製品安全

Vol.479 6月24日号「夏に向けて気を付けたい事故(折りたたみ椅子、スプレー缶)」


Vol.479  6月24日号 「夏に向けて気を付けたい事故(折りたたみ椅子、スプレー缶)」 【PDF:1294KB】

 夏に向けて屋外活動の準備をする季節になりました。持ち運びのできる折りたたみ椅子や、虫よけスプレー、冷却スプレーなどのスプレー缶は屋外活動には欠かせないアイテムです。また今回の大阪・関西万博では、開門待ちやパビリオンの入場待ちには折りたたみ椅子を持ち込むと便利だと言われていることから、持参されている方も多いそうです。
 しかしこれらの製品では、誤った取り扱い等による製品事故も何件か確認されています。今回は、折りたたみ椅子とスプレー缶類について、注意するポイントを事故事例と併せてご紹介します。

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項目一覧

1. 夏に向けて気を付けたい事故(折りたたみ椅子、スプレー缶)
2. 製品事故収集情報(5月18日~ 5月31日 受付70件)
3. リコール情報 2件
4. その他の製品安全情報
 ・経済産業省令和 7 年度「製品安全対策優良企業表彰(PS アワード)」募集中!
 ・製品安全4法一部改正に関する解説動画作成及び英語版サイトの更新
 ・「NITE SAFE-Lite」のご案内
 ・消費生活用製品の重大製品事故に係る公表について
 ・NITE公式X アカウントのご案内

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1.夏に向けて気を付けたい事故(折りたたみ椅子、スプレー缶)

◆事故事例
【事故事例.1】
 折りたたみ椅子に腰掛けたところ、座面の生地が破れ、転倒し腰を負傷しました。
(2014年 大分県 20歳代 男性 重症)
→事故製品は、日常的に直射日光の当たる場所において、高い頻度で使用されていました。日光等の影響により座面生地の化学繊維の糸が劣化して脆弱化していたため、当日の使用での荷重により座面生地が破断し事故に至ったものと考えられます。
 
【事故事例.2】
 折り畳み椅子を使用中、フレーム部分が破損しました。(2019年 都道府県 年齢性別不明 製品破損)
→溶接不良により強度不足となり、使用時の荷重で溶接部が破損したものです。事故製品は、リコール品でした。
 
【事故事例.3】
 スプレー缶のガス抜きをしていたところ、火災が発生し、1名が軽傷を負いました。
(2019年 愛媛県 年齢性別不明  軽傷)
→ガス抜きで放出させた可燃性ガスに、何らかの着火源により引火し、出火したものと考えられます。

注意するポイント 折りたたみ椅子
 (1)経年劣化していないか確認しましょう。
 長く使用している場合、樹脂部分に細かい亀裂が入っている、座面などの布部分が色あせているなど、日光や風雨の影響により劣化が疑われる場合には、強度を確認して使用しましょう。


 (2)手指の挟み込みに注意しましょう。
 レジャー用折りたたみ椅子やベッドなどは、使用時や組み立て時に折りたたみ部(可動部)の隙間に手指を挟んでけがをするおそれがあります。組立ては確実に行いましょう。また、子どもと一緒のレジャーなどでは、子どもが不意に可動部を触ったり、可動部に手指を入れたりすることがあるため、注意を払いましょう。


(3)リコール情報を確認しましょう。
 お持ちの製品がリコール対象になっていないか今一度ご確認ください。毎号でご案内している  「NITE SAFE-Lite」 で、リコール情報を検索できます。ぜひご活用ください。
 https://safe-lite.nite.go.jp/
消費者庁のリコール情報検索サイトでも確認できます。
 https://www.recall.caa.go.jp/
もしリコールの対象となっている製品をお持ちの場合は、不具合が生じていなくても直ちに使用を中止し、お買い求めの販売店や製造・輸入事業者に相談をしてください。そのまま使用を続けないようにしてください。

注意するポイント スプレー缶
 (1)スプレー缶には可燃性ガスが使用されています。
 多くのスプレー缶製品には噴射剤として可燃性液化ガス(LPGなど)が使用されています。ライターやこんろなどの火気のそばで使用しないでください。「火気から離れている」と思っても、例えばLPGガスでは、空気中で気化し体積が約250倍になり、引火のリスクが高まります。しばらく火気の使用を控えるか、十分な距離をとって使用するようにしましょう。
 冷却スプレーにも可燃性ガスが含まれています。冷却スプレーを使用した後に、近くでライターやこんろを点火しないでください。可燃性ガスに引火し、着衣に着火するおそれがあります。


