Vol.396 1月11日号 「除雪機の事故」
今年は各地で大雪が確認されています。
除雪作業に欠かせない除雪機ですが、昨年度は直近の10年間で最も多く事故が通知されました。今年も除雪機の使用機会が増加することが見込まれることから、除雪機による事故を防ぐために、注意喚起を行います。
項目一覧
- 1.除雪機の事故
- 2.製品事故収集情報(12月26日~1月8日 受付 60件)
- 3.リコール情報(1件)
- 4.その他の製品安全情報
・SAFE-Liteのご案内
・消費生活用製品の重大製品事故に係る公表について
・NITE講座「事業者等における製品安全の基礎知識@製品安全センター」受講生募集のお知らせ
・「蓄電池システムの安全性評価に関するNITE講座@国際評価技術本部」受講生募集のお知らせ
1.除雪機の事故
【事例1】
除雪機を使用中、下敷きになり、1人が死亡した。
→使用者は転倒や離れた際に除雪機が自動で停止する緊急停止クリップを身体に取り付けておらず、その状態で除雪機を後進中に転倒したため、除雪機が使用者に乗り上げて下敷きとなったものと考えられる。
【事例2】
除雪機のオーガに巻き込まれた状態で発見され、死亡が確認された。
→除雪機のエンジンをかけた状態でデッドマンクラッチ機構のクラッチレバーをロープで固定したため、何らかの理由で使用者が前方のオーガ部に移動した際に誤ってオーガに巻き込まれ、事故に至ったものと考えられる。
【事例3】
除雪機の排雪口に詰まった雪を取り除こうとしたところ、右手指を負傷した。
→使用者が除雪機の排雪口に詰まった雪を回転刃が停止しないうちに、付属の雪かき棒を使用せずに直接手で除去したため、排雪口内部の回転刃に触れ、事故に至ったものと考えられる。
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【事例1・2の注意事項】
安全機能を無効化することで、使用者が転倒などした際に除雪機が停止せず、除雪機にひかれたり、巻き込まれたりするおそれがあります。デッドマンクラッチ機構のクラッチレバーを固定するなどして無効化したり、緊急停止クリップを装着しない状態で使用したりすることは非常に危険なため、絶対にしないでください。
雪上での作業のため、足元が非常に滑りやすいです。転倒しないように十分に注意してください。特に、後方へ移動する際は障害物がないかどうか確認してください。障害物があると、転倒して除雪機にひかれたり、巻き込まれたりするおそれがあります。また、後方に構造物や雪壁があった場合、除雪機と壁の間に挟まれ、体が圧迫されてしまうおそれがあります。
【事例3の注意事項】
エンジンをかけたまま、シュータ部やオーガに手を近づけないようにしましょう。エンジンをかけたまま雪を取り除く作業を行うと、手を負傷するおそれがあります。雪が詰まった場合は、手を使わず、雪かき棒を使用して取り除いてください。
■その他の除雪機の事故情報も併せてご参照ください。
(再現実験映像)
(1)除雪機「5.バック時に壁と挟まれた際の安全機能」
https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/sonota/2021122301.html
(2)除雪機「6.誤使用によりオーガに巻き込まれる事故」
https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/sonota/2021122302.html
(3)除雪機「7.誤使用により下敷きになる事故」
https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/sonota/2021122303.html
(4)除雪機「8.使用時は周囲を確認」
https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/sonota/2021122304.html
(5)除雪機「9.雪づまりを取り除く際の注意点」
https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/sonota/2021122305.html
(注意喚起ミニポスター)
(1)3-14 除雪機「除雪機の事故」
https://www.nite.go.jp/data/000004817.pdf
(2)3-56 除雪機「除雪機の事故防止」
https://www.nite.go.jp/data/000119285.pdf
(3)3-58 除雪機「除雪機は正しく使おう」
https://www.nite.go.jp/data/000130292.pdf
■その他の事故事例は、「事故情報の検索」で「除雪機」等をキーワードに検索していただけます。
