Vol.394 12月15日号 「ストーブ、ファンヒーターの事故」
ストーブ、ファンヒーターの事故は毎年100件以上発生し、多くの方が被害に遭われています。事故の中には、可燃物を近づけない、清掃をきちんと行うなど、使用上の注意をよく確認し、誤った使い方をしないよう気を付けることで防げるものがあります。
一層寒さが増すこの時期に、使い方を確認し、事故を未然に防ぎましょう。
項目一覧
- 1.ストーブ、ファンヒーターの事故
- 2.製品事故収集情報(11月21日~12月11日 受付184件)
- 3.リコール情報(5件)
- 4.その他の製品安全情報
・SAFE-Liteのご案内
・消費生活用製品の重大製品事故に係る公表について
1.ストーブ、ファンヒーター事故
【事例1】
就寝中に電気ストーブを使用していたところ、周辺を焼損する火災が発生した。
→掛け布団の近くで電気ストーブを設置して使用していたため、掛け布団が過熱して発火したものと考えられる。なお、取扱説明書には、「燃えやすいものの近くでは使用しない。事故の原因となる。」旨、記載されている。
【事例2】
使用中の電気ストーブ付近から出火して、周辺を焼損し、1名がやけどを負う火災が発生した。
→電源プラグを延長コードのマルチタップ部分に長期間接続したまま放置していたため、マルチタップ部の電源プラグ差し込み部に埃等が蓄積し、トラッキング現象(※)が生じて焼損したものと考えられる。
(※)【トラッキング現象】
付着したほこりや水分によりトラック(電気の通り道)が生成され、異常発熱する現象。
【事例3】
電気ストーブを使用中、電源コードから火花が出た。
→電源プラグ側のコードプロテクター部に引っ張りや屈曲などの負荷が加わったことから、電源コード内部の芯線が断線し、短絡・スパークが発生したものと考えられる。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
【事例1の注意事項】
ストーブ、ファンヒーターをつけたまま就寝すると、寝具などの可燃物が放射熱で過熱されたり、高温部に触れたりすることで火災になるおそれがあり危険です。さらに就寝中は発見が遅れやすく、大きな火災につながるおそれがあります。就寝時の使用は絶対にしないでください。
【事例2の注意事項】
電源プラグやその接続部のほこりに注意してください。電源プラグの栓刃付近に堆積したほこりでトラッキング現象が発生するおそれがあります。また、延長コードに電気製品を接続する際は、接続可能な最大消費電力を超えないように注意してください。
【事例3の注意事項】
電源プラグや電源コードの付け根(コードプロテクター)で電源コードが断線し、スパークが発生したことによる火災が発生しています。電源コードに大きな力が加わり、断線するおそれがあるため、電源プラグをコンセントに差し込んだまま製品を移動させないでください。また、抜く際は電源プラグを持って抜いてください。同様に、保管時に電源コードを本体にきつく巻き付けないでください。
■NITEでは2021年11月25日にストーブ、ファンヒーターの事故に関する注意喚起 「毎年100 件以上発生 ~ストーブ、ファンヒーターの事故に注意!!~」をプレスリリースしました。
https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/press/2021fy/prs211125.html
■その他のストーブ、ファンヒーターの事故情報も併せてご参照ください。
(再現実験映像)
(1)石油ストーブ「1.ガソリンの誤給油」
https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/nenshou/02040101.html
(2)石油ストーブ「11.洗濯物の落下」
https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/nenshou/2020112602.html
(3)石油ストーブ「12.近くでアルコール消毒液を使用して引火」
https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/nenshou/2020112603.html
(4)石油ストーブ「13.清掃不足で異常燃焼」
https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/nenshou/20211125.html
(5)電気ストーブ「2.洗濯物の接触」
https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/kaden/01180102.html
(6)電気ストーブ「3.ふとんの接触」
https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/kaden/02110102.html
(7)電気ストーブ「4.落下したタオルから発火」
https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/kaden/17112201.html
(8)電気ストーブ「6.消し忘れて洗濯物が接触」
https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/kaden/2020112601.html
(9)ファンヒーター「3.ガソリンの誤給油」
https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/nenshou/2018112201.html
(注意喚起ミニポスター)
(1)石油ストーブは掃除してから使おう
https://www.nite.go.jp/data/000129535.pdf
(2)暖房器具の事故
https://www.nite.go.jp/data/000004815.pdf
(3)石油ストーブでの火災
https://www.nite.go.jp/data/000055703.pdf
(4)石油ストーブによる火災
https://www.nite.go.jp/data/000076545.pdf
(5)石油ストーブによる死亡事故
https://www.nite.go.jp/data/000101518.pdf
(6)電気ストーブの事故
https://www.nite.go.jp/data/000087910.pdf
(7)電気ストーブの可燃物接触による火災
https://www.nite.go.jp/data/000116477.pdf
■その他の事故事例は、「事故情報の検索」で「ストーブ」、「ファンヒーター」等をキーワードに検索していただけます。
