Vol.380 5月18日号 「キャンプ用品の事故」
近年キャンプの参加人口は上昇し続けており、5月はキャンプ場を利用する人が増える時期です。特に新型コロナウイルス感染症の影響で、3 密(密閉・密集・密接)を避け、ソーシャルディスタンスを保つことができるレジャーの一つとして、自然の中で過ごすキャンプ需要がさらに高まっています。今回は、キャンプ用品の事故を紹介します。
項目一覧
- 1.キャンプ用品の事故
- 2.製品事故収集情報(4月18日~5月1日 受付 277件)
- 3.リコール情報(3件)
- 4.その他の製品安全情報
・SAFE-Liteのご案内
・iPod nanoの製品事故に係る定期報告
・消費生活用製品の重大製品事故に係る公表について
1.キャンプ用品の事故
【事例1】
ベランダで2口のカートリッジガスこんろを使用中、ガスカートリッジ付近から出火した。
→使用者がこんろの器具栓つまみを無理に回すなどの操作を行ったため、ガスカートリッジ接続部が破損した。破損した接続部にガスカートリッジを無理に取り付けようとしたことでガスが漏れ、滞留したガスにバーナーの炎が引火したものと考えられる。
【事例2】
ガストーチを点火したところ、ガスカートリッジ接続部付近から出火し、ガストーチが焼損した。
→ガストーチのO(オー)リング(※)にひずみが生じてガスが漏れたこと、及び使用者がガス漏れを認識しながらそのまま使用したことでOリングから漏れたガスにバーナーの火が引火したものと考えられる。
※【Oリング】
ガス機器の燃料供給接続部分に使用される断面が円形の環型をした燃料漏れ防止用ゴムパッキン。
【事例3】
カートリッジガスこんろを使用中、破裂し火災が発生した。
→使用者がカートリッジガスこんろをれんがで囲った状態で使用したため、囲まれた空間の温度が上昇し、ガスカートリッジが加熱されて内圧が上昇し、破裂に至ったものと考えられる。
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【事例1、2の注意事項】
ガスカートリッジは、取扱説明書の指示に従って正しく接続してください。誤って接続された状態で使用すると、ガスが漏れ、火災に至るおそれがあります。接続後に異音や異臭などがある場合、ガスが漏れているおそれがあります。直ちに使用を中止してください。機器の破損が考えられる場合、購入店や製造事業者に問い合わせてください。
【事例3の注意事項】
こんろ全体を覆う大きさの鍋を使用したり、こんろの周囲を囲うなど、ガスカートリッジが加熱される使用をしないでください。ガスカートリッジが破裂するおそれがあります。
■NITEでは2021年4月28日にキャンプ用品に関する注意喚起「増加するキャンプ需要~初心者が守るべき注意点~」をプレスリリースしました。
https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/press/2021fy/prs210428.html
■キャンプ用品の事故情報をご参照ください。
(再現実験映像)
(1)カートリッジガスこんろ「2.漏れたガスに引火」
https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/sonota/2021042801.html
(2)テント「1. 一酸化炭素中毒に注意」
https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/sonota/2021042802.html
(注意喚起ミニポスター)
(1)カートリッジガスこんろのガス漏れに注意
https://www.nite.go.jp/data/000124372.pdf
■その他の事故事例は、「事故情報の検索」で「カートリッジガスこんろ」、「カセットこんろ」、「キャンプ」、「テント」等をキーワードに検索していただけます。
https://www.nite.go.jp/jiko/jiko-db/accident/search/
2.製品事故収集情報
消費生活用製品の事故情報収集状況
(4月18日~5月1日 受付 277件)
NITEに通知のあった事故情報から、件数の多い製品を掲載します。
製品名 ( 事故状況と件数 )
- 1. ベビーカー (軽傷等 208件)
- 2.バッテリー (火災 4件)
- 3.IH調理器 (火災 3件)
- 3.電気ストーブ (火災 3件)
- 4.自転車、他10製品 (重傷等 各2件)
最新事故情報(これまでの受付情報もご確認いただけます)
https://www.nite.go.jp/jiko/jikojohou/information/index.html
事故情報の提供をお願いいたします。
事故の再発防止のため、有効に活用させていただきます。
https://www.nite.go.jp/jiko/jikojohou/shushu/index.html
3.リコール情報
- ・ピジョン株式会社 (法人番号 8010001027298)
「ベビーカー」 4/16(HP)
【詳細】 https://www.pigeon.co.jp/news/files/pdf/20210416.pdf - ・長谷川刃物株式会社 (法人番号 2200001019471)
