Vol.403 4月26日号 「自転車の事故」
すっかり春の陽気ですね。暖かくなってお出かけに自転車を利用する方も増え
たのではないでしょうか。今回は、身近な自転車の事故を取り上げます。普段
から使用する機会が多いからこそ、今一度使用方法について振り返ってみまし
ょう。
項目一覧
- 1.自転車の事故
- 2.製品事故収集情報(4月3日~4月16日 受付46件)
- 3.リコール情報(5件)
- 4.その他の製品安全情報
・「SAFE-Lite」のご案内
・消費生活用製品の重大製品事故に係る公表について
1.自転車の事故
【事例1】
自転車で走行中、前輪がロックして転倒し、打撲を負った。
→前ホーク及びスポークに傷があり、前ホークは後方へ変形していることから、
前輪に異物が巻き込まれて前輪がロックしたため、バランスを崩し転倒した
ものと考えられます。
【事例2】
自転車で走行中、ハンドルが動かなくなり、転倒、重傷を負った。
→ハンドル錠(前錠)と後輪用サークル錠(後輪錠)の組合せによって、前後
錠前が連動する盗難防止機能を備えており、施錠・開錠の状態を前錠の「赤色」、
「青色」のインジケータで表示するものでした。当該製品の前錠のインジケータ
表示部(ケース外殻)に肉薄部を設け、過度の荷重が加わったときには同部が
割れ、使用者に故障を知らせる仕組みでしたが、前錠が故障した際、使用者が
ハンドル操作及び錠の動作に異常があることを認識していながら使用を継続した
ため、事故に至ったものと考えられます。
【事例3】
前輪が取り外せるタイプの自転車で走行中、前輪が外れて転倒、軽傷を負った。
→使用者が前輪固定時に最終的な締め付けを行うための機構であるクイック
レリーズのカムレバーを使用せず、調整ナットの締め付けのみで前輪を固定
した状態で乗車していたことから、固定が緩んで前輪が脱落して転倒した
ものと考えられます。
なお、本体前ホーク部には「車輪が確実に固定されているか確認する」旨の
警告シールが貼付されていました。
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【事例1の注意点】
ハンドルに買い物袋、かばん、傘などをぶら下げていると、車輪に巻き込まれて
ロックし、そのまま滑走するうちにバランスを崩して転倒するため危険です。
荷物はハンドルにぶら下げたりせず、かごに入れてください。
【事例2の注意点】
転倒や接触による衝撃などで自転車の部品が破損してしまうことがあります。
部品が破損していたり、普段と違う音(きしみなどの異音)が発生したりして
いるときは、異常なく走行できたとしてもそのままにせず、直ちに自転車技士
又は自転車安全整備士のいる店舗に相談し、必要に応じて点検を受けてください。
車輪やフレームの変形だけでなく、スポーク1本の破損からでも重大な事故に
至る可能性があります。乗車前には必ず点検を行ってください。
また、お使いの自転車がリコール対象でないか確認し 、対象の場合は事業者の
指示に従ってリコールを受けてください。
リコール情報の検索はこちら
https://www.nite.go.jp/jiko/jiko-db/recall/search/
【事例3の注意点】
乗車前には必ず車輪やペダルに緩みやがたつきがないか確認してください。
締め付けが不十分だと、走行中の振動や衝撃などで緩んでくることがあります。
また通信販売で自転車を購入すると、ペダルや車輪などが取り付けられて
いない状態で購入者の元に届くこともあり、その場合、乗車前の最後の
組み立ては購入者が行うことになります。特にスポーツ車の車輪の取り付けには、
クイックレリーズ方式が多く採用されており、事例にも挙げたように、最後に
クイックレリーズカムレバーを使用せず、調整ナットの締め付けのみで車輪を
固定して事故に至ったものがあるため、注意が必要です。
必ず、正しい方法で車輪を固定してください。組み立てに自信のない方は、
自転車技士又は自転車安全整備士のいる店舗に組み立てを依頼してください。
■その他の自転車の事故情報も併せてご参照ください。
(映像資料:リンク先で動画が視聴できますので是非ご覧下さい)
(1)自転車「1.折り畳み式自転車の事故」
https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/sonota/03290401.html
(2)自転車「2.ペダルの外れ」
https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/sonota/03010101.html
(3)自転車「3.前輪ブレーキの外れ」
https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/sonota/03010102.html
(4)自転車「4.泥よけの巻き込み」
https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/sonota/03010103.html
(5)自転車「5.チェーンの外れ」
https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/sonota/03010104.html
(6)自転車「7.子どもが自転車で指を切断」
https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/sonota/17062201.html
(7)自転車「9.ハンドルがロックし、転倒」
https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/sonota/2019092601.html
(8)自転車「10.クイックレリーズの締め付け不良による脱輪」
https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/sonota/2021032501.html
(9)自転車「11.異物を巻き込み前輪がロック」
https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/sonota/2021032502.html
(10)自転車「12.ながらスマホで衝突」
https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/sonota/2021032503.html
(注意喚起ミニポスター)
(1)自転車の製品事故防止のために
https://www.nite.go.jp/data/000004248.pdf
