製品安全

Vol.419  12月27日号 「廃棄に関連する事故」

年末となり大そうじをする方も多いかと思います。不要なものを処分して、新
たな年をすっきりした気持ちで迎えたいものですが、廃棄の際にも注意が必要
です。リチウムイオンバッテリーやガスボンベ・スプレー缶などの取扱方法や
廃棄方法を間違えると、火災になるおそれがあります。廃棄する前に、正しい
廃棄方法などについて再確認しましょう。今回は廃棄に関連する事故をご紹介
します。

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項目一覧

  • 1.廃棄に関連する事故
  • 2.製品事故収集情報(12月4日~12月17日 受付 86件)
  • 3.リコール情報(5件)
  • 4.その他の製品安全情報
    ・インターネットモールを利用する皆様へ 安全な商品かどうかの確認を忘れずに
     ~OECDによる「国際共同啓発キャンペーン」が行われています~
    ・「SAFE-Proを活用した事業連携、推薦者の声」のWebページ公開のお知らせ
    ・「SAFE-Lite」のご案内
    ・消費生活用製品の重大製品事故に係る公表について

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1.廃棄に関連する事故

【事例1】
 タブレット端末のバッテリーを焼損する火災が発生した。

→廃棄するため、タブレット端末を分解してバッテリーパック(リチウムイ
 オンバッテリー)を取り外そうとした際に、リチウムイオンバッテリーに
 外力を加えたため、内部ショートが生じて異常発熱し、焼損したものと考
 えられます。
 なお、取扱説明書には、「内蔵バッテリーは取り外さない。」、「外力や
 衝撃を加えると発火の原因となる。」旨、記載されています。

【事例2】
 ガスボンベのガス抜き作業をしていたところ、給湯器の火が引火して、周
 辺を損傷し、軽傷を負った。

→ガスボンベ廃棄のため、使用者が密閉した場所でガスボンベに穴を開けて
 ガスを抜いていたところ、可燃性ガスに給湯器の火が引火し、周辺を損傷
 したものと考えられます。
 なお、ガスボンベ本体とパッケージに「可燃性・火気厳禁・破裂注意。破
 裂のおそれあり容器は完全に使いきってから他のゴミと区分して捨てる」
 旨、記載されています。

【事例3】
 ボタン電池、単三電池など10個ほどを入れて保管していた巾着袋を、子ど
 もがテーブルに置いたところ、ボンという音がして煙りが出て、袋が焦げ
 ていた。

→ボタン電池を他の電池と一緒に袋の中に入れていたため、他の電池の金属
 外郭と触れてショートし、内圧が上がり、破裂に至ったものと考えられま
 す。
 なお、パッケージに「保管、廃棄する場合、他の電池や金属製のものと接
 触しないよう絶縁する。」旨記載されています。

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【事例1の注意事項】
 リチウムイオンバッテリー搭載製品は、容易にバッテリーパックが取り外
 せない構造になっているものが多くあります。タブレット端末などの外装
 を無理にこじ開けると、バッテリーパックに外力がかかり、内部ショート
 し、発火に至るおそれがあります。また、廃棄する際は分別方法など含め
 お住まいの自治体の指示に従って廃棄してください。燃えるごみなどとし
 て廃棄されると、ごみ収集車内やごみ処理場などで押しつぶされて発火し、
 火災に至るおそれがあります。

【事例2の注意事項】
   ガスボンベやスプレー缶は、最後まで使い切ってから廃棄してください。
   ガスが残っている状態(振るとシャカシャカ音がする)で廃棄することは
   大変危険です。また、火気のある場所で穴を開けるような行為は絶対に行
 わないでください。漏れ出た可燃性ガスに引火し爆発するおそれがありま
 す。なお、どうしても使い切れないときは製品の販売元または製造元にお
 問い合わせください。廃棄方法については、お住まいの自治体の指示に従
 ってください。

