Vol.492 1月13日号「3歳未満のこどもの事故」
Vol.492 1月13日号 「3歳未満のこどもの事故」 【PDF:1,628KB】
こどもの「できた!」は成長の証ですが、できるようになったことで、こどもが思わぬ被害に遭う事故が発生しています。事故を未然に防ぐために「消費生活用製品安全法等の一部を改正する法律」が2025年12月25日から施行され、3歳未満向け玩具に対する新たな規制が始まりました。
0歳から3歳までの時期は「指で物をつかむ」、「つかまり立ちする」等の運動機能の発達とともにできることが増える時期です。こどもの『できた!』が増えることは喜ばしいことですが、それと同時に事故に遭うリスクのある場面も増加します。
そこで今回のPSマガジンでは、屋内の事故から3歳未満のこどもを守るための注意喚起をします。日々の見守りに加えて、事故を防ぐポイントをよく確認し、おうちの中から危険を減らしましょう。

本資料中の全ての画像は再現イメージで、安全に配慮して撮影しています。
実際の事故とは関係ありません。
項目一覧
1. 3歳未満のこどもの事故
2. 製品事故収集情報(12月7日~ 12月20日 受付79件)
3. リコール情報 0件(新規の情報はありません)
4. その他の製品安全情報
・「第7回 KEC製品安全フォーラム 」のご案内
・PSアワード(組織部門)受賞企業講演会および「製品安全対策優良企業表彰(PSアワード・プラスあんしん)」説明会開催
・「NITE SAFE-Lite」のご案内
・消費生活用製品の重大製品事故に係る公表について
・NITE公式X アカウントのご案内
1.3歳未満のこどもの事故
◆事故の現状
2020年から2024年までの5年間にNITEに通知された製品事故情報(※1)では、3歳未満のこどもが被害に遭った事故は47件発生し、そのうち約8割(38件)が屋内で発生しています。「家電の蒸気や熱湯に触れてやけどする事故」、「おもちゃでケガ・誤飲する事故」が目立っており、おうち時間が増える冬~春の時期に多い傾向があります。
※1 消費生活用製品安全法に基づき報告された重大製品事故に加え、事故情報収集制度により収集された非重大製品事故を含みます。
〇 0歳から3歳までの子供の発達の目安

出典:「こどもの事故防止ハンドブック」(こども家庭庁)
https://www.cfa.go.jp/policies/child-safety-actions/handbook
上の表は、これを元にNITEが作成
〇 事故シチュエーションのイメージ図

◆事故事例
【事故事例.1】
スチーム式の加湿機能付き空気清浄機を使用中、蒸気口でこどもが右手にやけどを負いました。(2020年 東京都 1歳男児 重傷)
→スチーム式の加湿機能付き空気清浄機を運転中、親が目を離した隙に、こどもが高温になった蒸気口に触れてしまい、やけどを負ったものと考えられます。

【事故事例.2】
電気ケトルを使用中、こどもが電源コードを引っ張り本体が落下し、お湯が掛かってやけどを負いました。(2022年 大阪府1歳女児 重傷)
→電源コードをこどもが引っ張ったことにより、高い位置から落下した衝撃で蓋が外れて熱湯がこぼれ、やけどを負ったものと考えられます。

【事故事例.3】
おもちゃをこどもが持って移動していたところ、転倒し、顔に裂傷を負いました。(2024年 東京都2歳女児 軽傷)
→こどもが転倒した際、手に持っていた玩具に額を強く打ち付けたため、ケガを負ったものと考えられます。

【事故事例.4】
こどもが破損したおもちゃの部品を複数個誤飲し、負傷しました。(2021年 静岡県2歳女児 重傷)
→おもちゃ(※2)の樹脂ケースが破損し、内部の円柱形のネオジム磁石が脱落して、こどもが誤飲したものと考えられます。