(2)自転車の製品事故
https://www.nite.go.jp/data/000004819.pdf
(3)自転車の製品事故防止のために
https://www.nite.go.jp/data/000004850.pdf
(4)自転車の製品事故防止のために
https://www.nite.go.jp/data/000004870.pdf
(5)子どもの自転車による事故
https://www.nite.go.jp/data/000065627.pdf
(6)スポーツ自転車による事故
https://www.nite.go.jp/data/000084769.pdf
■その他の事故事例は、「事故情報の検索」で「自転車」等をキーワード
に検索していただけます。
https://www.nite.go.jp/jiko/jiko-db/accident/search/
2.製品事故収集情報
消費生活用製品の事故情報収集状況
(4月3日~4月16日 受付46件)
NITEに通知のあった事故情報から、件数の多い製品を掲載します。
製品名( 事故状況と件数 )
- 1.照明器具 ( 火災等 4件)
- 2.バッテリー ( 火災等 2件)
- 2.電気ストーブ ( 火災等 2件)
- 2.携帯電話機 ( 火災等 2件)
- 2.LEDランプ ( 火災等 2件)
最新事故情報(これまでの受付情報もご確認いただけます)
https://www.nite.go.jp/jiko/jikojohou/information/index.html
事故情報の提供をお願いいたします。
事故の再発防止のため、有効に活用させていただきます。
https://www.nite.go.jp/jiko/jikojohou/shushu/index.html
3.リコール情報
- ・株式会社TSI(法人番号:3010901033788)
「靴」2022/04/12(HP)
【詳細】 https://www.tsi.inc/#info
- ・日動工業株式会社(法人番号:7120001156450)
「リチウム電池内蔵充電器(ジャンプスターター)」2022/04/13(HP)
【詳細】 https://www.nichido-ind.co.jp/news/products/20220412/
- ・日本アクアラング株式会社(法人番号:8021001020250)
「ウェアラブル端末(ダイビング用)」2022/04/14(HP)
【詳細】 https://xn--ccka2bf8z5b4396c0ec.jp/
- タイガー魔法瓶株式会社(法人番号:3120001015362)
「電気湯沸器、電気炊飯器」2022/04/15(HP)
【詳細】 https://www.tiger.jp/news/topic/info_220415_1.html
- ・株式会社ふたオリ(法人番号:8120001216609)
「運動器具(振動トレーニングマシン)」2022/04/20(HP)
【詳細】◆株式会社TrendCatch
https://trendcatch.jp/
◆株式会社ふたオリ
https://www.hutaori.com/
4.その他の製品安全情報
・「SAFE-Lite」のご案内
NITEは、より安心・安全な社会になることを目指して、製品安全に関する情報を
発信してきました。NITEのウェブサイトでは、事故情報データベース、リコール
情報や誤使用に関する注意喚起などを発信しています。その中で、製品事故情報
をどなたでも簡単にウェブ検索できるシステムとして、「SAFE-Lite」という
サービスを提供しております。
「SAFE-Lite」は、サービス開始以来、多くの方にご活用いただいています。
スマートフォンの小さな画面とタッチ操作に配慮したシンプルな操作性で、
6万件にも及ぶ製品事故情報を専門用語(例えば「異音」)でなく普段お使いの
言葉(例えば「ガラガラ」)で検索できます。
「SAFE-Lite」で製品事故を検索すると、同じ現象の事故だけではなく、
よく似た事故情報も表示されます。これにより、様々な視点から事故となる
危険性やその場合の被害状況などを調べられることで、事故の未然防止に
つながることを期待しています。
なお、多くの方から「SAFE-Lite」の検索結果について、事故原因区分が英数字
(例えば「G1」など)だけだと分かりづらいとのご意見を頂戴しましたので、
事故原因区分表へのリンクを追加しました。
SAFE-Lite サイト
https://safe-lite.nite.go.jp/
※「SAFE-Lite」及び「事故情報データベース」を更新しました。
(令和3年度第4四半期分のデータを追加)
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・消費生活用製品の重大製品事故に係る公表について
消費者庁
消費者庁は、消費生活用製品安全法第35条第1項の規定に基づき報告の
あった重大製品事故について、以下のとおり公表しています。
4/12 10件
https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_220412_01.pdf
4/15 11件
https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_220415_01.pdf
4/19 7件
https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_220419_01.pdf
4/22 15件
https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_220422_01.pdf
編集後記
改めて、自転車の事故防止には定期的なメンテナンスが欠かせないと感じまし
た。学生時代は定期的にメンテナンスを受けていたけれど、社会人になってか
らは行かなきゃと思いつつ、後回しにしていたなと反省です...。皆さんも新
生活が始まって落ち着いたら、自転車のメンテナンスに行きましょう!
話は変わりますが、大阪に引っ越してきて自転車に乗っている人が多いこと
に驚きました。雨の日でもカッパを着て自転車に乗っている人が多く、東京
に住んでいたときには考えられいことです。土地柄でしょうか?理由を知って
いる方、こっそり教えてください!
お問い合わせ
- 独立行政法人製品評価技術基盤機構 製品安全センター 製品安全広報課
-
TEL:06-6612-2066
FAX:06-6612-1617
住所:〒559-0034 大阪市住之江区南港北1-22-16 地図