(2)直射日光が当たる場所や高温になる場所に置かない
 夏季は、車内の温度が非常に高くなり、車内にスプレー缶を放置すると破裂するおそれがあるため非常に危険です。高温環境下にスプレー缶を置くと、スプレー缶の中のLPGなどの可燃性液化ガスが温度上昇とともに膨張し、缶内の内圧が高くなってやがて破裂するおそれがあります。直射日光が当たる場所や高温になる場所には置かないようにしましょう。
 
(3)スプレー缶を捨てるときは中身を出し切る
 スプレー缶を捨てるときは、捨てる前に屋外の風通しのよい場所で、スプレーボタンを押すなどして(※1)中身を出し切りましょう。スプレー缶を振って、「シャカシャカ」などという音がする場合は中身が残っています。スプレー缶に中身が残っている状態で穴が開くと、漏れ出た可燃性ガスに引火するおそれがあり大変危険です。
 なお、廃棄については、お住まいの自治体の指示の廃棄方法を確認のうえ、従いましょう。

※1 スプレー缶の種類によっては、 残ガスの排出機構(ガス抜きキャップ)が付いたものがあります。スプレー缶の本体表示に従って処理をしてください。
(参考)AIAJ 一般社団法人日本エアゾール協会  ガス抜きキャップの使い方
 https://www.aiaj.or.jp/safety/lid/

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2.製品事故収集情報

◆◆◇    消費生活用製品の事故情報収集状況    ◇◆◆
(5月18日~ 5月31日 受付70件)
     NITEに通知のあった事故情報から、件数の多い製品を掲載します。
========================================================       
 製品名                    (事故状況と件数)
            
          1. 洗面化粧台                ( 破損等  11件 )
          2. 電動アシスト自転車            ( 破損等  5件 )
          3. モバイルバッテリー            ( 火災等  3件 )
          3. 電動アシスト自転車用バッテリー      ( 破損等  3件 )
          3. 照明器具                 ( 火災等  3件 )
========================================================
洗面化粧台は全て同一メーカーのリコール事案(キャビネット落下)になります。
 
◇最新事故情報(これまでの受付情報もご確認いただけます)
 https://www.nite.go.jp/jiko/jikojohou/information/index.html
 
■事故情報の提供をお願いいたします。
 事故の再発防止のため、有効に活用させていただきます。
 https://www.nite.go.jp/jiko/jikojohou/shushu/index.html

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3.リコール情報

◆株式会社QUADS(法人番号:2011001139717)
「サーキュレーター」2025 年 6月 16 日(HP)
【詳細】https://quads.co.jp/post-2198/
 
◆イケア・ジャパン株式会社(法人番号:1040001021866)
「調理器具(ガーリックプレス)」2025年6月11日(HP)
【詳細】https://www.ikea.com/jp/ja/customer-service/product-support/recalls/20250611-ikea365-vaerdefull-pub73dc8680/

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4.その他の製品安全情報

◆◆◇ 令和7年度「製品安全対策優良企業表彰(PSアワード)」募集中! ◇◆◆
<応募・審査費用は無料です。皆様、奮ってご応募ください。>

                                        経済産業省
1.企業・組織部門
 消費生活用製品に関わる全ての企業・団体が応募対象になります。応募により、社内の製品安全に対する取組に対して、客観的な評価を得られます。
【募集対象】
 ・「消費生活用製品」の製造・輸入、小売販売事業を行っている企業
 ・「消費生活用製品」に関連した事業を行っている企業・団体
 ・ネットモール運営事業者
※令和5及び6年度の受賞者におかれましては留意事項がありますので、応募要領を事前にご確認ください。
【個別相談会】
 オンラインでの実施となります。詳しくはHPをご確認ください。
 https://www.meti.go.jp/product_safety/ps-award/index.html
 
2.製品部門「誤使用・不注意による製品事故リスクを低減する製品の表彰・表示制度(愛称:プラスあんしん)」
 経済産業省は、「誤使用等による事故の未然防止に役立つ機能を持つ製品にマークを表示し、消費者が安全な製品を選択できるようにサポートする制度を開始しました。製品全体として基本的な安全性が担保された上で、特定の誤使用・不注意による事故リスクが低減されるような対策が組み込まれた製品を評価するものです。
【募集対象】
 「消費生活用製品」に該当し、特定の誤使用・不注意による事故のリスクを低減するための対策が組み込まれ、一定のリスク低減が論理的に認められるもの。
【個別相談会】
 詳しくは以下HPをご確認ください。
 https://www.meti.go.jp/product_safety/ps-award/risksystem/
 
