製品安全

事故情報特記ニュースNo.20

1998.4.15

松下電器産業(株)製カラーテレビの社告(無償点検等)について

松下電器産業(株)は、同社製の11年以上使用されたカラーテレビ(テレビジョン受信機)の一部で、特殊構造をもつ高圧部品又はプリント基板の一部損傷により、場合によっては発火に至るおそれのあることが判明したため、4月15日に社告(朝日、読売、毎日、産経、日経等合計69紙上にて、無償点検・修理)を行うこととしました。下記の製品に関する相談があった場合は、購入された販売店又は同社の申し出窓口まで連絡するようご指導ください。

(対象製品)
商品名:カラーテレビ(テレビジョン受信機)
型式: 生産年度:
TH14-N9(N) (昭和58年生産開始)
TH19-L55GR
TH21-H55GR
TH15-M3R (昭和59年生産開始)
TH15-M4VR
TH19-L1VR
TH11-S29 (昭和60年生産開始)
TH14-N39R
TH15-M15VR
TH15-M5G
TH15-M8VR
TH15-M9VR
TH19-L6VR
TH19-L7VR
TH19-L10VR
TH21-H7VR
TH19-L9VR (昭和61年生産開始)
TH19-L25AV
TH21-H25AV
TH-29A1
TH-26A1 (昭和62年生産開始)
製造事業者:
松下電器産業株式会社
製造期間:
昭和58年1月~昭和63年6月
対象台数:
約98万7千台
(推定残存台数 約5万台)
事故の発生件数:
2件
連絡先:
0120-072-612(フリーダイヤル)

なお、同社では、平成2年に今回の社告とは別機種の社告を行ったことがあり、併せて連絡するよう呼びかけています。

平成2年に社告を行った機種は、下記のとおりです。

(対象製品:平成2年社告分)

商品名:
カラーテレビ(テレビジョン受信機)
型式:
TH19-L4VR
TH18-C22VR

1.事故の概要

  1. (1)TH19-L6VR
    平成9年2月 広島県内で製品発火事故発生
  2. (2)TH15-M4VR
    平成10年1月 広島県内で製品発火事故発生

ページトップへ

2.事故の原因

上記1.(1)及び(2)の事故については、フライバックトランスのカバーの経年劣化から、外かくに亀裂が生じ、堆積されたすす、埃、油煙等により同トランス2次側高電圧部からの放電が発生しやすくなったため、この放電によりトランス本体、周辺の部品及びバックカバーを燃焼させたものである。

  • ※テレビに起因する火災事故を低減するため、通商産業省では平成2年に電気用品取締法の技術基準を改正し、フライバックトランス及びその周辺部並びにプリント基板の難燃性等を厳しく要求し、規制してきている。

ページトップへ

3.無償点検・修理の内容

上記1.(1)及び(2)の事故再発防止対策としては、

  1. 1 フライバックトランス周辺高圧部の清掃
  2. 2 フライバックフォーカスブロック周辺部へのシリコンゴムコンパウンドの塗布
  3. 3 バックカバーのボス切断

等を行うこととしている。

  • ※なお、長期使用によるハンダ付け部の経年劣化が予測される機種についても、事故防止のための点検等を行うこととしている。

ページトップへ

4.通商産業省の対応

  1. (1)平成9年2月、広島県で起きた事故品を当省製品評価技術センターが入手し、平成9年5月7日付、事故情報処理テストを実施。
  2. (2)製品評価技術センターからのテスト報告書に基づき、当省で検討した結果、事故原 因は上記2.のとおりであった。
    したがって、その事実関係について松下電器産業(株)と意見交換を行ったところ。
    これを受け、当該カラーテレビの製造事業者である松下電器産業(株)は、自主的に社告(無償点検・社告)を行うことを記者発表したところ。

当省としては、当面、点検・修理の徹底を図るよう指導するとともに、その推移を見守ることとしている。

お問い合わせ

独立行政法人製品評価技術基盤機構 製品安全センター  製品安全広報課
TEL:06-6612-2066  FAX:06-6612-1617
住所:〒559-0034 大阪市住之江区南港北1-22-16 地図