Vol.437 9月26日号 「STOP!事故の秋」
Vol.437 9月26日号 「STOP!事故の秋」【PDF:407KB】
暑かった夏を忘れて、何をするにもいい季節、「秋」です。でも、事故に遭ってしまっては何もなりません。今回は名月を見つつ秋の夜長をゆっくりと過ごす「読書の秋」、さわやかな汗をかく「スポーツの秋」、そして「食欲の秋」にちなんだ製品事故を選んで注意喚起します。
取り上げた事故以外にも製品の取り扱いや使用に当たっては、取扱説明書の確認と点検をお願いします。
項目一覧
- 1.秋に気を付けたい事故
- 2.製品事故収集情報(8月27日~9月16日 受付 126件)
- 3.リコール情報 5件
- 4. その他の製品安全情報
・「SAFE-Lite」のご案内
・「NITE AR-Shot」のご案内
・消費生活用製品の重大製品事故に係る公表について
・Instagram アカウント開設のお知らせ
・「認定制度創設30周年特設サイト」公開のお知らせ
1.秋に気を付けたい事故
【事例①】照明器具の火災事故_読書の秋
普段、机の上で使用している電気スタンドを、読書のために布団の上に載せて使用していたが、そのまま眠ってしまい、深夜に家人が布団から煙が出ていることに気付き、使用者を起こして、水をかけて消火しました。また、使用者1名が火傷を負いました。
⇒ 明かりがついたままの電気スタンドが倒れた際に電球が布団と接触し、熱がこもり発煙に至ったものと推定されました。なお、組立説明書には、「照明から20cm以内に物を置かない。これより近いと火災の危険性がある」旨、記載がされていました。
電気スタンドを寝具の側に置かないでください。
枕元に明かりをつけたままの電気スタンドを置いていて、枕を焦がした例もあります。
【照明器具の使用で気を付けるポイント】
○照明器具の近くに燃えやすいものを置かない。
照明器具は電球部分が発熱するため、布や紙などの可燃物をかぶせたり、可燃物の近くに置かないよう注意してください。特に電気スタンドなど卓上型照明器具は不安定な布団や座布団などの上に置かないでください。転倒して発熱部分が可燃物に接触し、発火するおそれがあります。また、高温部に触れるとやけどを負うおそれがありますので注意が必要です。
○照明器具に適合した電球を使用する。
照明器具には、使用できる電球の種類(白熱電球、電球形蛍光ランプ、LED電球など)やワット数(消費電力の大きさ)が決められています。取扱説明書や表示を確認して、必ず各照明器具に適合した電球を使用してください。使用できないものを取り付けて使用すると、器具本体の過熱により周辺が過熱され、気付かないところで大きな火災となるおそれもあるため、危険です。
【事例②】ボールの破裂による受傷事故_スポーツの秋
バランスボールで運動中、突然破裂して身体が落下し、背骨を圧迫骨折しました。
⇒ ボールの表面に付いた傷が、入れ過ぎた空気や使用時の圧力による負荷で進展して徐々に亀裂となり、事故時の負荷で破裂したものと推定されました。
取扱説明書には、「ボールの直径が指定の数値以上になるまで空気を入れない。」「先の尖った物や鋭利な物、ザラザラした物などを近づけない。」「破損、変形など異常がある場合は使用を中止する。」旨、記載されていました。
使用前に表面の傷やひびがないか、また、指定された直径を確認してください。
【ボールの使用で気を付けるポイント】
○空気を入れ過ぎない。
空気で膨らませるトレーニング用やバレーボールなど球技用のボールは、製品によって最大空気圧が決まっています。これを超えて空気を入れ過ぎてしまうと破裂してけがをするおそれがあります。圧力計付き空気入れを使用するなどして取扱説明書に記載の最大空気圧を超えないよう注意しましょう。
また、バランスボールのようにボールの直径が指定されている場合は、家具やいすなどの寸法と比較して直径が超えないように注意してください。
○傷やひびがあるなど劣化している状態で使用しない。
使用や保管に伴う劣化により、ボールの表面に傷やひびなどが生じていると、使用中や空気を入れる際に劣化部分から破裂してしまうことがあります。使用する前にボールの表面を確認して、傷やひびなどが見つかった場合には使用を中止してください。
【事例③】ハンドブレンダーのお手入れ時の受傷事故_食欲の秋
ハンドブレンダーで調理中、刃先に野菜が引っかかったので、スイッチをオフにしていましたが、電源プラグはコンセントに差したままで、野菜を手で取り除こうとしたところ、スイッチが入り、指を負傷しました。
⇒ 使用者が電源プラグを差したまま刃(カッター)に詰まった食材を取り除こうとした際に誤ってスイッチを押してしまい、事故に至ったものと推定されました。スイッチを押すと刃がすぐに回転し、スイッチを離すと刃の回転が止まる構造でした。
なお、取扱説明書には、「電源プラグをコンセントに差し込んだ状態で、カッターの刃に手で触れない。」旨、記載されていました。
ブレンダーの刃で指模型が切断された再現映像
【回転する刃(カッター)をもつ調理家電の使用で気を付けるポイント】
○詰まった食品を取り除いたり、分解・清掃する際は、必ずコンセントから電源プラグを抜きましょう。
コンセントに電源プラグを差したまま詰まった食品を取り除こうとしたり、器具を分解・清掃したりすると、意図せずスイッチに触れて刃(カッター)が回転することで、手指を負傷するおそれがあります。分解・清掃する際は、必ずコンセントから電源プラグを抜いてから行い、ヘラを使うなど回転する刃に直接手指が触れないようにしましょう。
詰まった食品を取り除いたり、分解・清掃する際は、必ず電源プラグをコンセントから抜いて、刃(カッター)に直接手指で触れないでください。
○食品を入れ過ぎない。また、食品以外の物を入れない
