製品安全

Vol.366  10月13日号 「中古品の事故」

おうち時間を活用するなどして、断捨離を始める方も少なくありません。また、フリマアプリなどの登場により、個人間の物品の売買が気軽にできるようになり、リサイクルショップ以外にもインターネットなどで中古品を利用する機会が増えています。しかし、中古品を使用することで、製品の使用状態など入手前の情報が得られず思わぬ事故になるおそれもあります。今回は中古品の事故をご紹介します。

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項目一覧

  • 1.中古品の事故
  • 2.製品事故収集情報(9月13日~10月3日 受付96件)
  • 3.リコール情報(2件)
  • 4.その他の製品安全情報
    ・消費生活用製品の重大製品事故に係る公表について
    ・iPod nanoの製品事故に係る定期報告

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1.中古品の事故

【事例1】
譲渡された電気ストーブ付近から出火し、周辺を焼損した。

→電源コードを途中で切断し、別のプラグ付コードをねじり接続したため、接続部で接触不良が生じて異常発熱し、焼損したものと考えられる。
なお、電源コードがねじり接続されていた経緯は特定できなかった。

【事例2】
リサイクルショップで購入したリコール対象製品の電気洗濯機を使用中、本体及び周辺を焼損する火災が発生した。

→電気洗濯機のモーター用コンデンサーの製造時に異物が混入していたため、使用中に徐々に絶縁劣化を起こし、内部ショートが生じて出火に至ったものと考えられる。
なお、使用者は入手時にリコール対象製品だと認識していなかった。

【事例3】
譲渡された折り畳み自転車で走行中に自転車の折り畳み機構部分が折り畳まれ、転倒して負傷した。

→折り畳み自転車の折り畳み部の固定調整ボルトが緩んだ状態で乗車したために、走行時に折り畳みの固定部が開放し、転倒したものと考えられる。
なお、取扱説明書には、「折り畳みの固定部が緩んだまま運転しない」旨及び折り畳みの固定調整ボルトが緩んだ際の対応方法が記載されていたが、使用者が自転車を知人から譲り受けた際に、取扱説明書を入手していなかった。

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【事例1の注意事項】
提供者(使用者)自らが修理や改造した製品を中古品として譲渡したり売却したりしないでください。修理・改造された箇所やその際にできた損傷などが動作の異常を起こし、事故になるおそれがあります。修理・改造されたことが分かった場合は、入手しないでください。中古品を入手した後に分かった場合は、使用を中止してください。また、外見では確認しづらい製品内部などの箇所が改造されていたことによる事故も発生しております。中古品を使用していて、動作が不安定、異臭・異音がするなどの異常が認められた場合には、すぐに使用を中止してください。
また、製品を分解したり修理したりしないでください。修理が必要な場合は、事業者の相談窓口などに相談してください。

【事例2の注意事項】
中古品の場合、購入時の所有者ではないため、リコール情報が届きにくくなるおそれがあります。提供する側も入手する側もリコール対象製品でないことを確認してください。リコール対象製品と分かった場合は絶対に提供せず、製造事業者などに連絡してください。また、入手した製品がリコール対象製品だった場合は、使用せずに製造事業者などに連絡してください。

【事例3の注意事項】
中古品を入手する際は、取扱説明書を同時に入手するなどし、使用方法をしっかりと確認してください。使用方法を正しく把握していないことで、思わぬ事故につながるおそれがあります。取扱説明書を入手できなかった場合は、製品を扱っている事業者のホームページなどから取扱説明書や使用方法の情報を集め、正しい使い方を把握しましょう。不明な点があれば、事業者などに確認しましょう。
また、消費者自身が設置する製品では、別冊の取付設置説明書等が付属している場合があります。取扱説明書に「取付設置説明書別添付」などと書いてある機器は、取付設置説明書も入手しましょう。

【中古品の事故を防ぐポイント】
中古品を利用する際は、製品や製品の使用状態などをよく確認してください。知らずに使用していると、火災などの事故に至るおそれがあります。特に、リコール対象製品かどうか、修理・改造の履歴がないか、非純正品が使用されていないか、長期間使用されていないかなどについて確認するようにしましょう。

