製品安全

Vol.55  8月29日号「電磁調理器による事故」

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===================2007.8.29 Vol. 55=====================

 このところ猛暑が続いていましたが、少し落ち着いたように思います。今回
は、電磁調理器の事故をご紹介しています。事故100選は、洗面台キャビネ
ットの扉が外れた事故です。

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                 目次 
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1.製品事故収集情報 
  ・電磁調理器による事故
  ・消費生活用製品の事故情報収集状況(7月26日~8月22日受付475件)
2.社告・リコール情報(19件)
3.関係機関の製品安全情報
  ・消費生活用製品の重大製品事故に係る公表について    経済産業省
  ・製品安全専門講座「製品安全技術者コース」 (財)日本科学技術連盟
  ・R-Map実践研究会 特別講演会     (財)日本科学技術連盟
4.事故100選
   第24回「洗面台キャビネットの扉が外れた事故」
5.編集後記
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            1.製品事故収集情報
===================================

         ◆◆◇ 電磁調理器による事故 ◇◆◆

◇今回、事故原因は調査中ですが、電磁調理器から発煙した事故がありました。
 電磁調理器について、消費者の不注意や誤使用の事例をご紹介します。
 
  (事例1)電磁調理器で揚げ物を調理中にその場を離れたところ、天ぷ
   ら油から発火しました。
  ----------------------------------------------------------------
  →揚げ物の調理の際、付属の天ぷら鍋を使わずに鍋底の小さい市販の片
   手なべを使用していたことと、天ぷら油の油量が少なかったことから、
   本体の温度センサーの検知が正常に働かず、天ぷら油が過熱し、発火
   したものと推定されます。

  (事例2)ビルトインタイプの電磁調理器で天ぷらを揚げるため、鍋に
   てんぷら油を約200ml入れて加熱していたところ、約3分間その場
   を離れた際に、天ぷら油が発火しました。
  ----------------------------------------------------------------
  →使用した鍋の底がくぼんでおり、天ぷら油の量が200mlと少なかっ
   たため、電磁調理器の温度調節機能が正常に働かず、湯温が上がりす
   ぎ、また、使用者がその場を離れたため天ぷら油の発煙に気づかず、
   発火に至ったと推定されます。

◇事例1は、取扱説明書と本体表示に「揚げ物の調理中はそばを離れない」
 「揚げ物調理には必ず付属の天ぷら鍋を使う」「500g未満の油で調理し
 ない」旨の警告・注意表示が記載されていました。このように、電磁調理器
 での天ぷらを調理する際は、付属の鍋の使用や適正な油量等、各メーカーに
 よって設定がされているようです。取扱説明書を確認してご使用ください。
 また、事例2のようになべの底にくぼみやそりがあると、温度センサーが正
 しく検知できなくなります。電磁調理器は炎が出ないので、調理中についそ
 の場を離れてしまいがちかもしれませんが、調理中は離れないようにご注意
 ください。

     ◆◆◇ 消費生活用製品の事故情報収集状況 ◇◆◆ 
          (7月26日~8月22日受付475件)

 NITEに通知のあった事故の傾向を見るために、上記期間内で、収集件数
 の多い5製品を掲載しています。なお、事故原因については現在調査中です。
                  
     製品名(事故状況と件数)        [前号比(件数±)]
    ==========================================================
    1.デスクマット    (皮膚炎  155件) [-]
    2.ガスこんろ     (火災等   42件) [-]
    3.エアコン      (発火等   16件) [-]
    4.電気こんろ     (火災等   13件) [-]
    5.ガス給湯器     (焼損等   12件) [-]
   
    (*) 今回は4週間分の集計(通常2週間分)のため、
      前号比は掲載しておりません。

 デスクマット155件は社告対象製品で、販売事業者からの報告です。事故
内容は使用していて皮膚炎を発症したものです。エアコンの16件(室内機9
件、室外機7件)は、うち室内機5件が社告対象製品です。事故内容は発火や
発煙など。電気こんろ13件は、うち7件が社告対象製品です。ガス給湯器1
2件はうち6件が社告対象製品です。事故内容は、機器内部の焼損等です。

<最新の製品事故情報の公表>

 最近1週間に受付をした事故情報について毎週月曜日に以下のNITEホー
ムページで公表しています。
  → http://www.nite.go.jp/jiko/sokuho/index20.html

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            2.社告・リコール情報
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・三洋株式会社「古い扇風機についてのお知らせとお願い」(H19/08/24) 
 こちらの「リンク情報」からご覧ください。
 → http://www.nite.go.jp/jiko/index4.html

◇ライオン株式会社「殺虫剤」(自主回収)(H19/08/28)
【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/20070828a.html

◇マイクロソフト株式会社「電気玩具(ゲーム機用コントローラー)」
 (注意喚起)(H19/08/23)
【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/20070823c.html

◇株式会社セイカ「電動鉛筆削り器」
(商品回収、無償部品交換(電源コード))(H19/08/23)
【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/20070823b.html