食品の詰め込み過ぎで、モーターに過大な負荷がかかり発煙する事故や、ドライアイスを入れて使用すると、大量の二酸化炭素が発生し容器が破裂する事故が発生していますので注意が必要です。
【注目!新作動画】
〇バランスボール「1.使用中に破裂」
https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/sonota/23092601.html
■NITEでは2023年9月26日に注意喚起として『 STOP!“事故の秋” ~秋を安全に楽しもう~』のプレスリリースを行いました。
http://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/press/2023fy/prs230926.html
■その他の情報も併せてご参照ください。
(映像資料:リンク先で動画が視聴できますので是非ご覧ください)
(1)照明器具「1.センサーライトで衣類が発火」
https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/kaden/01260102.html
(2)ハンドブレンダー「2.不意にスイッチが入りけが」
https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/kaden/20072102.html
2.製品事故収集情報
◆◆◇ 消費生活用製品の事故情報収集状況 ◇◆◆
( 8月27日~ 9月16日 受付 126件 )
NITEに通知のあった事故情報から、件数の多い製品を掲載します。 ========================================================
製品名 (事故状況と件数)
1. いす(浴室用) ( 製品破損 23件 )
2. モバイルバッテリー ( 火災 6件 )
3. エアコン ( 火災 5件 )
4. インターホン ( 製品破損 4件 )
4. 照明器具 ( 火災等 4件 )
4. ポータブル電源(リチウムイオン) ( 火災等 4件 )
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◇最新事故情報(これまでの受付情報もご確認いただけます)
https://www.nite.go.jp/jiko/jikojohou/information/index.html
■事故情報の提供をお願いいたします。
事故の再発防止のため、有効に活用させていただきます。
https://www.nite.go.jp/jiko/jikojohou/shushu/index.html
3.リコール情報
◆株式会社パル(法人番号:7120001197420)
「食器(コップ、ガラス製)」2023/07/24(HP)
【詳細】http://www.palgroup.co.jp/important_/important.php?c=20230724
◆株式会社良品計画(法人番号:5013301012443)
「サーキュレーター」2023/09/08(HP)
【詳細】https://www.ryohin-keikaku.jp/news/2023_0908_03.html
◆レノボ・ジャパン合同会社(法人番号:2010401057479)
「リチウム電池内蔵充電器」2023/09/12(HP
【詳細】https://support.lenovo.com/jp/ja/solutions/HT515629
◆イケア・ジャパン株式会社(法人番号:1040001021866)
「鏡」2023年1月12日、2023年9月13日(対象販売期間拡大)
【詳細】https://www.ikea.com/jp/ja/customer-service/product-support/recalls/20230112-lettan-spair-parts-pub32fa4b80
◆株式会社ニトリホールディングス(法人番号:5430001012905)
「スリッパ」2023年9月22日(HP)
【詳細】
https://www.nitorihd.co.jp/news/items/369186481365c8c5f59f6af574847b9d_4.pdf
4.その他の製品安全情報
◆◆◇「明治大学リバティアカデミー2023年度秋期講座」のご案内 ◇◆◆
明治大学
「安全学各論 ~製品安全、システム安全、労働安全、ヒューマンファクター~」
本講座では、製品安全、機械安全、労働安全等を話題にして、主にリスクを評価するリスクアセスメント、そしてリスクを低減するリスク低減方策などについて講義を行います。
モノを安全に作り、安全に使う場合のリスクアセスメントを通して、安全に関する基礎と素養を得ることを目的としています。
【開催日】 2023年9月30日(土) ~ 2023年11月25日(土)
隔週土曜日 13:30~17:00 (途中休憩有)
全10回(5日間)
【会 場】 オンライン開催(Zoomによるリアルタイム配信型(見逃し配信サービス付き))
【参加費】 10,000 円(税込)
【詳 細】 https://academy.meiji.jp/course/detail/6670/
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◆◆◇ 2023年度NITE講座(認定センター)のお知らせ ◇◆◆
NITEでは、毎年一般の方や事業者向けに「NITE講座(無料セミナー)」を開催しています。
本年度のNITE講座初回は、認定センターが開催します。
