ナイトについて

イノベーション支援の事例

NITEによるこれまでのイノベーション支援の事例です。

エアーパーテーションの開発に関する技術支援 -性能評価に向けた助言の実施-

株式会社金山精機製作所 様 / イノベーション支援課

概要

エアーパーテーション稼働時のフードによる吸引性能の評価についてご相談があり、NITEからは参考になると思われる規格(クリーンベンチや送風機など)の紹介、試験方法や試験機関の提案、試験において考慮すべき点など、さまざまな角度から助言を行いました。
 

連携のきっかけ

株式会社金山精機製作所様から公益財団法人京都高度技術研究所(ASTEM)宛てにご相談が行われ、ASTEM京都市桂イノベーションセンターを介しチームNITEにご依頼があり、本支援に至りました。
なお、ASTEMとは当法人が主催するセミナーに機構職員を講師派遣するなど、イノベーション支援において以前より接点があり、機構にご相談する運びとなりました。
 

お客様の声

弊社商品SFREENはエアーパーテーション機能を有しており、「お互いの飛沫をブロック出来る飛沫感染対策商品」です。ブロックした空気は上部ユニットで回収し、空気中の浮遊菌を UV照射で殺菌、その効果は除菌率98%以上実証しております。しかし、エアーパーテーションの空気は、目に見えない為、評価・検証に関しまして、NITE様へご相談させて頂きました。ディスカッションの中で助言を頂き、大変参考になったと共に、検証手段や手法等、大変勉強出来たと思っております。ありがとうございました。
色々道を辿ったSFREENですが、現在は量産販売を開始しており、皆様のお役に立てるSFREENである事を目指し、日々営業しております。現在もアクリル板、ビニールカーテンでお困りでしたら、是非私達へお声掛け下さい。マスクレスの世の中、エアーパーテーションUVで安全な空間を作り過ごしましょう。

 

エアーパーテーションSFREEN

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自社作業手順の標準化に向けた技術支援 -バーミキュライト法の技術指導-

多木化学株式会社 様 / バイオテクノロジーセンター

概要

通常の凍結保存法では保存が難しい担子菌培養株に有効な保存方法に関するご相談があり、NITEが開発したバーミキュライトを用いた凍結保存法(以下、バーミキュライト法※)について実技を伴う技術指導を実施するとともに、施設見学等を行いました。

連携のきっかけ

昨年度まで多木化学株式会社様と実施していた共同事業がご縁となり、同社様よりチームNITEにご依頼いただき、本支援に至りました。

お客様の声

バーミキュライト法の開発経緯や留意点等、実技を交えて丁寧にご説明いただきありがとうございました。今回の活動を通して、担子菌培養株の凍結保存に関する貴重な情報を入手でき、大変有意義な機会となりました。今後、当社の作業手順の標準化、改良検討に活かしていきたいと思います。ありがとうございました。
 
*参考:
NBRCニュース 第66号
DBRP; バーミキュライト法による菌根性担子菌培養株の凍結保存法の開発を開く
※ 本研究開発は、特許庁委託事業 「特許微生物寄託等業務」の一環で実施されたものです。

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日本発ベンチャー、地方活性化支援『人工構造タンパク質繊維の国際標準化の推進』

Spiber株式会社 様 /バイオテクノロジーセンター(NBRC)

概要

山形県鶴岡市に拠点を置く日本発ベンチャーのSpiber株式会社は、遺伝子組換えと微生物発酵技術を用いることで、人工構造タンパク質繊維の量産化に成功しました。人工構造タンパク質繊維は、従来の石油等や動物に依存しない革新的なバイオ素材として注目されていますが、改正前の国際規格によるタンパク質繊維の定義には含まれておらず、取引上の誤認や消費者の混乱を招くおそれがありました。
そこで、日本発の人工構造タンパク質繊維の製品化、国際的な流通・商取引を推進するため、経済産業省の「戦略的国際標準化加速事業(平成31年から令和3年)」において、一般社団法人構造タンパク質素材産業推進協会(SPIA)及びSpiber株式会社が、国際標準化及びそれに伴う試験方法開発を行うことになりました。
NITEは、旧繊維製品検査所以来、繊維の試験方法開発、標準化の実績があったことから、これらの技術及び知見を活かし、Spiber株式会社の試験方法開発を支援しています。

