardship
- 同義語
- 定義
- 2005年のSAICMを受けた新たな化学品管理の自主的取り組みであるGPSに基づき、日本化学工業協会が推進する国内産業界の自主的取り組み。従来のような有害性に基づいた化学品管理ではなく、リスクに基づいた管理を進める。具体的には、化学品を製造、輸入する企業(川上企業)が、化学品のリスクを最小限にするため、加工、組立、販売業者など(川中、川下企業)の協力のもとリスク評価を行い、情報を公開してサプライチェーン全体での適正な管理を行うことを目指す。
- 関連語
- ICCA、レスポンシブル・ケア、GPS、SAICM
METI-LIS
- ふりがな
- めてぃりす
- 英語
- Ministry of Economy, Trade and Industry-Low rise Industrial Source dispersion Model
- 同義語
- 低煙源工場拡散モデル
- 定義
- 経済産業省が開発した事業所などから大気へ排出される化学物質の発生源近傍における大気中濃度を推定するモデル。排出量や風向、発生源となる事業所近傍の建造物や地形の情報などを入力することで、実際の事業所における建物の配置に即した化学物質の濃度を推定することができる。
- 関連語
- スタックチップ・ダウンウオッシュ
NICNAS PEC Assessment Report
- ふりがな
- にくなすぺっくあせすめんとれぽーと
- 英語
- NICNAS PEC Assessment Report
- 同義語
- 定義
- オーストラリアにおいて、国内で既に使用されている化学物質のうち、人の健康や環境への懸念に基づいて規制当局NICNASにより優先既存化学品(PEC)として宣言された物質に関する評価書。PECとして宣言されると、その物質を製造、輸入している事業者は、評価の申請及び情報提供が要求され、集められた情報をもとにNICNASによって評価報告書が作成される。評価には、予備的なハザード評価とリスク評価の段階があり、評価結果にはリスク削減のための勧告が含まれる。
- 関連語
- PEC
PIC
- ふりがな
- ぴっく
- 英語
- Prior Informed Consent
- 同義語
- 事前通報同意
- 定義
- 特定の化学物質や駆除剤の国際貿易において、事前に、輸入国の輸入に関する同意を確認した上で取引を進めるための手続き。1987年に国連環境計画(UNEP)において、任意制度として化学物質の輸出入の事前通報承認制度(ロンドン・ガイドライン)が発足し、1998年に法的拘束力のあるものとしてのロッテルダム条約となった。事前通報同意の略称。
- 関連語
- ロッテルダム条約、PCB
PRTR
- ふりがな
- ぴーあーるてぃーあーる
- 英語
- Pollutant Release & Transfer Register
- 同義語
- 環境汚染物質排出移動・登録制度
- 定義
- 化学物質排出把握管理促進法により、対象化学物質の排出量や移動量などを毎年事業者が届け出、それらを国が集計して公表する制度。届け出られた量の他、裾切りの対象となる事業者、届出義務がない業種を営む事業者、家庭、自動車などからの排出量も国が推計して公表する。
- 関連語
- 特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律
REACH規則
- ふりがな
- りーちきそく
- 英語
- Registration, Evaluation, Authorization and Restriction of Chemicals
- 同義語
- 欧州の新化学物質規制
- 定義
- EUにおいて、化学物質の登録、評価、認可及び制限をひとつに統合した規則。人の健康や環境の保護のため、化学物質とその使用を管理するための欧州議会及び欧州理事会規則である。企業は、生産及び輸入する量が年間1トン以上の化学物質について、性状、用途、有害性情報などを専用データベースに登録する。規制当局は、登録された情報の適合性などの評価や、事業者に対してリスク評価の要請を実施する。また、発がん性、変異原性、生殖発生毒性、残留性の有機汚染物質など、高懸念物質の認可手続きを導入している。
- 関連語
- 高懸念物質、物質情報交換フォーラム、IUCLID
RoHS指令
- ふりがな
- ろーずしれい
- 英語
- Restriction of the use of certain Hazardous Substances: Ristriction of the use of certain hazardous substances in electrical and electronic equipment
- 同義語
- 欧州の電気電子機器に含まれる特定有害物の使用制限に関する指令
- 定義
- EUにおいて、人の健康の保護や環境汚染の防止のため、電気電子機器に使用できる特定の有害物質の量を制限する指令。特定の有害物質として、鉛、水銀、カドミウム、六価クロム、PBB(ポリ臭化ビフェニル)、PBDE(ポリ臭化ジフェニルエーテル)が指定されている。原則として、2006年7月以降に販売された、電源(電池を含む)で動く全ての機器が対象となる。
- 関連語
- ELV指令
RTECS
- ふりがな
- あーるてっくす
- 英語
- Registry of Toxic Effects of Chemical Substances
- 同義語
- 定義
- 民間企業であるSymyz MDL Information Systems,Inc.が編集して販売している、哺乳動物への化学物質の毒性データベース。目や皮膚への刺激性、変異原性、生殖影響、急性毒性、その他様々な用量での毒性が収載されている。
- 関連語
SAICM
- ふりがな
- さいかむ
- 英語
- Strategic Approach to International Chemicals Management
- 同義語
- 国際的な化学物質管理のための戦略的アプローチ
- 定義
- 国際的化学物質管理に関する戦略的アプローチ。2002年9月のWSSDの実施計画に「化学物質が、人の健康と環境にもたらす悪影響を最小化する方法で使用、生産されることを2020年までに達成する」という目標が記載されたことを受けて策定された国際的な合意文書である。科学的なリスク評価に基づくリスク削減、情報の収集と提供、技術協力などの推進について定めている。
- 関連語
- アジェンダ21、WSSD
SHANEL
- ふりがな
- しゃねる
- 英語
- Standardized Hydrology-based AssessmeNt tool for chemical Exposure Load
- 同義語
- AIST-SHANEL
- 定義
- 独立行政法人産業技術総合研究所が開発した水域における化学物質の濃度を推定するモデル。気象データ、化学物質の排出量、基本的な物理化学的性状を入力することで、わが国の主要な河川について、1km四方のメッシュ単位で月ごとの河川流量、河川水中濃度などを推定することができる。
- 関連語
- AIST、3次メッシュ
SIDS
- ふりがな
- しっず
- 英語
- Screening Information Data Set
- 同義語
- 定義
- OECDが既存化学物質のリスク評価を行うために採用した試験項目。
- 関連語
SMILES
- ふりがな
- すまいるず
- 英語
- Simplified Molecular Input Line Entry Specification
- 同義語
- 定義
- 化学物質の分子構造などを、英数字や記号などのASCII符号を用いて、文字列として表記した識別子。たとえば、水は「O」、エタノールは「CCO」、二重結合を持つ二酸化炭素は「O=C=O」と表記される。
- 関連語
TBT条約
- ふりがな
- てぃーびーてぃーじょうやく
- 英語
- International Convention on the Control of Harmful Anti-fouling Systems on Ships
- 同義語
- 船舶についての有害な防汚方法の管理に関する国際条約、AFS条約
- 定義
- 船舶の防汚剤として使用される有害物質を規制する条約。規制対象となるトリブチルスズ(tributyltin)の英語略称「TBT」を名称に用いている。船底塗料や漁網防汚剤として普及していた有機スズ化合物が溶出して環境中に長期に残留し、世界各地で巻き貝の生殖障害、牡蠣の奇形などの影響がみられた。これを受け2001年に、海洋環境及び人の健康への悪影響を削減又は廃絶することを目指し、IMO(国際海事機関)にてTBTなどの有機スズ系船舶用塗料を使用禁止とする本条約が採択された。
- 関連語
- アジェンダ21、AFS
WSSD
- ふりがな
- だぶりゅーえすえすでぃー
- 英語
- World Summit on Sustainable Development
- 同義語
- ヨハネスブルグ・サミット、地球サミット2002、リオ+10
- 定義
- 持続可能な開発に関する世界首脳会議。2002年9月南アフリカのヨハネスブルグにおいて国連主催で開催された国際会議。1992年の地球サミットで採択されたアジェンダ21についての過去10年間の活動を総括し、10章152項目の実施計画と34項目のヨハネスブルグ宣言が採択された。この実施計画では、2020年までに化学物質の製造と使用による人の健康と環境への悪影響の最小化を目指しており、そのための行動のひとつとしてSAICMを2005年末までにとりまとめることとされた。
- 関連語
- アジェンダ21、SAICM
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あ
アーティクルマネジメント推進協議会
- ふりがな
- あーてぃくるまねじめんとすいしんきょうぎかい
- 英語
- Joint Article Management Promotion-consortium
- 同義語
- JAMP
- 定義
- 製品が含有する化学物質などの情報を適切に管理し、その情報をサプライチェーンの関係者間で円滑に開示、伝達する具体的な仕組みを構築し、推進するために発足した業界横断的な団体。略称はJAMP。
- 関連語
亜急性毒性
- ふりがな
- あきゅうせいどくせい
- 英語
- subacute toxicity
- 同義語
- 定義
- 実験動物に化学物質などを反復投与した場合に、投与を開始してから数週間から3カ月程度で発現する毒性。
- 関連語
- 毒性試験
アジェンダ21
- ふりがな
- あじぇんだにじゅういち
- 英語
- Agenda 21
- 同義語
- アジェンダ21行動計画
- 定義
- 1992年6月にリオデジャネイロで開催された「環境と開発に関する国連会議:地球サミット」で採択された、21世紀に向けて持続可能な開発を実現するために各国、関係機関が実行すべき国際的行動計画。40章からなる行動計画には、貧困、人口、健康、居住、教育問題などの社会的、経済的問題や、大気、森林減少、砂漠化、廃棄物などの環境問題を含む広範囲の具体的な問題についての行動計画が示されている。その中の第19章では「有害化学物質の環境上適切な管理」としてリスク評価、有害性及びリスク関連情報の提供、リスク管理のための体制整備などの6つのプログラム領域を設定し、国際的な協力による化学物質管理への取り組みを求めている。
- 関連語
- WSSD、SAICM
安全係数
- ふりがな
- あんぜんけいすう
- 英語
- safety factor
- 同義語
- SF
- 定義
- 不確実係数と同じ意味。
- 関連語
- SF、評価係数、不確実係数、許容一日摂取量、耐容一日摂取量
安全データシート
- ふりがな
- あんぜんでーたしーと
- 英語
- Safety Data Sheet
- 同義語
- SDS、MSDS
- 定義
- 化学物質を含有する製品を他の事業者に提供する際、その性状及び取扱いに関する情報を提供するために製品ごとに配布する説明書。化学物質排出把握管理促進法の第一種及び第二種指定化学物質、労働安全衛生法の通知対象物質、毒物及び劇物取締法の対象物質について、SDSの添付が義務付けられている。SDSの呼称については、MSDSの記載内容について定めたJIS Z 7250:2010及び表示について定めたJIS Z 7251:2010がJIS Z 7253:2012に統合された際に、MSDSからSDSに変更されている。
- 関連語
- ハザードコミュニケーション、化学物質排出把握管理促進法、第一種指定化学物質、第二種指定化学物質、労働安全衛生法、毒物及び劇物取締法
安全マージン
- ふりがな
- あんぜんまーじん
- 英語
- margin of safety
- 同義語
- MOS、MOE、暴露マージン
- 定義
- 暴露マージンと同じ意味。
- 関連語
- MOE、暴露マージン
閾値
- ふりがな
- いきち
- 英語
- threshold
- 同義語
- しきい値
- 定義
- 化学物質の有害性において、それ以下の暴露量では悪影響が生じないとされる量。化学物質の有害性は閾値が存在することが多いが、遺伝子障害作用による発がん性と生殖細胞に対する突然変異性は、暴露量がゼロにならない限り発現すると考えられており閾値が存在しない。
- 関連語
一般化学物質
- ふりがな
- いっぱんかがくぶっしつ
- 英語
- General Chemical Substances
- 同義語
- 定義
- 化学物質審査規制法において、既存化学物質、新規公示化学物質(事前審査を経て公示された物質)、旧第二種監視化学物質、旧第三種監視化学物質、優先評価化学物質の指定を取り消された化学物質のいずれかに該当する物質。ただし、第一種特定化学物質、第二種特定化学物質、監視化学物質、優先評価化学物質のいずれかの指定を受けている物質は除く。平成23(2011)年度からは、一般化学物質にも数量などの届出義務が課されることとなった。
- 関連語
- 化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律、新規化学物質、既存化学物質、優先評価化学物質、旧第二種監視化学物質、旧第三種監視化学物質
遺伝毒性
- ふりがな
- いでんどくせい
- 英語
- genotoxicity
- 同義語
- 定義
- 化学物質や放射線など様々な要因が、遺伝形成を担うDNAや染色体に作用して悪影響をもたらす性質。変異原性と同じ意味とする場合と、遺伝子に何らかの悪影響(突然変異を含む)を与えるとして、変異原性を内包する有害性として用いられる場合とがある。
- 関連語
- 変異原性
遺伝毒性試験
- ふりがな
- いでんどくせいしけん
- 英語
- genotoxicity test
- 同義語
- 変異原性試験
- 定義
- 変異原性試験と同じ意味。化学物質審査規制法上では、遺伝毒性試験という用語は用いず、変異原性試験を用いる。
- 関連語
- 遺伝毒性
移動発生源
- ふりがな
- いどうはっせいげん
- 英語
- mobile source
- 同義語
- 定義
- 化学物質を環境中へ排出する発生源のうち、自動車、航空機、船舶、鉄道車両のように移動するもの。
- 関連語
- 固定発生源、特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律
移動量
- ふりがな
- いどうりょう
- 英語
- transferred quantity
- 同義語
- 定義
- 化学物質排出把握管理促進法において、事業所から下水道へ排出される化学物質及び事業所外へ廃棄物として移送される化学物質の量。廃棄物であってもリサイクルや再資源化のために売却されるような場合は、製品としての出荷とみなされ、移動量には含まれない。
- 関連語
- 特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律、排出量、PRTR
影響指標
- ふりがな
- えいきょうしひょう
- 英語
- effect indicator
- 同義語
- 定義
- 客観的に観察や測定が可能な、化学物質による生物学的影響の内容と大きさを示す値。影響の内容としては、生存(致死)、成長、繁殖、発生、発達などがある。
- 関連語
- エンドポイント
英国汚染目録
- ふりがな
- えいこくおせんもくろく
- 英語
- Pollution Inventory
- 同義語
- PI、CRI
- 定義
- 英国におけるPRTR制度。対象事業所は、毎年2月までに対象となる化学物質の大気、水域、土壌への排出量及び移動量を環境庁に報告することが義務付けられている。集計データはインターネット上に公表されており、OPRAと呼ばれる独自のリスクと管理評価システムによるスコアも見ることができる。1990年の制定当時は、英国の環境保護法に基づきCRIの名称で開始されたが、現在はPIと名称を変更して実施されている。
