製品安全

Vol.411  8月23日号 「スプレー缶の事故」

殺虫剤、冷却剤、制汗剤、日焼け止めなどのスプレー缶タイプの製品は、夏の
この時季には欠かせない製品です。しかし、これらのスプレー缶は使用方法を
誤ると事故になるおそれがあります。また、スプレー缶は処分方法にも注意が
必要です。今回はスプレー缶の事故をご紹介します。

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項目一覧

  • 1.スプレー缶の事故
  • 2.製品事故収集情報(7月31日~8月13日 受付 82件)
  • 3.リコール情報(2件)
  • 4.その他の製品安全情報
    ・電気用品安全法の初心者向け説明会を開催します(参加無料)
    ・「SAFE-Lite」のご案内
    ・消費生活用製品の重大製品事故に係る公表について

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1.スプレー缶の事故

【事例1】
 浴室の壁の内部のシロアリを駆除するため、屋外から壁の内部に
 殺虫剤を噴射したところ、周辺を焼損する火災が発生した。

→殺虫剤を給湯器の排気口が設置されている付近の壁内に噴射したため、
 噴射された可燃性ガスに引火し、出火したものと考えられます。

【事例2】
 車のダッシュボードの上にスプレー缶を置いていたところ、缶が破裂し
 てフロントガラスが割れた。

→車のダッシュボードの上に置いたため、直射日光でスプレー缶が加熱さ
 れ、内圧の上昇により破裂し、フロントガラスが割れたものと考えられ
 ます。

【事例3】
 洗面台付近で、スプレー缶の穴開け作業を行っていたところ、火災が発
 生し、周辺が焼損、火傷を負った。

→換気の悪い場所で、中身が残っている複数のスプレー缶のガス抜き作業
 を行ったため、洗面台周辺に可燃性ガス※1が滞留し、乾燥していたこと
 から着衣の静電気の火花が滞留したガスに着火して火災に至ったものと
 考えられます。
 (※1)スプレー缶には、薬剤の噴射剤としてLPGなどの可燃性ガスを使
      用している製品もあります。

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【事例1の注意事項】
屋外の排気口からは浴室内の給湯器でお湯を沸かした際に発生する熱が
排出され、排気口や壁内の排気管の温度は50℃~200℃と言われています。
その付近や壁内でスプレー缶を使用すると可燃性ガスに引火して火災に
なるおそれがありますので注意が必要です。

【事例2の注意事項】
夏季は、車内の温度も非常に高くなり、車内にスプレー缶を放置するの
は非常に危険です。直射日光が当たる場所や高温になる場所に置かない
で下さい。スプレー缶を高温にさらすと破裂の危険があるため、直射日
光の当たるところや火気等の近くなど温度が40℃以上となる所に置かな
い旨、取扱説明書に記載されています。

【事例3の注意事項】
スプレー缶を捨てるときは、捨てる前に屋外の風通しのよい場所で、ス
プレーボタンを押すなどして中身を出し切ってください。スプレー缶を
振って、「シャカシャカ」などと音がする場合は中身が残っています。
スプレー缶に中身が残っている状態で穴を開けると漏れ出た可燃性ガス
に引火するおそれがあり大変危険です。
なお、廃棄方法については、お住まいの自治体の指示に従ってください。

■その他のスプレー缶の事故の事故情報も併せてご参照ください。
(映像資料:リンク先で動画が視聴できますので是非ご覧下さい)
 (1)スプレー「1.冷却スプレーの可燃性ガスに引火」
  https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/sonota/03250102.html
 (2)スプレー「2.冷却スプレー使用後、シャツに着火」
  https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/sonota/03250104.html

(注意喚起ミニポスター)   
 (1)冷やして殺す殺虫剤で火傷
  https://www.nite.go.jp/data/000004242.pdf
   (2)スプレー缶の爆発・やけど
    https://www.nite.go.jp/data/000086403.pdf

■その他の事故事例は、「事故情報の検索」で「スプレー缶」等をキーワード
に検索していただけます。
https://www.nite.go.jp/jiko/jiko-db/accident/search/

 

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2.製品事故収集情報

消費生活用製品の事故情報収集状況
(7月31日~8月13日 受付 82件)
NITEに通知のあった事故情報から、件数の多い製品を掲載します。

製品名       ( 事故状況と件数 )

