Vol.397 1月25日号 「カセットボンベの事故」
カセットこんろなどに使用されるカセットボンベ、とても便利な製品ですが、可燃性ガスを充填しているため、使用や保管において注意が必要です。
今回はカセットボンベの事故をご紹介します。
項目一覧
- 1.カセットボンベの事故
- 2.製品事故収集情報(1月9日~1月22日 受付 54件)
- 3.リコール情報(4件)
- 4.その他の製品安全情報
・「2021年度 製品安全共通技術セミナー」のご案内
一般社団法人KEC関西電子工業振興センター
・SAFE-Liteのご案内
・iPod nanoの製品事故に係る定期報告
・消費生活用製品の重大製品事故に係る公表について
1.カセットボンベの事故
【事例1】
置いていたカセットボンベが破裂し、周辺を焼損、9名がやけどを負った。
→使用中のこんろのそばにカセットボンベを放置したため、カセットボンベが過熱され、中の液化ガスが膨張して缶が破裂し、噴出したガスにこんろの炎が引火して、事故に至ったものと考えられる。
【事例2】
IH調理器の上にで使用していたカセットこんろのボンベが破裂し、周辺を焼損、使用者がやけどを負った。
→使用者はIH調理器の上にカセットこんろを置いて使用しており、誤ってIH調理器を作動させてしまったため、カセットこんろが加熱され、装着されていたカセットボンベの液化ガスが膨張して缶が破裂し、噴出したガスにこんろの炎が引火したものと考えられる。
【事例3】
カセットボンベに穴を開けてガスを抜いていたところ、引火し、使用者がやけどを負った。
→台所でガスこんろを使用中に、カセットボンベに穴を開け、内部の可燃性ガスを抜いていたため、ガスこんろの火が引火し、やけどを負ったと考えられる。
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【カセットボンベの注意事項】
【事例1・事例2の注意点】
カセットボンベが異常に熱くなるような状態にはしないでください。カセットボンベを装着した製品をIH調理器具やガスこんろの周囲に置くのは絶対にやめてください。意図せず点火された際に爆発などの大きな事故につながります。
【事例3の注意点】
火気の側でボンベに穴を開けるような行為は絶対に行わないでください。漏れたガスに引火するおそれがあり大変危険です。必ずカセットボンベを最後まで使い切ってから廃棄してください。カセットボンベのガスが残っている状態(振るとシャカシャカ音がする)で廃棄することは大変危険です。カセットボンベは最後まで使い切ってから廃棄してください。なお、どうしても使い切れないときはボンベに表示されている販売元または製造元にお問い合わせください。お住まいの自治体で廃棄方法を指定している場合もありますので、ご確認ください。
■その他のカセットボンベの事故情報も併せてご参照ください。
(再現実験映像)
(1)カセットボンベ「1.ごみ収集車で発火」
https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/sonota/19102402.html
(注意喚起ミニポスター)
(1)ごみ収集車の火災事故
https://www.nite.go.jp/data/000101062.pdf
■その他の事故事例は、「事故情報の検索」で「カセットボンベ」等をキーワードに検索していただけます。
https://www.nite.go.jp/jiko/jiko-db/accident/search/
2.製品事故収集情報
消費生活用製品の事故情報収集状況
(1月9日~1月22日 受付 54件)
NITEに通知のあった事故情報から、件数の多い製品を掲載します。
製品名( 事故状況と件数 )
- 1.洗面化粧台(重傷等 5件)
- 2.電気ストーブ(火災等 4件)
- 3.迅速継手(火災等 3件)
- 4.電動アシスト自転車(重傷等 2件)
- 5.石油ストーブ(火災等 2件)
最新事故情報(これまでの受付情報もご確認いただけます)
https://www.nite.go.jp/jiko/jikojohou/information/index.html
事故情報の提供をお願いいたします。
事故の再発防止のため、有効に活用させていただきます。
https://www.nite.go.jp/jiko/jikojohou/shushu/index.html
3.リコール情報
- ・株式会社大創産業 (法人番号 7240001022681)
「ガストーチ」2020/10/23(HP)
【詳細】https://www.daiso-sangyo.co.jp/wp-content/uploads/2020/10/c9217c549d969c8e1e25edc62bed1ed4.pdf - ・株式会社モンベル(法人番号 2120001047910)
「折りたたみ自転車」2021/12/25(HP)
【詳細】http://support.montbell.jp/common/system/information/disp.php?c=7&id=75 - ・晴香堂株式会社(法人番号 9150001011130)
「芳香・消臭剤」2022/01/14(HP)
【詳細】https://uketsuke-form.jp/modules/uketsuke_dz3q/ - ・株式会社マウスコンピューター(法人番号 2010501029279)
「液晶ディスプレイモニター用ACアダプター」2022/01/17(HP)
【詳細】https://www2.mouse-jp.co.jp/ssl/user_support2/info.asp?N_ID=458
4.その他の製品安全情報
・「2021年度 製品安全共通技術セミナー」のご案内 「製品安全の根幹である絶縁と樹脂材料の基礎」
