製品安全

Vol.308  5月8日号 「ガスこんろによる事故」

 
                  2018.5.08 VOL. 308
======================PSマガジン(製品安全情報メールマガジン)====
                 製品安全についての情報をお届けします。
                                   (第2・4火曜日発行)
                 ‥‥‥‥………………………………‥‥‥‥‥
               NITE(ナイト)[独立行政法人製品評価技術基盤機構]
                              製品安全センター
====================================================================

  春から新生活を始めた人も、そろそろ生活が落ちついてくる時期かもし
  れませんが、慣れてきたことによる油断が思わぬ事故を引き起こすこと
  もあります。近年、ガスこんろは安全装置などにより安全性が向上し、
  事故は減少傾向です。しかし、安全性が向上しているといっても、やは
  り火を扱っているという事実には変わりなく、間違った使い方で火災へ
  とつながる事故は発生しています。
  今回はガスこんろによる事故を紹介します。

======================================================================
               項目一覧 
======================================================================
1.ガスこんろによる事故

2.製品事故収集情報(4月18日~4月24日 受付 23件)

3.リコール情報( 1件)

4.その他の製品安全情報 
  ・消費生活用製品の重大製品事故に係る公表について

===================================
           1. ガスこんろによる事故
===================================
                
  【事例1】
        飲食店でガスこんろを使用中、周辺を焼損する火災が発生した。

   →ガスこんろで天ぷら油を加熱中にその場を離れたため、天ぷら油が
    過熱して、出火したものと考えられます。 
    なお、取扱説明書には、「火を付けたまま移動、外出、就寝しない。
    調理中のものが燃えたりして火災の原因になる。特に、天ぷら、揚
    げものをしているときには注意をする。」旨、記載されていました。
        また、事故品のガスこんろには調理油過熱防止措置が装備されてい
    ませんでした。

  【事例2】
    ガスこんろのグリルを使用中、グリル庫内を焼損する火災が発生し
    た。                             

   →グリルで調理中に目を離したため、食材及びグリル受皿にたまった
    油脂が過熱し、出火したものと考えられます。 
    なお、取扱説明書には、「火を着けたまま離れない。」、「グリル
    使用後及び連続使用するときは、グリル受皿にたまった脂を取り除
    く。」旨、記載されていました。また、事故品のガスこんろにはグ
    リル過熱防止装置が装備されていましたが、センサーに汚れが付着
    すると、正確な温度が測定できずに安全装置が正常に機能できなく
    なるおそれがあります。

  【事例3】
    使用中のガスこんろ付近から出火し、水切りかごを焼損した。

   →ガスこんろの近くに樹脂製の水切りかごを置き、フライパンを火に
    かけたままその場を離れたため、水切かごに着火したものと考えら
    れます。 
    なお、取扱説明書には、「ガスこんろの近くには可燃物を置かない。
    使用中は火をつけたまま機器から絶対に離れない」旨、記載されて
    いました。            

   ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

    【事例1の注意事項】
       ガスこんろの事故の多くは使用者がガスこんろから離れた際に発生
        しております。調理油の発火やグリルの火災などは数分間目を離し
        ただけでも発生するため、ガスこんろの使用中は絶対にその場から
        離れないでください。また、現在流通しているガスこんろは調理油
    過熱防止措置の標準装備が平成20年10月から義務付けられています
    ので(業務用ガスこんろ及び卓上型一口ガスこんろを除く)、平成
    20年以前の古い年式のこんろを使用している場合は、新しいこんろ
    への買い替えをご検討ください。

    【事例2の注意事項】
      グリルを使用した後は、グリル受け皿や焼き網、庫内側面などにた
    まった食品かすや油脂を取り除き、こまめに掃除してください。食
    品かすや油脂等が付着していると、過熱されて発火するおそれがあ
    ります。また、グリル過熱防止装置が搭載されていても、お手入れ
    を怠ると、センサーに汚れが付着して正確な温度が測定できずにグ
        リル過熱防止装置が正常に機能できなくなるおそれがあります。
   
    【事例3の注意事項】
     こんろの上や周囲にタオルや布巾、樹脂製の水切りかごなどの燃え
        やすいものやスプレー缶等を置かないでください。炎の付近は目に
        見えている以上に広い範囲で高温になるため、周囲の可燃物に着火
    するおそれがあります。             

   NITEでは2018年4月26日に「ガスこんろから目を離さずに!~汚れの
   放置は事故の元~」をプレスリリースしています。

   https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/press/2018fy/prs180426.html
   
