Vol.189  3月26日号「リコール中の電気こんろによる事故」
■■■◆ 2013.3.26 VOL.189 ■ ◆========= PSマガジン(製品安全情報マガジン)========== ■■■◆ 製品安全についての情報をお届けします。 ■ ■■■ (第2・4火曜日発行) ■ ■ <等幅フォントでご覧ください> ■■ ・・・‥‥…………………………………‥‥・・・ ■ 独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE・ナイト) ■■■ 製品安全センター ====================================================================== こんろと聞くと、ガスこんろやIHこんろが思い浮かびますが、単身者用の ワンルームマンションなどでは電気こんろが備え付けられているところも多く、 リコール製品での事故が起きています。今回はリコール中の電気こんろの事故 をご紹介します。NITEからのお知らせでは、「こんな事故にもご用心」の 注意喚起ちらしの追加、知の市場講座「製品総合管理特論」関西会場受講者再 募集などを掲載します。 ====================================================================== 項目一覧 ====================================================================== 1.製品事故収集情報 ・リコール中の電気こんろによる事故 ・消費生活用製品の事故情報収集状況 (3月6日~3月18日受付124件) 2.社告・リコール情報(8件) 3.NITEからのお知らせ ・知の市場講座「製品総合管理特論」関西会場受講者再募集 ・「こんな事故にもご用心」の注意喚起ちらしの追加 ・今月のプレスリリースについて 4.その他の製品安全情報 ・iPod nanoの製品事故に係る定期報告 ・TDK株式会社に対する危害防止命令 ・第3回製品事故判定第三者委員会の審議結果の公表 ・消費生活用製品の重大製品事故に係る公表について ・R-Mapセミナー参加者募集 5.編集後記 =================================== 1.製品事故収集情報 =================================== ◆◆◇ リコール中の電気こんろによる事故 ◇◆◆ ◇今回は、リコール中の電気こんろによる注意していただきたい事故事 例をご紹介します。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ (事例1)【電源が入りやすいつまみスイッチ】 気付かずに電気こんろの電源が入ってしまい、右手首にやけどを 負った。 → 身体又は荷物が電気こんろのつまみにあたり電源が入ったことに 気付かなかったため、加熱されたヒーター部に触れ、右手首にや けどを負ったものと推定されます。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ (事例2)【電源ノイズによる誤動作】 卓上電気こんろ付近から出火し、上に置いていたタオルと樹脂製 のかごが焦げた。 → 電気こんろの耐ノイズ性が十分でなかったため、制御基板のコン トロールICが誤作動し、電源スイッチが入ったものと推定され ます。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ◇事例1のように、スイッチのつまみが飛び出した構造の製品で事故が 起きています。事業者によってリコール改修が行われていますので、 まだ改修をされていない場合は、製造メーカーや小形キッチンユニッ ト用電気こんろ協議会に連絡をして、製品の改修を受けてください。 〈小形キッチンユニット用電気こんろ協議会〉 http://www.denki-konro.jp/ ◇事例2のように、ほかの電気製品の電源起動時等の影響を受けて、電 源が入ってしまう製品で事故が発生しています。現在は事業者が倒産 しているので、使用を中止してください。 〈対象製品〉 事業者:株式会社 萬品電機製作所 型番: MDS-113RE、MDS-113REA、 MDS-113REB、 MDS-218RE、 MDS-218REA、MDS-218REB、 MDS-233RE-2、MDS-233REB-2、 MDS-233RE-2W、MDS-233REB-2W ---------------------------------------------------------------- ◆◆◇ 消費生活用製品の事故情報収集状況 ◇◆◆ (3月6日~3月18日受付124件) NITEに通知のあった事故情報から、収集件数の多い製品を掲載しま す。 製品名 (事故状況と件数) ===================================================== 1.電気ストーブ (死亡等15件) 2.スカーフ (軽傷等12件) 3.延長コード (死亡等7件) 4.ガスふろがま (火災等6件) 加湿器 (軽傷等6件) スカーフの事故は皮膚障害を発症した事故(同一案件12件)で、延長 コードの事故は住宅2棟と事務所1棟などを焼損し、家人1人が死亡し た事故等です。 ◇過去の受付事故情報 http://www.nite.go.jp/jiko/sokuho/index20.html ◇調査が終了した事故情報の事故原因や再発防止措置などの検索 http://www.jiko.nite.go.jp/php/jiko/index.html ■事業者、消費生活センター、地方自治体、病院等の皆さま、是非とも 事故情報をご提供ください。