平成13年度第1-2四半期報
平成14年3月29日
独立行政法人製品評価技術基盤機構
独立行政法人製品評価技術基盤機構
はじめに
本書は、製品安全行政の一環として、経済産業省所管の消費生活用製品の事故に関する情報の収集、調査、分析をした結果を製品評価技術基盤機構においてとりまとめたものです。
平成13年度上半期中に寄せられた事故情報は736件であり、そのうち事故動向等解析専門委員会(学識経験者、消費者団体等の外部有識者により構成)での検討を経て調査が終了し、事故原因が確定し、今回の公表に至った案件は616件でその概要は以下のとおりです。
なお、個別案件につきましては、当期分に加え調査が終了し、公表が可能になった平成10年度分1件(全1,015件調査完了)、平成11年度分30件、平成12年度分315件も同時に情報提供をしております(別添1)。
Ⅰ.事故情報件数と事故原因【表-Ⅰ参照】
事故原因が判明した事故の件数は470件であり、製品の欠陥に起因する事故の件数は250件です。
平成13年度上半期中に寄せられた事故情報736件のうち、現在までに事故原因が判明したのは470件で、その内訳は次のとおりです。
1.製品の欠陥に起因する事故
事故原因が判明したもののうち、製品の欠陥に起因する事故は250件で、その内訳は次のとおりです。
- (1) 専ら設計上、製造上又は表示等に問題があったと考えられる事故が230件発生しています。
- (2) 製品自体に問題があり、使い方も事故発生に影響したと考えられる事故が7件発生しています。
- (3) 製造後、長期間経過したり、長期間の使用により性能が劣化したと考えられる事故は13件発生しています。
上記(1)~(3)を合計した件数が事故原因が判明したものに占める割合は約53.2%です。
2.製品の欠陥に起因しない事故
事故原因が判明したもののうち、製品の欠陥に起因しない事故は220件で、その内訳は次のとおりです。
- (1) 誤使用や不注意な使い方による事故が189件発生しています。事故原因が判明したものに占める当該事故の件数の割合は約40.2%です。
- (2) 上記(1)のほか、業者による工事、修理又は輸送中の取り扱い等に問題があったと考えられる事故が18件、製品に起因しないと考えられる事故が13件発生しています。
事故原因区分 | 件数(件) | |
---|---|---|
製品の欠陥に起因する事故 250 | ||
A 専ら設計上、製造上又は表示等に問題があったと考えられるもの | 230 | |
B 製品自体に問題があり、使い方も事故発生に影響したと考えられるもの | 7 | |
C 製造後、長期間経過したり、長期間の使用により性能が劣化したと考えられるもの | 13 | |
製品の欠陥に起因しない事故 220 | ||
D 業者による工事、修理又は輸送中の取り扱い等に問題があったと考えられるもの | 18 | |
E 専ら誤使用や不注意な使い方によると考えられるもの | 189 | |
F その他製品に起因しないと考えられるもの | 13 | |
G 原因不明のもの | 146 | |
計 | 616 |
Ⅱ.商品分類別の事故件数【表-Ⅱ参照】
事故情報を11の商品分類別※にみると、家庭用電気製品、燃焼器具、乗物・乗物用品、身の回り品によるものが多く、この4分類の事故情報の割合が全体の約91%を占めています。
※商品分類の内容は、表-Ⅱに示すとおりです。
1.商品分類別の事故件数
商品分類別の事故件数は、表-Ⅱのとおりです。商品分類区分①~④の3分類に関する事故情報の合計は564件で、今回公表する事故情報616件に占める割合は約91%です。
商品分類区分 | 件数 | 割合(%) |
---|---|---|
① 家庭用電気製品 | 319 | 51.8 |
② 燃焼器具 | 150 | 24.3 |
③ 乗物・乗物用品 | 53 | 8.6 |
④ 身のまわり品 | 41 | 6.7 |
⑤ 家具・住宅用品 | 22 | 3.6 |
⑥ レジャー用品 | 15 | 2.4 |
⑦ 保健衛生用品 | 11 | 1.8 |
⑧ 台所・食卓用品 | 2 | 0.3 |
⑨ 乳幼児用品 | 2 | 0.3 |
⑩ 繊維製品 | 1 | 0.2 |
⑪ その他 | 0 | - |
合計 | 616 |
2.事故原因毎の主な商品分類別事故件数
事故原因毎の主な商品分類別事故件数は次のとおりです。
- (1) 製品の欠陥に起因する事故は250件であり、家庭用電気製品195件、身のまわり品21件、乗物・乗物用品10件の順となっています。
- (2) 製品に起因しない事故は220件であり、燃焼器具124件、家庭用電気製品45件、乗物・乗物用品24件の順となっています。
Ⅲ.被害状況【表-Ⅲ】
