測定不確かさとは
「測定不確かさ」とは、その語感とは裏腹に、実は「測定データの“確かさ”」を示す指標なのです。
例えば、風にゆらぎがあるように、ある現象を表す数値というものもある小さい幅を持って変動しており、測定データは連続的で微細な動きを短時間にサンプリングして測定したという代表的な数値に過ぎません。 これらのデータを計量学的・統計的に処理することで、この変動の可能性(存在確率)の高い幅を範囲で示したものが測定不確かさです。
ISO/IEC 17025で認定された校正機関は、国際的な見積もりルールであるGUM (ISO/IEC Guide 98-3) に従って測定不確かさの評価をしていますから、その中身の透明性・整合性が確保できるのです。
測定不確かさの定義
測定不確かさは、ISO/IEC Guide 99:2007 [ 国際計量計測用語-基本及び一般概念並びに関連用語 (VIM) ] において、以下のように定義されています。
“用いる情報に基づいて、測定対象量に帰属する量の値のばらつきを特徴付ける負ではないパラメータ。”
従来計測分野で用いられてきた“誤差”、すなわち測定値と真の値との差という概念は、真の値が把握できることを前提としたものです。しかし、真の値は誰にも知ることができません。それは測定には必ずばらつき、かたよりの要因が含まれるからです。測定不確かさの評価とは、真の値は誰にも分からない、という前提のもとに、そのようなばらつき、かたよりを総合的に評価し、真の値が含まれると考えられる区間を推定することをいいます。
不確かさのイメージ
弓矢を的にあてることを考えてみましょう。かたよりとばらつきとを総合的に評価するということは下の図のように整理して理解することができます。このようなかたよりとばらつきは、人の熟練度、道具の質などいろいろな条件によって変わってきます。
矢が当たった位置のばらつきも、的の中心からのかたよりも大きい |
矢が当たった位置のばらつきは小さいが、的の中心からのかたよりが大きい |
矢が当たった位置のばらつきは大きいが、的の中心からのかたよりは小さい |
矢が当たった位置のばらつきも、的の中心からのかたよりも小さい |
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