製品安全

Vol.423  2月28日号 「一酸化炭素中毒の事故」

今年も様々なケースの一酸化炭素中毒の事故が起きています。一酸化炭素(CO)
は無色透明で無味無臭の気体で極めて毒性が強く、空気中における濃度が0.02%
(200ppm)に上昇すると頭痛などが起こり、さらに、濃度が上がると吐き気、
めまいなどの中毒症状が進み、最悪の場合、死に至るなど身体に大きな影響を
与える物質です。今回は一酸化炭素中毒の事故をご紹介します。

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項目一覧

  • 1.一酸化炭素中毒の事故
  • 2.製品事故収集情報(2月5日~2月18日 受付 90件)
  • 3.リコール情報(2件)
  • 4.その他の製品安全情報
    ・電気用品安全法の初心者向け説明会を開催します(参加無料)
    ・SAFE-Proのご案内(自転車の事故データ233件追加)
    ・「SAFE-Lite」のご案内
    ・消費生活用製品の重大製品事故に係る公表について

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1.一酸化炭素中毒の事故

【事例1】
 停電時に携帯発電機を屋内で使用したため、排ガスが滞留し、一酸化炭
 素濃度が上昇したと考えられる事故で、1名が死亡されました。
 なお、取扱説明書には、「排ガス中毒のおそれがあるため、排ガスがこ
 もる場所で使用しない」、「排ガスは一酸化炭素などの有害成分を含ん
 でいる」旨、記載されていました。

→携帯発電機の排ガスには一酸化炭素などの有害物質が含まれています。
 換気が不十分な場合、一酸化炭素中毒になるおそれがあります。屋内や
 換気の悪い場所などの排ガスがこもる場所(物置・倉庫、車内、テント
 内など)では、絶対に使用しないでください。

 【事例2】
 換気扇を回さずにガス給湯器を使用したため、換気不良により一酸化炭
 素が室内に滞留し、一酸化炭素中毒に至ったと考えられる事故で、1名
 が死亡、1名が軽症を負われました。また、長期間の使用(約34年)に
 よって、ガス給湯器にほこりやすすが詰まり、不完全燃焼が起こったこ
 とも事故発生に影響したものと考えられます。
 なお、取扱説明書及び本体表示には、「換気を行う」、「炎の異常があ
 る場合、販売店又は弊社に相談する」、「定期的に点検を行い、ほこり
 やすすがたまっていた場合、販売店に相談する」旨、記載されていまし
 た。

→給湯器を使用する際は、換気扇を回すか窓を開けるなどして、必ずこま
 めに換気をしてください。換気が不十分だと室内の酸素が減少し、不完
 全燃焼による一酸化炭素中毒になるおそれがあります。
   また、長期間使用しているとほこりやすすがたまり、空気が十分に供給
 されないため、不完全燃焼が起き、一酸化炭素中毒になるおそれがあり
 ます。
 使用中に火が消える、ガスが漏れている(異常な)臭いがする、炎が変
 色している、すすが付着しているなどの異常が見られた場合は、ガス事
 業者や製造事業者などに連絡し点検を受けてください。

【事例3】
 燃焼空気取入口に多量のほこりが堆積した石油ストーブを、密閉された
 室内で使用したまま就寝し、給気不足から不完全燃焼となって一酸化炭
 素が大量に発生した異常に気づかず、一酸化炭素中毒に至ったと考えら
 れる事故で、1名が死亡されました。

→石油ストーブなどの石油房器具を使用する際は、必ずこまめに換気をし
 てください。また、就寝時には使用せず、寝る前に確実に消火してくだ
 さい。
   テント内や車内などでは、石油ストーブなどの石油器具やガスこんろな
 どのガス器具は使用しないでください。一酸化炭素中毒や酸欠によって
 窒息し、死亡するおそれがあります。
   石油ストーブの置き台や反射板などにたまったほこりは、掃除機で吸い
 取ったり、柔らかい布などでこまめに拭き取ったりしてください。また、
 燃焼筒にごみ、ほこりやタールなどが付着していないかを点検し、ごみ
 やほこりなどはふきとり、タールはドライバーの先端やブラシなどで取
 り除いてください。しんにタールが付着している場合は、“から焼き”※
 を行うことで除去できる場合があります。

