製品安全

Vol.390  10月12日号 「加湿器の事故」

空気が乾き始め、加湿器を準備されている方も多いかと思います。誤った掃除方法や使い方で思わぬ事故がおきることもあります。
今回は加湿器の事故を紹介します。

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項目一覧

  • 1.加湿器の事故
  • 2.製品事故収集情報(9月19日~10月9日 受付 298件)
  • 3.リコール情報(2件)
  • 4.その他の製品安全情報
    ・「2021年度 製品安全基本教育講座」のご案内 一般社団法人KEC関西電子工業振興センター
    ・リスクアセスメントツール「SAFE-Pro」のご案内
    ・SAFE-Liteのご案内
    ・iPod nanoの製品事故に係る定期報告
    ・消費生活用製品の重大製品事故に係る公表について
     

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1.加湿器の事故

加湿器には以下の4種類あります。
・ヒーターによる加熱でお湯を沸かし蒸気を出す「スチーム式」
・水に空気を送ることで加湿する「気化式」
・水を超音波によって微細な粒子にし、噴出することで加湿する「超音波式」
・上記を複合させた「ハイブリッド式」
以下事例ではどの方式が注意対象となる事故か「」書きで記述いたします。

【事例1】「全種対象」
加湿器の電源を入れたところ、加湿器の内部部品を焼損する火災が発生した。  

→使用者が加湿器を本体ごと丸洗いしたため、電源基板が浸水により短絡し、焼損したものと考えられる。なお、取扱説明書には、「加湿器を水に浸したり、丸洗いしない。底部の電気部に水が入ると、ショートや故障の原因になる。」旨、記載されている。

【事例2】「スチーム式対象」
加湿器を使用中、幼児が加湿器の蒸気口で、右手に火傷を負った。             

→保護者が加湿器を幼児の手の届くところで使用していたため、保護者が目を離した際に幼児が蒸気口に触れてしまい、火傷を負ったものと考えられる。なお、取扱説明書及び本体の蒸気口付近には、「蒸気口に手や顔を近づけない、火傷のおそれがある。幼児の手の届く範囲では使用しない。」旨、記載されている。

【事例3】「全種対象(コンセントから電源を取るタイプ)」
加湿器を使用中、加湿器の電源プラグ部及び周辺を焼損する火災が発生した。

→加湿器の電源プラグの栓刃に過度な外力が加わったことにより、栓刃が折れてスパークが発生し、電源プラグの樹脂部が焼損したものと考えられる。なお、取扱説明書には「電源プラグを抜くときは、電源コードを持たずに先端の電源プラグを持って引き抜く」、「電源コードを無理に曲げたり、引っ張ったりしない」旨、記載されている。

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【事例1の注意事項】
加湿器は電気製品です。基盤や電源部分などは水をかけると事故に至るおそれがあるため、取扱説明書・本体表示をよく読み手入れなどを行ってください。タンク受け部に溜まった水を排水する際にどの方向へ傾けて排水するか表示されています。必ず表示に従ってください。

【事例2の注意事項】
蒸気口からは高温の蒸気が出ているため、触れるとやけどのおそれがあります。特に幼児などは煙に興味を持って手を伸ばしたりする場合があるので、幼児の手の届かない場所で使用し、蒸気の危険についても言い聞かせてください。             

【事例3の注意事項】
無理に引っ張ったり、机の足で踏んだりと電源プラグや電源コードに過度に力が加わるような使い方はしないでください。変型や断線などした部分から発火するおそれがあります。

【その他注意事項】
加湿器には家庭用コンセントから電源を取るタイプの製品と、USBケーブルで電源を取るタイプの製品があります。USBタイプのものは卓上に設置される場合が多いですが、周囲の電気製品にミストが直接かからないよう注意してください。


■その他の加湿器の事故情報も併せてご参照ください。
 (再現実験映像)
  (1)加湿器「1.加湿器の蒸気で子どもがやけど」
   https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/sonota/1612.html
  (2)空気清浄機「1. スチーム式加湿機能付の蒸気吹出口でやけど」
      https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/kaden/20200428.html

 
 (注意喚起ミニポスター)
  (1)加湿器、空気清浄機、除湿器の事故
      https://www.nite.go.jp/data/000004867.pdf

■その他の事故事例は、「事故情報の検索」で「加湿器」等をキーワードに検索していただけます。
  https://www.nite.go.jp/jiko/jiko-db/accident/search/

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2.製品事故収集情報

消費生活用製品の事故情報収集状況
(9月19日~10月9日 受付 298件)
NITEに通知のあった事故情報から、件数の多い製品を掲載します。

製品名( 事故状況と件数 )

  • 1.洗面化粧台( 製品破損等 221件)
  • 2.モバイルバッテリー( 火災等 6件)
  • 3.エアコン( 火災等 5件)
  • 4.自転車( 重傷等 4件)
  • 5.電動アシスト自転車( 火災等 3件)

最新事故情報(これまでの受付情報もご確認いただけます)
https://www.nite.go.jp/jiko/jikojohou/information/index.html

事故情報の提供をお願いいたします。
事故の再発防止のため、有効に活用させていただきます。
https://www.nite.go.jp/jiko/jikojohou/shushu/index.html
 

