製品安全

Vol.68  3月12日号「電池による事故」

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 ■    ◆========= 製品安全情報マガジン(PSマガジン)========== 
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      ■■■        生活・福祉技術センター 製品安全企画課
                       http://www.jiko.nite.go.jp/

=================2008. 3.12 Vol. 68=====================

 最近、春らしくなってきました。今回は電池による事故をご紹介しています。
「関係機関の製品安全情報」では、経済産業省の、平成20年度製品安全点検
日セミナー開催予定をご紹介しています。今年度は全国的に開催予定とのこと。
ぜひご確認ください。事故100選は、幼児用玩具の部品が破損した事故をご
紹介しています。

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                 目次 
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1.製品事故収集情報 
  ・電池による事故
  ・消費生活用製品の事故情報収集状況(2月21日~3月5日受付349件)
2.社告・リコール情報(19件)
3.関係機関の製品安全情報
  ・平成20年度製品安全点検日セミナー開催のお知らせ   経済産業省
  ・消費生活用製品の重大製品事故に係る公表について    経済産業省
  ・「安全学概論1」「安全学概論2」    明治大学リバティアカデミー
4.事故100選
    第37回「幼児用玩具の部品が破損した事故」
5.編集後記
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            1.製品事故収集情報
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           ◆◆◇ 電池による事故 ◇◆◆

◇今回は、ご注意いただきたい電池の事故事例をご紹介いたします。

  (事例1)カメラ用に使用していたアルカリ乾電池をジーンズに入れて
       いたところ、乾電池の液漏れにより、右足太股の付け根に火
       傷を負いました。
  ----------------------------------------------------------------
  →自作の電池ボックスに単3乾電池8本を装填する際、誤って1本の乾
   電池を逆装填してそのまま使用したため、他の電池を充電させる状態
   になり、電池の内圧上昇防止の安全弁が作動し、漏れた電解液により
   化学火傷を負ったものと推定されます。

  (事例2)玩具に入れていたアルカリ乾電池2本のうち、1本が破裂し
       液漏れを起こして畳を汚しました。
  ----------------------------------------------------------------
  →使い切った乾電池を、玩具に装填したまま放置していたことから、過
   放電によって電池内でガスが発生し、このガスの圧力で破裂、液漏れ
   したと推定されます。

  (事例3)電動歯ブラシに、リチウム電池とアルカリ単3電池を混ぜて
       直列にガムテープで接続し、電池を交換しながら使用してい
       たところ、爆発音とともに出火し、火傷を負いました。
  ----------------------------------------------------------------
  →容量の少なくなったアルカリ電池と、容量の多いリチウム電池を混用
   していたため、アルカリ電池は放電が終了した後も継続して強制的に
   放電され、過放電に至ったことにより、電池内でガスが発生して内圧
   が高まり電池からガスが漏れ、接続状態の悪い電池間で発生した火花
   が漏れたガスに引火して、出火したものと推定されます。

◇事例1のように、電池の逆装填は、発熱や液漏れ、破裂の原因になります。
 また、事例2のように、使い切った電池は早めに取り出すようにしてくださ
 い。長時間使わない場合も取り出しておくようにしてください。事例3のよ
 うに、古い電池や新しい電池を混ぜたり、種類の違う電池を使うことも危険
 です。

      ◆◆◇ 消費生活用製品の事故情報収集状況 ◇◆◆ 
           (2月21日~3月5日受付349件)

 NITEに通知のあった事故の傾向を見るために、上記期間内で、収集件数
 の多い5製品を掲載しています。なお、事故原因については現在調査中です。

        製品名         (事故状況と件数)
      =============================================
      1.デスクマット      (皮膚炎  46件)
      2.ガスこんろ       (火災   32件)
       .電気ストーブ      (火災等  32件)
      4.電気足温器       (発煙   29件)
      5.石油ストーブ      (火災等  21件)

 デスクマット46件は、マットとの接触部分に皮膚炎を発症した事故がまと
めて報告があったものです。電気足温器29件は、側面ヒーター部から発煙し
た事故がまとめて報告されたものを含みます。

<最新の製品事故情報の公表>

 最近1週間に受付をした事故情報について毎週月曜日に以下のNITEホー
ムページで公表しています。
  → http://www.nite.go.jp/jiko/sokuho/index20.html

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            2.社告・リコール情報
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◇松下電工株式会社/松下電器産業株式会社 「デスクヒータ」
 (代替品と交換(無料))(H20/03/06)
【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/20080306.html

◇ヤンマー農機株式会社 「家庭用生ごみ処理機」
(無料で点検・修理)(H20/03/05)
【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/20080305.html

◇アイオ産業株式会社 「木目調ガスキャビネット」
(無償改修)(H20/03/04)
【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/20080304b.html