- 関連語
- PRTR、PI、CRI
エームズ試験
- ふりがな
- えーむずしけん
- 英語
- Ames test
- 同義語
- 定義
- カリフォルニア大学のAmes教授が開発した、細菌(ネズミチフス菌)の復帰突然変異を指標とする変異原性試験。変異原物質をスクリーニングする代表的な試験法であり、化学物質審査規制法において、化学物質の変異原性の判定に用いられる試験法のひとつである。
- 関連語
- 変異原性試験
エッセンシャルユース
- ふりがな
- えっせんしゃるゆーす
- 英語
- essential use
- 同義語
- 定義
- 製造、使用などが禁止されている化学物質について、必要不可欠な場合に限り例外的にその使用が認められる用途。当該用途が健康、安全のために必要又は社会の機能を果たす上で重要であり、かつ、環境及び健康の観点から受け入れ可能であり、技術的、経済的に実用可能な代替品や代替技術がない場合に限って認められるものである。
- 関連語
沿岸生態リスク評価モデル
- ふりがな
- えんがんせいたいりすくひょうかもでる
- 英語
- Risk Assessment Model for Tokyo Bay
- 同義語
- AIST-RAMTB、AIST-RAMIB、AIST-RAMSIS
- 定義
- 独立行政法人産業技術総合研究所が開発した海中の化学物質の濃度を推定するモデル。化学物質の河川からの流入量や船底からの溶出量を入力することで、海中における化学物質の濃度の空間分布を推定することや、生息する海洋生物に対するリスクを評価することができる。地域別に「RAMTB(東京湾モデル)」、「RAMIB(伊勢湾モデル)」、「RAMSIS(瀬戸内海モデル)」が存在する。
- 関連語
- AIST
エンドポイント
- ふりがな
- えんどぽいんと
- 英語
- endpoint
- 同義語
- 影響判定点
- 定義
- 化学物質の評価の指標とする項目。観察や測定可能な生物学的影響(影響指標)や、測定可能な生体内の化学物質濃度(たとえば標的器官における代謝物の濃度)などを指す。
- 関連語
- 影響指標
欧州汚染物質排出移動登録
- ふりがな
- おうしゅうおせんぶっしつはいしゅついどうとうろく
- 英語
- European Pollutant Release and Transfer Register
- 同義語
- E-PRTR、EPER
- 定義
- EUにおけるPRTR制度。EU加盟国の対象事業所は、毎年、対象となる化学物質の大気、水域、土壌への排出量及び廃棄物の移動量などを報告することが義務付けられている。集計されたデータはインターネット上に公表されている。2000年の採択当時は、EPERの名称で開始されたが、現在はE-PRTRと名称を変更して実施されている。
- 関連語
- PRTR、E-PRTR、EPER
欧州既存商業化学物質インベントリー
- ふりがな
- おうしゅうきそんしょうぎょうかがくぶっしついんべんとりー
- 英語
- European INventory of Existing Commercial chemical Substances
- 同義語
- EINECS
- 定義
- EUにおいて、1993年に採択した「既存化学物質のリスクの評価及び管理に関する理事会指令」により、1971年から1981年の間に、EU域内で流通(上市)していた100,204物質をリスト化したもの。このリストに掲載されている物質はEU域内における「既存化学物質」と定義されており、個々の物質にEINECS番号、IUPAC名称、CAS番号などが付与されている。
- 関連語
- EINECS、EC番号
欧州新規届出商業用化学物質名簿
- ふりがな
- おうしゅうしんきとどけでしょうぎょうようかがくぶっしつめいぼ
- 英語
- European LIst of Notified Chemical Substances
- 同義語
- ELINCS
- 定義
- EUにおいて、1981年9月から2008年5月31日の間に、EU域内に新たに届け出られ、流通(上市)した約4,400物質をリスト化したもの。このリストに掲載されている物質はEU域内における「新規化学物質」と定義されており、個々の物質にELINCS番号、IUPAC名称、CAS番号などが付与されている。
- 関連語
- ELINCS、EC番号
オクタノール/水分配係数
- ふりがな
- おくたのーる/みずぶんぱいけいすう
- 英語
- octanol-water partition coefficient
- 同義語
- Kow、分配係数
- 定義
- 化学物質が水と比べて油(脂質)にどの程度溶けやすいかを示す係数。ある化学物質を、互いに混ざり合わないオクタノールと水とに溶解させた際の、水に対するオクタノールへの溶解濃度の比で表す。オクタノールは生体内の脂質に似た性質を持つため、この値が大きいほど、化学物質が水よりも油に溶けやすい(化学物質が生体内脂質に吸収される可能性が高い)ことを示す。化学物質審査規制法では、生物濃縮性の判定に使用されることがある。
- 関連語
- 濃縮度試験、Kow
オゾン層破壊係数
- ふりがな
- おぞんそうはかいけいすう
- 英語
- ozone depletion potential
- 同義語
- ODP
- 定義
- 物質がどの程度オゾン層を破壊するかを示す係数。CFC-11のオゾン層破壊係数を「1」とし、同量のCFC-11と比べて他の物質が何倍のオゾンを破壊するかを示す。
- 関連語
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か
解離定数
- ふりがな
- かいりていすう
- 英語
- dissociation constant
- 同義語
- 定義
- 化学物質が原子やイオンなどに可逆的に分解する解離反応における平衡定数。
- 関連語
- pKa
化学的酸素要求量
- ふりがな
- かがくてきさんそようきゅうりょう
- 英語
- chemical oxygen demand
- 同義語
- COD
- 定義
- 有機物による水質の汚濁状況を評価するための指標。試料に酸化剤を加えて、水中の有機物を酸化分解させたときに、消費される酸化剤の量を酸素量(mg/L)に換算したもの。略称はCOD。
- 関連語
- 生物化学的酸素要求量
化学物質審査規制法
- ふりがな
- かがくぶっしつしんさきせいほう
- 英語
- Act on the Evaluation of Chemical Substances and Regulation of Their Manufacture etc.、Japanese Chemical Substances Control Act
- 同義語
- 化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律、化審法、JCSCA、CSCL
- 定義
- 化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律の略称。
- 関連語
- 官報公示整理番号、既存化学物質、新規化学物質、指定化学物質、第一種特定化学物質、第二種特定化学物質、監視化学物質、旧第二種監視化学物質、旧第三種監視化学物質
化学物質の環境リスク初期評価
- ふりがな
- かがくぶっしつのかんきょうりすくしょきひょうか
- 英語
- Initial Risk Assessment of Environmental Chemicals(Initial risk assessment of chemical in the environment)
- 同義語
- 定義
- 環境省環境保健部環境リスク評価室による、多数の化学物質の中から相対的に環境リスクが高い可能性がある物質を、科学的な知見に基づいてスクリーニングするために行う初期のステップとしてリスク評価結果を取りまとめた報告書。平成9(1997)年度から、独立行政法人国立環境研究所環境リスク研究センターの協力を得て毎年実施しているもので、その結果は、中央環境審議会環境保健部会化学物質評価専門委員会において評価を受ける。
- 関連語
化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律
- ふりがな
- かがくぶっしつのしんさ及びせいぞうとうのきせいにかんするほうりつ
- 英語
- Act on the Evaluation of Chemical Substances and Regulation of Their Manufacture etc.、Japanese Chemical Substances Control Act
- 同義語
- 化審法、化学物質審査規制法、JCSCA、CSCL
- 定義
- 人の健康や動植物の生息、生育に支障を及ぼすおそれがある化学物質が環境を汚染することを防ぐため、化学物質の製造、輸入、使用などを制限する法律。新たな化学物質の製造や輸入をする際に、事前にその物質の性状について審査し、その事前審査の結果に応じて必要な規制を行う。流通した(上市された)化学物質については、製造や輸入数量などの届出を義務付け、継続的な管理措置を行う。また、化学物質の性状などに応じて、第一種特定化学物質、第二種特定化学物質、監視化学物質、優先評価化学物質、一般化学物質として分類し、分類に応じて、製造や輸入などについて規制を行う。略称は化学物質審査規制法、化審法。
- 関連語
- 官報公示整理番号、既存化学物質、新規化学物質、指定化学物質、第一種特定化学物質、第二種特定化学物質、監視化学物質、旧第二種監視化学物質、旧第三種監視化学物質、一般化学物質
化学物質排出把握管理促進法
- ふりがな
- かがくぶっしつはいしゅつはあくかんりそくしんほう
- 英語
- Act on confirmation, etc. of Release Amounts of Specific Chemical Substances in the Environment and Promotion of Improvements to the Management Thereof
- 同義語
- 特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律、化管法、化学物質管理促進法、PRTR法
- 定義
- 特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律の略称。
- 関連語
- 安全データシート、第一種指定化学物質、第二種指定化学物質、PRTR
化学兵器の禁止及び特定物質の規制等に関する法律
- ふりがな
- かがくへいきのきんしおよびとくていぶっしつのきせいとうにかんするほうりつ
- 英語
- Law on the Prohibition of Chemical Weapons and the Regulation of Specific Chemicals
- 同義語
- 化学兵器禁止法、CWC
- 定義
- わが国において、「化学兵器の開発、生産、貯蔵及び使用の禁止並びに廃棄に関する条約」で定めた締結国の義務の履行を目的として、平成7(1995)年に制定された法律。化学兵器の製造などの禁止、製造又は使用の規制、国際査察の受入などを制定している。
- 関連語
化管法
- ふりがな
- かかんほう
- 英語
- Act on confirmation, etc. of Release Amounts of Specific Chemical Substances in the Environment and Promotion of Improvements to the Management Thereof
- 同義語
- 特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律、化学物質管理促進法、化学物質排出把握管理促進法、PRTR法
- 定義
- 特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律の略称。
- 関連語
- 安全データシート、第一種指定化学物質、第二種指定化学物質、PRTR
化審法
- ふりがな
- かしんほう
- 英語
- Act on the Evaluation of Chemical Substances and Regulation of Their Manufacture etc.、Japanese Chemical Substances Control Act
- 同義語
- 化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律、化学物質審査規制法、JCSCA、CSCL
- 定義
- 化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律の略称。
- 関連語
- 官報公示整理番号、既存化学物質、新規化学物質、指定化学物質、第一種特定化学物質、第二種特定化学物質、監視化学物質、旧第二種監視化学物質、旧第三種監視化学物質
加水分解
- ふりがな
- かすいぶんかい
- 英語
- hydrolysis
- 同義語
- 定義
- 化学物質が水と反応して分解される反応。酸と塩基に分解する反応や、他の物質を生成する反応など、様々な種類がある。
- 関連語
活性汚泥
- ふりがな
- かっせいおでい
- 英語
- activated sludge
- 同義語
- 定義
- 好気的条件下(酸素が十分に供給されている条件下)において分解能を有する微生物群を培養して得られる微生物の凝集体。泥状の外観を持つ。化学物質審査規制法の分解度試験では活性汚泥を用いる。都市下水処理場の汚泥、河川、海などの表層水、表土など全国十カ所以上から採集された汚泥、水、土を混合し、この中に含まれる微生物を培養することにより調整される。
- 関連語
- 分解度試験
カテゴリーアプローチ
- ふりがな
- かてごりーあぷろーち
- 英語
- categorical approach
- 同義語
- 定義
- 有害性などが既に知られている化学物質を、分子構造、物理化学的性状などに応じてカテゴリーに分類し、未試験化学物質がどのカテゴリーに該当するかを考慮することでその物質の有害性などを予測評価する方法。構造活性相関手法の中でも、予測根拠を明示でき、透明性を持った議論を行うことができる手法である。
- 関連語
- 構造活性相関、HESS
カナダ全国汚染物質排出目録
- ふりがな
- かなだぜんこくおせんぶっしつはいしゅつもくろく
- 英語
- The National Pollutant Release Inventory
- 同義語
- NPRI
- 定義
- カナダにおけるPRTR制度。対象事業所は、毎年6月1日までに対象となる化学物質の大気、水域、土壌への排出量及び移動量を、環境庁に報告することが義務付けられている。環境庁により集計されたデータはインターネット上で公表されている。非点源からの大気への排出データに関しては、環境庁が独自に集計し、大気汚染物質排出目録にて公表されている。
- 関連語
- PRTR、NPRI
カネミ油症事件
- ふりがな
- かねみゆしょうじけん
- 英語
- the Yusho incident/Kanemi Oil Poisoning Case
- 同義語
- 定義
- 昭和43(1968)年に、北九州市カネミ倉庫の米ぬか食用油カネミライスオイルを摂取した人に吐き気、無気力、色素沈着などの症状が出た有機塩素系毒物による中毒事件。食用油に混入したPCBが原因。PCBのような難分解性、高蓄積性、人への長期毒性を有する化学物質について、製造、使用などについて厳格な管理を行う必要性があることが社会に強く認識された。これらの化学物質が環境汚染を通じて人の健康に被害を及ぼすことを防止するため、化学物質審査規制法が制定されるに至った。
- 関連語
- 化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律、PCB
簡易型リスク評価システム
- ふりがな
- かんいがたりすくひょうかしすてむ
- 英語
- Educational Software for Calculating Human Health Risks
- 同義語
- Risk Learning
- 定義
- 独立行政法人産業技術総合研究所が開発した、リスク評価の専門的な知識がない人でも、化学物質による人健康リスクを容易に推測することができる教育用ツール。リスクラーニング(Risk Learning)として公表されている。
- 関連語
