製品安全

事故情報特記ニュースNo.65

2005.2.18

除雪機の事故について(注意喚起)

今冬に入って除雪機の事故は多発しており、独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)が受け付けた事故情報の件数は、平成16年12月から平成17年1月の2ヶ月間ですでに10件にのぼっています。
NITEでは除雪機の事故の再発を防止するため、平成13年12月10日付けの「特記ニュース」(No.46)で注意喚起を行いましたが、今年度においても、平成16年12月から平成17年1月の2ヵ月間で10件の事故が報告されていることや、製造事業者からこのような事故を防止するための製品が供給されていることなどを踏まえ、最近の事故の発生状況について情報提供するとともに、改めて注意喚起いたします。

1.最近の事故の発生状況

  • 男性が自宅で除雪作業中、除雪機のロータリー部分に雪が詰まって動かなくなったため、エンジンをかけたまま雪を取り除いたところ、ロータリー部分が回転し、右手中指の先を切断した。
  • 女性が自宅車庫前を除雪機で作業中、除雪機のロータリーに絡まった手袋をエンジンをかけたまま取り外そうとし、ロータリーに接触して人差し指を切断した。
  • 男性が自宅敷地内で、除雪作業中に小型除雪機の回転刃に挟まれ死亡した。
  • 男性が自宅敷地内で除雪中、除雪機の前で転倒し、ローターに左足を挟まれて左足首の骨を折るなど重傷を負った。
  • 除雪を開始して左方向へ投雪し、シューター部分に雪が付いた状態でクラッチを離して停止させ、シューターの雪を手で払いながら雪を中に落とし込んだ時、止まっているはずの回転部分が回って人差し指、中指などを切断、裂傷した。

など、雪詰まりを取り除く際にエンジンを停止せず回転部に触れて手などにけがを負ったもの、除雪作業中に転倒して回転部分に挟まれてけがを負ったもの等の事故が報告されています。

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2.注意喚起事項

  1. (1)エンジンの稼働中または回転部分の回転中は、絶対に身体が回転部分に触れないよう、十二分に注意してください。

    雪詰まりを取り除くときは、必ずエンジンを停止し、回転部が完全に停止してから雪かき棒を使って行ってください。

    雪詰まりを取り除くときの注意

    除雪部に近づくときは、必ずエンジンを停止し、回転部が完全に停止してから作業を行ってください。

    除雪部に近づくときの注意

  2. (2)除雪作業をするときは、身体が転倒したり、挟まれたりしないよう、地面の状態及び周囲の障害物に十分注意してください。

    後進時は、転倒したり、挟まれたりしないよう、足もとや後方の障害物には充分注意してください。

    後進時の注意

  3. (3)安全装置が付いている場合、必ず説明書をよく読み、適切に使用してください。

    作業を行う前に、必ず取り扱い説明書をよく読んで、正しい使い方を理解しましょう。

    作業を行う前の注意

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3.事業者の対応

除雪機の製造事業者が加盟している除雪機安全協議会は歩行型除雪機について、従前よりデッドマンクラッチ(運転者が装置を動作させる力を抜いた場合に制御装置が自動的に駆動装置への動力供給を停止させる装置)を装備した除雪機を供給し、使用する者の使用状況等にあわせた選択の機会を提供していましたが、平成16年4月分出荷分から、使用者の安全性をより高めるためにデッドマンクラッチを標準装備しています。
当該協議会では、こうしたデッドマンクラッチが装備されていない除雪機を現在使用している方は、使用者の年齢、使用環境等にあわせて、このような製品への買い換え等の検討を勧めています。

お問い合わせ

独立行政法人製品評価技術基盤機構 製品安全センター  製品安全広報課
TEL:06-6612-2066  FAX:06-6612-1617
住所:〒559-0034 大阪市住之江区南港北1-22-16 地図