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3.リコール情報

  • ・Calm株式会社(法人番号 6080001020959)
        「空気清浄機(充電式)」2021/09/27(HP)
        【詳細】https://www.calm-trade.com/replace
  • ・株式会社アベル(法人番号 6012401015347)
        「リチウム電池内蔵充電器」2021/10/01(HP)
        【詳細】https://www.avail-j.co.jp/recall_li3sl/

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4.その他の製品安全情報

・「2021年度 製品安全基本教育講座」のご案内  一般社団法人KEC関西電子工業振興センター

 本講座は製品安全の基本から個別の製品についてのIEC安全規格の具体的な
要求事項網羅した講座です。下期の講座4講、5講、6講では、機器別の
IEC安全規格の具体的な要求事項の解説を行います。
 なお、オンライン開催の手続きのため、募集締切が開催前1か月前と従来より早く
設定されているため、受講ご希望の方はお早めに申込をお願いします。
  
【会 場】  Zoomによるオンライン 時間 13:00~17:00

【講座内容】 第4講 2021年11月26日[金] 
                 機器別IEC規格要求:IT機器 IEC60950-1の要求

       第5講 2021年12月17日[金] 
                 機器別IEC規格要求:AV・IT・CT機器 IEC62368-1の要求

       第6講 2022年 1月28日[金] 
                 機器別IEC規格要求:電化機器 IEC60335-1の要求

【参加費】  KEC会員 7,000円 非会員 10,000円 (1講座当たり)
【詳 細】  https://www.kec.jp/seminar/anzen21/
         なお、1講、2講、3講は申込はできません。
  問合せ先: 一般社団法人KEC関西電子工業振興センター
        専門委員会推進部  事務局 藤田 泰男
        TEL:0774-29-9041 E-mail:publication01@kec.jp

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・リスクアセスメントツール「SAFE-Pro」のご案内

NITEではこのたび「SAFE-Pro」の利用申請受付を開始しました。
「SAFE-Pro」は、事業者の皆様が製品の開発・設計段階や市場品質の改善に
向けた取り組みを加速することを念頭に、NITEが保有する製品事故に関する
情報を事故発生シナリオとしてWeb上から参照できるよう開発したリスクアセ
スメントツールで、用途に応じて様々な検索を行うことができます。

SAFE-Proは、下記ページから利用申請を受け付けています。
https://www.nite.go.jp/jiko/jikojohou/safe-pro.html

2019年11月から製造事業者を中心にインストール用DVDで提供しています
(利用者申請が必要)。

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・SAFE-Lite
        
NITEは、より安心・安全な社会になることを目指して、製品安全に関する情報
を発信してきました。NITEのウェブサイトでは、事故情報データベース、
リコール情報や誤使用に関する注意喚起などを発信しています。

NITEのホームページでは事故情報をどなたでも簡単にウェブ検索できる
「SAFE-Lite」をサービス提供しております。

「SAFE-Lite」は、製品の危険性を評価するリスクアセスメント・ツール
「製品事故予測システムSAFE」の「あいまい」機能をWeb化したシステムです。
 NITEのホームページから「SAFE-Lite」へアクセスできます。

お使いの製品で異常を感じた際に、「SAFE-Lite」で事故となる危険性を調べる
ことで、必要な対策の参考情報を得ることができます。

ご利用の際は、製品の利用者が普段お使いの言葉で、製品事故が発生する前に
みられる「予兆(現象)」情報を「SAFE-Lite」に入力すると、同じ現象の事故だけ
ではなく、よく似た事故情報も表示されます。これにより、様々な視点から事故
となる危険性やその場合の被害状況などを調べられることで、事故の未然防止に
つながることを期待しています。

SAFE-Lite サイト
https://safe-lite.nite.go.jp/

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・iPod nanoの製品事故に係る定期報告 経済産業省

  令和3年10月7日付、Apple Japan合同会社(旧 アップル ジャパン株式会
    社)の経済産業省へのiPod nano(第一世代)の製品事故に係わる定期報
    告がありました。令和3年8月1日から31日までの本体・バッテリー交換件
    数は94件となっています。同社が対策を開始した平成22年8月11日以降
    の本体・バッテリー交換件数の累計は306,852件となっています。
 
    https://www.meti.go.jp/product_safety/download/kouhyou210902_2.pdf

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・消費生活用製品の重大製品事故に係る公表について 消費者庁

  消費者庁は、消費生活用製品安全法第35条第1項の規定に基づき報告の
  あった重大製品事故について、以下のとおり公表しています。

  • 10/1   9件 https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_211001_01.pdf
  • 10/5   10件 https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_211005_01.pdf
  • 10/8   11件 https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_211008_01.pdf
  • 10/12  10件 https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_211012_01.pdf

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編集後記

10歳のころまで、湿度100%は水中にいるのと同じ状態だと勘違いしていました。実際は空気が含むことのできる水蒸気量の割合に対してどの程度水蒸気を含んでいるかという指標なのですが、これは気温により含むことのできる水蒸気量が変わるため、同じ100%でも熱いときと寒いときでは感じ方はまったく異なります。ちなみに、条件次第ですが湿度は100%以上になりえます。これが中々理解できず、水中でもがいてるような気持ちになりました。

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