- AIST
環境運命モデル
- ふりがな
- かんきょううんめいもでる
- 英語
- fate model
- 同義語
- 定義
- 化学物質の製造量や用途などの情報から、大気、水域、土壌などの環境媒体への排出量を予測し、分解や媒体間の移動などの環境中運命を考慮して化学物質の環境中濃度を計算するモデルの総称。環境運命予測モデル、運命予測モデルなど様々な呼び方がある。
- 関連語
- 環境中運命
環境基準
- ふりがな
- かんきょうきじゅん
- 英語
- Environmental Quality Standard
- 同義語
- 定義
- 環境基本法第16条に基づき、人の健康の保護と生活環境の保全の上で維持されることが望ましい基準。環境基準には、大気の汚染、水質の汚濁、土壌の汚染及び騒音にかかわる環境上の条件について、施策を実施する上でどの程度に保つのかという目標を定めている。「維持されることが望ましい基準」とは、人の健康などを維持するための最低限度としてではなく、より積極的に維持されることが望ましい行政上の政策目標としてその確保を図っていこうとするものである。基準が達成されない場合でも罰則規定などは存在せず、事業者が法的な問責を受けたり、責任を直ちに追及されるものではない。ダイオキシン類に関しては、ダイオキシン類対策特別措置法を根拠として、大気汚染、水質汚濁及び土壌汚染の環境基準が定められている。
- 関連語
- 環境基本法、ダイオキシン類対策特別措置法
環境基本法
- ふりがな
- かんきょうきほんほう
- 英語
- Basic Environmental Law
- 同義語
- 定義
- わが国において環境の保全についての基本理念を定め、国、地方公共団体、事業者及び国民などの責務を明確にし、環境基準の設定や公害防止計画の策定をはじめ、環境の保全に関する施策を総合的かつ計画的に推進する法律。現在及び将来にわたって国民の健康で文化的な生活を確保するとともに、人類の福祉に貢献することを目的としている。環境保全に関する本法の施策として、環境基本計画、環境基準、公害防止計画などが順次規定されている。
- 関連語
- 環境基準
環境中運命
- ふりがな
- かんきょうちゅううんめい
- 英語
- environmental fate
- 同義語
- 定義
- 大気、水域、土壌などの環境媒体中に排出された化学物質の媒体中での挙動。たとえば媒体内の移流、媒体間の移動、分解、残留などの挙動が現れる。
- 関連語
- 環境運命モデル
環境保健クライテリア
- ふりがな
- かんきょうほけんくらいてりあ
- 英語
- Environmental Health Criteria
- 同義語
- EHC
- 定義
- 世界保健機関(WHO)、国際労働機関(ILO)、国連環境計画(UNEP)により構成される国際化学物質安全性計画(IPCS)が作成している化学物質のリスク評価文書。主に、人及び環境の暴露源、環境濃度と人への暴露量、環境中の生物への影響、人への影響、人の健康リスク及び環境への影響に関する評価などが取りまとめられている。評価対象とされる化学物質は、家庭用化学物質、大気、水域、食品中の汚染物質、化粧品、食品添加物、天然毒物、工業薬品、農薬などとされており、医薬品は対象外となっている。日本語版は国立医薬品食品衛生研究所(NIHS)から公開されている。
- 関連語
- EHC
感作性
- ふりがな
- かんさせい
- 英語
- sensitization
- 同義語
- 定義
- 化学物質に暴露することで、アレルギー性反応を引き起こす性質。
- 関連語
- 刺激性
監視化学物質
- ふりがな
- かんしかがくぶっしつ
- 英語
- Monitoring Chemical Substances
- 同義語
- 定義
- 化学物質審査規制法において、難分解性かつ高濃縮性であり、人又は高次捕食動物(食物連鎖の上位に位置する鳥類や哺乳類を想定)に対する長期毒性が明らかでないとして指定された物質。
- 関連語
- 化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律、長期毒性(哺乳動物)
乾性沈着
- ふりがな
- かんせいちんちゃく
- 英語
- dry deposition
- 同義語
- 定義
- ガス状又は粒子状の大気中の化学物質が、大気中から直接地表や湖沼、河川などに降りてくること。雨や雪に取り込まれて降水や降雪などによって地表などに降りてくる場合は湿性沈着と呼ばれるため、乾性沈着には該当しない。
- 関連語
- 湿性沈着
間接暴露
- ふりがな
- かんせつばくろ
- 英語
- indirect exposure
- 同義語
- 定義
- 発生源から排出された後に、大気、水域、土壌などの環境媒体や飲食物などを経由した化学物質を、間接的に摂取すること。
- 関連語
- 直接暴露、暴露
官報公示整理番号
- ふりがな
- かんぽうこうじせいりばんごう
- 英語
- Class Reference Number in the Gazette List
- 同義語
- 定義
- 化学物質審査規制法(化審法)及び労働安全衛生法(安衛法)に基づいて、官報に公示された化学物質に付与された番号。
- 関連語
- 化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律、既存化学物質、新規化学物質、労働安全衛生法
気候変動に関する国際連合枠組条約
- ふりがな
- きこうへんどうにかんするこくさいれんごうわくぐみじょうやく
- 英語
- The United Nations Framework Convention on Climate Change
- 同義語
- 気候変動枠組条約、FCCC、UNFCCC
- 定義
- 気候変動がもたらす様々な悪影響を防止するための取り組みの原則や措置を定める条約。1988年に設立された「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」の活動などにより、1992年6月にリオデジャネイロで開催された地球サミットにおいて採択され、1994年に発効した。この条約の具体化のために締結国で開催する会議は、COPと呼ばれている。
- 関連語
- COP
既存化学物質
- ふりがな
- きそんかがくぶっしつ
- 英語
- Existing Chemical Substances
- 同義語
- 定義
- 化学物質審査規制法において、既存化学物質名簿に収載されている化学物質。平成23(2011)年度からは、一般化学物質という分類に含まれる(第一種特定化学物質、第二種特定化学物質、監視化学物質、優先評価化学物質に分類された既存化学物質は除く)。
- 関連語
- 化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律、官報公示整理番号、新規化学物質、既存化学物質名簿
既存化学物質名簿
- ふりがな
- きそんかがくぶっしつめいぼ
- 英語
- list of existing chemical substances
- 同義語
- 定義
- 化学物質審査規制法において、昭和48(1973)年の公布当時にわが国で製造又は輸入されていた化学物質(試験研究又は試薬のために製造、輸入されているものを除く)の名称が収載されている名簿。化学物質審査規制法に基づき公示されている。
- 関連語
- 化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律、既存化学物質
揮発性有機化合物
- ふりがな
- きはつせいゆうきかごうぶつ
- 英語
- volatile organic compounds
- 同義語
- VOC
- 定義
- 揮発性が高く、大気中で気体状となる有機化合物の総称。トルエン、キシレン、酢酸エチルなど多種多様な物質が含まれる。略称はVOC。
- 関連語
- 気候変動に関する国際連合枠組条約、大気汚染防止法
急性毒性(水生生物)
- ふりがな
- きゅうせいどくせい(すいせいせいぶつ)
- 英語
- acute toxicity(aquatic organisms)
- 同義語
- 定義
- 環境中の生物(藻類、ミジンコ、魚類など)が、化学物質に短期間(たとえば24時間~96時間)暴露した場合に現れる毒性作用。
- 関連語
- 毒性試験、長期毒性(水生生物)
急性毒性(哺乳動物)
- ふりがな
- きゅうせいどくせい(ほにゅうどうぶつ)
- 英語
- short-term toxicity(mammals)、acute toxicity(mammals)
- 同義語
- 定義
- 哺乳類などの動物が、化学物質を単回投与された場合、短期間に反復投与された場合、短期間暴露し続けた場合などに、投与又は暴露開始直後から数週間以内に現れる毒性作用。
- 関連語
- 亜急性毒性、毒性試験、慢性毒性(哺乳動物)
旧第三種監視化学物質
- ふりがな
- きゅうだいさんしゅかんしかがくぶっしつ
- 英語
- Type III Monitoring Chemical Substance
- 同義語
- 定義
- 化学物質審査規制法において、動植物の生息又は生育に支障を及ぼすおそれがある化学物質で、平成23(2011)年4月1日以前に第三種監視化学物質に指定された物質の通称。平成23年度からは、第一種特定化学物質、第二種特定化学物質、監視化学物質、優先評価化学物質のいずれかに指定された物質を除き、すべて一般化学物質に分類されている。
- 関連語
- 化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律、一般化学物質、長期毒性(哺乳動物)、長期毒性(水生生物)
旧第二種監視化学物質
- ふりがな
- きゅうだいにしゅかんしかがくぶっしつ
- 英語
- Type II Monitoring Chemical Substance
- 同義語
- 定義
- 化学物質審査規制法において、人への長期毒性を有するおそれのある化学物質で、平成23(2011)年4月1日以前に第二種監視化学物質に指定された物質の通称。平成23年度からは、第一種特定化学物質、第二種特定化学物質、監視化学物質、優先評価化学物質のいずれかに指定された物質を除き、すべて一般化学物質に分類されている。
- 関連語
- 化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律、指定化学物質、一般化学物質、優先評価化学物質、長期毒性(哺乳動物)
吸入暴露
- ふりがな
- きゅうにゅうばくろ
- 英語
- inhalation exposure
- 同義語
- 定義
- 人や生物が、呼吸によって化学物質に暴露すること。
- 関連語
許容一日摂取量
- ふりがな
- きょよういちにちせっしゅりょう
- 英語
- acceptable daily intake
- 同義語
- ADI
- 定義
- ある物質を人が一生涯にわたって毎日摂取しても有害な影響が出ないと推定される量。一般的に、一日あたり体重1kgあたりの摂取量(mg/kg/day)で表される。許容一日摂取量=無毒性量/不確実係数(ADI=NOAEL/UF)で求められる。許容一日摂取量は、食品添加物や農薬などのある意図をもって使用される物質やその残留についての安全性指標として用いられ、耐容一日摂取量と用語上、区別されている。
- 関連語
- ADI、耐容一日摂取量、無毒性量(濃度)、安全係数、予測無影響濃度
経口暴露
- ふりがな
- けいこうばくろ
- 英語
- oral exposure
- 同義語
- 定義
- 人や生物が、食品や水などの摂取によって化学物質に暴露すること。
- 関連語
経皮暴露
- ふりがな
- けいひばくろ
- 英語
- percutaneous exposure
- 同義語
- 定義
- 人や生物が、皮膚との接触によって化学物質に暴露すること。
- 関連語
検出限界
- ふりがな
- けんしゅつげんかい
- 英語
- detection limit
- 同義語
- 検出下限
- 定義
- 機器分析などにおいて、試料中に存在する分析対象物質を検出できる下限。検出下限ともいう。
- 関連語
高懸念物質
- ふりがな
- こうけねんぶっしつ
- 英語
- Substances of Very High Concerns
- 同義語
- SVHC
- 定義
- REACH規則において、認可物質の選定にあたり、検討対象とすべきと判断されて候補物質のリストに掲載された物質。候補に挙げられる基準として、発がん性、変異原性、生殖発生毒性(CMR)、難分解性や高蓄積性(PBTやvPvB)を有すること、これらと同等の懸念を有することが挙げられる。その他、内分泌かく乱作用を有することも基準に含まれる。略称はSVHC。
- 関連語
- REACH規則
高生産量化学物質
- ふりがな
- こうせいさんりょうかがくぶっしつ
- 英語
- High Production Volume Chemicals
- 同義語
- HPV、HPVC
- 定義
- 年間生産量が一定量を超える化学物質。OECDでは、加盟国において1カ国以上で1,000トン以上生産される化学物質を、安全性の点検を行う対象として高生産量化学物質(HPV)点検事業の候補としている。点検事業は1992年から開始され、OECD加盟国が、HPVの有害性データ、暴露データを収集し、初期評価を実施している。1998年からはICCAもICCA/HPV イニシアティブとして点検事業への協力を行っている。
- 関連語
- REACH規則、ICCA、IUCLID
構造活性相関
- ふりがな
- こうぞうかっせいそうかん
- 英語
- structure-activity relationship
- 同義語
- SAR
- 定義
- 物質の化学構造上の特徴、物理化学的性状及び生物学的活性(生分解性、生物濃縮性、各種毒性エンドポイントなど)との相関関係。既に試験が実施された化学物質の試験データを用いて、相関関係を明らかにすることにより、化学物質の物理化学的性状や生物学的活性を化学構造から予測する構造活性相関モデルが作成できる。 定量的な構造活性相関をQSAR(定量的構造活性相関)、定性的な構造活性相関をSARと称し、区別する場合がある。
- 関連語
- SAR、QSAR、定量的構造活性相関
高濃縮性
- ふりがな
- こうのうしゅくせい
- 英語
- high bioconcentrative
- 同義語
- 定義
- 化学物質の濃度が、水中に比べてその水中に棲む生物の体内の方が非常に高くなる性質。化学物質審査規制法の濃縮度試験においては、生物濃縮係数(BCF)が5,000倍以上である場合は高濃縮性として判定される。また、BCFが1,000倍以上5,000倍未満である場合は、排泄されるまでの期間や部位別のBCFの値に応じて、高濃縮性かどうか判定される。
- 関連語
- 濃縮度試験、低濃縮性
国際化学物質安全性カード
- ふりがな
- こくさいかがくぶっしつあんぜんせいかーど
- 英語
- International Chemical Safety Cards
- 同義語
- 定義
- 世界保健機関(WHO)、国際労働機関(ILO)、国連環境計画(UNEP)により構成される国際化学物質安全性計画(IPCS)が作成している、化学物質が人の健康及び環境に与えるリスクを評価し、その情報を提供することを目的としたカード。工場、農業、建設業などの作業場で使用される化学物質について、人への健康や安全に関する情報を簡潔に取りまとめている。法的な拘束力は持たないが、安全性に関する指標として用いられている。日本語版は国立医薬品食品衛生研究所(NIHS)から公開されている。
- 関連語
国際簡潔評価文書
- ふりがな
- こくさいかんけつひょうかぶんしょ
- 英語
- Concise International Chemical Assessment Documents
- 同義語
- CICADs
- 定義
- 世界保健機関(WHO)、国際労働機関(ILO)、国連環境計画(UNEP)により構成される国際化学物質安全性計画(IPCS)が作成している、各国、地域、国際機関で作成された評価文書及び環境保健クライテリア(EHC)に基づいて、リスク評価のために重要な情報を提供する評価書。日本語版は国立医薬品食品衛生研究所(NIHS)から公開されている。
- 関連語
- CICADs、環境保健クライテリア
国連番号
- ふりがな
- こくれんばんごう
- 英語
- UN Number
- 同義語
- 定義
- 国連危険物輸送専門家委員会が作成した「危険物輸送に関する勧告」による、輸送の際に危険性や有害性があるとされる物質又は物品の分類のために付与された4桁の数字。国連番号を特定できない場合には「-」が表示される。
- 関連語
- 国連分類
国連分類
