製品安全

Vol.90  2月 4日号「湯たんぽによる事故」

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====================2009.2. 4 Vol. 90====================

 最近の湯たんぽは、昔ながらの金属製のものから電子レンジで温めるタイプ
など、種類が豊富になっています。今回は、湯たんぽによる事故事例をご紹介
しています。事故100選は、バドミントンシューズのソールがはがれた事故
です。

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                 目次 
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1.製品事故収集情報
  ・湯たんぽによる事故
  ・消費生活用製品の事故情報収集状況(1月14日~1月27日受付237件)
2.社告・リコール情報(5件)
3.NITEからのお知らせ
  ・事故情報収集制度における事故情報の調査結果について
   (H20年12月調査終了分)
  ・生活安全ジャーナル第7号のダウンロードを開始
4.関係機関の製品安全情報
  ・消費生活用製品の重大製品事故に係る公表について    経済産業省
5.事故100選
   第56回「バドミントンシューズのソールがはがれた事故」
6.編集後記
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            1.製品事故収集情報
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         ◆◆◇ 湯たんぽによる事故 ◇◆◆

◇原因は現在調査中ですが、今回受付した事故情報の中に、湯たんぽの破裂事
 故がありました。湯たんぽを使用するにあたってご注意いただきたい事故事
 例をご紹介します。

  (事例1)金属製湯たんぽを電磁調理器で温めていたところ破裂して電
       磁調理器が破損し、壁に傷ができました。
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  → 口金を外さずに湯たんぽを電磁調理器で温めたため、内圧の上昇に
    耐えられなくなった湯たんぽが破裂し、電磁調理器や周囲の壁が破
    損したものと推定されます。 なお、製品本体と取扱説明書には、
    「直接温める時は必ず口金を外す」旨が表示されていました。

  (事例2)湯たんぽを足から離して置き就寝したところ、左足に低温火
       傷を負いました。
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  → 就寝前は足から離れていましたが、就寝中に寝返りなどで足に接触
    してしまい、そのまま長時間接触した状態になったため、低温火傷
    を負ったものと推定されます。なお、当該製品の取扱説明書には低
    温火傷に関する注意事項が記載されていました。

  (事例3)電子レンジ加熱式湯たんぽを電子レンジで加熱したところ、
       取り出した際に破裂して蓄熱材が飛散し、女性2人が火傷を
       負いました。
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  → 当該製品の表示に示された加熱方法では異常が見られないことから、
    規定時間等を超えて加熱したことにより、蓄熱材(ポリエチレング
    リコール)が過剰に加熱され、内部圧力が高くなるとともに、本体
    容器(ポリメチルペンテン)に亀裂が発生し、取り出した際に破裂
    ・飛散したものと推定されました。 なお、表示には加熱方法につ
    いて記載されているものの過剰加熱・再加熱における危険性等の注
    意表示が十分ではありませんでした。

◇事例1のように、金属製湯たんぽを口金を外さずにつけたまま加熱すると、
 破裂のおそれがありますのでご注意ください。製品によっては、金属製でも
 加熱できないものがありますので、取扱説明書をよくご確認の上ご使用くだ
 さい。湯たんぽには事例2のような低温火傷のおそれがありますので、就寝
 時に使う場合は、就寝前に湯たんぽを布団から取り出すなど、身体に接触し
 ないようにしてください。事例3のように、電子レンジで加熱するタイプの
 湯たんぽを加熱し過ぎると破裂や破損のおそれがあります。取扱説明書にあ
 る加熱時間とレンジ出力を必ず守ってご使用ください。詳しくは、以下の事
 故情報特記ニュースをご覧ください。

 【参考】NITE事故情報特記ニュースNo.79
  「電子レンジ加熱式湯たんぽによる加熱時の火傷事故の
   再発防止について(注意喚起)」
   http://www.nite.go.jp/jiko/news/079/news79.html

      ◆◆◇ 消費生活用製品の事故情報収集状況 ◇◆◆
           (1月14日~1月27日受付237件)

 NITEに通知のあった事故の傾向を見るために、上記期間内で、収集件数
 の多い5製品を掲載しています。なお、事故原因については現在調査中です。

      製品名            (事故状況と件数)
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     1.ガスこんろ         (火災等  21件)
     2.電気ストーブ        (火災等  21件)
     3.幼児用玩具         (挟まれ等 15件)
     4.石油ストーブ        (火災等  10件)
     5.自転車           (破損    7件)

 幼児用玩具15件には、昨年以降発生した分をまとめて報告があったものを
 含みます。

 最近1週間に受付をした事故情報について毎週金曜日に以下のNITEホー
 ムページで公表しています。
  → http://www.nite.go.jp/jiko/sokuho/index20.html

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            2.社告・リコール情報
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◇アロン化成株式会社「シルバーカー」(HP)(回収(補修))(H21/01/29)
 【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/2009012901.html 