※2 このおもちゃは、ネオジム磁石が内蔵された樹脂製パズルで、対象年齢は3歳以上でした。
【アンケート事例】
NITEが2025年3月に行った「こども用製品」のウェブアンケート調査では、次のおもちゃの事故、ヒヤリ・ハットが報告されています。
・割れているおもちゃで遊び、指を挟んだ。
・玩具の針金が手にささった。
・ボールの中に小さいビー玉が入っているおもちゃがあり、中身が出ないようロックしていたのにこどもがロックを外し中のビー玉を取り出していた。
・子育て時期に、ニオイや形や色合いが本物の食材そっくりな玩具があり、我が子が食べてしまい、口から吐き出させるのが大変だった。
◆気を付けるポイント
1.「家電のやけど事故」を防ぐポイント
○やけどのおそれがある製品にこどもを近づけない、安全な環境作りをする。
こどもは目につくもの、手の届くものをすぐに触ろうとします。高温の蒸気を吹き出す加湿器や熱湯を扱う電気ケトル等をこどもの手が触れる位置から離しましょう。
「床に置く製品は周囲に柵を設置する」、「製品は電源コードも含めて高い位置に配置する」、「転倒してもお湯がこぼれにくく対策された製品の使用を検討する」等の、万一目を離した時のための安全な環境づくりが有効です。

2.「おもちゃのケガ・誤飲事故」を防ぐポイント
○遊ぶ前に対象年齢と注意事項を確認する。
おもちゃはこどもの成長に欠かせないアイテムですが、購入前や使用前に対象の月齢や年齢を確認し、こどもの成長段階に合った製品を与えることが大切です。お下がりのおもちゃをいただく際も、必ず対象年齢を確認しましょう。また、「保護者のもとで遊ばせてください。」、「可動部の隙間に指を入れないよう注意する。」等の使用上の注意表記を確認した上で、安全な環境で遊ばせましょう。

○鋭利な部分、外れやすい部品がないかこまめに点検する。
こどもがおもちゃでケガをしたり、おもちゃから外れた部品を飲み込んだりする事故が発生しています。日頃から、おもちゃが壊れて鋭利な箇所ができていないか、外れやすくなっている部品や電池がないかを点検しましょう。
また、移動中に転倒して手に持っていたおもちゃに顔をぶつけた事故も発生しています。こどもは転倒が多いため、移動する環境ではおもちゃを持たせたままにしないよう心がけましょう。

(参考)誤飲しやすいものを簡易的に見分ける方法
東京都のアンケート調査(※3)では、誤飲事故、ヒヤリ・ハット経験は3歳未満のこどもに集中しています。また、3歳のこどもの口の直径はおよそ4cm(※4)で、ほぼトイレットペーパーの芯の直径と同じ大きさ(※4)と言われています。
それより小さな物は、こどもが飲み込んでしまうリスクがあることを認識しましょう。また、おもちゃの部品だけでなく、シールや紙、ペットボトルの蓋などの保護者や兄姉の持ち物まで視野を広げ、身の回りのすべての物の置き場に気を付けましょう。

○おもちゃやその部品は、こどもの手の届かない場所に保管する。
遊んだ後のおもちゃの保管場所にも注意しましょう。小さな部品や年齢に合わないおもちゃは、こどもの手の届かない高い位置や鍵のかかる場所に保管しましょう。また、兄弟姉妹のいる家庭では、年上の子のおもちゃと分けてケースに入れる等、年齢別に保管するようにしましょう。

