製品安全

Vol.293  8月22日号 「電気洗濯機による事故」

 
                  2017.8.22 VOL.293
====================PSマガジン(製品安全情報メールマガジン)====
              製品安全についての情報をお届けします。
                                  (第2・4火曜日発行)
              ‥‥‥‥………………………………‥‥‥‥‥
              NITE(ナイト)[独立行政法人製品評価技術基盤機構]
                             製品安全センター
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  1950年代後半、三種の神器のひとつとされた電気洗濯機。現在でも生活
  必需品で最も身近な家電製品のひとつです。今回は電気洗濯機の間違っ
    た使い方や不注意によって発生した事故を紹介します。中には乾燥機付
    き洗濯機で、洗濯後、洗濯物に残留した油分が発火するといった意外な
    事故も発生しています。  
                
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               項目一覧 
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1.電気洗濯機による事故

2.製品事故収集情報(8月2日~8月15日 受付 82件)

3.NITEからのお知らせ
  ・NITE講座「事業者等における製品安全対策の基礎知識」
               東京会場(2017年度・後期)受講生募集 

4.その他の製品安全情報
  ・製品安全技術総合コース『参加者募集』
                  一般財団法人日本科学技術連盟
  ・消費生活用製品の重大製品事故に係る公表について

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             1.電気洗濯機による事故
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  【事例1】
        使用中の電気洗濯機から異音がし、電気洗濯機が転倒した。
                                  
   →防水性の洗濯物(シャワーカーテン)を洗濯したため、脱水時に回
        転が不安定となって異常振動し、転倒したものと考えられます。 
    なお、本体表示及び取扱説明書には、「防水性のシートや衣類は、
    洗い、すすぎ、脱水をしない。異常振動により本体が転倒するおそ
    れがある」旨、記載されていました。

  【事例2】
       使用後の電気洗濯機(乾燥機付)から発煙し、洗濯物の一部が焦げ
    た。

   →油分が付着したタオルを洗濯・乾燥したため、残留していた油分が
    酸化熱により自然発火したものと考えられます。 
    なお、本体及び取扱説明書には、「油分の付着した衣類を洗濯・脱
    水・乾燥しない、油などの酸化熱による自然発火や引火の恐れがあ
    るので絶対に乾燥しない」旨、記載されていました。

  【事例3】
    使用者が運転終了ブザーを聞いてから上蓋を開けると、脱水槽が止
    まらず回転していた。洗濯物を取り出すために右手を入れたところ
    洗濯物に指を巻き込まれ右手人差し指を骨折した。

   →使用者が洗濯槽が停止しないうちに洗濯物を取り出そうとして手を
    入れたため、指に洗濯物が絡まり負傷したものと考えられます。
    なお、取扱説明書及び本体表示には、「15秒以内で脱水槽が止まら
    ない場合は使用を中止し、修理依頼することや、脱水槽の回転が止
    まるまで手を入れない」旨、記載されていました。

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    【事例1の注意事項】
      電気洗濯機で防水性のカーテンや雨ガッパなどを洗濯・すすぎ・脱水
   しないでください。脱水時に衣類や繊維製品から水が出ていかないま
   ま回転して、たまった水が片寄ったり、急に抜けたりしてバランスが
   崩れ、激しく振動して転倒することがあります。

    【事例2の注意事項】
   食用油、美容オイル、塗料等が付着した衣類を洗濯・脱水・乾燥しな
   いでください。油分が酸化して発熱し、自然発火に至る恐れがありま
   す。

    【事例3の注意事項】
    洗濯槽の回転が完全に止まるまでは、絶対に中の洗濯物に手をふれな
      いでください。ゆっくりした回転でも洗濯物が手に巻きついて、大け
      がをすることがあります。
      また、蓋を開けても脱水槽の回転が止まらない場合は、故障のおそれ
      があります。このような場合は、使用を中止して販売店などに修理を
      依頼してください。
      なお、平成21年に電気用品安全法の技術基準省令が改正され、平成22
      年9月以降に製造または輸入された、全ての脱水機能を有する電気洗
      濯機および電気脱水機に対しては、蓋ロック機構(回転が停止するま
      で蓋が開かない構造)が義務化されています。

   洗濯機の事故に関する資料も併せてご参照ください。
  (注意喚起ミニポスター(動画等) 「1-13 洗濯機1」「1-29 洗濯機2」)
   http://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/kaden/index.html#product1-13
      http://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/kaden/index.html#product1-29

   その他の事故事例は、「事故情報の検索」で「洗濯機」などをキーワ
   ードに検索していただけます。
   http://www.nite.go.jp/jiko/jikojohou/search/index.html

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            2.製品事故収集情報            
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          消費生活用製品の事故情報収集状況     
                    (8月2日~8月15日  受付 82件) 
  NITEに通知のあった事故情報から、件数の多い製品を掲載します。