◇株式会社デビカ「電動鉛筆削り器」
 (商品回収、無償部品交換(電線コード))(H19/08/23)
【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/20070823a.html

◇株式会社赤ちゃん本舗/株式会社ケイビーエクセル/株式会社国際貿易/
 株式会社ティーレックス/株式会社ナカジマコーポレーション/
 有限会社マーケット・ブレインズ/株式会社ライフプラン/
 (社団法人日本玩具協会が調整)「浴槽用浮き輪(座れるタイプ)」
 (注意喚起)(H19/08/21)
【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/20070821b.html

◇旭硝子株式会社「温水浄化システム(通称「24時間風呂」)」
(無償点検、ヒーター部品交換、防水処理を実施。)(H19/08/21)
【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/20070821a.html

◇NTTドコモグループ「携帯電話端末対応電池パック」
(製品交換(回収対象の電池パック))(H19/08/16)
【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/20070816.html

◇燦坤(サンクン)日本電器株式会社(輸入販売元)「カーボンヒーター」
 (製品回収・交換)(H19/08/07)
【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/20070807c.html

◇日本ビクター株式会社「ブラウン管テレビ」(無料点検・修理)(H19/08/07)
【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/20070807b.html

◇日本ビクター株式会社「プリメインアンプ」(無料点検・修理)(H19/08/07)
【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/20070807a.html

◇ソニー株式会社 「デジタルスチルカメラ」
 (無償交換(対象製品の底面の外装部品))(H19/08/03)
【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/20070803.html

◇株式会社NTTドコモ 「携帯電話端末対応電池パック」
(無償交換(回収対象の電池パック))(H19/08/01)
【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/20070801b.html

◇サンウエーブ工業株式会社/東芝コンシューママーケティング株式会社/
 日立アプライアンス株式会社/富士工業株式会社/松下電器産業株式会社
 「小形キッチンユニット用電気こんろ」(無償改修)(H19/08/01)
【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/20070801.html

◇アイリスオーヤマ株式会社 「ペーパーシュレッダー」
 (無償部品交換(電源コード部分))(H19/07/31)
【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/20070731b.html

◇アイリスオーヤマ株式会社 「蓄圧式噴霧器」
(無償部品交換(ハンドル部分))(H19/07/31)
【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/20070731a.html

◇株式会社長府製作所 「石油ふろがま・追焚付石油給湯器」(無料点検)
 (H19/07/28)
【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/20070728b.html

◇株式会社ハーマンプロ(製造元)/株式会社ハーマン(販売元)
 「ガス給湯暖房機」(無償点検、遮熱板(温度ヒューズ付)の追加取付)
 (H19/07/27) 
【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/20070727b.html

◇株式会社セガ 「女児向けスニーカー」(商品回収、返金)(H19/07/27)
【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/20070727a.html

■━━━NITE社告・リコール情報のページ━━━━━━━━━━━━━■

 【過去1年間の社告】 http://www.nite.go.jp/jiko/index4.html
 【社告の検索】 http://www.jiko.nite.go.jp/php/shakoku/search/index.php

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            3.関係機関の製品安全情報
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  ◆◆◇ 消費生活用製品の重大製品事故に係る公表について ◇◆◆  

 経済産業省は、消費生活用製品安全法第35条第1項の規定に基づき報告の
あった重大製品事故について、以下のとおり公表しています。

 8/28 http://www.meti.go.jp/press/20070828001/20070828001.html
 8/24 http://www.meti.go.jp/press/20070824001/20070824001.html
 8/21 http://www.meti.go.jp/press/20070821003/20070821003.html
 8/17 http://www.meti.go.jp/press/20070817001/20070817001.html
 8/15 http://www.meti.go.jp/press/20070815003/20070815003.html
 8/14 http://www.meti.go.jp/press/20070814001/20070814001.html
 8/10 http://www.meti.go.jp/press/20070810004/20070810004.html
 8/ 7 http://www.meti.go.jp/press/20070807004/20070807004.html
 8/ 3 http://www.meti.go.jp/press/20070803008/20070803008.html

  ◆◆◇ 製品安全専門講座「製品安全技術者コース」を開講 ◇◆◆

 財団法人日本科学技術連盟では、製品安全に関わる技術者等を対象に、製品
事故の防止に有効な、リスクアセスメントを実践するための具体的方法論であ
るR-Map(リスクマップ)手法を習得する、製品安全専門講座「製品安全技術
者コース」(有料)を開催します。

 【日 程】2007年9月10日(月)・11日(火)
 【会 場】日科技連・東高円寺ビル(東京都杉並区)
 【問合せ】(財)日本科学技術連盟 事業部クオリティマネジメント一課
         TEL 03-5378-9850
         E-mail mailto:re-group@juse.or.jp

 【詳 細】プログラム、申込方法等は以下のアドレスをご参照ください。
      http://www.juse.or.jp/cgi-bin/seminar/form.cgi?code=13208