※3 東京都が生後6ヶ月以上~小学校入学前の乳幼児と同居する20歳以上の保護者を対象にしたアンケート調査です。東京都生活文化スポーツ局 令和2年度ヒヤリ・ハット調査 「誤飲等による乳幼児の危険」報告書より。
https://www.shouhiseikatu.metro.tokyo.lg.jp/anzen/hiyarihat/documents/hiyari-r2houkokusyo.pdf
※4 政府広報オンライン「赤ちゃんやこどもを誤飲・窒息事故から守る!万一のときの対処法は?」より。
https://www.gov-online.go.jp/article/202408/entry-6450.html
※5 図は、政府広報オンライン(※4)に掲載されている図を参考にして作成しています。
(参考)「乳幼児用玩具」、「乳幼児用ベッド」に対する新しい規制がはじまりました。
〇乳幼児用玩具
近年、インターネットを通じて海外から安全性が保証されていない製品を容易に購入できる環境が広がっています。こうした状況を踏まえ、こどもが使用する製品の安全を確保するため、消費生活用製品安全法などが改正され、3歳未満の乳幼児向けおもちゃを対象とした新たな規制が導入されました。この規制により、令和7年12月25日以降に製造または輸入される乳幼児用玩具は、「技術基準への適合」や「対象年齢等の使用に関して注意を促すための文言の表示」の要件を満たすことが義務付けられます。これらの基準等を満たしたうえで、子供PSCマークをおもちゃへ表示することが必要となります。
ただし、規制開始以前に製造・輸入された製品は、子供PSCマークがなくても販売可能です。「子供PSCマーク」の表示がない場合は、一般社団法人日本玩具協会が「安全面に配慮して作られたおもちゃ」として発行する「STマーク」が付いているかどうかの確認も有用です。

〇乳幼児用ベッド
乳幼児用ベッド自体はこれまでも消費生活用製品安全法の特別特定製品に指定されていましたが、今般の改正で子供用特定製品にも指定されました。
技術基準等の内容には変更はありませんが、改正法の施行(令和7年12月25日)よりも前に製造又は輸入された乳幼児用ベッドは、従前のひし形PSCマークの表示が必要ですが、施行日以降はひし形子供PSCマークの表示が必要となります。なお、令和9年3月24日までの間は、従前のひし形PSCマークが表示された製品も販売されます。

