Vol.462 10月8日号 「調理家電の事故」
項目一覧
1. 調理家電の事故
2. 製品事故収集情報(9月8日~9月21日 受付97件)
3. リコール情報 4件
4. その他の製品安全情報
・大阪府消費者フェア2024
・製品リスクアセスメント支援ツール「SAFE-Pro」のご案内
・製品事故情報、リコール情報検索ツール「NITE SAFE-Lite」のご案内
・消費生活用製品の重大製品事故に係る公表について
・Instagram アカウントのご案内
1.リコール製品による事故
2019年から2023年にNITEに通知のあった製品事故情報※1では、調理家電の事故は合計494件ありました。そのうち事故原因が判明した226件の中では、使用者の誤使用・不注意が関係しているものが44%(99件)を占め、最も多くなっています。
『できるだけ手間をかけたくない。』『ちょっと温めるくらいなら大丈夫。』といったずぼらな気持ちから、注意事項を確認せずに誤った使用方法をしてしまうと大きな事故につながるおそれがあります。
調理工程を省いても、安全のための手間だけは省かないようにお願いします。
【事故事例】
■電子レンジ(禁止されている容器を加熱した事故)
カップ麺を容器ごと電子レンジで加熱したところ、容器が爆発し、電子レンジが破損しました。(引用元:消費者庁事故情報データバンク)
→電磁波がカップ麺容器のフタ裏側に貼られたアルミ素材が電子の動きを活発化させたことで、電界集中によるスパーク(火花が発生)をしたものと推定されます。
電子レンジを使用中、庫内で調理物が破裂し、庫内の底面が割れました。
→取扱説明書で禁止されている「ゆで卵」の入っている「おでん」を加熱したため、ゆで卵が破裂した衝撃により、庫内底のガラスプレートが破損しました。
■IHこんろ(少量の油から発火した事故)
IHこんろで調理中の鍋から出火し、周辺を焼損しました。
→調理中その場を離れ、更に少量の油を入れて、揚げ物モード(油が発火点に達しないように油の温度を一定に保つ機能)を使用しなかったため、発火したと推定されます。
○調理前に、取扱説明書及び商品パッケージに記載されている注意事項を確認する。
・禁止されている容器を加熱しない。
調理家電に容器を入れて加熱する際、種類や材質によっては取扱説明書に禁止されているものがあります。例えば、「電子レンジに金属製の容器やアルミホイルを使用してしまうと金属部分から火花が発生して発火するおそれがある」ので、使用が禁止されています。ただし、オーブン機能付き電子レンジの場合、「加熱モードによっては金属製品やアルミホイルの使用が可能になる」など、調理方法に応じて注意事項が変わる場合もあります。
また、取扱説明書に記載が無くても商品パッケージに注意事項が記載されている場合もあるので、調理家電側・商品側両方の注意事項をよく確認することが大切です。
電子レンジで卵を加熱すると破裂する事は広く知られていますが、「ゆで卵が入ったおでん」などの煮込み料理でも同様に破裂するおそれがあり、注意が必要です。レンジ加熱はマイクロ波と呼ばれる電磁波で食材内部の水分を温めるしくみです。卵や切り込みを入れていない栗など、膜や殻に覆われている食材を電子レンジで加熱すると、食材内部の水分が膨張して圧力が高まり、破裂しやすくなります。
IHこんろは火を使わずに調理できる上に安全機能が充実しているため、火災の心配がないように思われがちですが、取扱説明書に定められている油量よりも少ない油で揚げ物調理をすると、温度が急激に上昇し、温度センサーが正確な温度を測ることができなくなり、発火するおそれがあります。また、揚げ物調理にもかかわらず通常の加熱メニューを選択したり、反りや変形がある鍋を使用したりすることによっても、温度センサーが正しく働かなくなる原因となります。
安全機能を過信せず、取扱説明書に記載されている注意事項をよく確認しましょう。
○調理中は、その場を離れない。加熱しすぎない。
食品の様子を見ながら少しずつ加熱することで、事故を防ぐことができます。短い時間でも調理中は機器本体から離れないようにし、やむを得ず離れる場合は調理を中断しましょう。電子レンジの場合、水分が少ない食品(パンや芋など)は水分を多く含む食品よりも比較的早く炭化し、スパーク(火花が発生)して発火します。特に油分を多く含む食品(天ぷら、肉まんなど)は、加熱し過ぎた際に爆発的に燃焼するおそれがあるため、注意が必要です。
調理家電はこまめに掃除を行ってください。特に電子レンジとオーブントースターで汚れによる事故が目立っています。電子レンジは庫内やドアの内側に食品かすなどの汚れが付着した状態で使用すると、炭化してスパーク(火花が発生) し、発火するおそれがあります。オーブントースターは庫内や受け皿に食品かすや油分などの汚れがある状態で使用すると、ヒーターの熱で食品かすや油分などが予期せぬ過加熱となり、発煙や発火のおそれがあります。