「認定」の基礎的な内容やISO/IEC17025に関する講義に加え、「認定」を含む適合性評価の概要やその社会実装の事例(海洋プラスチック)についての講義を行います。
以下より申込可能ですので、ぜひご参加ください。
https://www.nite.go.jp/iajapan/information/iajapan-kouza_2023.html
【概要】
・日時:2023/10/04(水)13:15-15:30
・開催方法:オンライン(WEBEXウェビナー)
・受講料:無料
・対象者:企業の新入社員の方や新たに品質管理を担当される方、認定をはじめとした適合性評価制度について興味のある方
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◆◆◇ 「SAFE-Lite」のご案内 ◇◆◆
NITEは、より安心・安全な社会になることを目指して、製品安全に関する情報を発信してまいりました。NITEのウェブサイトでは、事故情報データベース、リコール情報や誤使用に関する注意喚起などを発信しています。その中で、製品事故情報をどなたでも簡単にウェブ検索できるシステムとして、「SAFE-Lite」というサービスをご提供しております。
「SAFE-Lite」は、サービス開始以来、多くの方にご活用いただいています。スマートフォンの小さな画面とタッチ操作に配慮したシンプルな操作性で、6万件にも及ぶ製品事故情報を専門用語(例えば「異音」)でなく普段お使いの言葉(例えば「ガラガラ」)で検索できます。
「SAFE-Lite」で製品事故を検索すると、同じ現象の事故だけではなく、よく似た事故情報も表示されます。これにより、様々な視点から事故となる危険性やその場合の被害状況などが「見える化」され、事故の未然防止につながります。
【SAFE-Lite】
https://safe-lite.nite.go.jp/
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◆◆◇ 「NITE AR-Shot」のご案内 ◇◆◆
NITEは、リコール製品による事故を防ぐために、2022年6月30日に製品のリコール情報をスマートフォンのカメラ機能を使って調べられるアプリ『NITE AR-Shot』iphone®版を公開しました。
また、リコール情報だけでなく、最新の製品安全情報をプッシュ通知でスマートフォン画面にお知らせする機能追加を行い、iphone®版のアップデートを行い、さらにAndroid™版をリリースしました。
このアプリを活用すれば、お持ちのスマートフォンで身近にある製品がリコール対象かどうかを簡単に確認することができるほか、対象製品の正しい使用方法や注意喚起動画を確認できることで、より安全に製品をご利用いただけるようになります。
『NITE AR-Shot』をぜひダウンロードしてお使いください。
【NITE AR-Shot】
https://www.nite.go.jp/jiko/jikojohou/ar-shot.html
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◆◆◇ 消費生活用製品の重大製品事故に係る公表について ◇◆◆
消費者庁
消費者庁は、消費生活用製品安全法第35条第1項の規定に基づき報告
のあった重大製品事故について、以下のとおり公表しています。
9/15 20件
https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_230915_01.pdf
9/20 15件
https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_230920_01.pdf
9/22 12件
https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_230922_01.pdf
9/26 14件
https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_230926_01.pdf
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◆◆◇ Instagram アカウント開設のお知らせ ◇◆◆
NITEでは、公式アカウントを開設しております。
インスタグラムでも、シーズンに合わせて、皆様の生活の安全を守るためにどんどん発信していきますので、フォローやいいねをお待ちしております!
Instagramアカウント→@nite_japan
編集後記
先日、桃のお裾分けをいただき、美味しくいただきました。桃の旬は6月頃と思っていたのですが、桃は多くの品種があり、各地で生産され品種によって旬な時季が違うそうです。そのままいただくのも勿論、美味しいですが、ジューサーミキサーでムースやジュースなどにしても格別です。でも後片付けは、電源プラグを抜いて刃(カッター)にはくれぐれもご注意を。
一方で、地球温暖化の影響でしょうか、郷里(山陰地方)の二十世紀梨が不作です。日本から四季がなくなり夏と冬だけの二季になりつつあると言われています。確かにそんな気配がするここ数年で、桃をはじめ果物の実りに影響しないか、紅葉狩りを楽しむなど秋ならではの色鮮やかな期間が早く終わってしまうのではないかと心配な気持ちです。
間違った使い方やついうっかりしてしまいがちな製品事故を防いで、“過ぎ急ぐ秋”を心置きなく楽しみましょう。
お問い合わせ
- 独立行政法人製品評価技術基盤機構 製品安全センター 製品安全広報課
-
TEL:06-6612-2066
FAX:06-6612-1617
住所:〒559-0034 大阪市住之江区南港北1-22-16 地図