Vol.336 7月9日号 「エアコンの事故」
エアコンがフル活動するこの季節。
まだまだ使えるからと、買い換えのタイミングが難しいものですが、久々に使い始めるこの時期、冷え方なども合わせてチェックしましょう。今回は、エアコンの事故をご紹介します。
エアコンの事故
【事例1】
エアコン室内機及びその周辺を焼損する火災が発生した。
→使用者がエアコンを設置する際に、エアコン室内機の電源プラグを延長コードに接続し、さらに接続部が宙に浮いた状態で使用していたため、接続部が緩むなどにより接触不良が生じて異常発熱し、焼損したものと推定される。なお、取扱説明書には、「据え付けは販売店又は専門業者に依頼する。延長コードは使用しない。感電や火災の原因になる。」旨、記載されている。
【事例2】
エアコンの室外機及びその周辺を焼損する火災が発生した。
→エアコン内部に小動物が侵入したことにより、基板表面に異物が付着し、当該製品が一時的に動作した際に基板上の銅箔パターン間でトラッキング現象が生じて出火したものと考えられる。
【事例3】
エアコン室内機及びその周辺を焼損する火災が発生した。
→エアコンのファンモーターの製造工程上の不具合により、ファンモーターに内蔵されたコンデンサーがショートし、発熱・発火し、出火に至ったものと考えられる。なお、製造事業者は2014年10月17日よりリコールに基づく製品の点検・修理を実施していたが、使用者がリコールを把握していたかは不明である。
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【事例1の注意事項】
電源コードを加工、修理しない。
電源コードの修理や他のコードとねじり接続(配線同士をねじって繋げる)など、コードを途中で接続するような加工は行わないでください。接続不良により、発煙・発火するおそれがあります。このような不適切な修理や加工は、「電源コードが短い」「長すぎる」「電源プラグの形状が異なる」といった理由で行われることがあります。電気工事には専門の知識が必要です。電源コードや電源プラグに不具合が生じた際は、必ず、電気工事業の資格を有した業者に相談するとともに、コンセントの移設などの電気工事は、電気工事士の資格を有した者が行ってください。
また、既に設置されている製品がこのような加工を施されていないか、使用開始前に点検してください。
【事例2の注意事項】
エアコン室外機のまわりに小動物(ゴキブリ、ナメクジ、ムカデ、ネズミなど)のすみかとなる段ボールやゴミ、植木鉢などを置かないでください。小動物が室外機内部に侵入し、電源基板に接触することによってトラッキング現象を起こし、発煙・発火するおそれがあります。
【事例3の注意事項】
リコール製品による事故を防ぐため、お持ちの製品がリコール対象かどうかを確認してください。リコール事例は、「リコール情報の検索」で製品名等をキーワードに検索
していただけます。
https://www.nite.go.jp/jiko/jiko-db/recall/search/
NITEでは2019年6月27日にエアコン・扇風機の事故をプレスリリースしています。
https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/press/2019fy/prs190627.html
エアコンによる事故に関する資料も併せてご参照ください。
(再現実験映像:リンク先で動画が視聴できますので是非ご覧下さい)
- (1)エアコン「1.電源コードの継ぎ足し接続で発火」
https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/kaden/01220101.html - (2)エアコン「2.ねじり接続で発火」
https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/kaden/1251.html - (3)エアコン「3.途中接続で発火」
https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/kaden/18062801.html - (4)エアコン「4.内部に洗浄液がかかりトラッキング現象で発火」
https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/kaden/1252.html - (5)エアコン「5.害虫が侵入し、内部ショート」
https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/sonota/170824.html
(注意喚起ミニポスター)
- (1)エアコンの火災事故に注意
https://www.nite.go.jp/data/000004295.pdf - (2)エアコン内部洗浄の事故
https://www.nite.go.jp/data/000081051.pdf - (3)エアコンの途中接続部で発火
https://www.nite.go.jp/data/000091505.pdf - (4)小動物や害虫による事故
https://www.nite.go.jp/data/000086345.pdf
その他の事故事例は、「事故情報の検索」で「エアコン」をキーワードに検索していただけます。
- https://www.nite.go.jp/jiko/jiko-db/accident/search/
2.製品事故収集情報
消費生活用製品の事故情報収集状況
(5月26日~6月8日 受付104件)
NITEに通知のあった事故情報から、件数の多い製品を掲載します。
製品名 ( 事故状況と件数 )
- 1.電気ストーブ (火災等 16件)
- 2.ガスこんろ ( 軽傷等 9件)
- 3.照明器具 ( 軽傷等 7件)
- 4.パソコン ( 火災等 4件)
- 4.電気冷蔵庫 ( 火災等 4件)
- 4.石油ファンヒーター ( 火災等 4件)
最新事故情報(これまでの受付情報もご確認いただけます)
https://www.nite.go.jp/jiko/jikojohou/information/index.html
事故情報の提供をお願いいたします。
事故の再発防止のため、有効に活用させていただきます。
https://www.nite.go.jp/jiko/jikojohou/shushu/index.html
3.リコール情報
- 東京サンエス株式会社(法人番号 7010501012536)
「自転車(クランク)」 6/25(HP)
【詳細】http://tsss.co.jp/web/?page_id=7360 - 株式会社サードウェーブ (法人番号 4010001018053)
「キーボード(リチウムイオン電池内蔵)」 6/27(HP)
【詳細】https://www.dospara.co.jp/5press/share_info.php?id=1584
4.その他の製品安全情報
・iPod nanoの製品事故に係る定期報告 経済産業省
令和元年7月1日付、Apple Japan合同会社(旧 アップル ジャパン株式会社)の経済産業省へのiPod nano(第一世代)の製品事故に係わる定期報告がありました。令和元年5月1日から31日までの本体・バッテリー交換件数は682件となっています。同社が対策を開始した平成22年8月11日以降の本体・バッテリー交換件数の累計は299,458件となっています。
https://www.meti.go.jp/product_safety/download/kouhyou190702_2.pdf
・消費生活用製品の重大製品事故に係る公表について 消費者庁
消費者庁は、消費生活用製品安全法第35条第1項の規定に基づき報告のあった重大製品事故について、以下のとおり公表しています。
- 6/28 12件 https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/release/2019/pdf/consumer_safety_release_190628_0001.pdf
- 7/2 15件 https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/release/2019/pdf/consumer_safety_release_190702_0001.pdf
- 7/5 3件 https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/release/2019/pdf/consumer_safety_release_190705_0001.pdf
- 7/9 9件 https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/release/2019/pdf/consumer_safety_release_190709_0001.pdf
編集後記
エアコンが手放せない季節となりました。
地球温暖化でしょうか、年々暑くなっている気がします。今はどこのオフィスも空調設備が整い、一年を通じて快適な温度を保っていると思います。
私が昔アルバイトをしていた会社は、夏のエアコンは、部屋の温度が28度を超えたら入れるという規則がありました。係の人が定期的に温度をチェックして回り、温度が28度を超えたと判断されたら、館内放送が流れます。「今から冷房を開始いたしますので、窓を閉めましょう。」うだる真夏の日、この放送が流れると、社内が歓声と拍手につつまれました。
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