- ふりがな
- こくれんぶんるい
- 英語
- UN Class
- 同義語
- 国連危険物分類、UN Hazard Class
- 定義
- 国連危険物輸送専門家委員会が作成した「危険物輸送に関する勧告」による、危険物を危険性の種類などに応じて9つに分類したクラス。国連番号から、その物質が該当するクラスを知ることができ、クラスに基づいて輸送方法や表示方法、梱包方法が決まる。
- 関連語
- 国連番号
個体差
- ふりがな
- こたいさ
- 英語
- individual difference
- 同義語
- 個人差
- 定義
- 年齢や性別の差異など、人間同士の化学物質への反応の差異。
- 関連語
- 不確実係数、種差
固定発生源
- ふりがな
- こていはっせいげん
- 英語
- stationary source
- 同義語
- 点源
- 定義
- 化学物質を環境中へ排出する発生源のうち、工場や事業所のように移動しないもの。
- 関連語
- 移動発生源、特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律、点源
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さ
催奇形性
- ふりがな
- さいきけいせい
- 英語
- teratogenicity
- 同義語
- 定義
- 化学物質や放射線など様々な要因が、環境要因が先天的な奇形を発現させる性質のうちの、胎生期に作用した場合に形態的及び機能的発生障害(死亡や発育の遅れを除く)を引き起こす性質。
- 関連語
- 生殖発生毒性、繁殖試験
催奇形性試験
- ふりがな
- さいきけいせいしけん
- 英語
- teratogenicity test
- 同義語
- 定義
- 化学物質の催奇形性を調査する試験法。一般に、試験動物として哺乳類を用いて、妊娠末期に妊娠動物を帝王切開して子宮を摘出し、胚や胎児死亡、発育遅滞、奇形発生などについて調べる。
- 関連語
- 催奇形性
最小影響量(濃度)
- ふりがな
- さいしょうえいきょうりょう(のうど)
- 英語
- lowest observed effect level (concentration)
- 同義語
- LOEL、LOEC、最小作用量
- 定義
- 複数の用量を投与した毒性試験において、有害無害にかかわらず何らかの生物学的な影響がみられた最小の用量。有害な影響だけでなく無害な影響も考慮するため、一般には最小毒性量(濃度)に等しいか、それより小さい値となる。毒性試験において無影響量(濃度)が求められなかった場合は、無影響量(濃度)の代わりに、最小影響量(濃度)を不確実係数(一般に10)で除した値をリスク評価に用いる。
- 関連語
- LOEL、LOEC、最小毒性量(濃度)
最小毒性量(濃度)
- ふりがな
- さいしょうどくせいりょう(のうど)
- 英語
- lowest observed adverse effect level(concentration)
- 同義語
- LOAEL、LOAEC
- 定義
- 複数の用量を投与した毒性試験において、有害な影響がみられた最小の用量。毒性試験において無毒性量(濃度)が求められなかった場合は、無毒性量(濃度)の代わりに、最小毒性量(濃度)を不確実係数(一般に10)で除した値をリスク評価に用いる。
- 関連語
- LOAEL、LOAEC、最小影響量(濃度)
3次メッシュ
- ふりがな
- さんじめっしゅ
- 英語
- third mesh
- 同義語
- 定義
- 各種統計表示などに利用するために、全国を一定幅の経度及び緯度単位で区切ってメッシュと呼ばれる区画を作成するが、最も大きな区切りの1次メッシュを更に細分化し2次、3次メッシュとして作ったもの。3次メッシュは約1km四方となる。
- 関連語
残留性有機汚染物質
- ふりがな
- ざんりゅうせいゆうきおせんぶっしつ
- 英語
- persistent organic pollutants
- 同義語
- POPs
- 定義
- 人や環境中の生物への有害性があり、また難分解性(環境中で分解しにくい性質)や高蓄積性(生物の体内に蓄積しやすい性質)を有する長距離移動が懸念される物質の総称。略称はPOPs。POPsについては、環境放出の低減、廃絶などに取り組むために、国際的枠組として2001年5月に「残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約」(POPs条約ともいう)が採択され、2004年5月17日に発効した。わが国では、2002年7月に条約を批准したが、それ以前に1973年にPOPsの製造、使用などを規制する化学物質審査規制法の制定、2001年にはポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法の制定など、POPs対策にかかわる諸法令の整備が進んでいる。
- 関連語
- ストックホルム条約、POPs
刺激性
- ふりがな
- しげきせい
- 英語
- irritation
- 同義語
- 定義
- 化学物質に暴露することで、皮膚、眼、呼吸器に可逆的な炎症性反応を引き起こす性質。
- 関連語
- 感作性
湿性沈着
- ふりがな
- しっせいちんちゃく
- 英語
- wet deposition
- 同義語
- 定義
- ガス状又は粒子状の大気中の化学物質が、雨や雪に取り込まれて降水や降雪などにより、大気中から地表や湖沼、河川などに降りてくること。
- 関連語
- 乾性沈着
指定化学物質
- ふりがな
- していかがくぶっしつ
- 英語
- Designated Chemical Substances
- 同義語
- 定義
- 昭和61(1986)年に改正された化学物質審査規制法により、難分解性であるが生物の体内への蓄積性は低く、かつ継続的に摂取される場合には人の健康を損なうおそれなどがあるとして指定された化学物質。平成15(2003)年の改正時にこの分類は廃止され、第二種監視化学物質という分類に含まれた。
- 関連語
- 化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律、第一種特定化学物質、第二種特定化学物質、旧第二種監視化学物質
重要新規利用規則
- ふりがな
- じゅうようしんきりようきそく
- 英語
- Significant New Use Rules
- 同義語
- SNUR
- 定義
- 米国において、申請者に対する同意指令及び当該物質を取り扱う全事業者に対して同意指令と同等の制限を課す規則。新規化学物質の規制における公平性の観点から、米国有害物質規制法(TSCA)に基づいて規定されている。申請者に発せられる同意指令とは、化学物質のリスクが明確に評価できないにもかかわらず、人の健康や環境に対する過度のリスク発生、人への相当量の暴露、環境への相当量の排出などのおそれのある場合に発せられ、リスク評価に十分なデータが揃うまで、製造などを制限するものである。
- 関連語
- SNUR、米国有害物質規制法
種差
- ふりがな
- しゅさ
- 英語
- interspecies difference
- 同義語
- 定義
- 動物の種類に対する化学物質への反応の差異。
- 関連語
- 不確実係数、個体差
小核試験
- ふりがな
- しょうかくしけん
- 英語
- micronucleus test
- 同義語
- 定義
- 小核を持つ細胞が赤血球にどのくらい含まれるかを指標とする変異原性試験。細胞遺伝学的損傷が生じると、進行の遅い染色体断片や全染色体を含む小核が形成される。化学物質審査規制法において、化学物質の変異原性の判定に用いられる試験法のひとつである。
- 関連語
- 変異原性試験
蒸気圧
- ふりがな
- じょうきあつ
- 英語
- vapor pressure
- 同義語
- 定義
- ある温度において、化学物質の気体が液相又は固相と共存状態にあるときの気相の分圧。平衡状態にあるときを指す飽和蒸気圧を意味することが多い。
- 関連語
蒸気密度
- ふりがな
- じょうきみつど
- 英語
- vapor density
- 同義語
- 定義
- 気体の単位体積あたりの重量。当該気体と空気の単位体積あたりの重量比を蒸気密度とすることもあり、その場合は数値に(空気=1.0)を付記する。
- 関連語
詳細リスク評価書
- ふりがな
- しょうさいりすくひょうかしょ
- 英語
- Risk Assessment Document
- 同義語
- 定義
- 独立法人産業技術総合研究所の化学物質リスク管理センター(CRM)による、25種の化学物質の環境中濃度や有害性情報に基づいて科学的に人の健康や環境中の生物への影響に関する詳細なリスク評価を行い、必要に応じてリスク削減などの対応策などを取りまとめた報告書。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「化学物質のリスク評価及びリスク評価手法の開発」プロジェクトの成果物のひとつ。
- 関連語
- 初期リスク評価書
消費生活用製品安全法
- ふりがな
- しょうひせいかつようせいひんあんぜんほう
- 英語
- Consumer Product Safety Law
- 同義語
- 定義
- わが国において消費生活用製品による消費者の生命、身体に対する危害の発生を防ぐため、特定製品の製造や販売の規制、製品事故の情報収集や提供などの措置を実施する法律。消費者の生活に利用される製品全般が対象となるが、食品、毒物や劇物、自動車や原動機付自転車などの道路運送車両、医薬品や化粧品など、他の法令で個別に安全規制が図られている製品は除外されている。化学物質審査規制法は、他の国内法で規制される化学物質、製品に対して適用されない場合があり、本法の規制対象である生活用製品は化学物質審査規制法の規制の対象外である。
- 関連語
初期リスク評価書
- ふりがな
- しょきりすくひょうかしょ
- 英語
- Initial Risk Assessment
- 同義語
- 定義
- 財団法人化学物質評価研究機構 (CERI)と独立行政法人製品評価技術基盤機構 (NITE)による、人の健康や環境中の生物に対する化学物質のリスクについてスクリーニング評価などを行い取りまとめた報告書。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「化学物質のリスク評価及びリスク評価手法の開発プロジェクト」の成果物のひとつ。
- 関連語
- 詳細リスク評価書
職業暴露限界
- ふりがな
- しょくぎょうばくろげんかい
- 英語
- occupational exposure limits
- 同義語
- OEL
- 定義
- 作業環境中での化学物質について、ほとんど全ての労働者に健康上の悪影響がみられないと判断される濃度。労働衛生管理などの指針値として使われる。日本産業衛生学会では、「労働者が1日8時間、週40時間程度、肉体的に激しくない強度」の労働状況における暴露を想定している。
- 関連語
- OEL
食品安全基本法
- ふりがな
- しょくひんあんぜんきほんほう
- 英語
- Food Safety Basic Law
- 同義語
- 定義
- わが国において食品の安全性の確保に関する施策を総合的に推進することを目的とした法律。食品安全基本法に基づいて食品安全委員会が設置され、食品による健康影響のリスク評価や、リスクコミュニケーションなどを実施している。化学物質の規格基準なども制定しており、様々な物質の耐容一日摂取量などを設定している。
- 関連語
- リスクコミュニケーション
食品衛生法
- ふりがな
- しょくひんえいせいほう
- 英語
- Food Sanitation Act
- 同義語
- 定義
- わが国において飲食によって生ずる危害の発生を防止するため、食品と添加物と器具容器の規格、表示、検査などの原則を定めた法律。化学物質審査規制法の主要な規定は、特定用途に利用される化学物質に対して適用されない場合があり、食品衛生法の規制対象である食品、添加物、容器包装、おもちゃ及び洗浄剤はその特定用途に該当する。
- 関連語
食物連鎖
- ふりがな
- しょくもつれんさ
- 英語
- food chain
- 同義語
- 定義
- 生態系の中で成立している、植物性プランクトンのような低次栄養段階生物から大型の肉食動物のような高次栄養段階生物までの連続的な被食-捕食の関係。疎水性で難分解性の化学物質は、低次栄養段階生物に生物濃縮で取り込まれ、この食物連鎖を通じて高次栄養段階生物に生物蓄積される。
- 関連語
- 生物濃縮係数、BCF、BMF
白物質
- ふりがな
- しろぶっしつ
- 英語
- Chemical Substances Relating to a Public Notice Pursuant to The Provisions of Paragraph 4 of Article 4 of the Former Act
- 同義語
- 定義
- 平成21(2009)年に改正される以前の化学物質審査規制法において、新たに製造又は輸入される化学物質として、平成23(2011)年4月1日より前に届け出られた物質のうち、第一種特定化学物質、第二種監視化学物質、第三種監視化学物質のいずれにも該当しないものと判定され、公示された物質の通称。平成23年度からは、第一種特定化学物質、第二種特定化学物質、監視化学物質、優先評価化学物質のいずれかに指定された物質を除き、すべて一般化学物質に分類されている。
- 関連語
- 化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律、指定化学物質、一般化学物質
新規化学物質
- ふりがな
- しんきかがくぶっしつ
- 英語
- Newly registered chemical substances
- 同義語
- 定義
- 化学物質審査規制法において、わが国で新たに製造又は輸入される化学物質。新規化学物質の製造又は輸入を開始する際には、原則として、その化学物質の性状などに関して届出を行い国の審査を受ける、いわゆる事前審査制度を定めている。新規公示化学物質(事前審査を経て公示された物質)、第一種特定化学物質、第二種特定化学物質、優先評価化学物質、既存化学物質、旧第二種監視化学物質、旧第三種監視化学物質のいずれにも分類されない物質が該当する。
- 関連語
- 化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律、官報公示整理番号、既存化学物質
神経毒性
- ふりがな
- しんけいどくせい
- 英語
- neurotoxicity
- 同義語
- 定義
- 化学物質や放射線など様々な要因が、神経系の化学的作動、構造、機能に対する有害な作用を引き起こす性質。
- 関連語
水質汚濁防止法
- ふりがな
- すいしつおだくぼうしほう
- 英語
- Water Pollution Control Law
- 同義語
- 水濁法
- 定義
- わが国において、公共用水域及び地下水の水質汚濁防止を目的として、昭和45(1970)年に制定された法律。工場などから公共用水域に排出される排出水について、人の健康に悪影響を与えるおそれがある有害物質の排出基準や水質汚染状況を示す項目などを定めている。略称は水濁法。
- 関連語
推定環境濃度
- ふりがな
- すいていかんきょうのうど
- 英語
- estimated environmental concentration
- 同義語
- EEC、PEC、予測環境中濃度
- 定義
- 予測環境中濃度と同じ意味。
- 関連語
- EEC、PEC、暴露マージン
スクリーニング評価
- ふりがな
- すくりーにんぐひょうか
- 英語
- screening assessment
- 同義語
- 定義
- 化学物質審査規制法において、種類が膨大な一般化学物質から、リスクが十分に低いと判断できない優先評価化学物質を絞り込むため、リスク評価の前段として行う評価。製造、輸入事業者からの届出情報と既知の有害性情報などを基に、国が実施する。平成21(2009)年の改正により導入された。一般的にスクリーニングとは、目的とする化学物質などを、特定の試験や評価方法を用いて多数の中から精度より効率を重視して選別することをいう。
- 関連語
- リスク評価、一般化学物質、優先評価化学物質
裾切り
- ふりがな
- すそきり
- 英語
- threshold condition
- 同義語
- 定義
- 化学物質排出把握管理促進法において、PRTR制度の対象となる業種を営むが、従業員数又は年間取扱量の規模が法定基準より小さい場合に、その事業所を届出対象外とすること。
- 関連語
- 特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律
