製品安全

乳幼児に対する安全配慮を目的とした製品の共通規格の提案

 乳幼児に関する事故は、多数報告されています。これまでこのような事故に対しては個別製品ごとに事故防止対策を実施してきましたが、乳幼児製品は多種多様あり、個別製品ごとに安全対策を行うことには限界があります。
 そこで、NITEでは乳幼児が触れる可能性のある消費者用製品において、以下のとおり、製品横断的に共通して活用できる試験方法を開発し、提案を行ってまいりました。積極的に活用いただけると幸いです。

乳幼児に配慮した製品の共通試験方法-隙間・開口部による身体挟込み

 乳幼児の安全配慮を目的とした「隙間・開口部による身体挟込み」の共通試験方法を開発し、JIS化の提案を行いました。この共通試験方法を元に、令和3年3月にJIS S 0121:2021「乳幼児に配慮した製品の共通試験方法-隙間・開口部による身体挟込み」が制定されました
 なお、このJISは、CEN_TR 13387-3 Child use and care articles - General safety guidelines part3:Mechanical hazards等をベースとしており、乳幼児の身体を模擬した試験プローブを製品の隙間・開口部に差し込むことで身体が挟み込まれるハザードを確認する試験方法です。各試験プローブは、既存の日本人乳幼児の身体寸法データに加え、0~6歳児(約500名)の身体寸法を追加計測したデータが基となっています。

※お知らせ
 機関誌「建材試験情報5・6月号」(一般財団法人建材試験センター)にJIS S0121:2021の概要を紹介した記事が掲載されました。以下のURLをご参照ください。

【一般財団法人建材試験センター 機関誌「建材試験情報」】
https://www.jtccm.or.jp/tech-provision/magazine

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乳幼児に配慮した製品の共通試験方法-部品の外れ

 乳幼児の安全配慮を目的とした「部品の外れ」に関する共通試験方法を開発し、JIS化の提案を行いました。この共通試験方法は、令和4年1月にJIS S 0122:2022「乳幼児に配慮した製品の共通試験方法-部品の外れ」が制定されました
 なお、このJIS S0122は、既存の乳幼児用製品の規格(ISO、EN規格等)を基に、日本人乳幼児の操作力等の既存データを参考にして作成されています。

※お知らせ
機関誌「建材試験情報5・6月号」(一般財団法人建材試験センター)にJIS S0122:2022の概要を紹介した記事が掲載されました。以下のURLをご参照ください。

【一般財団法人建材試験センター 機関誌「建材試験情報」】
https://www.jtccm.or.jp/tech-provision/magazine

部品外れイメージ

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乳幼児に配慮した製品の共通試験方法-製品破損

 乳幼児の安全配慮を目的とした「製品破損」に関する共通試験方法を開発しました。
 なお、この共通試験方法(案)は、ISO、EN規格等、既存の乳幼児用製品の規格を参考に、日本人乳幼児の体重等を加味して作成したものです。
 この共通試験方法(案)は、以下でダウンロードできます。本ページ下のお問い合わせフォームからご意見等をお寄せください。

製品破損イメージ

乳幼児共通規格-製品破損

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乳幼児に配慮した製品の共通試験方法-鋭利なエッジ及び先端

 乳幼児の安全対策を目的とした「鋭利なエッジへの接触」及び「鋭利な先端への接触」に関する共通試験方法を開発しました。この共通試験方法(案)は、ISO、EN規格などの既存の規格を参考に作成したもので、接触可能なエッジに対して鋭利なエッジであるかどうかを判別する試験方法及び、接触可能な先端に対して鋭利な先端であるかどうかを判別する試験方法です。
 この共通試験方法(案)は、以下でダウンロードできます。本ページ下のお問い合わせフォームからご意見等をお寄せください。

鋭利なエッジ及び先端のイメージ

乳幼児共通規格-鋭利なエッジ

乳幼児共通規格-鋭利な先端

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乳幼児に配慮した製品の共通試験方法-突起への衣服等のからみつき

