Vol.299 12月26日号 「石油ストーブによる事故」
2017.12.26 VOL.299 ======================PSマガジン(製品安全情報メールマガジン)==== 製品安全についての情報をお届けします。 (第2・4火曜日発行) ‥‥‥‥………………………………‥‥‥‥‥ NITE(ナイト)[独立行政法人製品評価技術基盤機構] 製品安全センター ==================================================================== 冬の暮らしに欠かせない暖房器具の1つである石油ストーブ。身も心 もぬくぬくさせてくれます。部屋全体を暖める能力が高い、音が静か などのメリットがあり、長く愛され続けている製品です。 しかし、誤った使い方により火災などの事故に繋がるケースがありま す。今回は石油ストーブの事故について紹介します。 ====================================================================== 項目一覧 ====================================================================== 1.石油ストーブによる事故 2.製品事故収集情報(12月6日~12月19日 受付 82件) 3.リコール情報( 4件) 4.その他の製品安全情報 ・iPod nanoの製品事故に係る定期報告 ・消費生活用製品の重大製品事故に係る公表について =================================== 1.石油ストーブによる事故 =================================== 【事例1】 石油ストーブ付近から出火し、住宅を全焼した。 →草刈り機及び原付バイクに使用するためのガソリンを灯油と間違え て給油したため、異常燃焼を起こし火災に至ったものと考えられま す。 なお、取扱説明書には、「ガソリンなど揮発性の高い油は、絶対に 使用しない。火災の原因になる」旨、記載されていました。 【事例2】 カートリッジタンクに給油した後、本体にセットしようとした際に 灯油がこぼれて引火し、建物を全焼する火災が発生した。 →カートリッジタンクの口金が緩んでいたために本体にセットする際 に灯油がこぼれ、火災に至ったものと考えられます。 【事例3】 使用中の石油ストーブ付近から出火して、住宅の1階部分を焼損し、 家人2人が軽傷を負った。 →燃焼筒を上下逆さまにセットして点火したため、異常燃焼が生じて 出火に至ったものと考えられます。 なお、取扱説明書には「点火後、燃焼筒つまみを左右に動かし、燃 焼筒が正しくしん調節器にセットされているか確認する」旨、記載 されていました。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 【事例1の注意事項】 ガソリンを石油ストーブに使用すると異常燃焼をおこして火災の原因 になります。間違えて使用しない様、灯油やガソリンの保管場所や保 管方法には注意してください。 【事例2の注意事項】 給油時は、給油タンクのふたが確実に閉まっていることを確認してく ださい。タンク装着後は周囲に灯油が漏れていないか確認し、漏れて いた場合は必ず拭き取ってください。灯油の拭き取りが不十分だと、 再点火をした時に残った灯油に引火するおそれがあります。 また、灯油が漏れた原因を確認し、カートリッジタンクのふたが正し く閉まらない等の異常がある場合には、使用を中止して販売店や製造 事業者に相談してください。 【事例3の注意事項】 燃焼筒をセットした時と点火操作後は、燃焼筒のつまみを2~3回ほど 動かして燃焼筒が正しくセットされているか確認してください。燃焼 筒が正しくセットされていないと異常燃焼によって炎があふれ、火災 が発生するおそれがあります。 石油ストーブに関する資料も併せてご参照ください。 (注意喚起ミニポスター(動画等) 「2-04」「2-14」) http://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/nenshou/index.html#product2-04 http://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/nenshou/index.html#product2-14 その他の事故事例は、「事故情報の検索」で「石油ストーブ」などを キーワードに検索していただけます。 http://www.nite.go.jp/jiko/jikojohou/search/index.html =================================== 2.製品事故収集情報 =================================== 消費生活用製品の事故情報収集状況 (12月6日~12月19日 受付82件) NITEに通知のあった事故情報から、件数の多い製品を掲載します。 ======================================================== 製品名 (事故状況と件数) 1. 石油ストーブ (火災等 7件) 2. 電気ストーブ (火災等 6件) 2. 配線器具(延長コード) (火災等 6件) 4. ガスふろがま (製品破損 4件) 4. 電子レンジ (火災 4件) ======================================================== 最新事故情報(これまでの受付情報もご確認いただけます) http://www.nite.go.jp/jiko/jikojohou/information/index.html 事故情報の提供をお願いいたします。 