事故情報特記ニュースNo.48
2001.12.26
「ほっとく鍋」に関する事故について(注意喚起)
家庭用の「ほっとく鍋※」に関する事故情報が、独立行政法人製品評価技術基盤機構(以下「機構」という。)に報告されています。
現在当機構においては、当該事故の原因究明を行うことを検討中ですが、事業者に対する調査の結果、同様の事故の再発防止のため、事故の発生状況を紹介して使用者に注意を呼びかけることとしました。
(当該製品にかかる事故については平成13年9月25日付け事故特記ニュースNo.43にて注意喚起を行っているところですが、6件目の事故が発生したことを受け、再掲載するものです。)
- ※当該製品は、輸入品のステンレス製二重構造(内なべと外なべをなべの底と縁部で結合)のなべで、なべに保温性を持たせるため、なべ側面に空気層を設けた構造を有している。
1.「ほっとく鍋」に関する事故事例
- (1)当該製品に6割程度の油を入れ2~3分加熱したところ、内なべと外なべが剥がれ、内なべが天井まで飛び、天井2カ所に穴があいた。
また、当該製品の中の油が周囲に飛散し使用者に油がかかったが、油の温度が低かったため怪我はなかった。 - (2)当該製品に油をひき、空で温めていたところ、数分後バーンという大きい音と共に当該製品がガスこんろから床に落ちた。当該製品を見ると内なべの底が変形し、盛り上がっていた。
- (3)中火より少し弱い火力で当該製品を温めていたところ、内なべが剥離して飛び、換気扇に当たってはね返ったものが使用者の顔にあたったため、むち打ち症となった。
- (4)揚げ物を調理するため、油をなべの3分の1入れて強火で加熱していたところ、2~3分後に内なべが剥離し、1m上方の換気扇にあたった。油が天井一面に飛び散り、使用者の背中と手にはねたが、油の温度がそれほど高くなかったため火傷にはいたらなかった。
- (5)当該製品で材料を炒めていたところ、なべの内側が飛び出した。使用者は飛び出した内なべで右手の親指と小指を切り、手首に火傷を負った。
- (6)当該製品の改良品(2001年4月以降販売)に、油を約2㎝ほどの深さになるように入れ、弱火~中火程度の火力で2~3分程度加熱し、材料をいれたところ、突然内鍋が飛び、レンジフードや窓付近の壁に当たり床に落ちた。油が台所中に飛び散り、頭等にもかかったが、火傷等のけがはなかった。
2.当該製品に関する対応
当該製品の輸入事業者から、事故は、使用中に①なべの空気層に水が入った②強火で使用された③なべの空気層に水が入った後に内なべと外なべの縁が閉じて完全密閉の状態になった、の3条件が重なったことが原因で発生した可能性が高いとの報告を受けております。
事業者においては、2001年4月以降改良品の販売を行っていましたが、改良品においても事故が発生しており、また、現在までの事故事例をみると、重大事故に至る可能性もあると考えられます。
経済産業省では、事業者に対し、消費者の安全確保の観点から、速やかに製品の販売自粛や回収等のより具体的な措置を講じるよう指導しているところです。
下記の製品をお持ちの方は、当該製品の使用を避け、下記事業者へ連絡してください。
製品名 | 対象製品 | 事業者名等 | 連絡先 |
---|---|---|---|
ほっとく鍋 |
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アーネスト 株式会社 |
0256-64-2525 ※平成17年8月から 0256-41-1010 に変更 |
お問い合わせ
- 独立行政法人製品評価技術基盤機構 製品安全センター 製品安全広報課
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TEL:06-6612-2066
FAX:06-6612-1617
住所:〒559-0034 大阪市住之江区南港北1-22-16 地図