Vol.386 8月10日号 「屋内における子どもの事故」
新型コロナウイルスの感染拡大防止対策のため、屋内で過ごす時間が長くなっています。外に出る機会が減ることで、子どもも屋内で遊ぶことが多くなり、興味を持ったものや遊びの延長での製品事故が発生するおそれが高まります。今回は屋内における子どもの事故を紹介します。
項目一覧
- 1.屋内における子どもの事故
- 2.製品事故収集情報(7月18日~7月31日 受付 99件)
- 3.リコール情報(7件)
- 4.その他の製品安全情報
・小学校高学年向け製品安全ワークブックについて
・令和3年度 製品安全対策優良企業表彰(PSアワード2021)募集中
・リスクアセスメントツール「SAFE-Pro」のご案内
・SAFE-Liteのご案内
・消費生活用製品の重大製品事故に係る公表について
1.屋内における子どもの事故
【事例1】
幼児がウォーターサーバーの背面を触っていたところ、温水タンクに触れてやけどを負った。
→使用者は、ウォーターサーバーをその背面と壁との間隔を広めに設置しており、使用者が目を離した際に、幼児がウォーターサーバーの背面にある放熱フィンの隙間から手指を差し入れて温水タンク表面に触れ、やけどを負ったものと考えられる。
【事例2】
電気ポットからお湯がこぼれ、乳児がやけどを負った。
→保護者が目を離した隙に乳児がローテーブル上に置いた電気ポットの電源コードを引いたため、電気ポット内のお湯をかぶり、やけどを負ったものと考えられる。
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【事例1の注意事項】
子どもは目につくもの、手が届くもの、興味を引くものをすぐに触ろうとします。特に乳幼児は、ウォーターサーバーに近づけないよう注意してください。台所など複数の危険が潜む場所は、ベビーゲートなどの柵を設置するなどして立ち入れないようにするのが有効な対策です。
【事例2の注意事項】
子どもには電気ポット・電気ケトルなど高温のお湯が入っている製品の危険について伝えてください。電気ポット・電気ケトルなどには、転倒してもお湯がこぼれにくいように対策がなされたものがあります。子どもがいるご家庭では、そういった製品の使用もご検討ください。
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■NITEでは2021年7月29日に屋内における子どもの事故に関する注意喚起 「子どもに忍び寄る危険~やけどを引き起こす様々な要因~」をプレスリリースしました。
https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/press/2021fy/prs210729.html
■その他の子どもの事故情報も併せてご参照ください。
(再現実験映像)
(1)電気ケトル「1.こぼれたお湯で子どもがやけど」
https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/kaden/2021072901.html
(2)ウォーターサーバー「2.乳幼児のやけどに注意!レバーの持ち上げ」
https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/kaden/1162.html
(3)電池・バッテリー「3.電池の誤飲」
https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/kaden/2019042501.html
(注意喚起ミニポスター)
(1)電気ケトルのやけどに注意
https://www.nite.go.jp/data/000127439.pdf
(2)ウォーターサーバーによるやけど事故
https://www.nite.go.jp/data/000072621.pdf
(3)ボタン電池の誤飲事故
https://www.nite.go.jp/data/000004834.pdf
■その他の事故事例は、「事故情報の検索」で「子ども」等をキーワードに検索していただけます。
https://www.nite.go.jp/jiko/jiko-db/accident/search/
2.製品事故収集情報
消費生活用製品の事故情報収集状況
(7月18日~7月31日 受付 99件)
NITEに通知のあった事故情報から、件数の多い製品を掲載します。
製品名 ( 事故状況と件数 )
- 1.電気ストーブ (火災等 53件)
- 2.エアコン (火災等 4件)
- 3.自転車 (重傷等 3件)
- 4.照明器具 (火災等 2件)
- 4.バッテリー (火災等 2件)
最新事故情報(これまでの受付情報もご確認いただけます)
https://www.nite.go.jp/jiko/jikojohou/information/index.html
事故情報の提供をお願いいたします。
事故の再発防止のため、有効に活用させていただきます。
https://www.nite.go.jp/jiko/jikojohou/shushu/index.html
3.リコール情報
- ・株式会社トンボ鉛筆 (法人番号 2011501003348)
「文具(消しゴム)」2021/05/17(HP)
【詳細】https://www.tombow.com/notice/210517/ - ・株式会社ロストアロー (法人番号 6030001069217)
「登高器(クライミング用)」2021/07/13(HP)
【詳細】https://www.lostarrow.co.jp/info/notice/NT20210713_BE_TractUpRecall.html - ・株式会社イルカ(法人番号 2011001062621)
「自転車(ハンドルポスト)」2021/07/21(HP)
【詳細】https://www.iruka.tokyo/news/handlepost-recall-replacement - ・株式会社高儀(法人番号 3110001014357)
「電動工具(電気バリカン、充電式)」2021/07/26(HP)
【詳細】https://www.takagi-plc.co.jp/info_product/post_1493 - ・株式会社サンコウ(法人番号 3290001053404)
「収納家具(コンセント付家具)」2021/07/31(HP)
【詳細】http://www.sankou-s.com/ - ・株式会社スミス (法人番号 4190001007451)
「自転車(ホイール)」2021/08/03(HP)