スタックチップ・ダウンウオッシュ
- ふりがな
- すたっくちっぷ・だうんうおっしゅ
- 英語
- stack-tip downwash
- 同義語
- 定義
- 風が吹いている場合、煙突の背面に生じる気圧差で煙が巻き込まれる現象。煙に含まれる化学物質が大気に拡散しにくく、地上での濃度が高くなりやすい。
- 関連語
- ダウンドラフト
ストックホルム条約
- ふりがな
- すとっくほるむじょうやく
- 英語
- Stockholm convention on Persistent Organic Pollutants
- 同義語
- POPs条約
- 定義
- 残留性有機汚染物質(POPs)の製造及び使用の廃絶、排出の削減、POPsを含む廃棄物などの適正処理などを規定する条約。2001年5月にストックホルムで採択され、2004年5月に発効した。正式名称は「残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約」、略称はPOPs条約。
- 関連語
- 残留性有機汚染物質
スロープファクター
- ふりがな
- すろーぷふぁくたー
- 英語
- slope factor
- 同義語
- 定義
- ある物質を人が一生涯にわたって経口摂取した場合の、摂取量に対する発がんの発生確率の増加分。一日あたり体重1kgあたり1mg摂取した場合の確率を表す。
- 関連語
- 発がん性
生活環境動植物
- ふりがな
- せいかつかんきょうどうしょくぶつ
- 英語
- flora and fauna in the human living environment
- 同義語
- 定義
- 化学物質審査規制法における、人の生活と密接な関連のある特定の動植物。具体的にどのような動植物が該当するか、環境基本法の解釈などに従いつつ、社会通念で判断されることとなる。たとえば「有用な動植物」が該当し、害虫などは該当しないと考えられる。
- 関連語
- 化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律
生殖発生毒性
- ふりがな
- せいしょくはっせいどくせい
- 英語
- reproductive and developmental toxicity
- 同義語
- 定義
- 化学物質に暴露することで、生殖及び発生のいずれかの過程に有害な作用を引き起こす性質。生殖及び発生とは、雌雄両性の生殖細胞の形成から、交尾、受精、妊娠、分娩、哺育を通して、次世代の成熟に至る一連の過程についてを指す。
- 関連語
- 催奇形性、繁殖試験、CMR
生態蓄積
- ふりがな
- せいたいちくせき
- 英語
- biomagnification
- 同義語
- 定義
- 食物として生体内へ取り込まれた化学物質が、その取込速度が消失速度を上回ることで生体内に蓄積する現象。食物連鎖の観点から、生体内に蓄積する化学物質の濃度は、高次捕食動物ほど高くなる可能性が大きい。
- 関連語
- 生物蓄積、BMF
生態毒性
- ふりがな
- せいたいどくせい
- 英語
- ecotoxicity
- 同義語
- 定義
- 化学物質が環境中の生物に対して、成長阻害や繁殖阻害などの悪影響を及ぼす性質。
- 関連語
- 生態毒性試験
生態毒性試験
- ふりがな
- せいたいどくせいしけん
- 英語
- ecotoxicological test
- 同義語
- 定義
- 化学物質の環境中の生物に対する有害性を調べる試験。化学物質審査規制法の新規化学物質の審査においては、藻類の生長阻害試験、ミジンコの急性遊泳阻害試験、魚類の急性毒性試験の結果を踏まえて、化学物質の生態毒性を判定する。
- 関連語
- 生態毒性
生体内運命に関する試験
- ふりがな
- せいたいないうんめいにかんするしけん
- 英語
- toxicokinetics study
- 同義語
- 定義
- 試験動物に被験物質を投与して吸収、分布、蓄積、代謝、排泄を調べることで、生体内における化学物質の動態を調査する試験。
- 関連語
生長阻害試験
- ふりがな
- せいちょうそがいしけん
- 英語
- growth inhibition test
- 同義語
- 定義
- 化学物質が環境中の生物の生長や増殖に及ぼす影響を調査する試験。化学物質審査規制法では、藻類を指標として生長阻害実験を実施し、化学物質の半数阻害濃度や無影響濃度を調査する。
- 関連語
- 生態毒性試験、半数阻害濃度、無影響量(濃度)
生物化学的酸素要求量
- ふりがな
- せいぶつかがくてきさんそようきゅうりょう
- 英語
- biochemical oxygen demand
- 同義語
- BOD
- 定義
- 水中の好気性微生物による、増殖、呼吸、有機物の分解作用によって消費される酸素量。化学物質審査規制法の分解度試験では、試験期間中に消費された溶存酸素として測定され、分解度を算出するために用いられる。略称はBOD。
- 関連語
- 化学的酸素要求量、理論的酸素要求量
生物学的モニタリング(環境)
- ふりがな
- せいぶつがくてきもにたりんぐ(かんきょう)
- 英語
- biological monitoring(environment)
- 同義語
- 定義
- 環境中に生息する生物や試験的に放育した生物が、どのような影響を受けているかを把握するために行う観察や分析。
- 関連語
- モニタリング
生物学的モニタリング(ヒト)
- ふりがな
- せいぶつがくてきもにたりんぐ(ひと)
- 英語
- biological monitoring(human)
- 同義語
- 定義
- 人の暴露量、体内摂取量、影響又は感受性を把握するため、血液、尿、毛髪などを試料として行う分析。分析には、試料(把握する対象、対象とする物質、因子の種類に適したもの)、媒体、生物指標(バイオマーカー)が用いられる。
- 関連語
- モニタリング
生物学的利用率
- ふりがな
- せいぶつがくてきりようりつ
- 英語
- bioavailability
- 同義語
- 定義
- 生物体内に取り込まれた化学物質の量に対して、目的とする部位に到達したと考えられる化学物質の量の比。
- 関連語
生物蓄積
- ふりがな
- せいぶつちくせき
- 英語
- bioaccumulation
- 同義語
- 定義
- あらゆる暴露経路(周囲の環境や食物など)にて生体内へ取り込まれた化学物質が、その取込速度が消失速度を上回ることで生体内に蓄積する現象。
- 関連語
- 生物濃縮、生態蓄積、BAF
生物濃縮
- ふりがな
- せいぶつのうしゅく
- 英語
- bioconcentration
- 同義語
- 定義
- えらや体表など周囲の水と直接接触している部位から生体内へ取り込まれた水中の化学物質が、その取込速度が消失速度を上回ることで生体内に蓄積する現象。食物からの取り込みによる化学物質の蓄積は該当しない。
- 関連語
- 生物蓄積、BCF
生物濃縮係数
- ふりがな
- せいぶつのうしゅくけいすう
- 英語
- bioconcentration factor
- 同義語
- BCF
- 定義
- 水中の化学物質濃度に対する生物中の化学物質濃度の比。数値が大きいほど生物体内への濃縮性(蓄積性)が高い。略称はBCF。
- 関連語
- BAF、BMF
生分解性
- ふりがな
- せいぶんかいせい
- 英語
- biodegradability
- 同義語
- 定義
- 化学物質が環境中の微生物によって分解される性質。化学構造の一部が変化して他の物質に変化する一次分解(初期分解)や、水、二酸化炭素などの無機物まで分解する究極分解(無機化)などがある。
- 関連語
- 生物化学的酸素要求量
染色体異常
- ふりがな
- せんしょくたいいじょう
- 英語
- chromosomal aberration
- 同義語
- 定義
- 染色体の数や構造の異常。
- 関連語
- 染色体異常試験
染色体異常試験
- ふりがな
- せんしょくたいいじょうしけん
- 英語
- chromosomal aberration test
- 同義語
- 定義
- 染色体の数の異常、構造異常などの発現頻度を指標とするin vitroの変異原性試験。化学物質審査規制法において、化学物質の変異原性の判定に用いられる試験法のひとつである。
- 関連語
- 染色体異常、変異原性試験
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た
第一種監視化学物質
- ふりがな
- だいいっしゅかんしかがくぶっしつ
- 英語
- Type I Monitoring Chemical Substance
- 同義語
- 定義
- 化学物質審査規制法において監視化学物質に相当する物質。平成23(2011)年4月1日に改正化学物質審査規制法が施行されたことに伴い、この分類は廃止された。
- 関連語
- 化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律
第一種指定化学物質
- ふりがな
- だいいっしゅしていかがくぶっしつ
- 英語
- Class I Designated Chemical Substances
- 同義語
- 定義
- 化学物質排出把握管理促進法において、人の健康を損なうおそれや動植物の生息などに支障を及ぼすおそれ、オゾン層の破壊などのおそれがあり、物理的化学的性状や製造、輸入、使用などの状況などからみて、相当広範な地域の環境において継続して存在すると認められる化学物質。化学物質管理指針の制定と、PRTRの届出とSDS(MSDS)の提供が求められる。
- 関連語
- 特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律、第二種指定化学物質、PRTR、安全データシート
第一種特定化学物質
- ふりがな
- だいいっしゅとくていかがくぶっしつ
- 英語
- Class I Specified Chemical Substances
- 同義語
- 定義
- 化学物質審査規制法において、難分解性かつ高濃縮性であり、人又は高次捕食動物(食物連鎖の上位に位置する鳥類や哺乳類を想定)に対する長期毒性を有するおそれがあるものとして指定された物質。製造又は輸入の許可(原則禁止)、使用の制限などの規定が設けられている。
- 関連語
- 化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律、指定化学物質、第二種特定化学物質、長期毒性(哺乳動物)
ダイオキシン類対策特別措置法
- ふりがな
- だいおきしんるいたいさくとくべつそちほう
- 英語
- Law Concerning Special Measures Against Dioxins
- 同義語
- 定義
- わが国においてダイオキシン類による環境汚染の防止やダイオキシン類の除去などを実現するため、排出の基準の設定及び規制、汚染土壌にかかわる措置などを定める法律。たとえばダイオキシン類の耐容一日摂取量や環境基準などを定めている。化学物質排出把握管理促進法の特定第一種指定化学物質であり、更にこの法律で測定義務が課されているダイオキシン類は、その取扱量にかかわらず排出量、移動量の届出が必要である。
- 関連語
- 特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律
大気汚染防止法
- ふりがな
- たいきおせんぼうしほう
- 英語
- Air Pollution Control Law
- 同義語
- 大防法
- 定義
- わが国において、大気環境の保全を目的として、昭和43(1968)年に制定された法律。工場などから排出される大気汚染物質について、排出施設の種類や規模によって、物質の種類ごとに排出基準を定めている。ばい煙、有害物質、自動車排出ガス、特定物質、指定物質、有害大気汚染物質、揮発性有機化合物(VOC)の除外物質及び特定粉じんなどが規制対象となる。略称は大防法。
- 関連語
第三種監視化学物質
- ふりがな
- だいさんしゅかんしかがくぶっしつ
- 英語
- Type III Monitoring Chemical Substance
- 同義語
- 定義
- 旧第三種監視化学物質と同じ意味。平成23(2011)年4月1日に改正化学物質審査規制法が施行されたことに伴い分類としては廃止されたが、旧第三種監視化学物質として概念が残されている。
- 関連語
- 化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律
代謝
- ふりがな
- たいしゃ
- 英語
- metabolism
- 同義語
- 定義
- 生物体内で生ずる化学的変化の総称。エネルギーの変換、栄養物質の変換、老廃物の排泄、変異原性物質の活性化などが該当する。
- 関連語
- 代謝経路
代謝経路
- ふりがな
- たいしゃけいろ
- 英語
- metabolic pathway
- 同義語
- 定義
- 生物体内において、物質が多くの化学反応を経て変化する経路。たとえば基本経路として、解糖系、糖新生、クエン酸回路、五炭糖リン酸回路、尿素回路、脂質代謝、核酸合成系などがある。
- 関連語
- 代謝
対照群
- ふりがな
- たいしょうぐん
- 英語
- control group
- 同義語
- 定義
- 毒性試験において被験物質の効果を確認するために、比較対象として、たとえば試験期間中に被験物質を投与しないような条件を設定した試験動物の群。
- 関連語
- 毒性試験
第二種監視化学物質
- ふりがな
- だいにしゅかんしかがくぶっしつ
- 英語
- Type II Monitoring Chemical Substance
- 同義語
- 定義
- 旧第二種監視化学物質と同じ意味。平成23(2011)年4月1日に改正化学物質審査規制法が施行されたことに伴い分類としては廃止されたが、旧第二種監視化学物質として概念が残されている。
- 関連語
- 化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律
第二種指定化学物質
- ふりがな
- だいにしゅしていかがくぶっしつ
- 英語
- Class II Designated Chemical Substances
- 同義語
- 定義
- 化学物質排出把握管理促進法において、製造量、輸入量、使用量などの増加により、第一種指定化学物質の要件と同等となることが見込まれる物質。第一種指定化学物質と異なりPRTRの届出の対象とならず、化学物質管理指針の制定と、SDS(MSDS)の提供が求められる。
- 関連語
- 特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律、第一種指定化学物質、安全データシート
第二種特定化学物質
- ふりがな
- だいにしゅとくていかがくぶっしつ
- 英語
- Class II Specified Chemical Substances
- 同義語
- 定義
- 化学物質審査規制法において、人又は生活環境動植物に対する長期毒性を有するおそれがあり、かつ相当広範な地域において、たとえば環境中濃度がその物質の予測無影響量濃度以上に達する状況であるか、又は近くその状況に至ることが確実であると見込まれ、人又は生活環境動植物への被害が生じるおそれがあると認められるものとして指定された物質。毎年、製造、輸入の予定量と、前年度の製造、輸入の実績数量の届出などの規定が設けられている。
- 関連語
- 化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律、指定化学物質、第一種特定化学物質、長期毒性(哺乳動物)
耐容一日摂取量
- ふりがな
- たいよういちにちせっしゅりょう
- 英語
- tolerable daily intake
- 同義語
- TDI
- 定義
- ある物質を人が一生涯にわたって毎日摂取しても有害な影響が出ないと推定される量。一般的に、一日あたり、体重1kgあたりの摂取量(mg/kg/day)で表される。耐容一日摂取量=無毒性量/不確実係数(TDI=NOAEL/UF)で求められる。耐容一日摂取量は、環境汚染物質など意図せずに暴露する物質の安全性指標として用いられ、許容一日摂取量と用語上、区別されている。
- 関連語
- TDI、許容一日摂取量、無毒性量(濃度)、不確実係数
ダウンドラフト
- ふりがな
- だうんどらふと
- 英語
- downdraft
- 同義語
- 定義
- 風が吹いている場合、建造物などの背面に生じる気圧差で煙が巻き込まれる現象。煙に含まれる化学物質が大気に拡散しにくく、地上での濃度が高くなりやすい。
- 関連語
- スタックチップ・ダウンウオッシュ
短時間暴露限度
- ふりがな