◇株式会社ニトリ「スチールハイベッド」(HP)(無償提供(手すり部品))
 (H21/01/24)
 【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/2009012401.html

◇アメアスポーツジャパン株式会社「自転車用ホイール」(HP)
 (無償交換(前輪:2009年3月31日(火)から順次開始))(H21/01/16)
 【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/2009011601.html

◇株式会社ニトリ「ランドセル」(HP)(製品回収及び改善品交換)
 (H21/01/14)
 【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/2009011401.html

◇株式会社アイアン「ハロゲンヒーター」(HP)(代替品交換)(H21/1/7)
 【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/2009010701.html

■━━━NITE社告・リコール情報のページ━━━━━━━━━━━━━■

 【過去1年間の社告・リコール情報】
     http://www.nite.go.jp/jiko/index4.html
 【社告・リコール情報の検索】
     http://www.jiko.nite.go.jp/php/shakoku/search/index.php

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           3.NITEからのお知らせ
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 ◆◆◇ 事故情報収集制度における事故情報の調査結果について ◇◆◆
          (H20年12月調査終了分)

 NITEは、「事故情報収集制度における事故情報の調査結果について(H
20年12月調査終了分)」を公表しました。同時に、平成20年12月末ま
でに調査の終了した案件および19年度受付分の調査中案件について、事故情
報データへ追加・更新しました(トータル24008件)。

【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/reports/H20/H20_03.html

  ◆◆◇ 生活安全ジャーナル第7号のダウンロードを開始 ◇◆◆

 NITEホームページで、生活安全ジャーナル第7号のダウンロードを開始
しました。今号の特集は、乗物の事故と安全です。

【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/journal/index.html

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           4.関係機関の製品安全情報
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  ◆◆◇ 消費生活用製品の重大製品事故に係る公表について ◇◆◆

 経済産業省は、消費生活用製品安全法第35条第1項の規定に基づき報告の
あった重大製品事故について、以下のとおり公表しています。

   1/30 http://www.meti.go.jp/press/20090130007/20090130007.html
   1/27 http://www.meti.go.jp/press/20090127002/20090127002.html
   1/23 http://www.meti.go.jp/press/20090123004/20090123004.html

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             5.事故100選
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    第56回「バドミントンシューズのソールがはがれた事故」

◇平成18年、バドミントンの大会でバドミントンシューズのソールがはがれ
 て転倒し、使用者が臀部の打撲と関節の筋が伸びる怪我を負いました。事故
 が起きたシューズは、EVA樹脂製のミッドソールにラバー製のアウトソー
 ルを接着したもので、使用期間は約1ヶ月でした。使用者によると、試合中
 に右足の前部分中央付近のアウトソールがはがれてコートに引っ掛かり、転
 倒したとのことでした。

◇事故品を製造事業者が確認したところ、はがれはミッドソールとアウトソー
 ルの接着境界から発生しており、はがれた箇所には、十分に接着されていな
 い場合にみられる表面状態が確認できました。このため、生産状況を確認す
 ると、経験の浅い作業員が混じって接着作業を行っていたことが判りました。

◇このことから、ミッドソールとアウトソールを接着するための接着剤(ウレ
 タン系)の塗布量が少なかったため接着強度が不十分となり、剥がれた部分
 がコートに引っ掛かって転倒し、負傷したものと推定されました。

◇事故を受けて、製造事業者は当該製品の販売を中止し、新聞とホームページ
 に社告を掲載し、改良品への無償交換を行うこととしました。製造事業者は、
 接着作業工程の見直しと作業手順の標準化を行いました。さらに、接着をよ
 り強固にして、外観で対策品と区別ができるようにするため金型を変更する
 こととしました。

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              6.編集後記
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 低温火傷は、深部に重度の火傷を負って重傷になりやすいため、注意が必要
です。お子さんや高齢の方は特に注意してあげてくださいね。 
 
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 ◇事故情報の検索 
  NITEのHPでは、調査が終了した事故情報を検索できます。
  http://www.jiko.nite.go.jp/php/jiko/index.html

 ◇製品の事故情報をお寄せください
  NITEでは、暮らしの中で起こった製品の事故情報を集めて調査し、
 その結果を公表して製品事故の未然・再発防止に役立てています。
 
 【事故情報収集制度概要】 http://www.nite.go.jp/jiko/index2.html
 【通知様式】 http://www.nite.go.jp/jiko/index10.html (Word版・PDF版)
 【送付先】 mailto:jiko@nite.go.jp Fax 06-6946-7280
  【問い合わせ先】 mailto:jiko@nite.go.jp

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        【編集・発行】 独立行政法人製品評価技術基盤機構
                生活・福祉技術センター 製品安全企画課

お問い合わせ

独立行政法人製品評価技術基盤機構 製品安全センター  製品安全広報課
TEL:06-6612-2066  FAX:06-6612-1617
住所:〒559-0034 大阪市住之江区南港北1-22-16 地図