理事長挨拶

理事長 長谷川 史彦
高度な技術力と専門性を活かし、変化の時代を切り拓く
独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)は、1928年に商工省(現・経済産業省)が設置した輸出絹織物検査所を起源とし、以来、工業製品の品質や安全性を評価する技術力を基盤に、産業界のニーズや国民の期待に応える組織として産業や社会の変化に対応しながら今日まで進化してきました。
2024年は5カ年の第2期中期方針の3年目でしたが、事業分野ごとに中間評価を行い、最新の情勢・見通しを踏まえて、国民の安全・安心の確保と産業界のイノベーション支援に向けての具体的取組をアップデートしました。変化の早い現代では、中期的視野を持ちつつ時代のニーズに柔軟に即応する必要があります。
各事業分野が取り組んでいる最近の主なトピックスとしては、まず製品安全分野では製品安全4法が17年ぶりに改正され、2025年末の改正法施行により、海外事業者が国内消費者へ直接販売する製品の安全管理や、玩具などの子供用製品の事故未然防止に向けた取組が始まります。NITEは多くのメディアに取り上げられている消費者への注意喚起をさらに強化するとともに、改正法の円滑な施行にしっかり取り組みます。また、国際評価技術分野では次世代蓄電池の試験評価設備である「先端技術評価実験棟(MIDDLE Chamber)」が2024年に完成し、運用を開始しました。電気自動車での活用が期待される全固体電池の安全性に係る共同試験の受入れや、蓄電池システムに係る安全基準や評価手法の開発などを通じたルール整備などを行い、我が国の蓄電池産業の発展に貢献します。さらに、化学物質管理分野では化学物質の安全性評価における科学的合理性の追求、バイオテクノロジー分野ではグリーンイノベーションの推進を加速させるCO2を原料としたバイオものづくりの活性化、適合性認定分野では適合性評価制度をビジネスに活用できる人材の育成に引き続き取り組みます。
加えて、2025年4月に開幕した大阪・関西万博では、「いのちと、いのちの、あいだに」をテーマとする日本政府館において、NITEは微生物の働きによる資源循環をコンセプトとする展示協力を行い、多様な微生物による社会課題解決の可能性を世界に発信できる貴重な機会に関わることができました。
NITEは、これまで歩んだ長い歴史の中で培ってきた高度な技術力と専門性を土台に、5つの事業分野の幅広い総合力を発揮してNITEに求められる役割と責務を全うすべく、産業界・大学・自治体の皆様と連携しながら社会課題の解決や新規産業分野の創出に際しての課題に積極的にチャレンジしていきます。
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