【募集期間】 4月9日(水)~6月27日(金)
 
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◆◆◇ 製品安全4法一部改正に関する解説動画作成及び英語版サイトの更新 ◇◆◆
経済産業省 製品安全課
 
経済産業省では、令和7年12月に施行される「消費生活用製品安全法等の一部を改正する法律」の概要や、主な改正内容についての解説動画や、英語サイト(海外事業者向け)をこの度、整備いたしました。海外からオンラインモール等を通じて日本国内の消費者に製品を販売する事業者や、子供向け製品の製造・輸入・販売事業者におかれては、ぜひご覧ください。
 
以下リンク先に日本語版と英語版の紹介サイトを掲載しております。
【日本語版】
・(ベース)製安4法の解説動画(3分半)
 https://www.youtube.com/watch?v=GuLbROueXFk
・改正法の概要動画(4分)
 https://www.youtube.com/watch?v=6RRda5ZYpUI
 
【英語版】
1.解説動画
・(ベース)製安4法の解説(3分44秒)
 https://www.youtube.com/watch?v=ltcJWVvVays
・改正法の概要動画(3分半)
 https://www.youtube.com/watch?v=HatWmLQ2X7Y&t=209s
 
2.製品安全4法に関する解説ページ(更新版:各法の事業者向けガイド等)
 https://www.meti.go.jp/english/policy/economy/consumer/product_safety/index.html
 
ぜひご覧ください。
 
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◆◆◇  「NITE SAFE-Lite」のご案内 ◇◆◆
 
 NITE は、より安心・安全な社会になることを目指して、製品安全に関する情報を発信しており、NITE のウェブサイトで、製品事故の調査結果、リコール情報や誤使用に関する注意喚起などを提供しています。その中で、製品事故情報をどなたでも簡単にウェブ検索できるシステムとして、「NITE SAFE-Lite」というサービスを提供しています。
 
「NITE SAFE-Lite」は、サービス開始以来、多くの方にご活用いただいています。スマートフォンの小さな画面とタッチ操作に配慮したシンプルな操作性で、6 万件にも及ぶ製品事故情報を専門用語(例えば「異音」)でなく普段お使いの言葉(例えば「ガラガラ」)で検索できます。
 
「NITE SAFE-Lite」で製品事故を検索すると、同じ現象の事故だけではなく、よく似た事故情報も表示されます。これにより、様々な視点から事故となる危険性やその場合の被害状況などが「見える化」され、事故の未然防止につながります。
 
【NITE SAFE-Lite】
 https://safe-lite.nite.go.jp/
 
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       ◆◆◇ 消費生活用製品の重大製品事故に係る公表について ◇◆◆
 
                                    消費者庁
 
 消費者庁は、消費生活用製品安全法第35条第1項の規定に基づき報告のあった重大製品事故について、以下のとおり公表しています。
 
06/20 16件
https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_250620_01.pdf

06/17 07件
https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_250617_01.pdf

06/13 18件
https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_250613_01.pdf

06/10 07件
https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_250610_01.pdf
 
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◆◆◇ NITE公式Xアカウントのご案内 ◇◆◆
 
 NITEでは、公式アカウントを開設しています。
 Xでも、シーズンに合わせて、皆様の生活の安全を守るためにどんどん発信していきますので、フォローやいいねをお待ちしております!
 
 Xアカウント→@NITE_JP

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編集後記

 (編)は、5月に万博に行ってきました。9時東ゲートを予約し、8時過ぎに到着しましたが、既に多くの入場待ちの方で混雑していました。8時半にゲート前に移動するまでは特に決まった列など無く、レジャー用折りたたみ椅子に座ってくつろいでいる方が多くいましたが、8時半にゲート前に移動してからは個別ゲートごとに2列で並んで待つので、椅子に座るスペースがなくなっていた気がします。しかし、やはり持ってきている方々を見たら便利そうで羨ましい限りでした。大屋根リングはさすがに迫力がありました。人それぞれですが、万博に行けるのも一期一会、疲れましたがこの雰囲気を味わえただけでも満足しました。皆さんはもう行かれましたか。

お問い合わせ

独立行政法人製品評価技術基盤機構 製品安全センター  製品安全広報課
TEL:06-6612-2066  FAX:06-6612-1617
住所:〒559-0034 大阪市住之江区南港北1-22-16 地図