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      製品名            (事故状況と件数)
      1. 漢方せんじ器
         (製品破損   11件)
     2. エアコン             (火災等     10件)
     3. USB変換ケーブル(携帯電話用) (製品破損    8件)
     4. 携帯電話機             (火災等      6件)
     5. ガスふろがま                (製品破損    5件)
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   最新事故情報(これまでの受付情報もご確認いただけます)
   http://www.nite.go.jp/jiko/jikojohou/information/index.html

   事故情報の提供をお願いいたします。
   事故の再発防止のため、有効に活用させていただきます。
      http://www.nite.go.jp/jiko/jikojohou/shushu/index.html

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            3.NITEからのお知らせ
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      NITE講座「事業者等における製品安全対策の基礎知識」
           東京会場(2017年度・後期)受講生募集   

  講座では製品事故事例、事故調査方法、誤使用の防止、子供の事故等に
  ついて紹介し、製品事故の防止やリスク評価のためのリスクアセスメン
  ト、リコール対策、製品安全4法、消費者行政、認定・認証制度、海外の
  製品安全動向についてNITE職員が解説します。

  【科目名】 事者等における製品安全対策の基礎知識
  【日 程】 2017年9月19日(火)~10月31日(火)
        及び11月21日~12月19日(火)の毎週火曜日
        18:30~20:30(全12回)
  【会 場】 製品評価技術基盤機構
        東京都渋谷区西原2-49-10
         京王新線「幡ヶ谷」駅から徒歩約10分
        小田急線・東京メトロ千代田線「代々木上原」駅から
        徒歩約15分
  【受講料】 無料
  【定 員】 50人 
        先着受付順、定員になり次第締切りとさせていただきます。
  【詳 細】 http://www.nite.go.jp/jiko/event/kouza/2017fy/index2017_2.html

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           4.その他の製品安全情報
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          製品安全技術総合コース『参加者募集』    
                  一般財団法人日本科学技術連盟

   【対 象】 開発業務や品質保証業務、調達品管理業務分野等を中心に、
         設計・製造・流通・販売に関わる事業者、団体に所属される
         管理者・技術者・スタッフの方
   【開催日】 2017年10月5日(木)~ 6日(金)
   【参加費】 有料(50,760円(一般)/ 43,200円(日科技連賛助会員))
   【会 場】 日科技連・東高円寺ビル(東京メトロ・丸ノ内線東高円寺駅)
   【詳 細】 http://www.juse.or.jp/src/seminar/detail/99/22077?170822nite

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        消費生活用製品の重大製品事故に係る公表について   

                              消費者庁

  消費者庁は、消費生活用製品安全法第35条第1項の規定に基づき報告の
  あった重大製品事故について、以下のとおり公表しています。

        8/10   8件 http://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/release/pdf/consumer_safety_release_170810_0003.pdf
        8/15  14件 http://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/release/pdf/consumer_safety_release_170815_0001.pdf 
    8/18  2件 http://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/release/pdf/consumer_safety_release_170818_0001.pdf    
      8/22   5件 http://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/release/pdf/consumer_safety_release_170822_0001.pdf

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                編集後記

  電気洗濯機は、脱水中に手を入れたりすると非常に危険であるため、回転
    が止まらないと蓋が開かないしくみになっています。このような使用者が
    操作を誤ることを前提として、事故が生じないように設計で対策を施すこ
    とをフールプルーフといいます。ドアをあけると止まる電子レンジもフー
    ルプルーフが取り入れられている製品の代表例です。自動車にもブレーキ
    を踏まないとシフトレバーをパーキング(P)の位置から動かすことがで
    きないフールプルーフの設計思想によるものです。よく見るといろんなと
    ころでフールプルーフが活躍してますね。

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  PSマガジン配信先の紹介等PSマガジンの普及にご協力をお願い致
  します。また、社内報や広報誌、回覧板などへの掲載も歓迎致します。
                                                              
  PSマガジンに関するお問い合わせ、「その他の製品安全情報」欄へ
  掲載のご希望などがありましたら、以下のメールアドレスまでご連絡
  ください。
   Eメール:ps【アットマーク】nite.go.jp
  (メールを送る際は【アットマーク】を@に変えてください)                     
                                                             
  配信登録や解除、配信メールアドレスの変更は、下記HPからお願い
  致します。(PSマガジンのバックナンバーも掲載しています)      
   http://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/mailmagazin/index.html

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         【編集・発行】 独立行政法人  製品評価技術基盤機構
                  (法人番号 9011005001123) 
                 製品安全センター リスク評価広報課
                http://www.nite.go.jp/jiko/index.html

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お問い合わせ

独立行政法人製品評価技術基盤機構 製品安全センター  製品安全広報課
TEL:06-6612-2066  FAX:06-6612-1617
住所:〒559-0034 大阪市住之江区南港北1-22-16 地図