成果

人工構造タンパク質繊維は、微生物が生産する新規合成繊維であり、一般的な繊維としての名称がありませんでしたが、NITEの支援により本事業において、ISO規格*の改正が行われ、合成繊維の「protein」と呼ぶことが決まりました。
引き続き、ISO繊維鑑別試験法**の改正、繊維混用率試験方法の開発、提案の作業が進行中です。
*ISO 2076:2021 Textiles-Man-made fibres-Generic names(繊維-合成繊維-一般名称)
**ISO/TR 11827:2012 Textiles-Composition testing-Identification of fibres(繊維-混用率試験-繊維鑑別)

連携のきっかけ

NITEが開発し、国際標準化を行ったプロテオーム解析法による獣毛繊維分析法***が、人工構造タンパク質繊維の国際標準化に必要な技術に類似していたことから、この情報を知ったSPIA及びSpiber株式会社から相談、協力依頼があり、始まりました。
***ISO 20418-3:2020 Textiles -- Qualitative and quantitative proteomic analysis of some animal hair fibres -- Part 3: Peptide detection using LC-MS without protein reduction(繊維-いくつかの獣毛繊維の定性的及び定量的プロテオーム解析-第3 部:タンパク質還元を伴わないLC-MS の使用によるペプチド検出)

連携先の声

繊維に関する標準化で高い技術と経験を保有されているNITEとベンチャー企業である当社が連携することで、国際標準化及びそれに伴う試験方法開発を短期間で実現し、日本の新たな産業の発展や山形県地方創生を進めることができています。
人工構造タンパク質繊維は、石油を用いないで微生物の培養で生産される高性能の繊維です。脱石油、地球環境保護への貢献が期待されています。また、タンパク質である特長から、高性能繊維でありながら、生分解、海洋分解性も有していると考えられ、研究が進められています。このような特長のある繊維をNITEとともに、国際市場へ投入し、広めて行ければと思っています。今後も引き続き連携をさせていただき、世界に日本の技術を広めていきたいと考えています。(Spiber株式会社 様)

 

ポリマー粉末の写真
構造タンパク質素材「Brewed Protein™」ポリマー(粉末)
(画像提供:Spiber株式会社 様)

 

芯に長繊維を巻き付けた糸巻きの写真
Brewed Protein™ポリマーを加工して成形した長繊維(フィラメント糸)
(画像提供:Spiber株式会社 様)

 

繊維を拡大した写真
短繊維を紡いだ紡績糸(画像提供:Spiber株式会社 様)

 

ジャケットの写真
株式会社ゴールドウインとの共同研究開発による、人工構造タンパク質を使った
世界初のアウトドアジャケット“MOON PARKA”(画像提供:Spiber株式会社 様)

食品成分の毒性試験データベース整備への技術支援

ILSI Japan(特定非営利活動法人 国際生命科学研究機構)/化学物質管理センター

概要

ILSI Japan様が整備している食品成分の毒性試験データベース収載データをNITEの有害性評価支援システム統合プラットフォーム(通称:HESS※1)に導入し、データ追加による効果を検討しました。その結果、食品成分の毒性情報の追加は、HESSによる食品成分の毒性予測の精度改善に有効であることが確認されました。

連携のきっかけ

ILSI Japan様は、2018年に実施したNITEとの毒性予測に関する意見交換会※2をきっかけに、食品成分に関する毒性試験データベースの整備を開始しました。NITEはILSI Japan様のデータベース整備に技術的な支援を行っています。

お客様の声

HESSの使用方法を実技も交え、丁寧にご説明頂きありがとうございました。今回の活動を通して、食品成分の毒性試験データを補填することが、予測精度を改善できることが示されたことは我々にとって大変有意義であり、今後の活動推進においても重要な成果となりました。引き続き、精度の改善を目指し、活動を推進していきたいと思います。ありがとうございました。

 