電気用品安全法・国際規格のベースとなる電気安全の共通技術を習得し製品安全設計に活用
一般社団法人KEC関西電子工業振興センター
製品安全規格は製品の種類に応じて数多く発行されています。それらに共通し、
根幹となる部分の理解を深めることは製品安全の確保に重要となります。
今回は『絶縁』に焦点を合わせ、
1.空間距離や沿面距離を決める基本的な考え方
2.水平規格 JISC 60664-1 の重要性と各個別規格との関係
3.絶縁に大きな役割を担う樹脂材料の基礎と難燃性
を取り上げます。それぞれの分野でご活躍中の講師をお招きし規格には表現
されていない内容を織り交ぜながらご講演いただきます。
【開催日】 2022年3月16日[水]
【会 場】Zoom ウェビナーによるオンライン
【参加費】会員:5,000円, 非会員:7,000円
【内 容】
[講演1]低電圧機器の絶縁協調について
一般財団法人電気安全環境研究所 理事 住谷 淳吉 氏
[講演2]樹脂材料の基礎知識と特性評価方法の解説
株式会社UL Japan材料技術部 部長 有森 奏 氏
【詳細】 https://www.kec.jp/wp/img/committee/2021/pshs2021/
【申込先】 https://www.kec.jp/seminar/pshs2021/
問合せ先: 一般社団法人KEC関西電子工業振興センター
専門委員会推進部 事務局 藤田 泰男
TEL:0774-29-9041 E-mail:publication01@kec.jp
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・SAFE-Lite
NITEは、より安心・安全な社会になることを目指して、製品安全に関する情報
を発信してきました。NITEのウェブサイトでは、事故情報データベース、
リコール情報や誤使用に関する注意喚起などを発信しています。
NITEのホームページでは事故情報をどなたでも簡単にウェブ検索できる
「SAFE-Lite」をサービス提供しております。
「SAFE-Lite」は、製品の危険性を評価するリスクアセスメント・ツール
「製品事故予測システムSAFE」の「あいまい」機能をWeb化したシステムです。
NITEのホームページから「SAFE-Lite」へアクセスできます。
お使いの製品で異常を感じた際に、「SAFE-Lite」で事故となる危険性を調べる
ことで、必要な対策の参考情報を得ることができます。
ご利用の際は、製品の利用者が普段お使いの言葉で、製品事故が発生する前に
みられる「予兆(現象)」情報を「SAFE-Lite」に入力すると、同じ現象の事故だけ
ではなく、よく似た事故情報も表示されます。これにより、様々な視点から事故
となる危険性やその場合の被害状況などを調べられることで、事故の未然防止に
つながることを期待しています。
SAFE-Lite サイト
https://safe-lite.nite.go.jp/
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・iPod nanoの製品事故に係る定期報告 経済産業省
令和4年1月24日付、Apple Japan合同会社(旧 アップル ジャパン株式会
社)の経済産業省へのiPod nano(第一世代)の製品事故に係わる定期報
告がありました。令和3年12月1日から31日までの本体・バッテリー交換件
数は50件となっています。同社が対策を開始した平成22年8月11日以降
の本体・バッテリー交換件数の累計は307256件となっています。
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・消費生活用製品の重大製品事故に係る公表について 消費者庁
消費者庁は、消費生活用製品安全法第35条第1項の規定に基づき報告の
あった重大製品事故について、以下のとおり公表しています。
- 1/12 8件 https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_220112_01.pdf
- 1/14 7件 https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_220114_01.pdf
- 1/18 6件 https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_220118_01.pdf
- 1/21 21件 https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_220121_01.pdf
- 1/25 9件 https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_220125_01.pdf
編集後記
学生の頃、文化祭で使用したカセットボンベの余りは所定の場所でガス抜きを行い、廃棄場所に集めるようにとアナウンスされていました。その所定の場所というのが問題で、風通しの良くない校舎裏だったため、滞留したガスの臭いが充満しているような状況でした。今考えると恐ろしいですが、卒業後にしばらくしてから文化祭を訪れたところ、ガス抜きを行う場所は校舎から離れた風の通る場所に変更されていました。
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- 独立行政法人製品評価技術基盤機構 製品安全センター 製品安全広報課
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FAX:06-6612-1617
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