製品安全

Vol.297  11月14日号 「長期使用製品安全点検制度」対象製品の事故

 
                  2017.11.14 VOL.297
=====================PSマガジン(製品安全情報メールマガジン)====
                製品安全についての情報をお届けします。
                                   (第2・4火曜日発行)
             ‥‥‥‥………………………………‥‥‥‥‥
               NITE(ナイト)[独立行政法人製品評価技術基盤機構]
                              製品安全センター
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  製品は古くなると、部品が劣化し、場合によっては重大な事故を起こ
    す可能性があります。「長期使用製品安全点検制度」では、経年劣化
    により特に重大な危害を及ぼす恐れの多い製品を「特定保守製品」と
    して、点検制度が設けられています。 
  今回は「長期使用製品安全点検制度」対象製品(※)の事故を紹介し
  ます。

  ※ 石油ふろがま、石油給湯機、密閉燃焼式石油温風暖房機、屋内式
    ガスふろがま、屋内式ガス瞬間湯沸器、ビルトイン式電気食器洗
    機、浴室用電気乾燥機

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               項目一覧 
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1.「長期使用製品安全点検制度」対象製品の事故

2.製品事故収集情報(10月18日~11月7日 受付 128件)

3.その他の製品安全情報
  ・高濃度PCB廃棄物の最も早い処理期限まで、残りわずか150日!
    ・iPod nanoの製品事故に係る定期報告
  ・消費生活用製品の重大製品事故に係る公表について

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      1.「長期使用製品安全点検制度」対象製品の事故
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  【事例1】
    石油ふろがまを使用中、製品及び周辺を焼損する火災が発生した。

   →長期使用(37年)により金属材が腐食、破損して生じた隙間から高
    温の燃焼ガスあるいは炎が漏れ、送油ゴムホースや電磁ポンプが損
    傷して灯油が漏れ、漏れた灯油に燃焼ガス等が引火し、火災に至っ
    たものと考えられます。

  【事例2】
    食器洗い乾燥機(ビルトイン式)を使用中、製品を焼損する火災が
    発生した。

   →長期使用(11年)により洗浄ポンプのオイルシールが摩耗して洗浄
    水やすすぎ水が漏れ、排水ポンプ用コネクター内に浸入したことに
    より出火に至ったものと考えられます。  

  【事例3】
    屋内式ガス瞬間湯沸器を使用中、製品から発煙し、配管カバーの一
    部が焦げた。

   →長期使用(約21 年)により、器具栓に使用しているOリングのグリ
    スが減少したことから、内径が摩耗したためガスが漏れ、漏れたガ
    スにバーナーの火が引火したものと考えられます。

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   【事例1】~【事例3】のような長期使用による経年劣化の事故は、点
   検を受けることで防ぐことができます。
   製品を購入した時は添付されている所有者票で、所有者情報の登録を
   しましょう。点検が必要な時期に案内が届くようになります。
   長期使用製品安全点検制度の開始以前の製品(平成21年4月以前に製
   造された製品)についても点検を受けることができます。安全に製品
   を使用するために点検を受けてください。

     「長期使用製品安全点検制度」については、平成29年10月26日に「使
   用期間10 年を目安に給湯機や食洗機等は点検を受けましょう」とし
      てプレスリリースを行っております。
   http://www.nite.go.jp/data/000087471.pdf

   長期使用の石油給湯機等に関する資料も併せてご参照ください。
  (注意喚起ミニポスター(動画等) 「3-34」)
   http://www.nite.go.jp/data/000087468.pdf(URL)

   その他の事故事例は、「事故情報の検索」をご活用ください。
   http://www.nite.go.jp/jiko/jikojohou/search/index.html

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            2.製品事故収集情報            
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          消費生活用製品の事故情報収集状況     
                    (10月18日~11月7日  受付128件)  
  NITEに通知のあった事故情報から、件数の多い製品を掲載します。

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         製品名           (事故状況と件数)
      1. ACアダプター【直流電源装置】   (拡大被害等 16件)
     2. ガスふろがま                   (火災等     11件)
     3. パソコン                       (製品破損等  8件)
     4. 配線器具                       (火災等      7件)
     4. 電気冷蔵庫                   (火災等      7件)
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   最新事故情報(これまでの受付情報もご確認いただけます)
   http://www.nite.go.jp/jiko/jikojohou/information/index.html

   事故情報の提供をお願いいたします。
   事故の再発防止のため、有効に活用させていただきます。
      http://www.nite.go.jp/jiko/jikojohou/shushu/index.html

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           3.その他の製品安全情報
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       高濃度PCB廃棄物の最も早い
                               処理期限まで、残りわずか150日!
                  (日本政府からのお知らせ)