【事例3の注意事項】
 事例3は保管時の事例ではありますが、廃棄時にも同様の事故の発生が懸
 念されます。
 ボタン電池の保管・廃棄の際は、電極(+極及び-極)が完全に隠れるよ
 うにテープを貼ってください。セロハンテープやビニールテープなどには
 絶縁性があり、事故を防ぐのに有効です。

■その他廃棄に関連する事故の事故情報も併せてご参照ください。
(再現実験映像:リンク先で動画が視聴できますので是非ご覧下さい)
 (1)モバイルバッテリー「2.ごみ収集車で発火・破裂」
 https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/kaden/19102401.html
 (2)カセットボンベ「1.ごみ収集車で発火」
 https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/sonota/19102402.html
 (3)電池・バッテリー「1.ショートしたボタン電池の破裂」
 https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/kaden/01270101.html
(せいあんちゃんねる)
 (4)【せいあんちゃんねる】nite news「ごみとして捨ててはいけないもの」
 https://www.youtube.com/watch?v=P3jEKuvq-FQ

(注意喚起ミニポスター)
 (1)ごみ収集車の火災事故
 https://www.nite.go.jp/data/000101062.pdf
 (2)電池による事故
 https://www.nite.go.jp/data/000004830.pdf
    
■その他の事故事例は、「事故情報の検索」で「廃棄」等をキーワードに
 検索していただけます。
 https://www.nite.go.jp/jiko/jiko-db/accident/search/

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2.製品事故収集情報

消費生活用製品の事故情報収集状況
(12月4日~12月17日 受付 86件)
NITEに通知のあった事故情報から、件数の多い製品を掲載します。

製品名        ( 事故状況と件数 )

1.バッテリー     ( 火災等 9件)
2.食器          ( 軽傷等 8件 )
3.ノートパソコン   ( 火災等 5件 )
4.石油ストーブ      ( 死亡等 4件 )
4.自転車         ( 重傷等 4件 )


最新事故情報(これまでの受付情報もご確認いただけます)
https://www.nite.go.jp/jiko/jikojohou/information/index.html

事故情報の提供をお願いいたします。
事故の再発防止のため、有効に活用させていただきます。
https://www.nite.go.jp/jiko/jikojohou/shushu/index.html
 

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3.リコール情報

  • ブリヂストンサイクル株式会社(法人番号:9030001041957)
          「自転車(ハンドルポスト引き上げ棒)」2022/11/09(HP)
        【詳細】https://www.bscycle.co.jp/info/2022/10768
  • アマゾンジャパン合同会社(法人番号:3040001028447)
          「オフィスチェアー」2022/11/10(HP)
        【詳細】※本件については、事業者より各購入者に連絡してお知らせしています。
  • 象印マホービン株式会社(法人番号:5120001059655)
          「電気ホットプレート」2022/11/17(HP)
        【詳細】https://www.zojirushi.co.jp/toiawase/announce/exaj_kinkoku.html
  • 株式会社ベイシア電器(法人番号:4070001004808)
          「リチウム電池内蔵充電器」2022/11/21(HP)
        【詳細】https://beisiadenki.jp
  • 株式会社日省エンジニアリング(法人番号:3060001013414)
          「水素水生成器(飲料用)」2022/10/14(HP)
        【詳細】https://www.nseg.co.jp/

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4.その他の製品安全情報

・インターネットモールを利用する皆様へ 安全な商品かどうかの確認を忘れずに
    ~OECDによる「国際共同啓発キャンペーン」が行われています~
 
 経済協力開発機構(以下、「OECD」という。)では、「国際共同啓発キャ
 ンペーン」と題し、OECD加盟国及び非加盟国が協力して国際的な製品安全
 に係る懸念について普及啓発を行っています。今年は「オンライン上の製
 品安全」をテーマに消費者、インターネットモール運営事業者及びオンラ
 イン上で製品を販売する事業者に向けて、安全確保に関して期待される取
 組のメッセージを出しています。
 経済産業省は、消費者庁とともに我が国におけるキャンペーンの取組を行
 っています。インターネットモールで商品を購入する消費者、商品を販売
 する事業者、インターネットモールを運営する事業者においても、皆様に
 よる安全な商品かどうかの確認を通じて製品事故の防止に御協力をお願い
 します。

 https://www.meti.go.jp/press/2022/12/20221226001/20221226001.html
 
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・「SAFE-Proを活用した事業連携、推薦者の声」のWebページ公開のお知らせ
 