「自動車用緊急脱出用支援具」 4/21(HP)
【詳細】 http://www.hasegawacutlery.com/information/1788/ - ・イケア・ジャパン株式会社 (法人番号 1040001021866)
「レーザー水準器」 5/14(HP)
【詳細】 https://www.ikea.com/jp/ja/customer-service/product-support/recalls/20210514-fixa-pube84b4ca0
4.その他の製品安全情報
SAFE-Lite
NITEは、より安心・安全な社会になることを目指して、製品安全に関する
情報を発信してきました。NITEのウェブサイトでは、事故情報データベース、
リコール情報や誤使用に関する注意喚起などを発信しています。
NITEのホームページでは事故情報をどなたでも簡単にウェブ検索できる
「SAFE-Lite」をサービス提供しております。
「SAFE-Lite」は、製品の危険性を評価するリスクアセスメント・ツール
「製品事故予測システムSAFE(※)」の「あいまい」機能をWeb化した
システムです。NITEのホームページから「SAFE-Lite」へアクセスできます。
※SAFE(System for Accident Forecasting Events)は、2019年11月から製造
事業者を中心にインストール用DVDで提供しています(利用者申請が必要)。
お使いの製品で異常を感じた際に、「SAFE-Lite」で事故となる危険性を調べる
ことで、必要な対策の参考情報を得ることができます。
ご利用の際は、製品の利用者が普段お使いの言葉で、製品事故が発生する前に
みられる「予兆(現象)」情報を「SAFE-Lite」に入力すると、同じ現象の事故だけ
ではなく、よく似た事故情報も表示されます。これにより、様々な視点から事故
となる危険性やその場合の被害状況などを調べられることで、事故の未然防止に
つながることを期待してます。
SAFE-Lite サイト
https://safe-lite.nite.go.jp/
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iPod nanoの製品事故に係る定期報告 経済産業省
令和3年4月30日付、Apple Japan合同会社(旧 アップル ジャパン株式会社)の経済産業省へのiPod nano(第一世代)の製品事故に係わる定期報告がありました。令和3年3月1日から31日までの本体・バッテリー交換件数は96件となっています。同社が対策を開始した平成22年8月11日以降の本体・バッテリー交換件数の累計は306,406件となっています。
https://www.meti.go.jp/product_safety/download/kouhyou210510_1.pdf
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消費生活用製品の重大製品事故に係る公表について 消費者庁
消費者庁は、消費生活用製品安全法第35条第1項の規定に基づき報告のあった重大製品事故について、以下のとおり公表しています。
- 4/30 10件 https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_210430_01.pdf
- 5/7 12件 https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_210507_01.pdf
- 5/11 7件 https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_210511_1.pdf
- 5/14 5件 https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_210514_01.pdf
- 5/18 6件 https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_210518_01.pdf
編集後記
ガレージにテントを設置して”おうちキャンプ”をしているお宅やバーベキューを楽しんでいる様子を近所で見かけました。外で食べるご飯は、何故かおいしいと感じる気がしますし、テントの中ではちょっといつもと違う雰囲気を楽しめますが、製品をいつもと違う場所で使ったり、いつもと違う使い方をする際は、誤使用になっていないか、取扱説明書も確認して、事故の無いように気をつけましょう。
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https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/mailmagazin/index.html
お問い合わせ
- 独立行政法人製品評価技術基盤機構 製品安全センター 製品安全広報課
-
TEL:06-6612-2066
FAX:06-6612-1617
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