◇松下電工株式会社/松下電工バス&ライフ株式会社
 「戸建住宅用ユニットバス」(無償にて溝フタの交換)(H20/03/04)
【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/20080304a.html

◇クリナップ株式会社/サンウエーブ工業株式会社/三協立山アルミ株式会社
 /タカラスタンダード株式会社/東芝コンシューママーケティング株式会社
 /日立アプライアンス株式会社/株式会社日立ハウステック/富士工業株式
 会社/松下電器産業株式会社/松下電工株式会社/株式会社ミカド/三菱電
 機株式会社 「電気こんろ」(平成19年7月4日、平成19年8月1日に
 行なった社告の加速取組)(無償改修)(H20/02/29)
【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/20080229c.html

◇ピジョン株式会社 「電子レンジスチーム消毒バッグ 出し入れ簡単」
 (商品回収)(H20/02/29)
【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/20080229.html

◇株式会社ADEKA(旧社名:旭電化工業株式会社)
 「ゆたんぽ(電子レンジ用)(再社告)」
(使用中止と商品回収)(H20/02/27)
【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/20080227c.html

◇株式会社デンソー 「遠赤外線ヒーター(再々社告)」
 (平成19年3月28日、平成19年11月6日に行った社告の再々社告)
 (回収(1台につき2万円で引き取り))(H20/02/27)
【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/20080227b.html

◇コクヨS&T株式会社 「シールはがし(強力タイプ)180ml 」
 (回収・交換)(H20/02/26)
【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/20080226a.html

◇三洋電機株式会社 「洗濯乾燥機(再社告)」(平成16年9月7日に行っ
 た社告の再社告)(点検・修理箇所の見直し・確認)(H20/02/26)
【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/20080227a.html

◇東京ガス株式会社 「卓上タイプ食器洗い乾燥機」
 (無料にて点検・部品交換)(H20/02/26)
【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/20080226d.html

◇大阪ガス株式会社 「卓上型食器洗い乾燥機」
 (無料にて点検・部品交換)(H20/02/26)
【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/20080226c.html

◇TOTO株式会社 「卓上型食器洗い乾燥機」
 (無料にて点検・部品交換)(H20/02/26)
【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/20080226b.html

◇山宗株式会社 「灯油缶」(H20/02/22)
【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/20080222.html

◇株式会社コロナ 「石油ストーブ」(注意喚起)(H20/02/20)
【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/20080220a.html

◇松下電器産業株式会社「20型液晶テレビ」
 (無償で点検と部品交換)(H20/02/19)
【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/20080219b.html

◇日立アプライアンス株式会社(旧社名 日立ホーム&ライフソリューション
 株式会社) 「洗濯乾燥機(再々社告)」
 (平成16年1月27日、平成17年12月21日、平成19年2月27日
  の再々社告)(無料点検・修理)(H20/02/19)
【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/20080219a.html

◇ヤマハ発動機株式会社「ヤマハ電動ハイブリッド自転車PAS」
 (無償点検・修理)(H20/02/13)
【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/20080213b.html

◇東洋エクステリア株式会社「車庫用はねあげ門扉(再社告)」
 (平成19年5月29日に行った社告の再社告)(無償改修)(H20/02/13)
【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/20080213a.html

■━━━NITE社告・リコール情報のページ━━━━━━━━━━━━━■

 【過去1年間の社告・リコール情報】
     http://www.nite.go.jp/jiko/index4.html
 【社告・リコール情報の検索】
     http://www.jiko.nite.go.jp/php/shakoku/search/index.php

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           3.関係機関の製品安全情報
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  ◆◆◇ 平成20年度製品安全点検日セミナー開催のお知らせ ◇◆◆
 
 経済産業省では、平成19年3月から毎月第二火曜日を火二(ひに)注意の
『製品安全点検日』とし、「製品を安全に使う」ために消費者向けに毎月「製
品安全点検日セミナー」を開催していました。新年度においては、製品安全点
検日セミナ-を従来の東京、大阪のみならず、全国的に展開します。また、製
品を安全に使うことの重要性を分かりやすく伝えるために製品安全広報大使を
設置し、効果的な広報活動に取り組む予定です。ぜひご参加ください。

【詳細】 http://www.meti.go.jp/press/20080310007/20080310007.html

  ◆◆◇ 消費生活用製品の重大製品事故に係る公表について ◇◆◆  

 経済産業省は、消費生活用製品安全法第35条第1項の規定に基づき報告の
あった重大製品事故について、以下のとおり公表しています。

  3/11 http://www.meti.go.jp/press/20080311003/20080311003.html
  3/ 7 http://www.meti.go.jp/press/20080307001/20080307001.html
  3/ 5 http://www.meti.go.jp/press/20080305006/20080305006.html
  3/ 4 http://www.meti.go.jp/press/20080304009/20080304009.html
  2/29 http://www.meti.go.jp/press/20080229005/20080229005.html