https://www.nite.go.jp/jiko/jiko-db/accident/search/
2.製品事故収集情報
消費生活用製品の事故情報収集状況
(11月21日~12月11日 受付 184件)
NITEに通知のあった事故情報から、件数の多い製品を掲載します。
製品名( 事故状況と件数 )
- 1.ベッドフレーム(軽傷等 82件)
- 2.ガス給湯器(火災等 7件)
- 3.自転車(重傷等 6件)
- 4.バッテリー(軽傷等 5件)
- 4.照明器具(火災等 5件)
最新事故情報(これまでの受付情報もご確認いただけます)
https://www.nite.go.jp/jiko/jikojohou/information/index.html
事故情報の提供をお願いいたします。
事故の再発防止のため、有効に活用させていただきます。
https://www.nite.go.jp/jiko/jikojohou/shushu/index.html
3.リコール情報
- ・トラスコ中山株式会社(法人番号 5120001108073)
「検電器」2021/05/10
【詳細】https://www.nite.go.jp/data/000130033.pdf - ・オムロンソーシアルソリューションズ株式会社(法人番号 7010401090640)
「リチウム蓄電池」2021/07/05(HP)
【詳細】https://socialsolution.omron.com/jp/ja/news/20210705.html
https://socialsolution.omron.com/jp/ja/news/20211119.html - ・株式会社スチール(法人番号 4060001005435)
「手袋(作業用)」2021/11/19(HP)
【詳細】https://www.stihl.co.jp/gloves-recall.aspx - ・GreedFactory株式会社(法人番号 1120101062414)
「トーチバーナー」2021/12/01(HP)
【詳細】https://greedfactory.storeinfo.jp/pages/4209038/about - ・パナソニック株式会社(法人番号 5120001158218)
「インターホン(モニターテレビ付)」2021/12/01(HP)
【詳細】https://panasonic.co.jp/ap/s/intercoms/202112/
4.その他の製品安全情報
・SAFE-Lite
NITEは、より安心・安全な社会になることを目指して、製品安全に関する情報
を発信してきました。NITEのウェブサイトでは、事故情報データベース、
リコール情報や誤使用に関する注意喚起などを発信しています。
NITEのホームページでは事故情報をどなたでも簡単にウェブ検索できる
「SAFE-Lite」をサービス提供しております。
「SAFE-Lite」は、製品の危険性を評価するリスクアセスメント・ツール
「製品事故予測システムSAFE」の「あいまい」機能をWeb化したシステムです。
NITEのホームページから「SAFE-Lite」へアクセスできます。
お使いの製品で異常を感じた際に、「SAFE-Lite」で事故となる危険性を調べる
ことで、必要な対策の参考情報を得ることができます。
ご利用の際は、製品の利用者が普段お使いの言葉で、製品事故が発生する前に
みられる「予兆(現象)」情報を「SAFE-Lite」に入力すると、同じ現象の事故だけ
ではなく、よく似た事故情報も表示されます。これにより、様々な視点から事故
となる危険性やその場合の被害状況などを調べられることで、事故の未然防止に
つながることを期待しています。
SAFE-Lite サイト
https://safe-lite.nite.go.jp/
===============================
・消費生活用製品の重大製品事故に係る公表について 消費者庁
消費者庁は、消費生活用製品安全法第35条第1項の規定に基づき報告の
あった重大製品事故について、以下のとおり公表しています。
- 11/26 11件 https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_211126_01.pdf
- 11/30 10件 https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_211130_01.pdf
- 12/3 11件 https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_211130_01.pdf
- 12/7 6件 https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_211207_01.pdf
- 12/10 22件 https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_211210_1.pdf
- 12/14 10件 https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_211214_01.pdf
編集後記
子どもの頃、電気ストーブに濡れた布巾を掛けると、すぐに湯気が上がってみるみる乾いていくのが面白くなって、何度か繰り返しているうち、ほんの少し目を離していたら、湯気と異なる白煙が上がっていることに気づきました。慌てて布巾を取りましたが、見事に焦げていました。ホントに危なかったです。。濡れた布でも、ストーブが近いとあっという間に燃えてしまうので、やはり衣類などの乾燥に使うのは危険です。反省してます。
PSマガジン配信先の紹介等PSマガジンの普及にご協力をお願い致します。また、社内報や広報誌、回覧板などへの掲載も歓迎致します。
PSマガジンに関するお問い合わせ、「その他の製品安全情報」欄へ掲載のご希望などがありましたら、以下のメールアドレスまでご連絡ください。
Eメール:ps【アットマーク】nite.go.jp
(メールを送る際は【アットマーク】を@に変えてください)
配信停止、パスワード変更等は以下URLよりお願いいたします。
https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/mailmagazin/index.html
お問い合わせ
- 独立行政法人製品評価技術基盤機構 製品安全センター 製品安全広報課
-
TEL:06-6612-2066
FAX:06-6612-1617
住所:〒559-0034 大阪市住之江区南港北1-22-16 地図