Vol.59 10月24日号「石油ストーブによる事故」
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■■■ 生活・福祉技術センター 製品安全企画課
http://www.jiko.nite.go.jp/
==================2007.10.24 Vol. 59====================
今号は、冬場に多い石油ストーブの事故をご紹介しています。NITEから
のお知らせでは、化学物質管理センターの、身近な製品に含まれる化学物質を
調べることができるホームページ「化学物質と上手に付き合うには」において、
「洗剤」の解説をリニューアルしましたのでご案内しています。事故100選
は、マグカップの取っ手が取れた事故です。
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目次
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1.製品事故収集情報
・石油ストーブによる事故
・消費生活用製品の事故情報収集状況(10月4日~10月17日受付131件)
2.社告・リコール情報(6件)
3.NITEからのお知らせ
・「化学物質と上手に付き合うには」-「洗剤」の解説をリニューアル
・平成19年度成果発表会開催のご案内
4.関係機関の製品安全情報
・リチウムイオン電池の安全確保策について 経済産業省
(携帯機器用リチウムイオン電池自主回収促進協議会の設立等)
・消費生活用製品安全法の一部を改正する法律案及び
電気用品安全法の一部を改正する法律案について 経済産業省
・消費生活用製品の重大製品事故に係る公表について 経済産業省
5.事故100選
第28回「マグカップの取っ手が取れた事故」
6.編集後記
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1.製品事故収集情報
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◆◆◇ 石油ストーブによる事故 ◇◆◆
◇前回の電気ストーブに引き続いて、冬場に多く、ご注意いただきたい石油ス
トーブの事故事例をご紹介します。
(事例1)平屋の住宅から出火して、同住宅と隣接する倉庫を全焼し、
家人1人が両腕に軽い火傷を負いました。
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→ 生乾きの洗濯物を石油ストーブの上方に干したまま放置したため、
乾いた洗濯物が石油ストーブに落下し、火災に至ったものと推定さ
れます。
(事例2)住宅の居間のストーブ付近から出火し、居間の一部約20平
方メートルを焼きました。
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→ 石油ストーブを点けたまま給油した際、カートリッジタンクのふた
(ネジ式)の締め方が不十分だったため、タンクをストーブに戻そ
うとしたところ、漏れた灯油がストーブにかかり、ストーブの火が
引火し、火災に至ったものと推定されます。
(事例3)木造2階建て住宅から出火し、台所の壁約5平方メートルを
焼きました。
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→ 農耕用に保管していたガソリンを灯油と間違えて石油ストーブに給
油したため、異常燃焼を起こし、出火に至ったものと推定されます。
◇電気ストーブに多くみられるような、就寝中の使用で起きた事故はあまりあ
りませんが、事例1のように、洗濯物を近くに干したり、そばに置いて乾か
したりして起きた事故は、石油ストーブにも多く見受けられます。また、給
油時にカートリッジタンクの口金の締め方が不十分だったり、消火せずに給
油したりして起こる事例2の事故も多く通知されていますが、カートリッジ
タンクの口金が曲がっていて締めが不十分だったケースなどもあります。こ
れから暖房器具を出してお使いになる前に異常がないか確認してご使用くだ
さい。
【参考】
事故情報特記ニュース No.53
「石油ストーブや石油ファンヒーターを使用するにあたって(注意喚起)」
http://www.jiko.nite.go.jp/news/news53.html
◆◆◇ 消費生活用製品の事故情報収集状況 ◇◆◆
(10月4日~10月17日受付131件)
NITEに通知のあった事故の傾向を見るために、上記期間内で、収集件数
の多い5製品を掲載しています。なお、事故原因については現在調査中です。
製品名(事故状況と件数) [前号比(件数±)]
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1.ガスこんろ (火災等 19件) [- 2]
2.エアコン (火災等 7件) [+ 1]
.カラーテレビ (発煙等 7件) [- 4]
4.両手なべ(ステンレス製)(亀裂 6件) [+ 5]
5.石油給湯器 (焼損等 5件) [+ 4]
.スプレー缶 (引火 5件) [± 0]
カラーテレビ、石油給湯器の中には、社告対象品が含まれています。両手な
べは、縁やリベット付近に亀裂が入ったものです。スプレー缶は、使用中にガ
スこんろの火が引火して火傷を負った事故等です。
<最新の製品事故情報の公表>
最近1週間に受付をした事故情報について毎週月曜日に以下のNITEホー
