Vol.322 12月11日号 「暖房器具の事故」
季節は正に冬本番となってきましたが、冬の季節は電気ストーブをはじめとする暖房器具を使う機会が増えるため、暖房器具の正しい使い方を確認し、事故を未然に防ぎましょう。
今回は暖房器具の事故を紹介します。
項目一覧
- 1. 暖房器具の事故
- 2. 製品事故収集情報(11月4日~11月17日 受付 95件)
- 3. リコール情報(4件)
- 4. その他の製品安全情報
・iPod nanoの製品事故に係る定期報告
・消費生活用製品の重大製品事故に係る公表について
1.暖房器具の事故
【事例1】
電気ストーブを使用中、製品及び周辺を焼損する火災が発生し、1名が死亡した。
→電気ストーブの前面ガードに繊維状の可燃物が接触して発火し、火災に至ったものと考えられる。
なお、取扱説明書には、「火災の原因となるため、燃えやすいものの近くで使用しない」旨、記載されていた。
【事例2】
石油ストーブを使用中、製品及び周辺を焼損する火災が発生し、住宅を全焼、1名が死亡した。
→使用者がカートリッジタンクのふたを十分に締めていなかったため、タンクをストーブへ戻す際にふたが外れ、灯油が漏れ、漏れた灯油が高温状態の燃焼部にかかり、火災に至ったものと考えられる。使用者は給油時にストーブの消火をしていなかった。
なお、取扱説明書には、「給油時は必ず消火する。給油後にふたを確実に締め、油漏れがないことを確認する。ふたを斜めにならないようにしっかり締める」旨、記載されていた。
【事例3】
石油ファンヒーターを使用中、製品及び周辺を焼損する火災が発生し、住宅を全焼、1名が死亡した。
→使用者がカートリッジタンクに誤ってガソリンを給油して点火したため、異常燃焼を起こし、火災に至ったものと考えられる。
なお、取扱説明書及びカートリッジタンクには「ガソリンの使用禁止。火災の原因になります」旨、記載されていた。
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【事例1の注意事項】
電気ストーブの上で衣類を乾燥させると、乾燥によって軽くなった衣類などが上昇気流であおられて落下し、高温部に接触することで、火災に至るおそれがあります。ストーブ前方に干しても、放射熱によって過熱される、空気の対流によって衣類などが高温部に接触するなど、危険です。電気ストーブの周囲に布団や衣類などを置いたり、カーテンの近くに電気ストーブを置いたりすると、放射熱による過熱や高温部への接触によって、火災のおそれがあります。このような使用方法は絶対にしないでください。
【事例2の注意事項】
「カートリッジタンクのふたの締め方が不十分だったなどで、灯油が漏れて発火した火災」の中には、消火せずに給油作業を行って事故に至ったものだけではなく、ストーブ等が消火状態でも、消火直後の高温状態の燃焼部に灯油がこぼれて発火した事故が発生しています。カートリッジタンクへの給油後は、ふたが閉まっていること、及び周囲に灯油が漏れていないことを必ず確認し、漏れがある場合はよく拭いてください。また、灯油がストーブにこぼれた場合は、灯油が機器内部に浸入し、再点火した際に引火するおそれがありますので、使用を中止して販売店や製造事業者に相談してください。
【事例3の注意事項】
ガソリンを誤って給油した場合、少量の混入であっても火災が生じるおそれがあります。灯油とガソリンを同じ容器や同じ場所に保管していたため、カートリッジタンクにガソリンを給油し火災に至る事故が発生しています。ガソリンは消防法に適合した金属製のガソリン携行缶に入れてください。灯油は専用容器に入れ、ガソリンとは別の場所に保管してください。
暖房器具に関する資料も併せてご参照ください。
(注意喚起ミニポスター(動画等))
https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/nenshou/02040101.html
https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/sonota/03300101.html
https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/kaden/17112201.html
https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/sonota/03110201.html
https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/sonota/03200402.html
https://www.nite.go.jp/data/000004815.pdf
その他の事故事例は、「事故情報の検索」で「ストーブ」や「ファンヒーター」などをキーワードに検索していただけます。
http://www.nite.go.jp/jiko/jikojohou/search/index.html
電気ストーブに関するリコール情報
- ユアサプライムス株式会社 (法人番号:6010001059673)
電気ストーブ(カーボンヒーター) 2016/03/19
http://www.yuasa-p.co.jp/wp/wp-content/uploads/2016/03/20170321.pdf - 燦坤日本電器株式会社 (法人番号:9010501021064)
カーボンヒーター/ハロゲン・ヒーター 2013/03/11
