Vol.46  4月 6日号「オーブントースターの事故」
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http://www.jiko.nite.go.jp/
===================2007.4.6 Vol. 46=====================
4月は就職や転勤でひとり暮らしを始める方も多いのではないでしょうか。
オーブントースターは手軽な調理器具として普及しています。今回は、オーブ
ントースターの事故をご紹介しています。NITEからのお知らせでは、最新
の製品事故情報の公表を始めることになりましたので、その旨をご案内してい
ます。また、平成18年度第3四半期報告をホームページにUPしました。
事故100選では、「自転車のフレームに亀裂が入った事故」の前編です。
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目次
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1.製品事故収集情報
・オーブントースターの事故
・消費生活用製品の事故情報収集状況(3月22日~4月4日受付206件)
2.社告・リコール情報(16件)
3.NITEからのお知らせ
・最新の製品事故情報の公表について
・事故情報収集制度における事故情報の調査結果及び収集状況について
(平成18年度第3四半期)公表
4.関係機関の製品安全情報
・製品安全啓発緊急シンポジウム「つくる安全 つかう安全」
講演資料の配布(平成19年3月23日開催) 経済産業省
・公開講座「安全学概論-暮らしの中の安全を考える」
明治大学リバティ・アカデミー
5.事故100選
第16回「自転車のフレームに亀裂が入った事故」(前編)
6.編集後記
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1.製品事故収集情報
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◆◆◇ オーブントースターの事故 ◇◆◆
◇今回は、消費者の不注意や誤使用によるオーブントースターの事故事例をご
紹介いたします。
・台所から出火し、オーブントースターと食器棚の一部を焼きました。
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→オーブントースターの焼き網の上に直接、魚を置いて使用したため、
魚の脂が下のヒーターに垂れ落ちて発火し、庫内の受け皿に堆積し
ていたくず等に燃え移って火災に至ったと推定されます。
・冷凍グラタンを鉄板に載せ、約10分の設定で加熱していたところ、
オーブントースターから天井まで炎が上がり、オーブントースター
とその周辺を焼損しました。
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→オーブントースターの底板には、腐食によると思われる穴が開いて
いました。このことから、ヒーターの熱がオーブントースターを置
いていた木製の台を直接加熱し、台か付近の可燃物から発火したも
のと推定されます。なお、穴あきの原因は、庫内底にたまった調理
中に出た油やくず等を清掃しないで、長期間使用したためと推定さ
れます。
・オーブントースター付近から出火し、台所やリビングを焼きました。
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→オーブントースターに食パンを入れて加熱しているのを忘れ、その
場を離れている間に、オーブントースターの下に敷いていた新聞紙
に着火して延焼したと推定されます。
◇オーブントースターで油の出る食材(魚、揚げ物など)を調理するときは、
油が庫内に落ちないよう受け皿を使用しないと、発火の原因になります。胡
麻を加熱していて発火した事例もあります。パンくずなどの調理くずもマメ
な掃除が必要です。オーブントースターの下に新聞紙を敷いていた事例のよ
うに、オーブントースターに直接接触していなくても、何かの拍子に接触し
たり、輻射熱で発火する可能性もあります。取扱説明書にある注意事項を守
ってご使用ください。
◆◆◇ 消費生活用製品の事故情報収集状況 ◇◆◆
(3月22日~4月4日受付206件)
NITEに通知のあった事故の傾向を見るために、上記期間内で、収集件数
の多い5製品を掲載しています。なお、事故原因については現在調査中です。
製品名(事故状況と件数) [前号比(件数±)]
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1.電気ストーブ (火災等 39件)[+28]
2.電気玩具(ゲーム機) (発煙等 10件)[+21]
3.ガスこんろ (火災等 18件)[+ 8]
4.ガス給湯器 (火災等 11件)[+10]
5.ストーブ(*1) (火災 8件)[+ 4]
.石油給湯器 (火災 8件)[+ 6]
(*1) ガスや電気などの種別が判明していないもの。
◇今回は、社告がなされている電気ストーブの事故が、昨年以前に起きたもの
も含めて報告がありましたので、電気ストーブの件数が多くなっています。
事故内容は、発煙や本体の焼損などでした。2番目に件数が多い電気玩具も
社告がなされているもので、使用中に発煙したり、ケーブルが溶解したり、
発熱して使用者が軽度の火傷を負ったりした事故が報告されています。
4、5番目のガス給湯器、石油給湯器は、出火や不完全燃焼などです。
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2.社告・リコール情報
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◇株式会社トーカイ「コンパクトハンドドライヤー(手指温風乾燥機)の交換
について」(H19/03/30)
詳細はこちらからご覧ください→ http://www.nite.go.jp/jiko/index4.html
◇株式会社バッファロー「スイッチングハブ」(無償でACアダプタ交換)
(H19/04/04)
【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/20070404.html
◇ベネリック株式会社「トレーナー」(製品回収)(H19/03/29)
【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/20070329c.html