事故の再発防止のために有効に活用させ ていただきます。 http://www.nite.go.jp/jiko/index10.html (Word版・PDF版) =================================== 2.社告・リコール情報 =================================== ◆日本トイザらス株式会社 「乳幼児用押し車」(HP) (2013/3/22) 当製品において、上部ハンドルを持ち前方に推し進める際に、前輪が車 軸より外れる場合があることが判明。また、前輪を車軸に固定している 金属ネジおよびプラスチック製ワッシャーも同様に外れ、これらの部品 を乳幼児が誤飲する危険性があると判断した。(回収(返品または返金)) 【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/2013032201.html ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ◆バガブージャパン株式会社 「ベビーカー」(HP) (2013/3/21) 当製品において、キャリーハンドルの接続箇所に破損の恐れがあり落下 の危険があることが判明。(無償交換(検査済みキャリーハンドル))) 【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/2013032101.html ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ◆ガデリウス株式会社(現 ガデリウス・インダストリー株式会社) 「住宅用換気扇」(HP) (2013/3/15) 当製品において、長期間の使用により、当該製品内部のモーターコイル 巻線の絶縁が劣化し、レイヤーショートが生じたためモーター部が過熱 されるおそれがあることが判明。(無償改修(ヒューズの取り付け)) 【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/2013031502.html ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ◆株式会社川島洋行(輸入元、販売) 株式会社カワシマサイクルサプライ(販売) 株式会社インターマックス(輸入元、販売) 株式会社日直商会(輸入元、販売) 株式会社深谷産業(輸入元、販売) 「ハンドルクランプ」(HP) (2013/3/15) 当製品において、ハンドルクランプを固定するボルトを締付け過ぎると、 走行中に破損する恐れが高いと判断したため。(回収(無償部品交換: ハンドルクランプ部分)) 【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/2013031501.html ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ◆ソニー株式会社 「液晶テレビ」(HP) (2013/3/14) 当製品において、リアキャビネット(背面部)の壁掛け用取り付け部を 用いて移動式(台車付)スタンドに設置したテレビが移動中に落下した 事例が発生。(無償交換(リアキャビネット)) 【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/2013031401.html ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ◆GAC株式会社 「米クーラ」(HP) (2013/3/11) 当製品において、ごく稀に基板がショートし、冷却不良に至る故障事例 が数件発生。(無償部品交換) 【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/2013031101.html ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ◆株式会社世田谷製作所 「ガスふろがま、ふろがまバーナ、ガスストーブ」(HP) (2013/3/7)(再社告) 当製品において、部品の一部に亀裂が入る不具合が生じ、機器内部でガ ス漏れが生じた場合、機器本体の焼損に至る恐れがあるため。(無償部 品交換) 【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/2013030701.html ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ◆株式会社ダイトクコーポレーション(販売元) ERA Japan株式会社(輸入元) 「ウイルスプロテクター(空間除菌剤)」(HP) (2013/2/22) 当製品において、一部から化学熱傷による事故が発生。(回収(代替商 品交換)) 【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/2013022202.html ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ◇過去1年間の社告・リコール情報 http://www.nite.go.jp/jiko/index4.html ◇社告・リコール情報の検索 http://www.jiko.nite.go.jp/php/shakoku/search/index.php =================================== 3.NITEからのお知らせ =================================== ◆◆◇ 知の市場講座「製品総合管理特論」 ◇◆◆ 関西会場受講者再募集 毎年行っております公開講座「製品安全対策の基礎知識」について4月 12日からの講義開始ですが、まだ若干名、受講枠があります。