※給油タンクが空の状態で点火し、そのまま灯油がなくなり消火するま
 で燃焼させる(各製品の取扱説明書の手順に従ってください)。

■その他の一酸化炭素中毒の事故の事故情報も併せてご参照ください。
(映像資料:リンク先で動画が視聴できますので是非ご覧下さい)
 (1)テント「1. 一酸化炭素中毒に注意」
   https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/sonota/2021042802.html
 (2)携帯発電機「1.室内で使用して一酸化炭素中毒」
 https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/kaden/2021012801.html
 (3)ファンヒーター「1.換気不足による不完全燃焼」
 https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/sonota/03280103_2.html
 (4)石油ストーブ「13.清掃不足で異常燃焼」
 https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/nenshou/20211125.html
 (5)カセットこんろ「4.換気不足による不完全燃焼」
 https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/sonota/03280103_1.html
 
(注意喚起ミニポスター)   
 (1)一酸化炭素中毒の事故
 https://www.nite.go.jp/data/000004864.pdf
 (2)携帯発電機による一酸化炭素中毒
 https://www.nite.go.jp/data/000119246.pdf
    
■その他の事故事例は、「事故情報の検索」で「一酸化炭素中毒」「CO中毒」
 等をキーワードに検索していただけます。
 https://www.nite.go.jp/jiko/jiko-db/accident/search/

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2.製品事故収集情報

消費生活用製品の事故情報収集状況
(2月5日~2月18日 受付 90件)
NITEに通知のあった事故情報から、件数の多い製品を掲載します。

製品名         ( 事故状況と件数 )

1.バッテリー                ( 火災等 5件 )
2.パワーコンディショナ ( 火災等  4件)
3.石油ストーブ     ( 死亡等 3件 )
3.電気ストーブ           ( 軽傷等  3件 )
3.電気ファンヒーター    ( 火災等 3件 )


最新事故情報(これまでの受付情報もご確認いただけます)
https://www.nite.go.jp/jiko/jikojohou/information/index.html

事故情報の提供をお願いいたします。
事故の再発防止のため、有効に活用させていただきます。
https://www.nite.go.jp/jiko/jikojohou/shushu/index.html
 

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3.リコール情報

  • 株式会社MonotaRO(法人番号:6140001054380)
          「鏡」2022/11/24(HP)
        【詳細】https://www.monotaro.com/main/news/n/3077/
  • 株式会社ロア・インターナショナル(法人番号:4011101042439)
      「リチウム電池内蔵充電器」2022/12/27(HP)
        【詳細】
    ・HYPER日本公式代理店
    https://www.hyperjapan.jp/blogs/%E3%83%A1%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%A2/hyperjuicerecall
    ・HYPERグローバル本社
    https://www.hypershop.com/blogs/news/voluntary-recall(サイトの言語をJAPANESEに変更してください)

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4.その他の製品安全情報

・電気用品安全法の初心者向け説明会を開催します(参加無料)
           
                                                     中国経済産業局 産業部 
                                                     消費経済課 製品安全室 

 中国経済産業局ではNITE(ナイト:独立行政法人製品評価技術基盤機構)
 と共催で、電気用品安全法の事業届出直後やこれから届出予定の事業者、
 また、法律を学び直したい事業者等を対象として、電気用品安全法の初
 心者向け説明会を開催します。
 この説明会では、電気用品安全法の目的、電気用品の製造・輸入事業者
 が遵守すべき義務・責任・必要な手続き等のポイントの説明や、実際の
 事故事例の紹介等を予定しています。
 
 【開催日】令和5年3月29日(水曜日)13時30分から16時
              ※受付開始13時10分から 
             ※今後の新型コロナウイルスの感染状況により、延期又は
                  中止とする場合があります。予めご了承ください。)
 【場 所】広島合同庁舎3号館1階 共用第2会議室
             (広島市中区上八丁堀6番30号)
              ※3号館1階は入館手続き不要です。 
 【参加費】無料
 【主な対象者】
  ・電気用品安全法の事業届出直後及びこれから届出予定の事業者の方
  ・社内異動等により新たに電気用品安全法の担当となる方
  ・電気用品安全法における届出事業者の義務等を学び直したい方 など 
  【プログラム】
  ・電気用品安全法の概要・必要な手続き等について(仮)
  ・製品事故のリスクと事故事例について(仮)
  ・質疑応答
   【詳 細】
  申込み締切り:令和5年3月27日(月曜日)17時まで
  申込み方法につきましては、中国経済産業局のホームページをご確認
  ください。
      https://www.chugoku.meti.go.jp/event/shoukei/230210.html