   ◆◆◇ 「安全学概論 1」-暮らしの中の安全を考える ◇◆◆
       「安全学概論 2」-社会の中に安全を創る  

 明治大学リバティアカデミーでは、ビジネス・プログラムとして秋葉原サテ
ライトキャンパス講座(有料)「安全学概論 1」-暮らしの中の安全を考える、
「安全学概論 2」-社会の中に安全を創るを開催します。
 「安全学概論 1」では、安全の理念的な面、誤使用などの人間的な側面、消
費者の生活や企業活動の社会的側面など、安全学の立場から、暮らしの中の安
全について考えます。「安全学概論 2」では、安全を確保するための社会制度
のあり方、安全な製品を設計のための技術的側面、安全な製品のあり方等を含
めて、安全学の立場から、社会の中に安全を如何に創るかについて考えます。
   
【詳細】 http://academy.meiji.jp/ccs/index.html

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             4.事故100選
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       第37回「幼児用玩具の部品が破損した事故」

◇平成18年、玩具のはぐるま部品の透明カバーが外れ、中のビーズがこぼれ
 出て、幼児(1才半)がビーズを誤飲する事故が発生しました。保護者によ
 ると、気づいた時には、床に散らばったビーズを子どもが口に含んでいたと
 のこと。その際、残っていたビーズから、12個のうち6個を誤飲してしま
 った可能性が考えられ、後日、体外に5個のビーズが排出したとのことでし
 た。当該製品の使用期間は、2、3日でした。

◇事故が起きた玩具は幼児向けで、まわして遊ぶはぐるまが付いており、はぐ
 るまの中央部にはビーズが入っていて、透明カバーでふたがされていました。
 はぐるま本体と透明カバーの接合は、透明カバーに付いている爪を、はぐる
 ま本体の孔にはめ込む方法でした。透明カバーが外れた原因は、(1) はめ込
 み式の爪が十分はまっていなかったこと、(2) 十分にはまっていたが、想定
 していた嵌合強度ではなかったことの2点が考えられました。
 
◇(1)の場合では、組み立てにおいて透明カバーの爪が十分はまっていなかっ
 たはぐるま部品が、検品漏れで混入してしまった可能性、(2)の場合では、
 はぐるま部品の製造工程において、樹脂パーツの成形条件、ビーズの仕切り
 部品のメッキ厚み等のばらつきが、はぐるま部品のばらつきとなって、設計
 通りの強度を満たさないものが混入した可能性が考えられました。以上のこ
 とで、当該玩具を高い位置から落としたり、投げつけたりした際の衝撃に耐
 えられず、カバーが外れたものと推定されました。

◇事故を受けて、製造事業者は新聞とホームページに社告を掲載し、対象部品
 を無償で交換すこととしました。また、再発防止措置として以下の改善等を
 行うこととしています。
   ・透明カバーの取り付け強度の設計基準を90cmから135cmから
    の落下から外れないことに変更
   ・成型品に爪をはめ込む際のガイドリブを設ける
   ・爪が孔に通りやすくする
   ・嵌合方法を、はめ込み式からはめ込み式と接着を併用する方法に変更
   ・工程上で透明カバーの引っ張り強度テストを全数実施する

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              5.編集後記
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 以前に電池の液漏れで化学火傷を負ったことがあります。思っていた以上の
傷になって驚きました。特にお子さんは、手の届くところに電池を置かないよ
うに気をつけてあげてください。電池式のおもちゃも、必ず大人が電池交換し
てあげてください。

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 ◇事故情報の検索 
  NITEのHPでは、調査が終了した事故情報を検索できます。
  http://www.jiko.nite.go.jp/php/jiko/index.html

 ◇製品の事故情報をお寄せください
  NITEでは、暮らしの中で起こった製品の事故情報を集めて調査し、
 その結果を公表して製品事故の未然・再発防止に役立てています。
 
 【事故情報収集制度概要】 http://www.jiko.nite.go.jp/index2.html
 【通知様式】 http://www.jiko.nite.go.jp/index10.html (Word版・PDF版)
 【送付先】 mailto:jiko@nite.go.jp Fax 06-6946-7280
  【問い合わせ先】 mailto:jiko@nite.go.jp

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        【編集・発行】 独立行政法人製品評価技術基盤機構
                生活・福祉技術センター 製品安全企画課

お問い合わせ

独立行政法人製品評価技術基盤機構 製品安全センター  製品安全広報課
TEL:06-6612-2066  FAX:06-6612-1617
住所:〒559-0034 大阪市住之江区南港北1-22-16 地図