◇ヨネックス株式会社「バドミントンシューズ」(無償回収・交換)
(H19/03/29)
【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/20070329a.html
◇株式会社デンソー「遠赤外線ヒーター」
(製品回収(一台2万円で引き取り))(H19/03/28)
【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/20070328.html
◇東芝コンシューママーケティング株式会社「全自動洗濯機/二槽式洗濯機」
(注意喚起)(H19/03/27)
【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/20070327.html
◇ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社/
ブエナビスタインターナショナルジャパン/株式会社ユウロード「玩具」
(販売一時中止、商品回収)(H19/03/24)
【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/20070324b.html
◇YKK AP株式会社「フラワーボックス(花台)」(製品回収)
(H19/03/24)
【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/20070324a.html
◇株式会社ドウシシャ「山形あんか」(製品回収)(H19/03/17)
【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/20070317.html
◇シャープ株式会社「小形全自動洗濯機(再々社告)、二槽式洗濯機」
(無料点検・修理)(H19/03/16)
【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/20070316b.html
◇株式会社フジマック「ハロゲンヒーター」(製品回収)(H19/03/16)
【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/20070316a.html
◇三菱電機株式会社「電気式浴室換気乾燥暖房機(再度のお知らせ)」
(使用中止と点検)(H19/03/13)
【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/20070313.html
◇株式会社ファミリア「陶器すりおろし器」(製品回収)(H19/03/08)
【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/20070308c.html
◇キヤノン株式会社/キヤノンマーケティングジャパン株式会社/株式会社
リコー/ソニー株式会社「複写機」(無償点検・発生防止措置)
(H19/03/08)
【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/20070308b.html
◇キヤノン株式会社/キヤノンマーケティングジャパン株式会社 「複写機」
(無償点検・発生防止措置)(H19/03/08)
【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/20070308a.html
◇日本ビクター株式会社「液晶テレビ」(無料点検・修理)(H19/03/07)
【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/20070307.html
■━━━NITE社告・リコール情報のページ━━━━━━━━━━━━━■
【過去1年間の社告】 http://www.nite.go.jp/jiko/index4.html
【社告の検索】 http://www.jiko.nite.go.jp/php/shakoku/search/index.php
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3.NITEからのお知らせ
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◆◆◇ 最新の製品事故情報の公表について ◇◆◆
近年製品事故情報の増加やこれら情報に対する関心の高まりを受け、最新情
報の速やかな公表が求められるようになってきています。NITEにおいても、
国民の安全・安心を図る観点から製品事故情報の速やかな公表が必要と判断し、
最新の製品事故情報の公表を行うことになりました。平成19年4月1日受付
分より、最近1週間に受付した事故情報について毎週月曜日にホームページで
公表します。4月9日(月)から開始しますので、ご覧ください。
◆◆◇ 事故情報収集制度における事故情報の調査結果及び ◇◆◆
収集状況について(平成18年度第3四半期)公表
平成18年度第3四半期(平成18年10月~12月)において、NITE
が事故情報に関し、調査、確認、評価を行った上で、専門家により構成される
事故動向等解析専門委員会による審議を経た結果及びNITEが収集した事故
情報の収集状況について取りまとめ、公表しました。
◇事故情報調査結果
平成18年度第3四半期中に事故原因等の調査が終了し、事故動向等解
析専門委員会の審議を終えたものは479件でした。そのうち、製品に起
因する事故は167件です。
◇事故情報収集状況
平成18年度第3四半期中に収集した製品事故の情報は1027件(重
複を除く)でした。
・上位3製品区分
1. 燃焼器具 436件
2. 家庭用電気製品 348件
3. 身のまわり品 117件
・被害状況
人的被害の発生した事故情報:332件
(内訳 死亡事故86件、重傷事故51件 軽傷事故195件)
人的被害のない、火災等の拡大被害:416件
【詳細】 http://www.jiko.nite.go.jp/index9.html
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4.関係機関の製品安全情報
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◆◆◇ 製品安全啓発緊急シンポジウム ◇◆◆
「つくる安全 つかう安全」講演資料の配布
経済産業省は、去る平成19年3月23日に開催された「製品安全啓発緊急
シンポジウム」の講演資料をホームページで配布しています。