1.インターホン       ( 破損等  8件 )
2.パソコン     ( 破損等  4件 )
3.照明器具       ( 火災等  3件 )
3.電磁調理器          ( 火災等  3件 )
3.配線器具       ( 火災等  3件 )

最新事故情報(これまでの受付情報もご確認いただけます)
https://www.nite.go.jp/jiko/jikojohou/information/index.html

事故情報の提供をお願いいたします。
事故の再発防止のため、有効に活用させていただきます。
https://www.nite.go.jp/jiko/jikojohou/shushu/index.html
 

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3.リコール情報

  • 株式会社カリタ(法人番号:8020001092837)
          「ドリップポット」2022/07/29(HP)
        【詳細】株式会社カリタ
                  https://www.kalita.co.jp/news/content.php?id=93
                    株式会社ネイバーフッド
                    https://www.neighborhood.jp/
  • ヤマトマテリアル株式会社(法人番号:6010001059566)
          「ウォーターサーバー」2020/10/16(HP)
        【詳細】本件はWebサイトにリコール情報を掲載しておりません。事業者
                    より各購入者、設置先に連絡してお知らせしています。

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4.その他の製品安全情報

・電気用品安全法の初心者向け説明会を開催します(参加無料) 

                                                        中国経済産業局 産業部 
                                                            消費経済課 製品安全室 

    中国経済産業局では、電気用品安全法の事業届出直後の事業者や届出
  予定の事業者を対象として、電気用品安全法の初心者向け説明会を開
    催します。
 
   【開催日】令和4年9月29日(木曜日)14時から16時
                ※受付開始13時40分から 
                  ※今後の新型コロナウイルスの感染状況により、延期又は
                     中止とする場合があります。予めご了承ください。
   【場 所】広島合同庁舎3号館1階 共用第16会議室
               (広島市中区上八丁堀6番30号)
                ※3号館1階は入館手続きは不要です。 
   【参加費】無料
   【共 催】NITE中国支所

   【主な対象者】
      電気用品安全法の事業届出直後及び届出予定の中国地域の事業者
   【プログラム】
      制度の概要・手続き等について(仮)
      製品事故のリスクと事故事例について(仮)
      質疑応答
    【詳 細】
      https://www.chugoku.meti.go.jp/event/shoukei/220809.html

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・「SAFE-Lite」のご案内      

NITEは、より安心・安全な社会になることを目指して、製品安全に関する
情報を発信してきました。NITEのウェブサイトでは、事故情報データベー
ス、リコール情報や誤使用に関する注意喚起などを発信しています。その
中で、製品事故情報をどなたでも簡単にウェブ検索できるシステムとして、
「SAFE-Lite」というサービスを提供しております。

「SAFE-Lite」は、サービス開始以来、多くの方にご活用いただいています。
スマートフォンの小さな画面とタッチ操作に配慮したシンプルな操作性で、
6万件にも及ぶ製品事故情報を専門用語(例えば「異音」)でなく普段お使
いの言葉(例えば「ガラガラ」)で検索できます。

「SAFE-Lite」で製品事故を検索すると、同じ現象の事故だけではなく、
よく似た事故情報も表示されます。これにより、様々な視点から事故となる
危険性やその場合の被害状況などを調べられることで、事故の未然防止に
つながることを期待しています。

【SAFE-Lite】
  https://safe-lite.nite.go.jp/

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・消費生活用製品の重大製品事故に係る公表について  

                            消費者庁

 消費者庁は、消費生活用製品安全法第35条第1項の規定に基づき報告の
 あった重大製品事故について、以下のとおり公表しています。

         8/9      8件
 https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_220809_01.pdf

   8/12    14件
 https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_220812_01.pdf

   8/16    10件
 https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_220816_01.pdf

   8/19    13件
 https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_220819_01.pdf

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編集後記

私もスプレータイプの日焼け止めをよく使用しますが、使用方法を誤ると破裂
したり、火災になったりするおそれがあるとは知りませんでした。使用場所や
保存場所、処分方法を今一度見直してみようと思います。また、ゴミ収集車で
中身が残った状態で捨てられたスプレー缶から発火する事故も起きています。
一人一人が気をつけることで事故が減るので、皆さんも意識してみてください
ね!

お問い合わせ

独立行政法人製品評価技術基盤機構 製品安全センター  製品安全広報課
TEL:06-6612-2066  FAX:06-6612-1617
住所:〒559-0034 大阪市住之江区南港北1-22-16 地図