https://www.nite.go.jp/jiko/jiko-db/accident/search/
2.製品事故収集情報
消費生活用製品の事故情報収集状況
(12月26日~1月8日 受付 60件)
NITEに通知のあった事故情報から、件数の多い製品を掲載します。
製品名( 事故状況と件数 )
- 1.洗面化粧台(破損等 6件)
- 2.電動アシスト自転車(火災等 4件)
- 3.石油ストーブ(火災等 3件)
- 4.ノートパソコン(火災等 2件)
- 5.延長コード(火災等 2件)
最新事故情報(これまでの受付情報もご確認いただけます)
https://www.nite.go.jp/jiko/jikojohou/information/index.html
事故情報の提供をお願いいたします。
事故の再発防止のため、有効に活用させていただきます。
https://www.nite.go.jp/jiko/jikojohou/shushu/index.html
3.リコール情報
- ・株式会社カインズ(法人番号 3070001006474)
「水筒」2021/12/28(HP)
【詳細】https://www.cainz.co.jp/images/information/pdf/20211228_info.pdf
4.その他の製品安全情報
・SAFE-Lite
NITEは、より安心・安全な社会になることを目指して、製品安全に関する情報
を発信してきました。NITEのウェブサイトでは、事故情報データベース、
リコール情報や誤使用に関する注意喚起などを発信しています。
NITEのホームページでは事故情報をどなたでも簡単にウェブ検索できる
「SAFE-Lite」をサービス提供しております。
「SAFE-Lite」は、製品の危険性を評価するリスクアセスメント・ツール
「製品事故予測システムSAFE」の「あいまい」機能をWeb化したシステムです。
NITEのホームページから「SAFE-Lite」へアクセスできます。
お使いの製品で異常を感じた際に、「SAFE-Lite」で事故となる危険性を調べる
ことで、必要な対策の参考情報を得ることができます。
ご利用の際は、製品の利用者が普段お使いの言葉で、製品事故が発生する前に
みられる「予兆(現象)」情報を「SAFE-Lite」に入力すると、同じ現象の事故だけ
ではなく、よく似た事故情報も表示されます。これにより、様々な視点から事故
となる危険性やその場合の被害状況などを調べられることで、事故の未然防止に
つながることを期待しています。
SAFE-Lite サイト
https://safe-lite.nite.go.jp/
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・消費生活用製品の重大製品事故に係る公表について 消費者庁
消費者庁は、消費生活用製品安全法第35条第1項の規定に基づき報告の
あった重大製品事故について、以下のとおり公表しています。
- 1/ 5 22件 https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_220105_01.pdf
- 1/ 7 17件 https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_220107_01.pdf
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・NITE講座「事業者等における製品安全の基礎知識@製品安全センター」受講生募集のお知らせ
リスクアセスメント講座では、製品安全でのリスクアセスメントの基本的な考え方
と実習、消費生活用製品に含まれる化学物質のリスク評価の考え方、事故情報を活
用した未然防止に繋がる事例などを紹介します。
受講者には本講座を受講することにより、企業等における設計や製造・品質管理に
おける製品安全対策等に役立てることが期待できます。
【科目名】 事業者等における製品安全対策の基礎知識
【日 程】 リスクアセスメント講座:2022年 1月28日(金曜日)13:00-17:00
※詳しくは「詳細」をご覧ください。
【実施形態】 オンラインによるライブ配信(Zoomウェビナーを使用予定)
【受講料】 無料
【定 員】 1000人
【各講座の主な対象者】
企業で製品の設計・開発や仕入れ業務に携わる方で、リスクアセスメントの
知見を得たい方
※講座は1日単位で選択して受講いただくようお願いいたします。
【詳 細】 https://www.nite.go.jp/jiko/event/kouza/2021fy/index2021.html
申込み等に関しては、上記のホームページの申込みフォームからお願いいたします。