締切日 を4月10日まで延長して追加募集します。製品事故の現状と製品安全 政策について、具体的事例に基づく考察、今後の事故防止方策や政策の あり方などをテーマとして、NITE職員が講義を行います。製品安全 に関わる皆さま是非この機会にご参加ください。 【科目名】製品総合管理特論 副題 製品安全対策の基礎知識 【日 程】2013年4月12日~2013年7月26日 休日以外の金曜日 18:00~20:00 (計15回) 【場 所】関西大学高槻ミューズキャンパス (最寄り:JR高槻駅もしくは阪急高槻市駅) 【定 員】60人 【受講料】無料 【製品総合管理特論詳細 お申し込み方法】 http://www.nite.go.jp/jiko/kouza/index2013.html ---------------------------------------------------------------- ◆◆◇ 注意喚起ちらしについて ◇◆◆ NITEで収集した事故情報を基に作成した注意喚起ちらしをホームペ ージに掲載しております。地域や社内回覧にご利用ください。 注意喚起ちらしの追加 ・「こんな事故にもご用心(No.44)」 内容:電気こんろ、ハロゲンヒーターなど http://www.nite.go.jp/jiko/chirashi/data/pdf/95_goyoujin44.pdf ◇過去の注意喚起ちらしの情報 http://www.nite.go.jp/jiko/chirashi/chirashi.html ---------------------------------------------------------------- ◆◆◇ 今月のプレスリリースについて ◇◆◆ NITEでは、「電気こんろによる事故の防止について(注意喚起)」 3月22日に注意喚起を行いました。 http://www.nite.go.jp/jiko/press/prs130322.html =================================== 4.その他の製品安全情報 =================================== ◆◆◇ 消費経済審議会製品安全部会-開催通知 ◇◆◆ 経済産業省 【開催日】平成25年3月27日 10:00~12:00 【会場】経済産業省別館4階 435共用会議室(東京都) 【議題】 1.消費生活用製品安全法に基づく危害防止命令の報告について 2.その他 【詳 細】 http://www.meti.go.jp/committee/notice/2012a/20130322004.html ---------------------------------------------------------------- ◆◆◇ iPod nanoの製品事故に係る定期報告 ◇◆◆ 経済産業省 iPod nano(第一世代)の製品事故が多数発生していることを 受けて、経済産業省は、Apple Japan合同会社(旧アップル ジャパン株式会社)に対して、消費生活用製品安全法に基づき、消費者 に対する注意喚起及び再発防止策等について報告を指示し、対策の実施 状況を定期的に報告するよう指示しています。 http://www.meti.go.jp/product_safety/download/kouhyou130319_2.pdf ---------------------------------------------------------------- ◆◆◇ TDK株式会社に対する危害防止命令 ◇◆◆ 経済産業省 TDK株式会社が平成10年から平成11年にかけて製造・販売した加 湿器について、発煙・発火等の危険があることから、同社の製品回収を より確実に実施するため、経済産業省から同社に対して、消費生活用製 品安全法第39条第1項の規定に基づき、該当する製品について、回収、 消費者向け周知等必要な措置をとるよう命じました。 http://www.meti.go.jp/press/2012/03/20130313004/20130313004.html ---------------------------------------------------------------- ◆◆◇ 第3回製品事故判定第三者委員会の審議結果の公表 ◇◆◆ 経済産業省 経済産業省は、消費生活用製品の重大製品事故に係る公表済事故におい て、製品起因による事故ではないと判断した案件及び製品に起因して生 じた事故かどうか不明であると判断した案件を公表しました。 http://www.meti.go.jp/product_safety/policy/24daisanshaiinnkai/hijyudai_130312.pdf http://www.meti.go.jp/product_safety/policy/24daisanshaiinnkai/fumei_130312.pdf ---------------------------------------------------------------- ◆◆◇ 消費生活用製品の重大製品事故に係る公表について ◇◆◆ 消費者庁 消費者庁は、消費生活用製品安全法第35条第1項の規定に基づき報告 のあった重大製品事故について、以下のとおり公表しています。 