ムページで公表しています。
→ http://www.nite.go.jp/jiko/sokuho/index20.html
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2.社告・リコール情報
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◇株式会社インターコンプ(発売元)/株式会社ベスト電器(販売店)
/住友商事株式会社(輸入元)「ハロゲンヒーター(再社告)」
(平成19年6月14日に行った社告の再社告(製品引取・返金 )(H19/10/17)
【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/20071017.html
◇株式会社日立製作所コンシューマ事業グループ 「液晶テレビ」
(無料点検、処置)(H19/10/11)
【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/20071011.html
◇リンナイ株式会社 「開放式小型湯沸器(再社告)」
(平成19年2月12日に行った社告の再社告)(無償点検、注意喚起)
(H19/10/09)
【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/20071009.html
◇ハーレーダビッドソン ジャパン株式会社 「ヒーティングジャケット」
(製品回収、無償交換)(H19/10/03)
【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/20071003.html
◇日本電気株式会社/NECディスプレイソリューションズ株式会社
(旧社名:NECビューテクノロジー株式会社)「プロジェクター」
(平成19年1月22日、7月23日に行った社告の再社告)
(無償点検、修理)(H19/09/26)
【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/20070926a.html
◇株式会社シャンティ 「ビューラー」(商品回収)(H19/09/25)
【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/20070925a.html
■━━━NITE社告・リコール情報のページ━━━━━━━━━━━━━■
【過去1年間の社告・リコール情報】
http://www.nite.go.jp/jiko/index4.html
【社告・リコール情報の検索】
http://www.jiko.nite.go.jp/index5.html
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3.NITEからのお知らせ
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◆◆◇ 「化学物質と上手に付き合うには」 ◇◆◆
「洗剤」の解説をリニューアル
NITE化学物質管理センタ-では、化学物質に関する安全性をリスクとい
う考え方で管理するためのホームページ「化学物質と上手に付き合うには」を
公開しています。このホームページでは、塗料、家庭用接着剤、建材用接着剤、
洗剤、殺虫剤等、化粧品、食器、子ども用おもちゃなどの製品分類から、含ま
れる化学物質を調べることが可能です。この度、この中の「洗剤」の解説をリ
ニューアルいたしました。また、パンフレット(PDF版)も公開しています
ので、ぜひご利用ください。
【詳細】 http://www.safe.nite.go.jp/management/product/ProductName
◆◆◇ 平成19年度成果発表会開催のご案内 ◇◆◆
NITE生活・福祉技術センターは、平成19年度成果発表会を下記の日程
で開催いたします。平成18年度に製品安全分野が実施した業務の成果につい
てご報告いたします。まだ少し余裕がございますので、ぜひご参加いただきま
すようお願い申し上げます。
<大阪会場>
【日 時】平成19年11月1日(木) 10:00~16:30(受付 9:30~)
【会 場】大阪国際会議場(大阪市北区中之島)
【定 員】250名(先着)
<東京会場>
【日 時】平成19年11月13日(火) 10:00~16:30(受付 9:30~)
【会 場】日本教育会館一ツ橋ホール(東京都千代田区)
【定 員】500名(先着)
【参加費】無料
【詳 細】プログラム、申込方法等は以下のページをご参照ください。
http://www.nite.go.jp/jiko/seika/seika2007.html
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4.関係機関の製品安全情報
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◆◆◇ リチウムイオン電池の安全確保策について ◇◆◆
(携帯機器用リチウムイオン電池自主回収促進協議会の設立等)
携帯電話用又はノートPC用リチウムイオン電池で現在自主回収を行ってい
る関係事業者計22社が、10月18日、自主回収の促進に向けた取組みの更
なる強化に向けて「携帯機器用リチウムイオン電池自主回収促進協議会」を設
立しました。同協議会の設立に合わせ、経済産業省は、消費者に自主回収への