製品の欠陥に起因する事故のうち、死亡、重傷、軽傷等の人的被害のあったものは47件、物的被害が拡大したものは134件です。また、製品の欠陥に起因しない事故のうち、死亡、重傷、軽傷等の人的被害があったものは75件、物的被害が拡大したものは112件です。
1.製品の欠陥に起因する事故による被害状況
製品の欠陥に起因する事故250件について、事故の被害状況は次のとおりです。
- (1) 人的被害の発生した事故は47件発生しています。製品の欠陥に起因する事故に占める割合は約19%です。また、その内訳は、死亡事故1件、重傷事故2件、軽傷事故44件です。
- (2) 人的被害の発生しなかった事故は203件発生しています。製品の欠陥に起因する事故に占める割合は約81%です。また、その内訳は、物的被害が拡大したものは134件であり、当該事故品の破損のみにとどまったものは68件、特に被害がなかったものは1件です。
2.製品の欠陥に起因しない事故による被害状況
製品の欠陥に起因しない事故220件について、事故の被害状況は次のとおりです。
- (1) 人的被害の発生した事故は75であり、この内訳は、死亡事故17件、重傷事故11件、軽傷事故47件です。
- (2) 人的被害の発生しなかった事故は145件であり、この内訳は、物的被害が拡大したものは112件であり、当該事故品の破損のみにとどまった事故は30件、特に被害がなかったものは3件です。
事故 原因 区分
被害
状況 |
(製品の欠陥に起因する事故) | (製品の欠陥に起因しない事故) |
G 原因不明のもの |
合計 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
A 専ら設計上、製造上又は表示等に問題があったと考えられるもの |
B 製品自体に問題があり、使い方も事故発生に影響したと考えられるもの |
C 製造後長期間経過したり、長期間の使用により製品が劣化したもの |
D 業者による工事、修理又は輸送中の取り扱い等に問題があったと考えられるもの |
E 専ら誤使用や不注意な使い方によると考えられるもの |
F その他製品に起因しないと考えられるもの |
|||
死亡 | 1 | 0 | 0 | 0 | 16 | 1 | 9 | 27 |
重傷 | 1 | 0 | 1 | 0 | 9 | 2 | 10 | 23 |
軽傷 | 41 | 3 | 0 | 4 | 42 | 1 | 20 | 111 |
拡大被害 | 127 | 3 | 4 | 5 | 102 | 5 | 62 | 308 |
製品破損 | 59 | 1 | 8 | 9 | 17 | 4 | 45 | 143 |
被害無し | 1 | 0 | 0 | 0 | 3 | 0 | 0 | 4 |
合計 | 230 | 7 | 13 | 18 | 189 | 13 | 146 | 616 |
Ⅳ.再発防止措置
製品の欠陥に起因する事故(250件)のうち、再発防止措置が講じられたものは、244件です。
1.製品の欠陥に起因する事故の再発防止措置
製品の欠陥に起因する事故のうち、約98%の244件について再発防止措置が講じられています。
再発防止措置の具体的な内容は、部品の交換、製品の改良、品質管理の強化等の実施です。また、24件の事故については、事業者等が新聞紙上に社告等を掲載し、製品の回収・交換等を実施しています。
2.社告等の実施による再発防止措置等
事故の未然防止、再発防止の観点から、事業者等が新聞紙上に社告等を掲載し、製品の回収・交換等を実施した旨の報告が、電気ファンヒーター、カラーテレビ、掃除機等の製品について42回あり、これらは延べ46社により実施されました。(別添2参照)
さらに、別添3には、平成13年10月~平成14年3月末までに行われた社告も掲載しました。
3.特記ニュースの発行(別添4参照)
重大事故(死亡または重度障害に結びつき得るもの)等につきましては、可及的速やかな公表による生活者への啓発が重要であることを踏まえ、当期は特記ニュースによる情報の提供を8回行っています。
別添2 社告回収一覧表(平成13年度上半期分)
syakokukami.htm
別添3 社告回収一覧表(平成13年度下半期分)
syakokushimo.htm
(本件問い合わせ先)
独立行政法人製品評価技術基盤機構
生活・福祉技術センター製品安全技術課 菅沼、延命
独立行政法人製品評価技術基盤機構
生活・福祉技術センター製品安全技術課 菅沼、延命
- 電話
- 03-3481-6933
お問い合わせ
- 独立行政法人製品評価技術基盤機構 製品安全センター 製品安全広報課
-
TEL:06-6612-2066
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