【詳細】http://www.smith.ne.jp/product_recall_20210803.html - ・ライトウェイプロダクツジャパン株式会社(法人番号 9013301014725)
「ドリンクボトル(サイクリング用)」2021/08/06(HP)
【詳細】https://www.riteway-jp.com/headline_news/20210803_camelbak.html
4.その他の製品安全情報
・小学校高学年向け製品安全ワークブックについて 経済産業省
小学生を対象として、製品安全への理解を深めていただくため製品安全ワーク
ブックを改訂しました。
なぜ製品事故が起こるのか、どのようにすれば製品事故が防げるのかについて、
子どもと大人が一緒に学ぶことの出来る教材となっています。
ぜひ夏休みの自由研究などにご活用ください。
【詳 細】 https://www.meti.go.jp/product_safety/consumer/kyouiku.html
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・令和3年度 製品安全対策優良企業表彰(PSアワード2021)募集中 経済産業省
令和3年度製品安全対策優良企業表彰(PSアワード2021)の募集中です。
PSアワードは、企業や団体の製品安全に関する優れた取り組みを表彰する
制度です。
製品安全に積極的に取り組む皆様からのご応募をお待ちしております。
【募集期間】 7月1日(木)~8月31日(火)
【募集対象】
・「消費生活用製品」の製造・輸入、小売販売事業を行っている事業者
・「消費生活用製品」に関連した事業を行っている企業・団体
・ネットモール運営事業者
【個別相談会】
応募を検討されている皆様を対象に、オンラインまたは電話による
個別相談会を実施いたします。
・開催日程 7月5日(月)~8月20日(金) 受付時間:9時~17時
詳細については、PSアワードWEBページをご確認ください。
【詳 細】 https://www.meti.go.jp/product_safety/ps-award/
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・リスクアセスメントツール「SAFE-Pro」のご案内
NITEではこのたび「SAFE-Pro」の利用申請受付を開始しました。
「SAFE-Pro」は、事業者の皆様が製品の開発・設計段階や市場品質の改善に
向けた取り組みを加速することを念頭に、NITEが保有する製品事故に関する
情報を事故発生シナリオとしてWeb上から参照できるよう開発したリスクアセ
スメントツールで、用途に応じて様々な検索を行うことができます。
SAFE-Proは、下記ページから利用申請を受け付けています。
https://www.nite.go.jp/jiko/jikojohou/safe-pro.html
2019年11月から製造事業者を中心にインストール用DVDで提供しています
(利用者申請が必要)。
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・SAFE-Lite
NITEは、より安心・安全な社会になることを目指して、製品安全に関する情報
を発信してきました。NITEのウェブサイトでは、事故情報データベース、
リコール情報や誤使用に関する注意喚起などを発信しています。
NITEのホームページでは事故情報をどなたでも簡単にウェブ検索できる
「SAFE-Lite」をサービス提供しております。
「SAFE-Lite」は、製品の危険性を評価するリスクアセスメント・ツール
「製品事故予測システムSAFE」の「あいまい」機能をWeb化したシステムです。
NITEのホームページから「SAFE-Lite」へアクセスできます。
お使いの製品で異常を感じた際に、「SAFE-Lite」で事故となる危険性を調べる
ことで、必要な対策の参考情報を得ることができます。
ご利用の際は、製品の利用者が普段お使いの言葉で、製品事故が発生する前に
みられる「予兆(現象)」情報を「SAFE-Lite」に入力すると、同じ現象の事故だけ
ではなく、よく似た事故情報も表示されます。これにより、様々な視点から事故
となる危険性やその場合の被害状況などを調べられることで、事故の未然防止に
つながることを期待しています。
SAFE-Lite サイト
https://safe-lite.nite.go.jp/
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・消費生活用製品の重大製品事故に係る公表について 消費者庁
消費者庁は、消費生活用製品安全法第35条第1項の規定に基づき報告の
あった重大製品事故について、以下のとおり公表しています。
- 7/30 17件 https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_210730_01.pdf
- 8/3 6件 https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_210803_01.pdf
- 8/6 13件 https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_210806_01.pdf
編集後記
子どもの好奇心には際限がありません。危険からいくら遠ざけても、目を離した隙にいつのまにか近づいてしまう程です。大人にとってしなければならないことは、子どもの目に危険が入らないように隠すことではなく、何が危険なのかを教え、自ら危険から離れられるように教えることではないかと思う次第です。
PSマガジン配信先の紹介等PSマガジンの普及にご協力をお願い致します。また、社内報や広報誌、回覧板などへの掲載も歓迎致します。
PSマガジンに関するお問い合わせ、「その他の製品安全情報」欄へ掲載のご希望などがありましたら、以下のメールアドレスまでご連絡ください。
Eメール:ps【アットマーク】nite.go.jp
(メールを送る際は【アットマーク】を@に変えてください)
配信停止、パスワード変更等は以下URLよりお願いいたします。
https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/mailmagazin/index.html
お問い合わせ
- 独立行政法人製品評価技術基盤機構 製品安全センター 製品安全広報課
-
TEL:06-6612-2066
FAX:06-6612-1617
住所:〒559-0034 大阪市住之江区南港北1-22-16 地図