- たんじかんばくろげんど
- 英語
- short-term exposure limit
- 同義語
- STEL
- 定義
- 作業環境中での化学物質について、1日のうちの任意の15分間の時間加重平均値(TWA)が超えてはならない濃度。労働衛生管理などの指針値として使われる。
- 関連語
- 職業暴露限界、STEL
蓄積性試験
- ふりがな
- ちくせきせいしけん
- 英語
- bioaccumulation test
- 同義語
- 濃縮度試験
- 定義
- 化学物質の蓄積性を調べる試験。化学物質審査規制法では、濃縮度試験の結果を蓄積性評価の指標としているため、濃縮度試験を蓄積性試験と呼ぶこともある。
- 関連語
長期毒性(水生生物)
- ふりがな
- ちょうきどくせい(すいせいせいぶつ)
- 英語
- long-term toxicity(aquatic organisms)
- 同義語
- 慢性毒性
- 定義
- 環境中の生物が、化学物質などに長期間継続暴露することにより現れる毒性。長期毒性を評価する試験として、甲殻類の繁殖毒性試験、魚類の初期段階試験、フルライフサイクル試験などがあり、藻類では生長阻害試験の無影響濃度を長期毒性として評価する。
- 関連語
- 急性毒性(水生生物)、毒性試験、慢性毒性(水生生物)、無影響量(濃度)
長期毒性(哺乳動物)
- ふりがな
- ちょうきどくせい(ほにゅうどうぶつ)
- 英語
- long-term toxicity(mammals)
- 同義語
- 定義
- 哺乳類などの動物に化学物質を長期間継続投与(反復暴露)した場合に現れる毒性。一般的には慢性毒性と同じ意味だが、化学物質審査規制法では、優先評価化学物質などの選定の指標として用いられる。スクリーニング毒性試験(反復投与毒性試験、エームズ試験、染色体異常試験)により人への長期毒性についての疑いが判定され、長期毒性試験(発がん性試験や変異原性試験など)によって確認されることとなる。
- 関連語
- 急性毒性(哺乳動物)、慢性毒性(哺乳動物)、毒性試験、スクリーニング評価、化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律
直接暴露
- ふりがな
- ちょくせつばくろ
- 英語
- direct exposure
- 同義語
- 定義
- 発生源から排出された後に、大気、水域、土壌などの環境媒体などを経由することなく、直接的に化学物質を摂取すること。たとえば、化学物質に直接触れたり、室内に排出された化学物質を吸入する場合が該当する。
- 関連語
- 間接暴露、暴露
低濃縮性
- ふりがな
- ていのうしゅくせい
- 英語
- low bioconcentrative
- 同義語
- 定義
- 化学物質審査規制法において、化学物質が高濃縮性の条件を満たさないこと。たとえば濃縮度試験において、生物濃縮係数(BCF)が1,000倍未満である場合は低濃縮性として判定される。
- 関連語
- 濃縮度試験、高濃縮性
定量的構造活性相関
- ふりがな
- ていりょうてきこうぞうかっせいそうかん
- 英語
- quantitative structure-activity relationship
- 同義語
- QSAR
- 定義
- 物理化学的性状や生分解性、生物濃縮性、毒性などについて、化学物質の部分構造との関係を定量的に明らかにすることで、化学構造からそれらを予測する手法。化学物質のリスク評価において、物理化学的性状や毒性などの値が文献から得られないときの推定法として用いられることがある。
- 関連語
- QSAR、SAR、構造活性相関
点源
- ふりがな
- てんげん
- 英語
- point source
- 同義語
- 定義
- 化学物質の発生源のうち、工場、事業所、廃棄物処分場などのように地点を特定できるもの。
- 関連語
- 固定発生源、特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律、非点源
天井値
- ふりがな
- てんじょうち
- 英語
- ceiling value
- 同義語
- 定義
- 作業環境中での化学物質について、労働時間中のいかなる時点においても超えてはならない濃度。労働衛生管理などの指針値として使われる。
- 関連語
- 職業暴露限界
毒性試験
- ふりがな
- どくせいしけん
- 英語
- toxicity tests
- 同義語
- 定義
- 化学物質による人や環境中の生物への有害性の程度などを調査する試験の総称。調査する有害性(一般毒性、生殖毒性、遺伝毒性など)、試験に使用する生物種(哺乳動物、魚など)、暴露経路(経口、吸入、経皮など)、暴露期間(長期、短期など)により、数多くの種類が存在する。
- 関連語
- 有害性評価
特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律
- ふりがな
- とくていかがくぶっしつのかんきょうへのはいしゅつりょうのはあくとう及びかんりのかいぜんのそくしんにかんするほうりつ
- 英語
- Act on confirmation, etc. of Release Amounts of Specific Chemical Substances in the Environment and Promotion of Improvements to the Management Thereof
- 同義語
- 化管法、化学物質管理促進法、化学物質排出把握管理促進法、PRTR法
- 定義
- 事業者による化学物質の自主的な管理の改善を促進し、環境汚染を防止することを目的として制定された法律。政令で指定された化学物質を取り扱う事業者が、環境への化学物質の排出量及び移動量を把握して国に届け出るPRTR制度と、化学物質及びそれを含む製品を譲渡、提供する際に性状や取扱いに関する情報を提供することを義務付けるMSDS制度を定める。PRTR制度により、国は指定された化学物質がどのような発生源からどのくらい環境へ排出や移動されたかというデータを集計し、公表する。略称は化学物質排出把握管理促進法、化管法。
- 関連語
- 安全データシート、第一種指定化学物質、第二種指定化学物質、PRTR
特定第一種指定化学物質
- ふりがな
- とくていだいいっしゅしていかがくぶっしつ
- 英語
- Specific Class I Chemical Substances
- 同義語
- 定義
- 化学物質排出把握管理促進法における第一種指定化学物質のうち、発がん性、生殖細胞変異原性及び生殖発生毒性が認められる化学物質。
- 関連語
- 特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律
特定物質の規制等によるオゾン層の保護に関する法律
- ふりがな
- とくていぶっしつのきせいとうによるおぞんそうのほごにかんするほうりつ
- 英語
- Law Concerning the Protection of the Ozone Layer through the Control of Specified Substances and Other Measures
- 同義語
- オゾン層保護法
- 定義
- わが国において国際的に協力してオゾン層の保護を図るため、特定の物質の製造の規制、排出の抑制及び使用の合理化に関する措置などを講じる法律。「オゾン層の保護のためのウィーン条約」やその具体的な推進のための「モントリオール議定書」を国内で適切に施行するために制定された。
- 関連語
特定有害廃棄物等の輸出入等の規制に関する法律
- ふりがな
- とくていゆうがいはいきぶつとうのゆしゅつにゅうとうのきせいにかんするほうりつ
- 英語
- Law for the Control of Export, Import and Others of Specified Hazardous Wastes and Other Wastes
- 同義語
- 特定廃棄物輸出入禁止法、バーゼル法
- 定義
- わが国において特定の有害廃棄物などの輸出、輸入、運搬、処分などを規制する法律。バーゼル条約などを国内で適切に施行するために制定された。
- 関連語
毒物及び劇物取締法
- ふりがな
- どくぶつ及びげきぶつとりしまりほう
- 英語
- Poisonous and Deleterious Substances Control Law
- 同義語
- 毒劇法、毒劇物取締法
- 定義
- わが国において、毒物及び劇物について、保健衛生上の見地から必要な取締を行うことを目的として、昭和25(1950)年に制定された法律。毒物、劇物は、動物や人における知見などに基づいて判定される。略称は毒劇法。
- 関連語
- 安全データシート
土壌汚染対策法
- ふりがな
- どじょうおせんたいさくほう
- 英語
- Soil Contamination Control Law
- 同義語
- 土対法
- 定義
- わが国において、特定有害物質による土壌の汚染状況の把握と、その汚染による人の健康被害の防止に関する措置を定めるため、平成14(2002)年に制定された法律。汚染の状況を判断するため、特定有害物質の土壌への溶出量や含有量の基準などを定めている。略称は土対法。
- 関連語
土壌吸着係数
- ふりがな
- どじょうきゅうちゃくけいすう
- 英語
- soil adsorption coefficient
- 同義語
- Kd
- 定義
- 土壌への化学物質の吸着のされやすさを表す係数。Kdと表記され、水相中の化学物質濃度に対する土壌中の化学物質濃度の比で表される。この値が大きいほど、化学物質が水よりも土壌中に分配されやすいことを示す。有機炭素含有率(Foc)で土壌吸着係数(Kd)を正規化した有機炭素補正土壌吸着係数(Koc)とは、Koc=Kd/focの関係となる。
- 関連語
突然変異
- ふりがな
- とつぜんへんい
- 英語
- mutation
- 同義語
- 変異
- 定義
- 細胞内の遺伝物質の数や構造における恒久的な変化。染色体異常のうち遺伝的組換えや分離によらず起きた変化も突然変異と呼ばれる。
- 関連語
- 変異原性
届出事業所
- ふりがな
- とどけでじぎょうしょ
- 英語
- notifiable business firms
- 同義語
- 定義
- 化学物質排出把握管理促進法において、PRTR制度の対象となる化学物質の排出量及び移動量の届出が義務付けられている事業所。
- 関連語
- 特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律
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な
内分泌かく乱作用
- ふりがな
- ないぶんぴかくらんさよう
- 英語
- endocrine-disrupting
- 同義語
- 定義
- ホルモンを分泌して生体の複雑な機能調整を行う内分泌系の働きに影響を与え、生体に障害や悪影響を引き起こす作用。
- 関連語
難分解性
- ふりがな
- なんぶんかいせい
- 英語
- not readily degradable
- 同義語
- 定義
- 化学物質が環境中で生物的又は非生物的に容易に分解されない性質のこと。化学物質審査規制法においては、化学物質が良分解性ではないことを示す性質であり、分解度試験で良分解性の判定基準を満たさなかった場合に、難分解性と判定される。
- 関連語
- 良分解性
日本産業衛生学会
- ふりがな
- にほんさんぎょうえいせいがっかい
- 英語
- Japan Society for Occupational Health(Japan Association of Industrial Health)
- 同義語
- 定義
- わが国の産業医学に関する学会。特に、職業暴露限界についての勧告値を設定している。勧告値の改訂、追加などは、総会で提案され産業衛生学会誌で公表される。
- 関連語
- 職業暴露限界、発がん性の分類
濃縮度試験
- ふりがな
- のうしゅくどしけん
- 英語
- bioconcentration test
- 同義語
- 蓄積性試験
- 定義
- 化学物質の生物濃縮性を調べる試験。 被験物質を一定濃度に保った水槽中で水生生物を飼育し、一定期間において生体内に蓄積した化学物質の濃度を測定する。化学物質審査規制法においては、コイやニジマスなどの魚を用いて試験を行う。
- 関連語
- 生物濃縮係数、オクタノール/水分配係数、蓄積性試験
農薬取締法
- ふりがな
- のうやくとりしまりほう
- 英語
- Agricultural Chemicals Regulation Law
- 同義語
- 定義
- わが国において農薬の規格や製造、販売、使用などの規制を定める法律。化学物質審査規制法の主要な規定は、特定用途に利用される化学物質に対して適用されない場合があり、農薬取締法の規制対象である農薬はその特定用途に該当する。
- 関連語
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は
バーゼル条約
- ふりがな
- ばーぜるじょうやく
- 英語
- Basel Convention on the Control of Transboundary Movements of Hazardous Wastes and their Disposal
- 同義語
- 有害廃棄物の国境を越える移動及びその処分の規制に関するバーゼル条約
- 定義
- 有害廃棄物の輸出に際しての許可制度や、不適切な輸出や投棄が行われた場合の再輸入の義務などを規定する条約。有害廃棄物の越境移動及びその処分に伴って生じる人の健康や環境にかかわる被害を防止することを目的として、1989年にスイスのバーゼルで採択された。
- 関連語
- 特定有害廃棄物等の輸出入等の規制に関する法律
廃棄物の処理及び清掃に関する法律
- ふりがな
- はいきぶつのしょり及びせいそうにかんするほうりつ
- 英語
- Waste Management and Public Cleansing Law
- 同義語
- 廃棄物処理法、廃掃法
- 定義
- わが国において廃棄物の排出抑制と処理の適正化により、生活環境の保全と公衆衛生の向上を図る法律。廃棄される化学物質は本法によって規制されるため、化学物質審査規制法では廃棄は対象外とされている。略称は廃棄物処理法、廃掃法。
- 関連語
排出シナリオ
- ふりがな
- はいしゅつしなりお
- 英語
- emission scenario
- 同義語
- 定義
- 化学物質の暴露評価、リスク評価、リスク管理に資することを目的として、適切な仮定を設定した上で、ライフサイクル全般からの化学物質の排出経路を推定したもの。
- 関連語
- 暴露シナリオ
排出量
- ふりがな
- はいしゅつりょう
- 英語
- released quantity
- 同義語
- 定義
- 化学物質排出把握管理促進法において、事業所などにおける化学物質の製造及び使用の際に環境中(大気、公共用水域、土壌、事業所敷地内への埋立)に出る化学物質の量。届出排出量と推計排出量に分類される。届出排出量とは、届出を義務付けられた事業者による排出量を集計した値である。推計排出量とは、裾切りの対象となる事業者、届出義務がない業種を営む事業者、家庭、自動車などからの排出量を推計した値である。
- 関連語
- 特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律、移動量、PRTR
暴露
- ふりがな
- ばくろ
- 英語
- exposure
- 同義語
- 定義
- 人や生物が化学物質にさらされること。食品や水などの摂取による経口暴露や、呼吸による吸入暴露、皮膚との接触による経皮暴露などの種類がある。
- 関連語
- 暴露評価、暴露経路、経口暴露、吸入暴露、経皮暴露
暴露経路
- ふりがな
- ばくろけいろ
- 英語
- exposure route、exposure pathway
- 同義語
- 定義
- 化学物質が人や環境中の生物の体内に取り込まれる(暴露される)経路。人の場合は、呼吸による空気中からの吸入摂取、食品や飲料水からの経口摂取、製品などを経由して皮膚又は粘膜から吸収する経皮吸収などがある。暴露経路により有害性の強さ、種類、影響を受ける器官などが異なる場合がある。化学物質が発生源から環境中に排出され、大気、水域、土壌などを経由して、人や環境中の生物が暴露されるまでの経路のすべてを指す場合もある。
- 関連語
- 暴露評価、毒性試験
暴露シナリオ
- ふりがな
- ばくろしなりお
- 英語
- exposure scenario
- 同義語
- 定義