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・SAFE-Proのご案内(自転車の事故データ233件追加)

 NITEでは、主に製造事業者やその関係者の皆様に対してSAFE-Proという
 サービスを提供しております。
 SAFE-Proは、製品のリスクアセスメントに有効な信頼性解析手法である
 FMEA・FTAの考え方を利用して、NITEが保有する製品事故情報を事故発生
 シナリオとして参照・検索できる無料のツールです。
 製造事業者やその関係者の皆様が安全性の高い製品を製造・提供するため
 に実施するリスクアセスメントに活用できます。

 この度、SAFE-Proに自転車の事故データ233件を追加しました。
 今回の追加により、SAFE-Proの提供データは、25製品、3,756件になりま
 した。
 対象製品やデータの更新履歴は、SAFE-ProのWebページでご確認ください。
 なお、SAFE-Proをご利用になられていない方は、この機会にSAFE-Proの
 Webページからご利用申請いただけると幸いです。
 Webページ内には、プロモーション動画や「SAFE-Proを活用した事業連携、
 推薦者の声」、ご利用事業者様一覧、FAQページなども掲載しております
 ので、ぜひご覧ください。

 【SAFE-Pro】
 https://www.nite.go.jp/jiko/jikojohou/safe-pro.html

 製造事業者やその関係者の皆様がSAFE-Proを活用し、安全な製品が市場に
 流通することで、皆様の安全で豊かな暮らしが創出されることを期待して
 おります。

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・「SAFE-Lite」のご案内      
        
 NITEは、より安心・安全な社会になることを目指して、製品安全に関する
 情報を発信してきました。NITEのウェブサイトでは、事故情報データベー
 ス、リコール情報や誤使用に関する注意喚起などを発信しています。その
 中で、製品事故情報をどなたでも簡単にウェブ検索できるシステムとして、
 「SAFE-Lite」というサービスを提供しております。

 「SAFE-Lite」は、サービス開始以来、多くの方にご活用いただいています。
 スマートフォンの小さな画面とタッチ操作に配慮したシンプルな操作性で、
 6万件にも及ぶ製品事故情報を専門用語(例えば「異音」)でなく普段お使
 いの言葉(例えば「ガラガラ」)で検索できます。

 「SAFE-Lite」で製品事故を検索すると、同じ現象の事故だけではなく、
 よく似た事故情報も表示されます。これにより、様々な視点から事故とな
 る危険性やその場合の被害状況などを調べられることで、事故の未然防止
 につながることを期待しています。

 【SAFE-Lite】
 https://safe-lite.nite.go.jp/
 ※「SAFE-Lite」及び「事故情報データベース」を更新しました。
  (2023年2月28日公表分までのデータを追加)

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・消費生活用製品の重大製品事故に係る公表について 
                           消費者庁
 
  消費者庁は、消費生活用製品安全法第35条第1項の規定に基づき報告の
  あった重大製品事故について、以下のとおり公表しています。
 
         2/14     19件
 https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_230214_01.pdf

         2/17     28件
 https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_230217_01.pdf

         2/21     18件
 https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_230221_01.pdf

         2/24      8件
 https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_230224_01.pdf

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編集後記

まだまだ寒い日が続きますが、換気をしないで石油ストーブ、ガスストーブ、
ファンヒーターなどの暖房器具を使用し続けると、室内の酸素濃度が低下して
不完全燃焼が生じ、発生する一酸化炭素の量が急激に増加します。室内で、こ
れらの暖房器具を使用するときには、定期的に空気を入れ換えることが必要で
す。そのためには、1時間に1回以上5分程度窓を開けるか、時間を決めて換気
扇を回すなど、こまめな換気を心がけましょう。その意味においてのみ、すき
ま風の吹きすさぶ我が家は安心でございます。新型コロナウイルスの感染予防
のためにも換気は大切です!(ひ)

お問い合わせ

独立行政法人製品評価技術基盤機構 製品安全センター  製品安全広報課
TEL:06-6612-2066  FAX:06-6612-1617
住所:〒559-0034 大阪市住之江区南港北1-22-16 地図