03/22 http://www.caa.go.jp/safety/pdf/130322kouhyou_3.pdf 03/19 http://www.caa.go.jp/safety/pdf/130319kouhyou_1.pdf 03/15 http://www.caa.go.jp/safety/pdf/130315kouhyou_1.pdf 03/12 http://www.caa.go.jp/safety/pdf/130312kouhyou_1.pdf ---------------------------------------------------------------- ◆◆◇ R-Mapセミナー参加者募集 ◇◆◆ 一般財団法人日本科学技術連盟 日科技連では、設計段階から出荷後に至るまでの「全ライフサイクルに 対応した製品安全リスクマネジメント手法」であるR-Map関連講座 を体系化して、開催しています。R-Mapによるリスクアセスメント をセミナーとして、ご活用ください。 【会場】日科技連東高円寺ビル(東京メトロ・丸ノ内線東高円寺駅) ◆R-Map入門コース ------------------------------------ 【開催日】第1回2013年4月16日(火) 13:30~16:30 第2回2013年9月19日(木) 13:30~16:30 【参加費】無料 【詳 細】 http://www.juse.or.jp/seminar/18071/?130326ps ◆流通段階・販売後のR-Map活用コース -------------------- 【開催日】第1回2013年5月23日(木) 13:00~17:00 第2回2013年11月20日(水) 13:00~17:00 【参加費】有料(16,800円(一般)/12,600円(会員)) 【詳 細】 http://www.juse.or.jp/seminar/18072/?130326ps ◆開発段階のR-Map活用コース ---------------------------- 【開催日】第1回2013年5月24日(金) 9:20~17:00 第2回2013年11月21日(木) 9:20~17:00 【参加費】有料(23,100円(一般)/18,900円(会員)) 【詳 細】 http://www.juse.or.jp/seminar/18073/?130326ps ◆製品安全(PS)技術コース ---------------------------- 【開催日】第1回2013年9月12日(木)~13日(金)(東京) 第2回2014年1月29日(水)~31日(木)(東京) 【参加費】有料(44,100円(一般)/38,850円(会員)) 【詳 細】 http://www.juse.or.jp/seminar/18074/?130326ps ◆PS/PLマネジメントコース ----------------------- 【開催日】2013年6月13日(木)~14日(金)(東京) 【参加費】有料(49,350円(一般)/42,000円(会員)) 【詳 細】 http://www.juse.or.jp/seminar/18075/?130326ps =================================== 5.編集後記 =================================== 電気こんろはニクロム線等に電流を流して発熱させます。ネットで小 学生の理科のこんな問題を見つけました。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ニクロム線A:長さ10cm直径0.2mm ニクロム線B:長さ20cm直径0.2mm ニクロム線C:長さ20cm直径0.4mm 一定の電圧をかけたとき発熱量の大きい順に並べなさい。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 高校生なら「抵抗=抵抗率×長さ÷断面積」、「電力=電圧×電圧÷ 抵抗」なので、L=10、r=0.2などと置きA、B、Cの電力を 計算してC>A>Bと説くでしょう。ただ、公式も代数もわからない 小学生にどうやってこの問題を教えているのでしょう。小学生は「電 流が流れるほど発熱し、抵抗が小さいほどよく流れる(→抵抗が小さ い方が発熱が大きい)」、「抵抗は長さに比例し断面積に反比例」、 「円の面積は直径の二乗に比例」と習うらしいので、比例式で地道に 比べるのでしょうか。少しだけ論理展開が高校生よりも長く複雑なの で、「発熱=直径×直径÷長さ」だから暗記して、という教え方も受 験ではいいのかもしれません。みなさまは小学生にうまく教える自信 はあるでしょうか。私は子どもがいないので今のところ、余裕綽々で す。 ・・・‥‥…………………………………………………………………‥‥・・・ くらしの安全・安心のための総合誌「生活安全ジャーナル」のリンク http://www.nite.go.jp/jiko/journal/ PSマガジンの普及にご協力をお願いいたします。PSマガジンのご 紹介先のお知らせ、広報誌等への掲載を歓迎いたします。 このメールマガジンに関するお問い合わせ、「その他の製品安全情報」 欄へ掲載のご希望などがありましたら、以下のメールアドレスまでご 連絡ください。 ( mailto:ps@nite.go.jp ) 配信登録や解除、配信メールアドレスの変更は、下記HPからお願い いたします。(過去のPSマガジンも掲載しています) http://www.nite.go.jp/jiko/psm/index.html ・・・‥‥…………………………………………………………………‥‥・・・ 【編集・発行】 独立行政法人製品評価技術基盤機構 製品安全センター 製品安全調査課 http://www.jiko.nite.go.jp/
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