- 人や環境中の生物に対する暴露量や暴露濃度を推定するために用いられる、化学物質の排出から影響を受ける人や生物が暴露するまでの、発生源や経路、暴露濃度、暴露対象の呼吸量、食物摂取量、暴露を受ける時間、頻度などの一連の条件や仮定。
- 関連語
- 排出シナリオ
暴露評価
- ふりがな
- ばくろひょうか
- 英語
- exposure assessment
- 同義語
- 定義
- 人や生物が暴露する化学物質の濃度や用量(摂取量)を推計すること。暴露する用量(摂取量)を暴露量、暴露する濃度を暴露濃度という。
- 関連語
- 暴露、暴露経路、暴露シナリオ
暴露マージン
- ふりがな
- ばくろまーじん
- 英語
- margin of exposure
- 同義語
- MOE、MOS、安全マージン
- 定義
- 動物実験などの結果から得られる無毒性量(濃度)などに対し、暴露量(濃度)がどれだけ離れているかを示す指標。無毒性量/暴露量又は無毒性濃度/暴露濃度により算出される。暴露マージンと不確実係数を比較し、暴露マージンが不確実係数よりも大きい場合はリスクの懸念が低い、小さい場合はリスクの懸念が高いと評価する。
- 関連語
- MOE、安全マージン
ハザード
- ふりがな
- はざーど
- 英語
- hazard
- 同義語
- 危険有害性、有害性
- 定義
- 人や環境中の生物などに対して悪影響を引き起こす性質。化学物質は有害性などのハザードを有し、その悪影響の大きさや種類などは、暴露量、暴露期間、対象となる生物、環境によって異なる。
- 関連語
- ハザードコミュニケーション、有害性評価
ハザードコミュニケーション
- ふりがな
- はざーどこみゅにけーしょん
- 英語
- hazard communication
- 同義語
- 定義
- ハザードに関する情報の伝達。事業主、作業者、輸送関係者、緊急対応者、消費者などの関係者に当該物質のハザードや、漏出した際の対策、暴露した場合の応急措置などの取扱い上の安全対策などの情報を伝えることにより、様々なリスクを削減することを目的としている。情報を伝達する方法として、ラベル表示、安全データシート(SDS)などがある。
- 関連語
- 安全データシート、リスクコミュニケーション
発がん性
- ふりがな
- はつがんせい
- 英語
- carcinogenicity
- 同義語
- CAR
- 定義
- がんを誘発するか、又はその発生率を増加させる性質。化学的要因、物理的要因、生物的要因など様々な要因がある。がん原性ともいう。
- 関連語
- 発がん性の分類、MUT、CMR、CAR
発がん性の分類
- ふりがな
- はつがんせいのぶんるい
- 英語
- classification of carcinogenicity
- 同義語
- 定義
- IARC、ACGIH、NTP、日本産業衛生学会などの機関がランク付けした、化学物質の発がん性の確からしさ。発がん性の強さを示す分類ではない。たとえばIARCの分類は「1;人に対して発がん性がある。2A;人に対して恐らく発がん性がある。2B;人に対して発がん性があるかもしれない。3;人に対する発がん性については分類できない。4;人に対して恐らく発がん性がない」である。
- 関連語
- 米国環境保護庁、日本産業衛生学会、ACGIH、IARC、NTP、発がん性
パラレルプロセス
- ふりがな
- ぱられるぷろせす
- 英語
- parallel process
- 同義語
- 定義
- OECDにおいて、新規化学物質を複数の加盟国に同時並行的に届出する方式。
- 関連語
- REACH規則、MAN
半減期
- ふりがな
- はんげんき
- 英語
- half-life period
- 同義語
- 定義
- ある物質の数量又は濃度が、1/2に減少するまでの時間。半減期の種類として、生分解による半減期、環境中での光分解や加水分解などによる半減期、血液や組織中のような生体内での生物学的半減期などがある。また、崩壊によって放射性物質が1/2になる時間も半減期という。環境中や生体内での残留性の指標として用いられることがある。
- 関連語
繁殖試験
- ふりがな
- はんしょくしけん
- 英語
- reproduction test
- 同義語
- 定義
- 化学物質が哺乳動物や環境中の生物の生殖発生に及ぼす悪影響を調査する試験。
- 関連語
- 催奇形性、生殖発生毒性
半数影響濃度
- ふりがな
- はんすうえいきょうのうど
- 英語
- 50% effective concentration、median effective concentration
- 同義語
- EC50
- 定義
- 一群の環境中の生物又は実験生物の50%(半数)が影響を受けると予想される化学物質の濃度。影響指標として成長、遊泳、繁殖、行動、症状などがあげられる。毒性試験によって算定される、毒性の強さの指標である。
- 関連語
- EC50、ED50、IC50、LC50、LD50
半数阻害濃度
- ふりがな
- はんすうそがいのうど
- 英語
- 50% inhibition concentration
- 同義語
- IC50
- 定義
- 一群の環境中の生物又は実験生物の50%(半数)の遊泳、増殖、成長(藻類では生長)や酵素活性などを阻害すると予想される化学物質の濃度。毒性試験によって算定される、毒性の強さの指標である。
- 関連語
- IC50、EC50、遊泳阻害試験、生長阻害試験
半数致死濃度
- ふりがな
- はんすうちしのうど
- 英語
- 50% lethal concentration、median lethal concentration
- 同義語
- LC50
- 定義
- 一群の環境中の生物又は実験生物の50%(半数)が死亡すると予想される化学物質の濃度。毒性試験によって算定される、毒性の強さの指標である。
- 関連語
- LC50、LD50、TLm
半数致死量
- ふりがな
- はんすうちしりょう
- 英語
- 50% lethal dose、median lethal dose
- 同義語
- LD50
- 定義
- 一回又は短期間での複数回の投与によって、一群の環境中の生物又は実験生物の50%(半数)が死亡すると予想される化学物質の量。毒性試験によって算定される、毒性の強さの指標である。
- 関連語
- LC50、LD50
反復投与毒性
- ふりがな
- はんぷくとうよどくせい
- 英語
- repeat dose toxicity
- 同義語
- 慢性毒性
- 定義
- 長期間の継続暴露(反復投与)により引き起こされる毒性作用。慢性毒性と同じ意味。
- 関連語
反復投与毒性試験
- ふりがな
- はんぷくとうよどくせいしけん
- 英語
- repeated dose toxicity test
- 同義語
- 定義
- 一群の実験動物に、一定期間(28日間、90日間、1年間など)毎日繰り返し被験物質を投与した時に生体の機能及び形態に発現する変化を観察して、毒性を調査する試験。一般に、被験物質を餌や水に混ぜて経口的にマウス、ラット、イヌなどに投与する。
- 関連語
- 反復投与毒性
非生物的分解性
- ふりがな
- ひせいぶつてきぶんかいせい
- 英語
- abiotic degradation
- 同義語
- 定義
- 加水分解や光分解など、化学物質が環境中の微生物以外の要因で分解される性質。
- 関連語
- 生分解性
非点源
- ふりがな
- ひてんげん
- 英語
- non-point source
- 同義語
- 定義
- 化学物質の発生源のうち、自動車、交通機関などのように地点を特定できないもの。面的な広がりを有する市街地、農地、山林なども面源として、非点源に含まれる。
- 関連語
- 移動発生源、特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律、点源
皮膚刺激性
- ふりがな
- ひふしげきせい
- 英語
- dermal / skin irritation
- 同義語
- 定義
- 化学物質に暴露することで、皮膚に可逆的な炎症性反応を引き起こす性質。
- 関連語
- 刺激性
皮膚腐食性
- ふりがな
- ひふふしょくせい
- 英語
- dermal / skin corrosion
- 同義語
- 定義
- 化学物質に暴露することで、皮膚に不可逆的な組織損傷を引き起こす性質。
- 関連語
評価係数
- ふりがな
- ひょうかけいすう
- 英語
- assessment factor
- 同義語
- AF、アセスメント係数
- 定義
- 不確実係数と同じ意味。
- 関連語
- AF、安全係数、不確実係数、許容一日摂取量、耐容一日摂取量
標的器官
- ふりがな
- ひょうてききかん
- 英語
- target organ
- 同義語
- 定義
- 化学物質が体内に取り込まれたときに特異的に影響を受ける特定の器官。
- 関連語
- エンドポイント
不確実係数
- ふりがな
- ふかくじつけいすう
- 英語
- uncertainty factor
- 同義語
- UF
- 定義
- 動物実験などで得られた毒性データを人や環境中の生物のリスク評価に用いる際に、毒性データを大きめに扱って安全性を高めるために用いる係数。一般に、種差として10倍、個体差として10倍を見込んで、合わせて100倍の値が採用されている。実験期間が短い場合、動物数が少ない場合、毒性の種類が重篤な場合などは更に係数が追加される。不確実係数と同じ概念の用語として、安全係数、評価係数がある。
- 関連語
- UF、評価係数、安全係数、許容一日摂取量、耐容一日摂取量
フガシティーモデル
- ふりがな
- ふがしてぃーもでる
- 英語
- fugacity model
- 同義語
- 定義
- 環境に排出された化学物質が、大気、水域、土壌、生物など環境中の様々な媒体に対してどのように分配されるかを、その化学物質の物理化学的性状を用いて推定するモデルの総称。各媒体間の化学物質の動きを表す指標として、ある媒体中の物質が媒体の外へどれだけ出ていきやすいかを示すフガシティーという概念を用いている。
- 関連語
物質情報交換フォーラム
- ふりがな
- ぶっしつじょうほうこうかんふぉーらむ
- 英語
- Substance Information Exchange Forum
- 同義語
- SIEF
- 定義
- REACH規則において、予備登録者が同一物質についての物質情報を交換する場。物質ごとに作られる一種の電子会議室で、予備登録者は登録した物質に関するフォーラムへの参加が義務付けられている。略称はSIEF。
- 関連語
- REACH規則
分解度試験
- ふりがな
- ぶんかいどしけん
- 英語
- degradation test
- 同義語
- 定義
- 化学物質の生分解性を調べる試験。微生物が存在する水溶液中に被験物質を投入し、一定期間において分解した割合(分解度)を測定する。化学物質審査規制法においては、活性汚泥を用いて28日間の試験期間で行う。
- 関連語
- 難分解性、本質的生分解性
米国NTP長期試験レポート
- ふりがな
- べいこくえぬてぃーぴーちょうきしけんれぽーと
- 英語
- NTP Long-Term Study Report
- 同義語
- 定義
- 米国において、国家毒性計画(NTP)が公表した、化学物質の長期毒性及び発がん性試験の報告書。NTPは、毒性分野における科学的基盤の強化と毒性試験計画の調整のために組織されたもので、国立環境衛生科学研究所(NIEHS)、国立労働安全衛生研究所(NIOSH)、国立毒性研究センター(NCTR)などの国立研究機関を中心に創設された。
- 関連語
米国環境保護庁
- ふりがな
- べいこくかんきょうほごちょう
- 英語
- US Environmental Protection Agency
- 同義語
- U.S.EPA
- 定義
- 米国において、市民の健康保護と自然環境の保護を目的として、化学物質、大気、水質、廃棄物、農薬などの規制を所管する行政機関。
- 関連語
- U.S.EPA
米国有害物質規制法
- ふりがな
- べいこくゆうがいぶっしつきせいほう
- 英語
- Toxic Substances Control Act
- 同義語
- TSCA
- 定義
- 米国において、人の健康及び環境を損なうリスクをもたらす化学物質及び混合物を規制することで、その悪影響を防止することを目的として制定された法律。この法律に基づき、米国環境保護庁が米国内で製造、輸入又は加工されている化学物質のリスト(既存化学物質名簿)を作成し、リストに掲載されていない化学物質を「新規化学物質」として、製造前の届出を事業者に義務付けている。また、化学物質及び混合物が、製造、輸入、加工、流通、廃棄又はそれらの組み合わせが人の健康や環境を損なうリスクの懸念があるなどと結論づけられる場合に、代替物の利用可能性を考慮した上で、「製造、加工、流通の禁止」「製造、加工、流通の量の制限」などの、リスクに対する措置を適用する。
- 関連語
- TSCA、米国環境保護庁
米国有害物質排出目録
- ふりがな
- べいこくゆうがいぶっしつはいしゅつもくろく
- 英語
- Toxics Release Inventory
- 同義語
- TRI
- 定義
- 米国におけるPRTR制度。対象事業所は、毎年7月1日までに対象となる化学物質の大気、水域、土壌への排出量及び移動量を、米国環境保護庁に報告することが義務付けられている。集計されたデータはインターネット上で公表されており、事業所別のデータも公表されている。1986年に制定された「緊急対処計画及び地域住民の知る権利法」に基づき、1987年に世界に先駆けて施行されたPRTR制度である。
- 関連語
- PRTR、TRI
変異原性
- ふりがな
- へんいげんせい
- 英語
- mutagenicity
- 同義語
- 定義
- 化学物質や放射線など様々な要因が、遺伝形成を担うDNAや染色体に作用し、突然変異を引き起こす性質。試験法として、復帰突然変異試験、染色体異常試験、姉妹染色分体交換試験、優性致死試験、小核試験など数多く存在する。
- 関連語
- 遺伝毒性、生殖発生毒性、発がん性、CMR
変異原性試験
- ふりがな
- へんいげんせいしけん
- 英語
- mutagenicity test
- 同義語
- 遺伝毒性試験
- 定義
- 化学物質の変異原性を調査する試験法の総称。細菌を用いる復帰突然変異試験(エームズ試験)、哺乳類培養細胞を用いる染色体異常試験、マウスリンフォーマTK試験など様々な試験法が存在する。化学物質審査規制法では、上記の試験法を併せて変異原性試験と呼んでいる。
- 関連語
- 変異原性、遺伝毒性試験
ヘンリー定数
- ふりがな
- へんりーていすう
- 英語
- Henry constant
- 同義語
- ヘンリー則定数、ヘンリー係数
- 定義
- ある温度において平衡状態にある化学物質の、水中濃度に対する大気中の分圧(濃度)の比。この値が大きい物質は水中よりも大気中に分布する傾向にある。
- 関連語
本質的生分解性
- ふりがな
- ほんしつてきせいぶんかいせい
- 英語
- inherent biodegradability
- 同義語
- 定義
- ある物質に生分解性の可能性があることを示す指標。化学物質審査規制法においては、より分解が起こりやすい条件での追加試験によってある程度の生分解性を有すると判定されたことを示す。
- 関連語
- 化学物質審査規制法、良分解性、分解度試験
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ま
マウスリンフォーマTK試験
- ふりがな
- まうすりんふぉーまてぃーけーしけん
- 英語
- mouse lymphoma tk assay
- 同義語
- 定義
- マウスリンパ腫細胞のチミジンキナーゼ(TK)遺伝子の変異を指標とする変異原性試験。化学物質審査規制法において、化学物質の変異原性の判定に用いられる試験法のひとつである。
- 関連語
- 変異原性試験
慢性毒性(水生生物)
- ふりがな
- まんせいどくせい(すいせいせいぶつ)
- 英語
- chronic toxicity(aquatic organisms)
- 同義語
- 長期毒性、反復投与毒性
- 定義
- 環境中の生物に化学物質などを長期間継続暴露することにより現れる毒性。水生生物の場合は、長期毒性と同じ意味。
- 関連語
- 反復投与毒性、長期毒性(水生生物)
慢性毒性(哺乳動物)
- ふりがな
- まんせいどくせい(ほにゅうどうぶつ)
- 英語
- chronic toxicity(mammals)
- 同義語
- 反復投与毒性
- 定義