http://www.tsannkuen.jp
2.製品事故収集情報
消費生活用製品の事故情報収集状況
(11月4日~11月17日 受付95件)
NITEに通知のあった事故情報から、件数の多い製品を掲載します。
製品名 ( 事故状況と件数 )
- 1.直流電源装置 ( 製品破損等 26件)
- 2.ワイヤレスマウス ( 製品破損等 12件)
- 3.ガスこんろ ( 死亡等 6件)
- 4.エアコン ( 死亡等 4件)
- 4.リチウム電池内蔵充電器 ( 火災等 4件)
- 5.傘 ( 軽傷等 3件)
最新事故情報(これまでの受付情報もご確認いただけます)
https://www.nite.go.jp/jiko/jikojohou/information/index.html
事故情報の提供をお願いいたします。
事故の再発防止のため、有効に活用させていただきます。
https://www.nite.go.jp/jiko/jikojohou/shushu/index.html
3.リコール情報
①輸入:株式会社ヨシナ (法人番号:2122001008297)
販売:株式会社ピーナッツ・クラブ (法人番号:1122001006863)
「電子式冷温蔵庫(ワイン用)」 11/26(HP)
【詳細】
http://www.peanuts-club.co.jp/recall_winecellar/
②イケア・ジャパン株式会社 (法人番号:1040001021866)
「テーブル(伸長式)」 11/27(HP)
【詳細】
https://www.ikea.com/jp/ja/about_ikea/newsitem/20181127_glivarp_recall
③株式会社エア・リゾーム (法人番号:4120001114064)
「照明器具」 12/6(HP)
【詳細】
https://www.air-r.jp/info/information1/
④株式会社エーディテクノ (法人番号:2010001090797)
「液晶ディスプレイ」 12/7(HP)
【詳細】
http://www.ad-techno.com/news/recall_LCD1330.html
4.その他の製品安全情報
iPod nanoの製品事故に係る定期報告 経済産業省
平成30年12月3日付、Apple Japan合同会社(旧 アップル ジャパン株式会社)の経済産業省へのiPod nano(第一世代)の製品事故に係わる定期報告がありました。平成30年10月1日から31日までの本体・バッテリー交換件数は , 743件となっています。同社が対策を開始した平成22年8月11日以降の本体・バッテリー交換件数の累計は294,592件となっています。
http://www.meti.go.jp/product_safety/download/kouhyou181203_1.pdf
消費生活用製品の重大製品事故に係る公表について 消費者庁
消費者庁は、消費生活用製品安全法第35条第1項の規定に基づき報告のあった重大製品事故について、以下のとおり公表しています。
- 11/30 5件 http://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/release/2018/pdf/consumer_safety_release_181130_0001.pdf
- 12/4 14件 http://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/release/2018/pdf/consumer_safety_release_181204_0001.pdf
- 11/7 12件 http://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/release/2018/pdf/consumer_safety_release_181204_0001.pdf
- 11/11 11件 http://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/release/2018/pdf/consumer_safety_release_181211_0001.pdf
編集後記
私の実家では猫を飼っていて、冬の季節はよく猫がこたつに入って眠っていたり、石油ストーブの前を陣取って眠っていたりしていました。熱さに鈍感なのか以前、部屋で焦げ臭い匂いがしたので、匂いの元を辿ってみると、ストーブの真ん前で眠っている猫の毛が焦げているのを発見し、慌ててストーブから離したこともありました。そんな実家の猫が先日、永眠いたしました。17歳という高齢だったため、大往生だったと言えるのですが、実家からの連絡で知ったときはなかなか実感が湧きませんでした。しかし、永眠した翌週に用事があったため、実家へ帰ったのですが、猫がいない実家で過ごすうちに少しづつ、いなくなった実感が湧いてきました。やはり別れは寂しいものですね。
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- 独立行政法人製品評価技術基盤機構 製品安全センター 製品安全広報課
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TEL:06-6612-2066
FAX:06-6612-1617
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