    ポリ塩化ビフェニル(PCB)は、絶縁性、不燃性等の特性により、変圧
    器、コンデンサーなどに使用されましたが、昭和43年のカネミ油症事件
    を受け、我が国では、昭和47年以降製造が中止されました。その後、平
    成13年にPCB特別措置法が成立し、中間貯蔵・環境安全事業株式会社
    (JESCO)の処理施設で高濃度PCB廃棄物の処理が行われています。

    高濃度PCB廃棄物は、JESCO の処理施設ごとにPCB特別措置法により、処
    分期間が決まっています。
    処分期間が最も短いJESCO北九州事業エリア(中国・四国・九州・沖縄
    各県)の高濃度PCBを含む変圧器、コンデンサーは、平成29年度末まで
    にJESCOに処分委託をしなければなりません。期限を過ぎると、措置命
    令や罰則の対象になります。

    JESCO北九州事業エリアの処分期間終了まで、残り150日を切りました。
    PCB廃棄物のJESCOへの処分委託契約手続きに必要な期間を考えると、11
  月には契約手続きに着手することが必要であり、PCB廃棄物を法律に則
  って処分期間の末日までに確実に処分委託を終えるためには、この11月
  がぎりぎりの期間となります。
    保管などの届出をしていない高濃度PCB廃棄物や高濃度PCB使用製品が存
  在しないか、今一度徹底した最終確認をお願いします。
   届出をしたものは、早急にJESCOに連絡をして、処分委託の手続を進め
    て頂くようお願いします。

    参考情報
    <環境省HP>
    http://www.env.go.jp/recycle/poly/pcb_soukishori/

    <経済産業省ウェブサイト(PCB機器の処理促進)>
    http://www.meti.go.jp/policy/energy_environment/kankyokeiei/pcb/index2_2.html

    <経済産業省ウェブサイト(電気事業法関係)>
    http://www.meti.go.jp/policy/safety_security/industrial_safety/sangyo/electric/detail/pcb.html

    <中間貯蔵・環境安全事業株式会社(JESCO)HP>
    http://www.jesconet.co.jp/

    <(一社)日本電機工業会ウェブサイト> 
    http://www.jema-net.or.jp/Japanese/pis/pcb/index.html

    <(一社)日本照明工業会ウェブサイト>
    http://jlma.or.jp/shisetsu_renew/anzen/anzen6.html

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             iPod nanoの製品事故に係る定期報告         

                             経済産業省

  平成29年11月9日付、Apple Japan合同会社(旧 アップル ジャパン株式
    会社)の経済産業省へのiPod nano(第一世代)の製品事故に係わる定
    期報告がありました。平成29年9月1日から30日までの本体・バッテリー
    交換件数は1,605件となっています。同社が対策を開始した平成22年8月
    11日以降の本体・バッテリー交換件数の累計283,506件となっています。
    http://www.meti.go.jp/product_safety/download/kouhyou171109_1.pdf

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        消費生活用製品の重大製品事故に係る公表について   

                              消費者庁

  消費者庁は、消費生活用製品安全法第35条第1項の規定に基づき報告の
  あった重大製品事故について、以下のとおり公表しています。

      10/27  9件 http://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/release/pdf/consumer_safety_release_171027_0001.pdf
      10/31  5件 http://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/release/pdf/consumer_safety_release_171031_0001.pdf  
      11/ 2  6件 http://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/release/pdf/consumer_safety_release_171102_0003.pdf
      11/ 7  8件 http://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/release/pdf/consumer_safety_release_171107_0001.pdf 
      11/10 19件 http://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/release/pdf/consumer_safety_release_171110_0002.pdf
      11/14  9件 http://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/release/pdf/consumer_safety_release_171114_0001.pdf      

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                編集後記
                                   
  どんな製品もいつかは故障します。時間の経過と故障の発生率をグラ
  フにすると横から見たバスタブに似た形になることが多いようです。
  これはバスタブ曲線と呼ばれ、最初は①時間の経過とともに発生率が
  減少して行く初期故障期、次に②発生率が低く安定した偶発故障期、
  最後に③摩耗や劣化が蓄積して発生率が上昇する摩耗故障期に分けら
  れるようです。
    上記の故障発生の中には製品事故の発生が含まれ、長期使用に伴う経
    年劣化の事故を防ぐために定期点検は必要不可欠です。長期使用安全
    点検制度の対象製品を購入した際は所有者情報を登録し、必要な時期
    に点検を受けましょう。

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  します。また、社内報や広報誌、回覧板などへの掲載も歓迎致します。
                                                              
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         【編集・発行】 独立行政法人  製品評価技術基盤機構 
                 (法人番号 9011005001123)
                 製品安全センター リスク評価広報課
                http://www.nite.go.jp/jiko/index.html

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独立行政法人製品評価技術基盤機構 製品安全センター  製品安全広報課
TEL:06-6612-2066  FAX:06-6612-1617
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