事故情報特記ニュースNo.63
2005.1.13
電気こんろに係る事故について(注意喚起)
ワンルームマンションなどに据え付けられている電気こんろに関係する火災事故が多発しています。これらの事故の多くは、普段使用していない電気こんろの上に可燃物等が置かれている状態で、知らぬ間に電気こんろのスイッチが入ってしまうことにより発生しているものです。
この種の事故の対策として、平成2年に電気用品安全法技術基準が改正され、電気こんろのスイッチは不用意な操作ができない構造とするように改められました。また、技術基準改正以前に製造された製品については、同じく平成2年から、電気こんろの製造事業者においては自主的にホームページやパンフレットによって、住宅管理業者等に対して火災事故等の危険性について注意喚起を促し、スイッチ操作部を不用意な操作ができない構造のものと有償で交換する改修を行ってきました。
しかしながら、未改修の電気こんろに関係する事故通知が平成16年度においてもすでに15件、当製品評価技術基盤機構(NITE)に報告されていることから、社団法人日本電機工業会[家電部]及びキッチンバス工業会では、平成16年6月、新たに注意喚起のパンフレットを作成し、賃貸不動産管理業協会員3000社への配布を行いました。また、9月には全国賃貸住宅新聞に注意喚起の告知を行い、無償による改修を開始しました。
こうした状況を踏まえ、NITEとしても事故の未然・再発防止のため、事故の発生状況について情報提供するとともに、注意喚起いたします。
1.事故品の形態
事故は、以下のような据え付け型の電気こんろで、つまみが飛び出している形態のスイッチを使用しているもので起きています。
事故品 | 事故品の電気こんろに 使用されているスイッチの形態 |
2.事故原因
電気こんろは大半のものがワンルームマンション等のミニキッチンのシンク横にビルトインされた形 で設置されており、日常使用されていなかったケースがほとんどです。
居住者は電気こんろの上にカセットこんろを置いて使用したり、合成樹脂製の台所用品や雑誌等の可燃物を置いていたところ、電気こんろの側を通った際に気付かないうちに、電気こんろの飛び出したスイッチのつまみに、身体や持っていたバック等が当たった程度で電源が入ってしまい、被害に遭っています。
事故発生の状況を調べてみますと、以下の要因が重なっているように推測されます。
- (1)電気こんろの飛び出したスイッチつまみに身体や物が触れてスイッチが「入」になる場合があることから、事業者及び関係工業会がホームページ・パンフレット等で注意喚起を行いスイッチ操作部の交換を行っているが、賃貸不動産管理者及び居住者にその必要性・危険性が十分に伝わっておらず、依然として未改修品が設置・使用されていた。
- (2)電気こんろが設置されているマンションのキッチンが概ね狭く、通路スペースが充分確保されていないことから、居住者が気付かずにスイッチに触れてしまい、未改修品では電源が入ってしまうことがある。
- (3)電気こんろの上にカセットこんろを置いて使用していた。
- (4)電気こんろの上を物置きとして使用し、可燃物を置いていた。
3.注意喚起事項
事故を起こさないために以下の点に、ご注意してください。
- (1)電気こんろのスイッチのつまみが飛び出した構造のものについては、速やかに事業者又は関係工業会に連絡し、安全なスイッチ操作部に交換する。
- (2)電気こんろの上でカセットこんろや他の電気製品を使用しない。
- (3)電気こんろの上や周囲に台所用品・新聞・雑誌などの可燃物を置かない。
- (4)日常使用しない時は、電気こんろの元電源を切っておく。
4.事業者・関係機関の連絡先
次の関係工業会では、電気こんろの安全な使用方法について、ホームページ(http://www.jema-net.or.jp/)(http://www.kitchen-bath.jp/)で注意喚起を行っています。 また、つまみが飛び出したスイッチ操作部の交換を無償で実施しています。
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お問い合わせ
- 独立行政法人製品評価技術基盤機構 製品安全センター 製品安全広報課
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TEL:06-6612-2066
FAX:06-6612-1617
住所:〒559-0034 大阪市住之江区南港北1-22-16 地図