製品安全

リコールされたACアダプターや充電器を使っていませんか?

平成27年5月28日
独立行政法人製品評価技術基盤機構

 

NITE(ナイト:独立行政法人製品評価技術基盤機構、理事長:辰巳 敬)は、 別添のとおり、「リコールされたACアダプターや充電器を使っていませんか?」の記者説明会を行いました。

発表日:平成27年5月28日(木)

発表者:独立行政法人製品評価技術基盤機構 製品安全センター

報道発表資料の概要:

  ACアダプターや充電器等※1は、携帯電話、ノートPC、タブレット端末等の小型電子機器と共に広く利用されていますが、一般家庭用の交流を小型電子機器に適した直流に変換をして電子機器や充電用電池に供給するなどの機能を持っており、発熱や発火を伴う事故が多く発生しています。
NITE(ナイト)に寄せられた製品事故情報※2によると、ACアダプターや充電器等による事故は、平成21~25年度に909件※3発生しています。
 

(1)リコール製品による事故
 事故を原因区分別に見ると、設計・製造・表示に問題があったなど「製品に起因する事故」が多く778件(85.6%)を占めています。その中でリコールが行われている製品も多く、659件がリコール製品による事故です。そのうち217件はリコール実施後に発生した事故です。
次に、リコール製品による主な事故事例を示します。
・DCプラグの樹脂成型時に空洞が生じる不良があり、空洞に浸入した水分が難燃剤成分と反応したため、プラグ電極にショートが生じて異常発熱し、DCプラグが変形した。
・DCプラグの絶縁樹脂に添加していた難燃剤が、耐湿性の低い赤リン系難燃剤に変更されていたため、プラグ電極にショートが生じて異常発熱し、DCプラグが変形した。
(2)誤使用や不注意な使い方による事故
 誤使用や不注意な使い方など「製品に起因しない事故」も62件(6.8%)発生しております。この誤使用や不注意な使い方等による事故は重傷、軽傷といった人的被害に至る割合が高く、62件中18件(29.0%)あります。
次に、誤使用や不注意な使い方による主な事故事例を示します。
・携帯電話用充電器のコネクターに力を加えたため、コネクター内部が変形して接触状態となり、スパークが生じて発火した。

 これらの事故は、事故の予兆に早めに気がつく、周囲に可燃物を置かないなどの使用時の注意のほか、新聞広告や折り込みチラシ、ホームページ等で公表されるリコール情報に注意する等によって、未然に防止することが可能です。
なお、リコール情報については、NITEでも「社告・リコールデータベース」を公開しており、製造事業者・販売事業者の名称や製品の名称、型番などを元に検索することができます。
 
 ACアダプターや充電器等のうち、例えば携帯電話などに使われる製品は、子どもから高齢者まで幅広い世代において使用され、生活必需品になっています。一方で、これらの製品は発熱・発火事故等の可能性があると思われにくく、注意が向けられにくいことから、今般、事故を未然・再発防止するため、リコール製品情報の確認方法や使用時の注意事項等について注意喚起を行うこととしました。
 

(※1)
一般家庭用の100V交流電圧から5V程度の直流電圧に変換して、電子機器や充電用電池に電力を供給する装置。 ACアダプター、充電器、直流電源装置などの製品名で呼ばれている。
(※2)
消費生活用製品安全法に基づき報告された重大製品事故に加え、事故情報収集制度により収集された非重大製品事故(ヒヤリハット情報(被害なし)を含む。
(※3)
平成27年4月30日現在、重複、対象外情報を除いた事故発生件数。
(※4)
本資料では、ノートPC等の小型電子機器に直流を供給する端子を「DCプラグ」、携帯電話用等の直流供給端子に加え、データ通信用の接続端子を持った多端子コネクターを「コネクター」と呼ぶ。
 

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