リコール後のリコール製品による重大製品事故の詳しい分析結果は、こちらの方に載せておりますのでぜひご覧ください。
https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/press/2024fy/prs240926.html
■新作映像資料
・電子レンジ「11.カップ麺容器の発火」
https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/kaden/2024092602.html
・電子レンジ「12.ペットボトルの破裂」
https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/kaden/2024092601.html
・IH調理器「4.少ない油で発火」
https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/kaden/2024092603.html
2.製品事故収集情報
(9月8日~9月21日 受付97件)
NITEに通知のあった事故情報から、件数の多い製品を掲載します。
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製品名 (事故状況と件数)
1. 自転車、電動アシスト自転車含む ( 製品破損等9件 )
2. 照明器具 ( 火災等 8件 )
3. リチウムイオン電池内蔵機器 ( 火災等 6件 )
4. ガス給湯器、風呂がま含む ( 製品破損等6件 )
5. 洗面化粧台 ( 製品破損等4件 )
6. エアコン ( 火災等 4件 )
◇最新事故情報(これまでの受付情報もご確認いただけます)
https://www.nite.go.jp/jiko/jikojohou/information/index.html
■事故情報の提供をお願いいたします。
事故の再発防止のため、有効に活用させていただきます。
https://www.nite.go.jp/jiko/jikojohou/shushu/index.html
3.リコール情報
◆株式会社エアージェイ(法人番号:6012401013516)
「リチウム電池内蔵充電器」 2024/09/24(HP)
【詳細】https://air-j.co.jp/news/3767.html
◆富士電機株式会社(法人番号:9020001071492)
「パワーコンディショナ(太陽光発電システム用)」 2024/09/26(HP)
【詳細】https://www.fujielectric.co.jp/contact/products/pvn_550.html
◆株式会社バンダイ(法人番号: 5010501016209)
「玩具」 2024/10/2(HP)
【詳細】https://www.bandai.co.jp/info/important2024t1.pdf
◆カワサキモータース株式会社(法人番号:7140001120470)
「電動アシスト三輪自転車」 2024/10/3(HP)
【詳細】https://www.global-kawasaki-motors.com/recall/ot2410a/index.html
4.その他の製品安全情報
NITEは、近畿経済産業局 製品安全室と連携して「大阪府消費者フェア2024」に出展します。「家の中のきけん」をテーマに、事故再現動画の上映や製品安全に関するポスター掲示をします。ぜひお越しください。
【会場開催】
日程:令和6年10月26日(土)11:00~15:00
場所:大阪府咲洲庁舎1F フェスパ(ニュートラム「トレードセンター前」駅下車 ATCビル直結)
【ウェブ開催】
日程:令和6年10月18日(金)14:00から11月11日(月)10:00まで
フェアに関する詳細情報及びウェブ開催については、下記ウェブサイトをご覧ください。
大阪府消費者フェア2024イベントページ(外部サイトにジャンプします。)
URL:http://www.kanshokyo.jp/web/kouza/2024c/fair.html
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(電気温風機、電気ストーブ(カーボンヒーター)の事故データ475件追加)
NITEでは、主に製造事業者やその関係者の皆様に対してSAFE-Proというサービスを提供しております。SAFE-Proは、製品のリスクアセスメントに有効な信頼性解析手法であるFMEA・FTAの考え方を利用して、NITEが保有する製品事故情報を事故発生シナリオとして参照・検索できる無料のツールです。製造事業者やその関係者の皆様が安全性の高い製品を製造・提供するために実施するリスクアセスメントに活用できます。