     ◆◆◇ R-Map実践研究会 特別講演会 ◇◆◆

 財団法人日本科学技術連盟では、「消費者から見た製品安全」をテーマに
消費者から見た企業の製品安全への取り組み、不祥事などの情報開示に対す
る要望、提言などについて、財団法人日本消費者協会 広報部部長の三浦佳
子氏による特別講演会(有料)を開催します。

 【日 時】2007年9月14日(金) 10:00~12:00
 【会 場】日科技連・東高円寺ビル(東京都杉並区)
 【問合せ】(財)日本科学技術連盟 事業部クオリティマネジメント一課
         TEL 03-5378-9850
         E-mail mailto:re-group@juse.or.jp

 【詳 細】プログラム、申込み方法等は以下のアドレスをご参照ください。
      http://www.juse.or.jp/reliability/study_Rmap_2.html

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             4.事故100選
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      第24回「洗面台キャビネットの扉が外れた事故」

◇平成12年、洗面台の上部に取り付けられたキャビネットの扉が外れる事故
 がありました。使用者がキャビネットの中央の扉を開けようとしたところ、
 外れて落下しそうになり、手で支えたとのこと。キャビネットは左側、中央、
 右側と扉が3つあり、鏡がそれぞれに付いて三面鏡になっていました。中央
 と右側の扉は右開き、左側の扉は左開きでした。鏡は両面テープで上下にあ
 るABS樹脂製のミラー押さえに接着されてあり、ミラー押さえの端部は、
 金属製のヒンジがネジ2本で固定されていました。

◇事故品を確認すると、破損箇所は中央扉の下部ミラー押さえのヒンジ取付部
 付近で、扉からヒンジが外れており、樹脂は「ぼろぼろ」と落ちる状態でし
 た。これは、洗剤等の影響が考えられます。また、左側扉の下部ミラー押さ
 えのヒンジ取付部付近にひび割れが発生しており、一部樹脂が落下していま
 した。中央扉の上部は、ヒンジが若干曲がっていましたが、扉とヒンジとは
 固定されており、樹脂にひび割れは発生していませんでした。

◇同等品を確認すると、左側扉と中央扉は、開閉によって下部のミラー押さえ
 の端が接触することが判明。接触するのは両方の扉を同時に約35度~67
 度開いたときで、片側の扉のみ開閉したときは接触しませんでした。扉間の
 距離は両方閉じた状態で3.5mmで、事故品については3.8mmでした。製造
 事業者によると、図面上では5mmであり、この距離が4mm以下になると開閉
 により接触し、製造上のばらつきで発生したとのこと。鏡の取付強度や扉の
 開閉試験等は実施しているが、扉間の距離や開閉による接触については、確
 認していなかったとのことでした。

◇以上のことから、中央扉と左側扉との間隔が狭く、開閉によりミラー押さえ
 の端部(ヒンジ取付側)どうしが接触していたところに、洗剤をつけてキャ
 ビネットを拭く等していたため、ミラー押さえのABS樹脂が劣化してひび
 割れを起こし、扉を開けた際の荷重に耐えきれず、破損したものと推定され
 ます。
 
◇製造事業者は、平成11年6月生産分より、ミラー押さえの樹脂を耐薬品性
 ABS樹脂に変更していました。更に今回の結果を受けて、平成12年12
 月生産分より、扉間の間隔を十分に確保するために隙間ゲージを使用して全
 数チェックすることとしました。また、手入れの際に、酸性、アルカリ性の
 洗剤と有機溶剤を使用しない旨の注意表示等を本体に表示し、取扱説明書の
 改訂を行いました。 

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              5.編集後記
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 先日、我が家の製品がリコール対象になっていました。部品交換になるとの
こと。通信販売で購入したので、通信販売の会社からもお知らせの封書が届き
ました。リコール対象は今回が初めてですが、やはりリコール製品が身近にあ
る可能性は少なくないと実感しました。

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 ◇事故情報の検索 
  NITEのHPでは、調査が終了した事故情報を検索できます。
  http://www.jiko.nite.go.jp/php/jiko/index.html

 ◇製品の事故情報をお寄せください
  NITEでは、暮らしの中で起こった製品の事故情報を集めて調査し、
 その結果を公表して製品事故の未然・再発防止に役立てています。
 
 【事故情報収集制度概要】 http://www.jiko.nite.go.jp/index2.html
 【通知様式】 http://www.jiko.nite.go.jp/index10.html(Word版・PDF版)
 【送付先】 mailto:jiko@nite.go.jp Fax 06-6946-7280
  【問い合わせ先】 mailto:jiko@nite.go.jp

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        【編集・発行】 独立行政法人製品評価技術基盤機構
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お問い合わせ

独立行政法人製品評価技術基盤機構 製品安全センター  製品安全広報課
TEL:06-6612-2066  FAX:06-6612-1617
住所:〒559-0034 大阪市住之江区南港北1-22-16 地図