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・「蓄電池システムの安全性評価に関するNITE講座@国際評価技術本部」受講生募集のお知らせ
本講座では、NITEが所有する”屋内型大型蓄電池システム評価施設(NLAB)”
で実施可能な安全性試験の概要、NLABで得られた安全性試験を活用して制定された
世界初の定置用大型蓄電池システムの国際規格の概要、及びその背景となる考え方
など、蓄電池システムの安全性評価に関する基礎的な情報を紹介します。
【日 時】2022年 1月 31日(月曜日)13:30~16:30(予定)
【実施形態】オンラインによるライブ配信(Zoomウェビナーを使用予定)
【定 員】1000名
【受 講 料】無料
【対 象 者】蓄電池及び蓄電池システム関連の業務・研究等に携わっている方、今後携わる予定の方
【募集期間】2022年1月31日(月曜日)講義開始まで
【申込方法】以下のURLにてお申し込みください。
URL: https://us06web.zoom.us/webinar/register/WN_1UwHRqAiSlijJZgj7Yo0lw
【講義内容】
「1.蓄電池システムの安全国際標準 IEC 62933-5-2 の概要」
需要・普及が拡大傾向にある蓄電池システムですが、これまで火災事故などの発生が
世界各地から報告されています。これらの事故事例に加え、蓄電池システムの安全性
に関する国際標準である、2020年4月に発行された「蓄電池システムの安全性に関す
る国際標準IEC 62933-5-2」及び、2021年3月に発行された国内対応規格である「電力
システムに接続される電気エネルギー貯蔵システムの安全要求事項-電気化学的シス
テム 日本産業規格JIS C 4441」について紹介します。
また、規格を活用した試験認証の整備動向と、関連する国際標準開発の動向について
も紹介します。
「2.リチウムイオン電池の基礎知識及びNLABの独自試験の紹介」
リチウムイオン電池の基礎知識と、NLABでは前例のない試験を安全に実施するための
検証について、実例を挙げて、検証時に発生した問題点やこれに対するアプローチ、
今後の課題などについて、概要を紹介します。
「3.NLABで実施出来る試験および今後の設備導入について」
NLABで実施出来る試験について、スペック・試験例を含め紹介します。
また、産業界からのニーズを元に新規に導入した試験装置や想定される試験についても
紹介します。活用のイメージをより具体的にお伝えするため、対応可能な規格やユニー
クな試験実績も紹介します。
NITE講座の詳細についてはこちら↓
HP:https://www.nite.go.jp/gcet/nlab/nite-kouza_2021_nlab.html
YouTube:https://www.youtube.com/watch?v=ZYplK6MP7WQ
「NITE国際評価技術本部(GCET)とは」
大型蓄電池システムやファインバブルなど、戦略的技術分野における、先進的な技術、
知見等を活用した評価技術の開発、国際標準の提案、認証基盤の整備等を行っています。
GCET NLABの紹介動画をNITE公式YouTubeから公開しております。
https://www.youtube.com/watch?v=pYHBju0mOYU
連絡先:国際評価技術本部nite講座事務局(gcet_nitekouza@nite.go.jp)
編集後記
注意喚起映像作成にあたり、初めて自分の手で除雪機を操作する機会がありました。膝ほどの高さがある雪の層が除雪機が通過するだけでかき消えて行き、これは積雪地域にはなくてはならない製品だと感じました。飛ばされていく雪はアーチを描き、日の当たる時間であれば太陽が反射し幻想的な風景となります。あの景色を思い出す度に、悲しい事故に繋げてはいけないと強く思います。
PSマガジン配信先の紹介等PSマガジンの普及にご協力をお願い致します。また、社内報や広報誌、回覧板などへの掲載も歓迎致します。
PSマガジンに関するお問い合わせ、「その他の製品安全情報」欄へ掲載のご希望などがありましたら、以下のメールアドレスまでご連絡ください。
Eメール:ps【アットマーク】nite.go.jp
(メールを送る際は【アットマーク】を@に変えてください)
配信停止、パスワード変更等は以下URLよりお願いいたします。
https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/mailmagazin/index.html
お問い合わせ
- 独立行政法人製品評価技術基盤機構 製品安全センター 製品安全広報課
-
TEL:06-6612-2066
FAX:06-6612-1617
住所:〒559-0034 大阪市住之江区南港北1-22-16 地図