■NITEでは2020年9月24日に中古品の事故をプレスリリースしています。
   https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/press/2020fy/prs200924.html

■その他中古品に関する事故情報も併せてご参照ください。
  (再現実験映像)
   (1)電源コード「5.素人修理で発火」
   https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/kaden/01200302.html
   (2)電源コード「6.ねじり接続で発火」
   https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/kaden/015012904.html
   (3)エアコン「2.ねじり接続で発火」
   https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/kaden/1251.html
   (4)中古品「1.使用時の注意ポイント」
   https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/kaden/20092401.html

  (注意喚起ミニポスター)
   (1)中古品使用時の注意ポイント
   https://www.nite.go.jp/data/000115095.pdf

■その他の事故事例は、「事故情報の検索」で「中古」、「譲渡」、「リサイクル」等をキーワードに検索していただけます。
   https://www.nite.go.jp/jiko/jiko-db/accident/search/

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2.製品事故収集情報

消費生活用製品の事故情報収集状況
(9月13日~10月3日 受付96件)
NITEに通知のあった事故情報から、件数の多い製品を掲載します。

製品名       ( 事故状況と件数 )

  • 1.照明器具                  ( 火災等      12件)
  • 2.エアコン                  ( 火災        10件)
  • 3.モバイルバッテリー        ( 火災等       5件)
  • 3.ガス給湯器                ( 製品破損     5件)
  • 5.ノートパソコン            ( 火災等       4件)
  •  

最新事故情報(これまでの受付情報もご確認いただけます)
https://www.nite.go.jp/jiko/jikojohou/information/index.html

事故情報の提供をお願いいたします。
事故の再発防止のため、有効に活用させていただきます。
https://www.nite.go.jp/jiko/jikojohou/shushu/index.html
 

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3.リコール情報

  • ・株式会社ニトリホールディングス (法人番号 5430001044958)
    「電気こたつ」2016/04/13(HP)
    【詳細】 https://www.nitorihd.co.jp/news/items/20160413.pdf
  •  
  • 株式会社ニッカリ (法人番号 1260001005178)
    「刈払機」2020/09/11(HP)
    【詳細】 https://www.nikkari.co.jp/product/info/d26cbn

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4.その他の製品安全情報

・消費生活用製品の重大製品事故に係る公表について  消費者庁

消費者庁は、消費生活用製品安全法第35条第1項の規定に基づき報告のあった重大製品事故について、以下のとおり公表しています。

  • 9/25   9件 https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_200925_01.pdf
  • 9/29  13件 https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_200929_01.pdf
  • 10/2  11件 https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_201002_01.pdf
  • 10/6   7件 https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_201006_01.pdf
  • 10/9   7件 https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_201009_01.pdf
  • 10/13  6件 https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_201013_1.pdf
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・iPod nanoの製品事故に係る定期報告  経済産業省

令和2年9月30日付、Apple Japan合同会社(旧 アップル ジャパン株式会社)の経済産業省へのiPod nano(第一世代)の製品事故に係わる定期報告がありました。令和2年8月1日から31日までの本体・バッテリー交換件数は113件となっています。同社が対策を開始した平成22年8月11日以降の本体・バッテリー交換件数の累計は305,717件となっています。
  https://www.meti.go.jp/product_safety/download/kouhyou201002_2.pdf

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編集後記

中古品と言えば、お店やインターネットなどでお得に入手できるイメージですが、実は事故が多いのは譲渡された製品での事故です。皆さんも、家族や知人から何か譲ってもらった覚えはないでしょうか。以前、キャリーバッグを譲ってもらった際に鍵がなくてロックできずに困った覚えがあります。まだ使えるからと、親切心で譲ったもので事故が起きては大変です。譲渡する前に、取扱説明書はあるか、リコール対象製品ではないか、使用していて不具合はないかなど確認するようにしましょう。

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