【詳細】 http://www.meti.go.jp/policy/consumer/seian/index.htm
◆◆◇ 明治大学リバティアカデミー公開講座 ◇◆◆
「安全学概論-暮らしの中の安全を考える」(有料)
明治大学リバティ・アカデミーでは、消費生活用品事故の多発を受け、誤使
用防止や、ヒューマンエラーの本質など、工学以外の要因にも焦点をあてた
「安全学」に関する公開講座(有料)を開催します。
◇講座日程
4月14日 第1講 安全学の構造
第2講 安全とリスクの概念
4月21日 第3講 「誤使用」と製品安全
第4講 ヒューマンエラーとユーザビリティ
4月28日 第5講 リスクコミュニケーション
第6講 暮らしの中の安全-化学物質の安全を例にして
5月12日 第7講 企業のCSRと安全
第8講 ディスカッション
◇日 時
土曜日 13:00~16:10 4日間(全8回)
◇会 場
明治大学秋葉原サテライトキャンパス(秋葉原ダイビル6階)
◇問い合わせ
TEL:03-3296-4423 Email:academy@mics.meiji.ac.jp
【詳細】 http://academy.meiji.jp/ccs/index.html
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5.事故100選
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NITEや試験研究機関が事故原因究明をした事例に、その事故原因が安全
な製品の設計などの参考となる事例が多数存在します。これらの事例を風化さ
せてはならないと考え、当時の状況を事故100選としてご紹介しています。
第16回「自転車のフレームに亀裂が入った事故」(前編)
◇「自転車のフレームに亀裂が入って折れそうになっているのに気づいた」と
通知がありました。自転車は、約9ヶ月前に購入した26インチの一般用で、
普段、通学で使用されていました。保管場所は自宅、通学先ともに屋根付き
の場所で、駐輪中に転倒したことはあるが、それ以外に特に衝撃を与えたこ
とはないとのこと。使用者の体重は約60kgでした。
◇事故品を確認すると、亀裂が入っていたのは下パイプのヘッドパイプ寄りで
した(下記リンク 資料図1、2参照)。亀裂は、パイプの下側から上方に
拡がるように進行し、一部を残してパイプを一周する状態になっていました。
下側にある亀裂部分は、下パイプとヘッドパイプの溶接ビート(*1)付近にあ
りました。フレームのその他の箇所に亀裂や変形はなく、車輪や前ホークに
も変形等の異常はありませんでした。
(*1) 溶加材が溶融し固まった部分(図2参照)
◇事故品と同等品の溶接部を確認すると、事故品の溶接部下側には、アンダー
カット(*2)とピット(*3)と呼ばれる溶接不良が認められ、亀裂がその部分に
生じていました。また、亀裂がある部分とは別の溶接部にひび割れ(図2参
照)が確認できました。同等品にも、事故品と同様にアンダーカットとピッ
トが認められました。
(*2) ビート形状不良のひとつ。溶接時のアークによってビート周辺部の
母材が掘り下げられてできた溝のことで、強度低下の原因になる。
(*3) 内部欠陥のひとつ。ガス成分によりビードの表面に達した気孔のこ
とで、強度低下の原因になる。
◇アンダーカット、ピットの溶接不良により亀裂が生じたのか調べるため、事
故品の破面観察をしました。しかし、亀裂の進行を確認したところ、破壊起
点に溶接不良は認められませんでした。溶接部の強度が不足していたことを
考え、同等品を用いてフレーム強度についての試験(JIS D 9401自転車用フ
レームを適用、振動試験、荷重落下衝撃試験、耐前倒し衝撃試験)を行った
ところ、いずれの結果も、溶接部や各部に亀裂や破損、著しい変形やゆがみ
は生じませんでした。アンダーカット、ピットの溶接不良以外に何か原因が
あったのでしょうか。
(資料) http://www.nite.go.jp/jiko/psm/psm_vol46_040602.html
(後編に続く)
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6.編集後記
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前号の編集後記でご紹介しました、経済産業省の4月10日開催の製品安全
点検日セミナー、やはり配信前に定員に達し受付が終了になりました。PSマ
ガジンの読者の方で、申し込まれた方はいらっしゃいますでしょうか。経済産
業省のホームページにプログラムがアップされていますので、参考にご案内い
たします。→ http://www.meti.go.jp/press/20070402002/20070402002.html
PSマガジン「関係機関の製品安全情報」欄では、製品安全に関連した情報
を掲載しています。製品安全に係るセミナー開催など、掲載のご希望がありま
したら、以下のメールアドレスまでご連絡ください。誌面の都合上、掲載でき
ない場合もありますが、ご相談いただければと存じます。
mailto:ps@nite.go.jp
・・・‥‥…………………………………………………………………‥‥・・・
◇事故情報の検索
NITEのHPでは、調査が終了した事故情報を検索できます。
http://www.jiko.nite.go.jp/php/jiko/index.html
◇製品の事故情報をお寄せください
NITEでは、暮らしの中で起こった製品の事故情報を集めて調査し、
その結果を公表して製品事故の未然・再発防止に役立てています。
【事故情報収集制度概要】 http://www.jiko.nite.go.jp/index2.html
【通知様式】 http://www.jiko.nite.go.jp/index10.html(Word版・PDF版)
【送付先】 mailto:jiko@nite.go.jp Fax 06-6946-7280
【問い合わせ先】 mailto:jiko@nite.go.jp
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【編集・発行】 独立行政法人製品評価技術基盤機構
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独立行政法人製品評価技術基盤機構 製品安全センター
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