 NITEでは、主に製造事業者やその関係者の皆様に対してSAFE-Proというサ
 ービスを提供しております。
 SAFE-Proは、製品のリスクアセスメントに有効な信頼性解析手法である
 FMEA・FTAの考え方を利用して、NITEが保有する製品事故情報を事故発生
 シナリオとして参照・検索できる無料のツールです。
 製造事業者やその関係者の皆様が安全性の高い製品を製造・提供するため
 に実施するリスクアセスメントに活用できます。

 この度、「SAFE-Proを活用した事業連携、推薦者の声」のWebページを公
 開しました。
 SAFE-Proの事業連携・活用事例や第三者からの導入メリットの推薦文を掲
 載しております。
 ぜひWebページをご覧いただき、SAFE-Proをご活用ください。
 なお、先日公開しましたSAFE-Proのプロモーション動画もこのWebページ
 上からご覧いただけます。

 【SAFE-Proを活用した事業連携、推薦者の声】
 https://www.nite.go.jp/jiko/jikojohou/safe-pro_renkei.html

 SAFE-Proをご利用になられていない方は、この機会にSAFE-ProのWebペー
 ジからご利用申請いただけると幸いです。
 FAQページも更新しておりますので、こちらもご覧ください。

 【SAFE-Pro】
 https://www.nite.go.jp/jiko/jikojohou/safe-pro.html

 製造事業者やその関係者の皆様がSAFE-Proを活用し、安全な製品が市場に
 流通することで、皆様の安全で豊かな暮らしが創出されることを期待して
 おります。

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・「SAFE-Lite」のご案内      
        
 NITEは、より安心・安全な社会になることを目指して、製品安全に関する
 情報を発信してきました。NITEのウェブサイトでは、事故情報データベー
 ス、リコール情報や誤使用に関する注意喚起などを発信しています。その
 中で、製品事故情報をどなたでも簡単にウェブ検索できるシステムとして、
 「SAFE-Lite」というサービスを提供しております。

 「SAFE-Lite」は、サービス開始以来、多くの方にご活用いただいています。
 スマートフォンの小さな画面とタッチ操作に配慮したシンプルな操作性で、
 6万件にも及ぶ製品事故情報を専門用語(例えば「異音」)でなく普段お使
 いの言葉(例えば「ガラガラ」)で検索できます。

 「SAFE-Lite」で製品事故を検索すると、同じ現象の事故だけではなく、
 よく似た事故情報も表示されます。これにより、様々な視点から事故となる
 危険性やその場合の被害状況などを調べられることで、事故の未然防止に
 つながることを期待しています。

 【SAFE-Lite】
   https://safe-lite.nite.go.jp/
 
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・消費生活用製品の重大製品事故に係る公表について 
                           消費者庁
 
  消費者庁は、消費生活用製品安全法第35条第1項の規定に基づき報告の
  あった重大製品事故について、以下のとおり公表しています。
 
         12/13      9件
 https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_221213_01.pdf

         12/16     24件
 https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_221216_01.pdf

         12/20     18件
 https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_221220_01.pdf

         12/23     19件
 https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_221223_01.pdf

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編集後記

もう一年が終わるなんて、時の流れが速すぎてびっくりします。私は年末にま
とめて掃除をするのは大変なので、日々ちょこちょこ掃除をするようにしてい
ます。無心で汚れを落とすと部屋もすっきり、心もすっきりして一石二鳥です。
今年も1年間PSマガジンを購読くださりありがとうございました。来年もよろ
しくお願いいたします。よいお年をお迎えください!

お問い合わせ

独立行政法人製品評価技術基盤機構 製品安全センター  製品安全広報課
TEL:06-6612-2066  FAX:06-6612-1617
住所:〒559-0034 大阪市住之江区南港北1-22-16 地図