Escherichia coli K-12 W3110 及び MGF-01
プロテオーム解析の概要
大腸菌 Escherichia coli K-12 W3110 及び 染色体縮小化株 MGF-01 について、グルコース-最小培地で培養し、以下の増殖期毎にプロテオーム解析を実施しました。
1. ショットガンプロテオーム解析(SDS-PAGE、LC/MS/MS)
- (1)対数増殖期
- (2)定常期前期
- (3)定常期後期
- (4)死滅期
2.ペプチドマスフィンガープリント(二次元電気泳動、MALDI-TOFMS)
- (1)対数増殖期
- (2)定常期前期
- (3)定常期後期
- (4)死滅期
3.N末端アミノ酸解析(二次元電気泳動、プロテインシーケンサー)
解析結果
K-12 W3110では、対数増殖期で1412個、定常期前期で1402個、定常期後期で1164個、死滅期で1037個、総計1617個のタンパク質が検出されました。
染色体縮小化株MGF-01では、対数増殖期で1053個、定常期前期で1204個、定常期後期で1087個、死滅期で1015個、総計1368個のタンパク質が検出されました。
また、プロテオーム解析結果からアノテーションを見直す技術の確認も実施しました。近年、このような技術は、プロテオゲノミクス(Proteogenomics)と呼ばれています。
詳細な解析結果は、生物資源データプラットフォーム(DBRP)で公開されています。
発表等
- 第30回日本分子生物学会年会・第80回日本生化学会大会合同大会 (2007.12)
- 「網羅的プロテオーム解析によるアノテーションの精密化」
- (Proteome Analysis for Precise Prediction of Protein Coding Regions)
- 西嶋桂子、山崎純、三瀬美也子、安宅花子、佐々木和実、山崎秀司、藤田信之
- 56th ASMS Conference (2008.6)
- “Protein Profiling of Escherichia coli Wild-Type Strain and Reduced-Genome Strain by Label-Free Quantitative Proteomics.”,
- Hanako Ataku, Miyako Mise, Keiko Nishijima, Jun Yamazaki, Kazumi Sasaki, Syuji Yamazaki, Hideo Mori, Hiroshi Mizoguchi and Nobuyuki Fujita
- 日本農芸化学会2009年度大会, 3P0972B (2009.3)
- 「遺伝子大量削除Escherichia coli K-12 W3110株の網羅的プロテオーム解析及び代謝変化の定量的検討」
- 佐々木和実, 西嶋桂子, 三瀬美也子, 安宅花子, 山崎秀司, 山崎純, 森英郎, 溝口寛, 藤田信之
本研究は新エネルギー・産業技術総合開発機構の委託事業、「微生物機能を活用した環境調和型製造基盤技術開発/微生物機能を活用した高度製造基盤技術開発/
高性能宿主細胞創製技術の開発、微生物反応の多様化・高機能化技術の開発(発現タンパク質解析による微生物機能利用のための技術基盤の研究開発)」で行われたものです。
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