- 哺乳類などの動物が、化学物質を反復投与された場合や、長期間暴露し続けた場合に現れる毒性作用。反復投与試験は、3カ月以上の長期間にわたって反復投与して、中毒症状を引き起こす用量とその経過を明らかにし、その化学物質を使用する場合の安全量を推定することを目的に行われ、臨床観察、血液検査、生化学的検査、病理組織学的検査、肝機能や腎機能の検査など、確立されている検査のほとんどを行う。水生生物の場合は長期毒性と慢性毒性は同じ意味だが、化学物質審査規制法においては、哺乳動物の長期毒性と慢性毒性が用語上区別されている。
- 関連語
- 亜急性毒性、反復投与毒性、急性毒性(哺乳動物)、長期毒性(哺乳動物)、毒性試験
水溶解度
- ふりがな
- みずようかいど
- 英語
- water solubility
- 同義語
- 定義
- 化学物質が水に溶解する量。通常は、100gの水に対して溶解する量として表す。
- 関連語
無影響量(濃度)
- ふりがな
- むえいきょうりょう(のうど)
- 英語
- no-observed-effect level (concentration)
- 同義語
- NOEL、NOEC、無作用量
- 定義
- 複数の用量を投与した毒性試験において、有害無害にかかわらず生物学的な影響が認められない最大の用量。有害な影響だけでなく無害な影響も考慮するため、一般的には無毒性量(濃度)に等しいか、それより小さい値となる。
- 関連語
- NOEL、NOEC、無毒性量(濃度)
無毒性量(濃度)
- ふりがな
- むどくせいりょう(のうど)
- 英語
- no-observed-adverse-effect level (concentration)
- 同義語
- NOAEL、NOAEC
- 定義
- 複数の用量を投与した毒性試験において、有害な影響が認められない最大の用量。たとえば、動物試験で得られた無毒性量(濃度)を人と動物との種差や個体差などを加味した不確実係数で除することで、リスク評価に用いる耐容一日摂取量を算出することができる。
- 関連語
- NOAEL、NOEC、無影響量(濃度)、耐容一日摂取量
眼刺激性
- ふりがな
- めしげきせい
- 英語
- eye irritation
- 同義語
- 定義
- 化学物質に暴露することで、眼に可逆的な炎症性反応を引き起こす性質。角膜混濁や虹彩の異常などの症状が該当する。
- 関連語
- 刺激性
モニタリング
- ふりがな
- もにたりんぐ
- 英語
- monitoring
- 同義語
- 定義
- 監視、又は観察すること。化学物質管理の分野においては、化学物質の存在状況や濃度、暴露評価に必要な気象条件などについて調査することをいう。大気、水域、土壌などの環境中における濃度を調査する環境モニタリングや、人や生物などの生体内や排泄物における濃度を調査する生物学的モニタリングなどがある。
- 関連語
- 生物学的モニタリング(環境)、生物学的モニタリング(ヒト)
モントリオール議定書
- ふりがな
- もんとりおーるぎていしょ
- 英語
- Montreal Protocol on Substances that Deplete the Ozone Layer
- 同義語
- オゾン層を破壊する物質に関するモントリオール議定書
- 定義
- オゾン層を破壊するおそれのある物質の特定、該当する物質の生産、消費及び貿易を規制することを目的とする議定書。オゾン層保護のための立法措置又は行政措置を求めた「オゾン層の保護のためのウィーン条約」が1985年に採択されたことを受け、1987年に本議定書が採択され、1989年に発効した。本議定書の発効により、クロロフルオロカーボン(CFC)、ハロン、四塩化炭素などの生産及び消費が全廃されることとなった。正式名称は「オゾン層を破壊する物質に関するモントリオール議定書」。
- 関連語
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や
薬事法
- ふりがな
- やくじほう
- 英語
- Pharmaceutical Affairs Law
- 同義語
- 定義
- わが国において医薬品、医薬部外品、化粧品及び医療機器に関する運用などを定めた法律。化学物質審査規制法の主要な規定は、特定用途に利用される化学物質に対して適用されない場合があり、薬事法の規制対象である医薬品、医薬部外品などはその特定用途に該当する。
- 関連語
遊泳阻害試験
- ふりがな
- ゆうえいそがいしけん
- 英語
- immobilization test
- 同義語
- 定義
- 化学物質が環境中の生物の遊泳に及ぼす影響を調査する試験。化学物質審査規制法では、ミジンコを指標として遊泳阻害試験を実施し、化学物質の半数阻害濃度を調査する。
- 関連語
- 半数阻害濃度
有害性評価
- ふりがな
- ゆうがいせいひょうか
- 英語
- hazard assessment
- 同義語
- 危険有害性評価、ハザードアセスメント
- 定義
- 化学物質の有害性(ハザード)について、悪影響の種類や大きさを特定すること(ハザードの同定)と、用量-反応関係を評価すること。
- 関連語
- リスク評価、ハザード、用量-反応関係、エンドポイント、毒性試験、無毒性量(濃度)、最小影響量(濃度)、生態毒性試験、無影響量(濃度)
有害性評価支援システム統合プラットフォーム
- ふりがな
- ゆうがいせいひょうかしえんしすてむとうごうぷらっとふぉーむ
- 英語
- Hazard Evaluation Support System Integrated Platform
- 同義語
- HESS
- 定義
- 化学物質の反復投与毒性試験データなど集積したデータベースから必要な情報を抽出し、化学物質間のデータの比較や分子構造、物理化学的性質などによる化学物質の分類(カテゴリー化)を行い、カテゴリーアプローチによる未試験化学物質の反復投与毒性の評価を支援するシステム。ラットを対象とした化学物質の反復投与毒性試験データなどを集積した毒性知識情報データベースとラットや人などの哺乳類における化学物質の代謝情報から構成される知識情報データベースの2つのデータベース(HESS DB)を備えたシステムである。
- 関連語
- カテゴリーアプローチ
有害物質を含有する家庭用品の規制に関する法律
- ふりがな
- ゆうがいぶっしつをがんゆうするかていようひんのきせいにかんするほうりつ
- 英語
- Law for the Control of Household products Containing Harmful Substances
- 同義語
- 定義
- わが国において有害物質を含有する家庭用品について、保健衛生の観点による規制を行う法律。化学物質審査規制法は、他の国内法で規制される化学物質、製品に対して適用されない場合があり、本法の規制対象である生活用製品は化学物質審査規制法の規制の対象外である。
- 関連語
優先評価化学物質
- ふりがな
- ゆうせんひょうかかがくぶっしつ
- 英語
- Priority Assessment Chemical Substances
- 同義語
- PACs
- 定義
- 化学物質審査規制法において、優先的にリスク評価を行う必要があるとして指定された物質。人又は生活環境動植物への長期毒性を有することが明らかとは認められないが、環境中にある程度存在していると推定される場合などに優先評価化学物質の指定を受ける。
- 関連語
- 化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律、長期毒性(哺乳動物)、長期毒性(水生生物)
優良試験所基準
- ふりがな
- ゆうりょうしけんじょきじゅん
- 英語
- Good Laboratory Practice
- 同義語
- GLP
- 定義
- 化学物質の安全性データの信頼性を確保し、OECD加盟国間におけるデータの相互受理を実現するために、試験を実施する施設が備えるべき設備、体制、操作手順などに関する基準。略称はGLP。OECD加盟国が化学物質の安全性評価を行う際には、この基準に合致した施設における試験結果を用いることとされている。定期的に行政による査察が行われる。化学物質審査規制法においても、GLPに適合するとの確認を受けた施設において生態毒性試験が実施されている。
- 関連語
ユニットリスク
- ふりがな
- ゆにっとりすく
- 英語
- unit risk
- 同義語
- 定義
- ある物質を人が一生涯にわたってある濃度で摂取(吸入、飲水)した場合の、摂取量に対する発がんの発生確率の増加分。一日あたり体重1kgあたり、飲料水中には1μg/L、大気中には1μg/m3の割合で含まれる物質に暴露し続けた場合の確率を表す。
- 関連語
- 発がん性
溶存酸素
- ふりがな
- ようぞんさんそ
- 英語
- dissolved oxygen
- 同義語
- DO
- 定義
- 水中に溶解している酸素量。水中の酸素は空気中から溶解したり光合成により生成されるが、生物の呼吸や有機物の分解によって消費されるため、汚染度が高く酸素の消費が多くなる水中では溶存酸素が少なくなる。
- 関連語
- 活性汚泥
用量-反応関係
- ふりがな
- ようりょう-はんのうかんけい
- 英語
- dose-response relationship
- 同義語
- 定義
- 人、生物、生体組織、細胞などに対して発現する、化学物質の悪影響の発生率や強さと、用量(投与量や濃度など)との関係。「用量-反応関係に相関性がある」とは、用量の増加あるいは減少に相関して反応の程度が増加あるいは減少する場合をいう。一般的には、用量を増やすと反応も大きくなる。
- 関連語
- 有害性評価、閾値、毒性試験、生態毒性試験、エンドポイント
予測環境中濃度
- ふりがな
- よそくかんきょうちゅうのうど
- 英語
- predicted environmental concentration
- 同義語
- PEC、EEC、推定環境濃度
- 定義
- 測定又は計算により得られる、環境媒体(大気、水域、土壌など)における化学物質の推定濃度。推定環境濃度と同じ意味。
- 関連語
- PEC、EEC、推定環境濃度、予測無影響濃度
予測無影響濃度
- ふりがな
- よそくむえいきょうのうど
- 英語
- predicted no effect concentration
- 同義語
- PNEC
- 定義
- 環境中の生物に対し、化学物質が影響を及ぼさないと推定される濃度。一般的に、体積あたりの化学物質の濃度(mg/L)で表される。たとえば、予測無影響濃度=無影響濃度/不確実係数(PNEC=NOEC/UF)で求められる。予測無影響濃度を求める際には、無影響濃度の他、半数致死濃度(LC50)や半数影響濃度(EC50)などの毒性値が用いられる。
- 関連語
- PNEC、暴露マージン、安全マージン、許容一日摂取量、予測環境中濃度、無影響量(濃度)
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ら
リスク
- ふりがな
- りすく
- 英語
- risk
- 同義語
- 定義
- 人や環境中の生物などに対して悪影響が起こる可能性。化学物質による人や環境中の生物へのリスクの大きさは、有害性(ハザード)と暴露量によって決まる。
- 関連語
- リスク評価、リスクマネジメント、リスクコミュニケーション
リスクコミュニケーション
- ふりがな
- りすくこみゅにけーしょん
- 英語
- risk communication
- 同義語
- RC
- 定義
- 行政、企業、市民などのステークホルダー(利害関係者)間で、健康や環境に対するリスクとその管理方法について、情報共有、意見交換などのコミュニケーションを行うこと。ステークホルダー間の信頼関係の向上を図り、相互理解を目指すことなどを目的とする。
- 関連語
- ハザードコミュニケーション、レスポンシブル・ケア、RC
リスク評価
- ふりがな
- りすくひょうか
- 英語
- risk assessment
- 同義語
- リスクアセスメント、RA
- 定義
- 人や環境中の生物などに対して悪影響が起こる可能性を、科学的な方法により予測評価すること。有害性評価によって得られる、化学物質が有害な影響をもたらさないと考えられる摂取量や暴露濃度と、暴露評価によって推計される摂取量や暴露濃度を比較してリスクを定量化し、不確実性を加味した上でリスクの懸念の高さを明らかにするものである。
- 関連語
- リスク、有害性評価、暴露評価、スクリーニング評価、RA
リスクマネジメント
- ふりがな
- りすくまねじめんと
- 英語
- risk management
- 同義語
- リスク管理
- 定義
- リスク評価の結果に基づき、政策的、社会経済的、技術的な様々な要素を考慮してリスクを回避、低減するための方策を検討、決定、実施すること。化学物質のリスクマネジメントには、「リスクだけでなく、コスト及びベネフィットも考慮した評価」、「排出及び暴露の防止など、リスクを回避、低減するための対策の実施」、「対策によるリスク削減効果の評価、点検」までのプロセスが含まれる。
- 関連語
- リスク評価、リスクコミュニケーション
良分解性
- ふりがな
- りょうぶんかいせい
- 英語
- readily degradable
- 同義語
- 定義
- 化学物質審査規制法において、化学物質が容易に生分解するため環境中に残留する可能性がないとみなされる性質。分解度試験の28日後に親物質が60%以上分解しており、かつ、変化物が1%以上残留していないことで良分解性と判定される。良分解性という語句は行政判断において用いられる用語であり、一般に環境中などで容易に分解する化学物質の性質のことは易分解性という。
- 関連語
- 難分解性
理論的酸素要求量
- ふりがな
- りろんてきさんそようきゅうりょう
- 英語
- theoretical oxygen demand
- 同義語
- ThOD
- 定義
- 化学物質の分解度試験において、試験物質を完全に酸化するために必要とされる計算上の酸素要求量。分解度を算出するために用いられる。略称はThOD。
- 関連語
- 生物化学的酸素要求量、化学的酸素要求量、TOD、ThOD
レスポンシブル・ケア
- ふりがな
- れすぽんしぶる・けあ
- 英語
- Responsible Care
- 同義語
- RC
- 定義
- 世界の化学工業界が提唱している、環境、安全、健康を確保していくための責任ある自主的活動。化学物質の開発から製造、物流、使用、最終消費を経て廃棄に至るまで、全サイクルにわたって人の健康及び環境を保護するように配慮し、経営方針においてこれを公約し、環境、安全、健康面の対策を実行、改善を図っていく、自己決定及び自己責任の原則に基づく活動である。1985年にカナダで誕生した。
- 関連語
- RC、ICCA
労働安全衛生法
- ふりがな
- ろうどうあんぜんえいせいほう
- 英語
- Industrial Safety and Health Act
- 同義語
- 安衛法
- 定義
- わが国において、労働者の安全と健康を確保し、快適な職場環境の形成を促進することを目的として、昭和47(1972)年に制定された法律。労働環境の安全性を確保するため、有害性などのハザードを有する物質に対して、労働者に重度の健康障害を生ずる物質の製造などの禁止、重度の健康障害を生ずるおそれのある物質の製造の許可制など様々な規定を定めている。略称は、安衛法、労安法。
- 関連語
- 官報公示整理番号、安全データシート
ロッテルダム条約
- ふりがな
- ろってるだむじょうやく
- 英語
- Rotterdam Convention on the Prior Informed Consent Procedure for Certain Hazardous Chemicals and Pesticides in International Trade
- 同義語
- 国際貿易の対象となる特定の有害な化学物質及び駆除剤についての事前のかつ情報に基づく同意の手続に関するロッテルダム条約、PIC条約
- 定義
- 特定の有害物質を輸出する事前に、輸出国が輸入国政府の意思確認を実施することなどを規定する条約。危険有害性の情報が乏しい途上国において、有害化学物質の不適切な使用、管理により、環境汚染や輸入国での健康被害を引き起こしている事態に対処することを目的に、1998年9月にロッテルダムにおいて採択された。正式名称は「国際貿易の対象となる特定の有害な化学物質及び駆除剤についての事前のかつ情報に基づく同意の手続に関するロッテルダム条約」。PICに関して規定しているため、PIC条約と略されることもある。
- 関連語
- PIC
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独立行政法人製品評価技術基盤機構 化学物質管理センター
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