   ガスこんろによる事故に関する資料も併せてご参照ください。
  
  (再現実験映像:リンク先で動画が視聴できますので是非ご覧下さい)
   (1)「グリル消し忘れ(水なし)」
   https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/nenshou/02060102.html
   (2)「グリル消し忘れ(水あり)」
   https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/nenshou/02060103.html
      (3)「天ぷら油の発火(汚れた鍋)」   
      https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/nenshou/18042601.html
      (4)「天ぷら油の発火(きれいな鍋)」
   https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/nenshou/02120202.html
   (5)「汚れたグリル庫内の調理物が過熱されて発火」
   https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/nenshou/1221.html
   (6)「バーナーキャップが汚れて異常燃焼」
   https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/nenshou/17042702.html
      (7)「着衣着火」
   https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/sonota/03120101.html
      (8)「近くに置いた可燃物に着火」
   https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/sonota/03270101.html

  (注意喚起ミニポスター)   
   (1)ガスこんろの天ぷら油火災
   https://www.nite.go.jp/data/000086397.pdf
   (2)ガスこんろのグリル火災
   https://www.nite.go.jp/data/000004265.pdf
   (3)こんろとグリルの事故
      https://www.nite.go.jp/data/000080065.pdf
      (4)ガスこんろの異常燃焼事故
      https://www.nite.go.jp/data/000085157.pdf

   その他の事故事例は、「事故情報の検索」で「ガスこんろ」などを
   キーワードに検索していただけます。
   https://www.nite.go.jp/jiko/jikojohou/search/index.html

===================================
            2.製品事故収集情報            
===================================
          消費生活用製品の事故情報収集状況     
                    (4月18日~4月24日   受付 23件) 
  NITEに通知のあった事故情報から、件数の多い製品を掲載します。

    ======================================================== 
         製品名            (事故状況と件数)
      1. エアコン            ( 火災等  3件)
     2. ポータブルDVDプレーヤー  ( 火災等  2件)
     3. 石油ストーブ         ( 死亡等  2件)
     4. リチウムイオン蓄電池     ( 火災等  2件)
              
    ======================================================== 

   最新事故情報(これまでの受付情報もご確認いただけます)
   https://www.nite.go.jp/jiko/jikojohou/information/index.html

   事故情報の提供をお願いいたします。
   事故の再発防止のため、有効に活用させていただきます。
      https://www.nite.go.jp/jiko/jikojohou/shushu/index.html

===================================
               3.リコール情報
===================================                
    アイリスオーヤマ株式会社      (法人番号   3370001006799)
        「電気ストーブ(セラミックファンヒーター) 4/26(HP)
   【詳細】  https://www.irisohyama.co.jp/safetyinfo/ceramic-fan-heater.html

              
===================================
           4.その他の製品安全情報
=================================== 

        消費生活用製品の重大製品事故に係る公表について   

                              消費者庁

  消費者庁は、消費生活用製品安全法第35条第1項の規定に基づき報告の
  あった重大製品事故について、以下のとおり公表しています。

      4/27  10件 http://www.meti.go.jp/product_safety/download/kouhyou180427_1.pdf
      5/ 8  16件  http://www.meti.go.jp/product_safety/download/kouhyou180508_1.pdf

===================================
                編集後記
  
   私の家にもグリル付きのガスこんろがあるのですが、引っ越しによる
   金欠のため、ここ最近はパスタを茹でるか、レトルト食品を温めるこ
   とにしか使っておらず、活用しきれていないという日々です。以前は
   ガスこんろで揚げ物を作ったり、カレーを作ったりと色々と活用して
   いたのですが、生来の貧乏性のためか一人分だけ作るのがもったいな
   くて、唐揚げを作った際は、1kgの鶏もも肉で唐揚げを作ってしまい、
   胸焼けを起こしたり、カレーを作った際には鍋いっぱいに作ってしま
   って、3日間、延々とカレーを食べる羽目になるなど、無茶をしてお
   りました。これからは凝った煮込み料理を作ってみたり、グリルで季
   節の魚を焼いたりと優雅な使い方をしたいと思う今日この頃です。

===================================

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ 
                                                          
  PSマガジン配信先の紹介等PSマガジンの普及にご協力をお願い致
  します。また、社内報や広報誌、回覧板などへの掲載も歓迎致します。
                                                              
  PSマガジンに関するお問い合わせ、「その他の製品安全情報」欄へ
  掲載のご希望などがありましたら、以下のメールアドレスまでご連絡
  ください。
  Eメール:ps【アットマーク】nite.go.jp
  (メールを送る際は【アットマーク】を@に変えてください)                      
                                                             
  配信登録や解除、配信メールアドレスの変更は、下記HPからお願い
  致します。(PSマガジンのバックナンバーも掲載しています)              
   https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/mailmagazin/index.html

┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
         【編集・発行】 独立行政法人  製品評価技術基盤機構 
                 製品安全センター リスク評価広報課
                 (法人番号 9011005001123)
                https://www.nite.go.jp/jiko/index.html

お問い合わせ

独立行政法人製品評価技術基盤機構 製品安全センター  製品安全広報課
TEL:06-6612-2066  FAX:06-6612-1617
住所:〒559-0034 大阪市住之江区南港北1-22-16 地図