(参考)経済産業省ホームページ「玩具に対して新しい規制が導入されます」
https://www.meti.go.jp/product_safety/kodomo/gangu_kisei.html
■NITE では、12月25日に注意喚起として『 「できた!」 に潜むピンチ ~冬に増加、「やけど」「おもちゃ」の事故からこどもを守る~ 』をプレスリリースしています。今回ご紹介した事故を含む詳しい発生状況のほかにも、ヒヤリ・ハット経験の調査結果もご紹介しています。併せてぜひご覧ください。
https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/press/2025fy/prs251225.html
新作動画:玩具「1.こどもの誤飲と対策」
https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/sonota/20251225.html
2.製品事故収集情報
(12月7日~ 12月20日 受付79件)
NITEに通知のあった事故情報から、件数の多い製品を掲載します。
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1. モバイルバッテリー ( 火災等 12件 )
2. 電動工具(バッテリーパック) ( 火災等 4件 )
2. 電気かみそり(充電式) ( 火災等 4件 )
4. ガストーチ ( 火災等 3件 )
4. 石油ストーブ(開放式) ( 火災等 3件 )
4. ノートパソコン ( 火災等 3件 )
https://www.nite.go.jp/jiko/jikojohou/information/index.html
■事故情報の提供をお願いいたします。
事故の再発防止のため、有効に活用させていただきます。
https://www.nite.go.jp/jiko/jikojohou/shushu/index.html
4.その他の製品安全情報
IoTやAI、そしてグローバルな社会課題の拡大により、製品を取り巻く環境はこれまでになく複雑化しています。製品の設計・製造から使用・廃棄に至るまで、リスクの捉え方や安全確保の手法も大きく見直しが求められています。
こうした背景を踏まえ、本フォーラムでは、複雑化する技術・社会環境に対応した製品安全の考え方を再構築し、実効性の高いリスクマネジメントや、変化に即した安全確保の最新動向について、各分野の第一線で活躍される講師陣をお招きし、ご講演いただきます。
【開催日】2026年 2月20日(金)
【会 場】大阪コロナホテル 大会議室200AB
ハイブリッド形式(会場とZoomオンライン併用)
【参加費】会員 5,500円 非会員 7,700円
【内 容】
[基調講演] 失敗学の視点から製品安全を考える
東京大学 名誉教授 中尾 政之 氏
[講演2] 製品安全分野のリスクアセスメント
独立行政法人製品評価技術基盤機構 製品安全センター 次長
(情報解析企画課 課長) 酒井 健一 氏
[講演3] 車載バッテリーの安全試験における規格動向と新試験所の特徴
エスペック株式会社 テストコンサルティング本部 試験部
あいちバッテリー安全認証センター 所長 梶原 隆志 氏
[講演4] 欧州デジタル製品安全の規制と標準化動向
三菱電機株式会社 神余 浩夫 氏
【詳細】 https://www.kec.jp/img/committee/2025/psf25.pdf
【申込先】 https://www.kec.jp/seminar/psf25/
問合せ先: 一般社団法人KEC関西電子工業振興センター
専門委員会推進部 事務局 西川 哲弘
TEL:0774-29-9041 E-mail:publication01@kec.jp
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◆◆◇ PSアワード(組織部門)受賞企業講演会および
「製品安全対策優良企業表彰(PSアワード・プラスあんしん)」説明会開催 ◇◆◆
当日は、令和7年度PSアワードにおいて、経済産業大臣賞・技術総括保安審議官賞を受賞された3社による受賞企業講演会に加え、2つの表彰制度の概要や応募の方法についてご説明します。
日頃製品安全に取り組む、多くの企業の皆さまのご参加をお待ちしております!
なお、本制度の詳細は下記のホームページもご参照ください。
(PSアワード)
https://www.meti.go.jp/product_safety/ps-award/
(+あんしん)
https://www.meti.go.jp/product_safety/ps-award/risksystem/about.html
開催日時:2026年 1月21日(水)13:00~15:00
※終了時間は変更となる可能性がございます。
開催方法:Zoomウェビナー(完全オンライン)
プログラム:
1. PSアワード受賞企業による受賞企業講演会(13:00~14:00)
(1)株式会社いうら 様
(2)株式会社カイノ電器 様
(3)富士フイルムビジネスイノベーション株式会社 様
2.表彰制度の概要説明(14:00~15:00)
(1)「製品安全対策優良企業表彰 組織部門(PSアワード)」に関する概要説明
(2)「製品安全対策優良企業表彰 製品部門(プラスあんしん)」に関する概要説明
(3)質疑応答
定員:300名
参加費:無料
参加申込:以下のURLからお申し込みください。
https://forms.office.com/r/r0zC70SYX0
申込期限:2026年1月16日(金)12時まで
お問合せ:以下の事務局までご連絡ください。
MS&ADインターリスク総研株式会社・戸田(psa@ms-ad-hd.com)
「NITE SAFE-Lite」は、サービス開始以来、多くの方にご活用いただいています。スマートフォンの小さな画面とタッチ操作に配慮したシンプルな操作性で、6 万件にも及ぶ製品事故情報を専門用語(例えば「異音」)でなく普段お使いの言葉(例えば「ガラガラ」)で検索できます。
「NITE SAFE-Lite」で製品事故を検索すると、同じ現象の事故だけではなく、よく似た事故情報も表示されます。これにより、様々な視点から事故となる危険性やその場合の被害状況などが「見える化」され、事故の未然防止につながります。
【NITE SAFE-Lite】
https://safe-lite.nite.go.jp/
◆◆◇ 消費生活用製品の重大製品事故に係る公表について ◇◆◆
消費者庁
01/06 23件
https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_260106_01.pdf
12/26 09件
https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_251226_01.pdf
12/23 12件
https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_251223_01.pdf
◆◆◇ NITE公式Xアカウントのご案内 ◇◆◆
Xでも、シーズンに合わせて、皆様の生活の安全を守るためにどんどん発信していきますので、フォローやいいねをお待ちしております!
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編集後記
育児中のみなさん(育児を卒業されたみなさんも)、赤ちゃんの夜泣きはどう対応していますか? (編)の場合、泣き止まない時は耳元で自分の鼻息を聞かせていました。
するとお母さんのおなかの中で安心していた頃を思い出したのか、ピタリと泣くのをやめるので、よく聞かせていましたね。
個人差はあるかもしれませんが、もし夜泣きで困ったらいちどお試しあれ。
お問い合わせ
- 独立行政法人製品評価技術基盤機構 製品安全センター 製品安全広報課
-
TEL:06-6612-2066
FAX:06-6612-1617
住所:〒559-0034 大阪市住之江区南港北1-22-16 地図