この度、SAFE-Proに電気温風機、電気ストーブ(カーボンヒーター)の事故データ475件を追加しました。今回の追加により、SAFE-Proの提供データは、29製品、4678件になりました。対象製品やデータの更新履歴は、SAFE-ProのWebページでご確認ください。
なお、SAFE-Proをご利用になられていない方は、この機会にSAFE-ProのWebページからご利用申請いただけると幸いです。Webページ内には、プロモーション動画や「SAFE-Proを活用した事業連携、推薦者の声」、ご利用事業者様一覧、FAQページなども掲載しておりますので、ぜひご覧ください。
【SAFE-Pro】
https://www.nite.go.jp/jiko/jikojohou/safe-pro.html
【SAFE-Pro 使い方のコツ動画 再生リスト】
https://www.youtube.com/playlist?list=PLWxWKUOj3xAJSez4brZi75Tvng7uBe6FA
製造事業者やその関係者の皆様がSAFE-Proを活用し、安全な製品が市場に流通することで、皆様の安全で豊かな暮らしが創出されることを期待しております。
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NITE は、より安心・安全な社会になることを目指して、製品安全に関する情報を発信しており、NITE のウェブサイトで、製品事故の調査結果、リコール情報や誤使用に関する注意喚起などを提供しています。その中で、製品事故情報をどなたでも簡単にウェブ検索できるシステムとして、「NITE SAFE-Lite」というサービスを提供しています。
「NITE SAFE-Lite」は、サービス開始以来、多くの方にご活用いただいています。スマートフォンの小さな画面とタッチ操作に配慮したシンプルな操作性で、6 万件にも及ぶ製品事故情報を専門用語(例えば「異音」)でなく普段お使いの言葉(例えば「ガラガラ」)で検索できます。
「NITE SAFE-Lite」で製品事故を検索すると、同じ現象の事故だけではなく、よく似た事故情報も表示されます。これにより、様々な視点から事故となる危険性やその場合の被害状況などが「見える化」され、事故の未然防止につながります。
令和6年4月1日、「SAFE-Lite」は「事故情報検索データベース」と「リコールデータベース」を統合し、「NITE SAFE-Lite」となりました。
【NITE SAFE-Lite】
https://safe-lite.nite.go.jp/
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消費者庁は、消費生活用製品安全法第35条第1項の規定に基づき報告
のあった重大製品事故について、以下のとおり公表しています。
9/25 17件
https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_240925_01.pdf
9/27 11件
https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_240927_01.pdf
10/1 10件
https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_241001_01.pdf
10/4 20件
https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_241004_01.pdf
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NITEでは、公式アカウントを開設しています。
インスタグラムでも、シーズンに合わせて、皆様の生活の安全を守るためにどんどん発信していきますので、フォローやいいねをお待ちしております!
Instagramアカウント→@nite_japan
編集後記
夏に騒がれたおこめ不足もやっと新米が手に入るようになりましたね。10月8日は「焼きおにぎり」の記念日だそうです。ふと、コンビニのおにぎりに醤油をつけて焼けば~簡単に自分でも作れそう~ですが、くれぐれも「ずぼら調理」には皆様ご注意を。食欲の秋をご満喫ください。
お問い合わせ
- 独立行政法人製品評価技術基盤機構 製品安全センター 製品安全広報課
-
TEL:06-6612-2066
FAX:06-6612-1617
住所:〒559-0034 大阪市住之江区南港北1-22-16 地図