協力を呼びかけています。
【詳細】 http://www.meti.go.jp/press/20071018007/20071018007.html
◆◆◇ 消費生活用製品安全法の一部を改正する法律案及び ◇◆◆
電気用品安全法の一部を改正する法律案について
経済産業省は、産業構造審議会製品安全小委員会において、中間とりまとめ
「出荷後における製品の安全性確保に向けて」を平成19年9月10日にとり
まとめました。本とりまとめにおいて、事業者による消費者の保守サポート制
度の創設及び旧電気用品取締法適合製品の経過措置の見直しについて提言され、
また、リチウムイオン電池に関する緊急対応の必要性が指摘されています。
こうしたことを踏まえ、同省は、現行法の改正案である「消費生活用製品安全
法の一部を改正する法律案」及び「電気用品安全法の一部を改正する法律案」
を平成19年10月18日閣議決定し、第168回臨時国会に提出することと
しています。
【詳細】 http://www.meti.go.jp/press/20071012002/20071012002.html
◆◆◇ 消費生活用製品の重大製品事故に係る公表について ◇◆◆
経済産業省は、消費生活用製品安全法第35条第1項の規定に基づき報告の
あった重大製品事故について、以下のとおり公表しています。
10/23 http://www.meti.go.jp/press/20071023005/20071023005.html
10/19 http://www.meti.go.jp/press/20071019005/20071019005.html
10/16 http://www.meti.go.jp/press/20071016005/20071016005.html
10/12 http://www.meti.go.jp/press/20071012004/20071012004.html
10/10 http://www.meti.go.jp/press/20071010003/20071010003.html
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5.事故100選
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第28回「マグカップの取っ手が取れた事故」
◇平成18年、マグカップにホットコーヒーを入れて飲んでいたところ、取っ
手が外れてマグカップの本体が落下し、使用者が火傷を負う事故が発生しま
した。事故が起きたマグカップは、陶器の本体にプラスチックの取っ手を接
着したデザインのもので、購入して1週間ほどの使用でした。
◇マグカップは、アクリル樹脂製の取っ手が、陶器製の本体にウレタン変性ア
クリル樹脂の接着剤で接着されていました。調査では、本体側のはく離面に
接着剤が確認されず、また取っ手側にも陶器片が確認されなかったことから、
本体と接着剤の界面(境界面)ではく離が発生したものと考えられました。
また、線膨張率測定から、陶器に比べて、取っ手と接着剤の線膨張係数(*)
が大きいことが判りました。
◇このことから、本体(陶器)の線膨張係数に比べ、取っ手(アクリル樹脂)
と接着剤(ウレタン変性アクリル樹脂)の線膨張係数の方が大きいことから、
使用によるマグカップの温度変化で陶器面に対して膨張又は収縮による歪み
が接着面に発生し、はく離したものと推定されます。紫外線硬化樹脂である
接着剤の硬化が不十分な製品が混入していた可能性も考えられましたが、特
定するには至りませんでした。また、取っ手のアクリル樹脂は100℃近い
高温になると変形する可能性があるものでした。
◇マグカップは使用実態として加温や冷却されることが考えられる製品である
にもかかわらず、温度変化に対応できない製品であったと思われます。輸入
事業者は、製造、輸入、販売を中止し、製品の社告回収を行い対応すること
としました。
(*) 線膨張係数は、固体の温度が1℃上昇したとき、その一方向の2点間の
距離の増加の割合
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6.編集後記
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先日、初めての人間ドッグを受けてきました。製品の安全点検といっしょで、
人間も定期的な点検は必要ですね。
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◇事故情報の検索
NITEのHPでは、調査が終了した事故情報を検索できます。
http://www.jiko.nite.go.jp/index3.html
◇製品の事故情報をお寄せください
NITEでは、暮らしの中で起こった製品の事故情報を集めて調査し、
その結果を公表して製品事故の未然・再発防止に役立てています。
【事故情報収集制度概要】 http://www.jiko.nite.go.jp/index2.html
【通知様式】 http://www.jiko.nite.go.jp/index10.html(Word版・PDF版)
【送付先】 mailto:jiko@nite.go.jp Fax 06-6946-7280
【問い合わせ先】 mailto:jiko@nite.go.jp
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