 乳幼児の安全配慮を目的とした「突起への衣服のからみつき」に関する共通試験方法を開発しました。この共通試験方法(案)は、ISO、EN規格等、既存の乳幼児用製品の規格を参考に作成したものです。突起・突出部に衣服等が引っかかるハザードの有無を確認する試験方法です。
 この共通試験方法(案)は、以下でダウンロードできます。本ページ下のお問い合わせフォームからご意見等をお寄せください。

突起に洋服の襟やひも付きの帽子がひっかかる例

乳幼児共通規格案-突起への衣服等のからみつき

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チャイルドレジスタンス機能(CR機能 電子式及び機械式)

 チャイルドレジスタンス機能(CR機能)とは、子どもの事故を防止する目的で備えられた機能で、幼児が製品を簡単に操作できないようにする仕組みを言います。近年では、ライターや電気ポット、棚の扉等、さまざまな製品にチャイルドレジスタンス機能(チャイルドロック機能と称している製品もあります)が備え付けられるようになりました。そこで、NITEでは有効に機能するチャイルドレジスタンス機能の普及を目的に、チャイルドレジスタンス機能の共通試験方法を開発しました。
 この試験方法(案)は、以下でダウンロードできます。本ページ下のお問い合わせフォームからご意見等をお寄せください。

チャイルドレジスタンスシンボルマークとドラム式洗濯機備え付けの電子式CR機能の例:ボタンを押すとロックされたり、解除されたりする。扉用の後付の機械式 CR機能製品の例:ロック状態から押しながら引き上げる。ボタンを押すとロックが解除される

1.押しボタンによる電子式チャイルドレジスタンス機能
 押しボタン等の操作で電子制御によってロックされたり、ロックが解除されたりするチャイルドレジスタンス機能に対して、操作時間や操作力などを確認する共通試験方法が記載されています。

乳幼児共通規格-電子式チャイルドレジスタンス機能

2.機械式チャイルドレジスタンス機能
 電子制御によらない機械的構造によってロックをかけたり、解除したりするチャイルドレジスタンス機能のロック解除力の試験方法(案)です。機械式CR機能には、後付のもの(家具・住宅設備などの扉や引き出し等に後付けすることによってCR機能を付与する製品)が多くあります。

乳幼児共通規格-機械式チャイルドレジスタンス機能

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乳幼児の安全規格体系

 製品群に対して横断的に使用できる共通試験方法は、下図の「乳幼児の安全規格体系」のグループ規格(B規格)に位置づけられます。
 この規格体系は、NITEおいて平成23年度に整理したものです。このように整理することによって、製品規格(C規格)が存在する製品に対してはその規格を活用し、製品規格(C規格)が存在しない製品に対しては、基本規格(A規格)とグループ規格(B規格)を活用することにより、最低限の安全性を確認することが可能になります。

【ISO/IEC Guide50 で規定するハザード】 (JIS Z8050)・機械的及び落下・落下及びその他の衝撃による障害・溺水・窒息・首の締め付け・小さな物体及び吸引・火災・温度・化学的・感電・放射線・騒音・生物学的・爆発及び火炎閃光【A規格 (基本規格)理念や指針 子どもの安全確保のための指針】Guide50 の内容をより具体化させた製品横断的な規格 例: JIS Z8150子どもの安全性一設計・開発のための一般原則【B規格 (グループ規格)製品横断的に使用する、具体的な試験方法や安全基準等 乳幼児共通規格】例: JIS S 0121乳幼児に配慮した製品の共通規格 隙間・開口部への身体挟込み試験方法(乳幼児に配慮した製品の共通規格一部品外れの試験方法(予定))【C規格 (製品規格)製品毎に安全基準等の要求事項を規定した規格 JIS規格、SG基準等の製品規格】C 規格が存在する場合は、それを優先する 例: JIS T9112 ほ乳瓶、JIS S1103 木製ベビーベッド

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独立行政法人製品評価技術基盤機構 製品安全センター  製品安全支援課(標準化関係)

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