化学物質の安全性評価を推進-評価手法の技術指導を行いました-

株式会社資生堂 様、ポーラ化成工業株式会社 様、ピアス株式会社 様、日本農薬株式会社 様 / 化学物質管理センター

概要

有害性評価支援システム統合プラットフォーム(通称:HESS※1)やQSAR Toolbox※2の使い方に関するご相談があり、化学物質の安全性に係るQSARや類推に関する技術指導をNITEより行いました。(オンライン実施)

連携のきっかけ

各社 様から、個別にご依頼があり、実施に至りました。

お客様の声

基本的な使い方から詳細なところまで丁寧に教えていただいたため理解が深まりました。日本語と英語で対応いただいたため海外部署での理解も深まり、活用の幅も広がったと感じております。より安全で安心な製品をお客さまへお届けするというミッションのために有用なツールだと改めて感じたため、今後も積極的に活用させていただきます。ありがとうございました。(株式会社資生堂 様)
実際の化粧品原料をテーマにデモンストレーションを実施していただいたため、QSAR Toolboxを使い始めたばかりの若手メンバーでも理解が深まりました。また、実運用で当社が直面している課題について丁寧に質疑応答にお答えいただき、活用幅が格段に広がりました。最新の科学で効果と安全性を実証し、お客様に安心してご使用いただける製品の提供を志す我々にとって、今後必要不可欠なツールと再認識いたしました。行政と企業、両方向を見据えたNITE様の活動につきまして、この場を借りて深く御礼申し上げます。(ポーラ化成工業株式会社 様)
普段よりメールにてご質問等させていただいておりましたが、本日はWebミーティングを通じて様々な意見やアドバイスを直接拝聴することができ、大変有意義な時間を過ごすことができました。また、終始ご丁寧に解説、ご対応いただき、より一層Toolboxへの理解を深めることができました(ピアス株式会社 様)
基本の使用方法だけでなく、評価の途中で直面する疑問点への解決手段も丁寧にご指導いただきました。実際に手を動かしながらの講習会であったこともあり、参加者全員が理解を深めることができました。まだまだ試行錯誤のレベルではありますが、一日でも早く適切な使用方法を習得し、安全で安心できる農薬の創出に活用していきたいと思います。貴重な機会をいただき、ありがとうございました(日本農薬株式会社 様)

NLAB試験を受けた蓄電池の活躍!

株式会社村田製作所 様 / 蓄電池評価センター(NLAB)

 

概要

NLABと事業者が行った公募試験により、蓄電池システムが火災等の火炎に曝された場合の安全性確認として、燃焼試験を実施しました。その結果、システム内部の蓄電池モジュールに発火・破裂等の異常は生じず、火炎に曝された場合でも蓄電池の安全性が保たれていることが確認されました。

成果

公募試験の実施後、事業者の「FORTELION」が長寿命で安全性が高いことが市場で評価され、2018年2月から大型蓄電池システムの提供を開始し、鉄道会社などの多くの事業化に結び付いています。
※「FORTELION」は、株式会社村田製作所の商標で、オリビン型リン酸鉄リチウムイオン二次電池です。

連携のきっかけ

NLABが同事業実施者を募集したところ、当該事業者から応募があり試験実施に至りました。

お客様の声

自社内で大容量蓄電池の燃焼試験は、安全上の理由で実施は不可能でしたが、NLABの充実した設備や蓄電池の評価方法を熟知されている職員の方々のご協力で滞りなく試験を実施することができました。この試験結果を通して、お客様には安全性の高い蓄電池であることを評価していただいております。これもひとえに公的機関であるNITEのNLABのおかげであり、本当に感謝しております。(株式会社村田製作所 様)

<燃焼試験>試験前・試験中・試験後の状況【画像提供:株式会社村田製作所 様】

 

蓄電池評価(試験前)の写真

 

蓄電池評価(試験中)の写真

 

蓄電池評価(試験後)の写真
写真2枚目、3枚目:蓄電池システム下部からガスバーナーの火炎で炙る

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最終更新日

2024年4月26日

お問い合わせ

独立行政法人製品評価技術基盤機構 企画管理部  イノベーション支援課
TEL:03-6673-2555  FAX:03-3481-1920
住所:〒151-0066 東京都渋谷区西原2-49-10 地図
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