事故の再発防止のため、有効に活用させていただきます。 http://www.nite.go.jp/jiko/jikojohou/shushu/index.html =================================== 3.リコール情報 =================================== 株式会社バロックジャパンリミテッド(法人番号 9013201014379) 「靴(ブーツ)」 12/21(HP) 【詳細】 https://www.baroque-global.com/jp/news/recall20171221 本田技研工業株式会社(法人番号 6010401027577) 「携帯発電機」 12/19(HP) 【詳細】 http://www.honda.co.jp/recall/power/other/171219_EG25i.html 株式会社キントー(法人番号 1160001008232) 「土なべ」 12/14(HP) 【詳細】 https://www.francfranc.jp/news/2017/12/20171215-acc-nabe.html?pc_header 富士通株式会社(法人番号 1020001071491) 「ノートパソコン用バッテリーパック」 12/13(HP) 【詳細】 http://pr.fujitsu.com/jp/news/2015/08/27-1.html =================================== 4.その他の製品安全情報 =================================== iPod nanoの製品事故に係る定期報告 経済産業省 平成29年12月22日付、Apple Japan合同会社(旧 アップル ジャパン 株式会社)の経済産業省へのiPod nano(第一世代)の製品事故に係 わる定期報告がありました。平成29年10月1日から31日まで、及び平 成29年11月1日から30日までの本体・バッテリー交換件数はそれぞれ 1,283件及び836件となっています。 同社が対策を開始した平成22年8月11日以降の本体・バッテリー交換 件数の累計は285,625件となっています。 http://www.meti.go.jp/product_safety/download/kouhyou171222_2.pdf ---------------------------------------------------------------- 消費生活用製品の重大製品事故に係る公表について 消費者庁 消費者庁は、消費生活用製品安全法第35条第1項の規定に基づき報告の あった重大製品事故について、以下のとおり公表しています。 12/15 8件 http://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/release/pdf/consumer_safety_release_171215_0001.pdf 12/19 12件 http://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/release/pdf/consumer_safety_release_171219_0001.pdf 12/22 6件 http://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/release/pdf/consumer_safety_release_171222_0001.pdf 12/26 9件 http://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/release/pdf/consumer_safety_release_171226_0001.pdf =================================== 編集後記 今回、ガソリンの石油ストーブへの誤給油による事故を紹介しましたが、 同種事故は毎年のように発生しており、石油ファンヒーターでも発生し ています。灯油とガソリンは原油から沸点の違いによって作り分けられ ますが、物理・化学的性質は大きく異なります。引火点(揮発した状態 で着火すると燃える温度)は、灯油が37~65℃に対しガソリンはマイナ ス40℃以下、ものすごい差があります。さらに、ガソリンは気化しやす く空気に触れるとすぐに乾きますが、灯油はすぐに乾きません。 気化したガソリンは爆発しやすく、その性質がガソリンエンジンに利用 されています。誤ってガソリンを石油ストーブや石油ファンヒーターに 使用すると火の海に・・・。間違えないように細心の注意が必要です。 年内のPSマガジン配信は今号で最後となります。今年1年おつきあいい ただき誠にありがとうございました。皆様が良い年を迎えられるよう、 心よりお祈りいたします。 =================================== ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ PSマガジン配信先の紹介等PSマガジンの普及にご協力をお願い致 します。また、社内報や広報誌、回覧板などへの掲載も歓迎致します。 PSマガジンに関するお問い合わせ、「その他の製品安全情報」欄へ 掲載のご希望などがありましたら、以下のメールアドレスまでご連絡 ください。 Eメール:ps【アットマーク】nite.go.jp (メールを送る際は【アットマーク】を@に変えてください) 配信登録や解除、配信メールアドレスの変更は、下記HPからお願い 致します。(PSマガジンのバックナンバーも掲載しています) 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